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★★ << 2つの掲示板のご案内 >> ★★

◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。

(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)

なお「MY DEAR掲示板」では、新規ご参加の際に、ペンネームとメルアドの届け出が必ず必要です。
これは掲示板内の安全を守るため、管理人に限って把握させて頂くものです(他へは一切出しません)
新規ご参加の際は、ページ一番下の「お問い合わせ」フォームから、必ず届け出をお願い致します。


◆初めて詩を書く方や、おっかなびっくり詩を書いてみようかなあーという方、
「MY DEAR掲示板」ではハードルが高すぎるよと感じる方には、別途、

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をご用意しております。(上記リンクから飛んで下さい)
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なんら気にするところなく、いつでも詩を書き込んで頂けます。
誰でも、どんな人でも、気軽に詩に親しんでもらうための掲示板です。学生さん、小中学生の方も歓迎です。
投稿された詩については、詩を読んだ感想を、レギュラーメンバーの誰かが、手短なコメント(5行程度)で返してくれます。

どうぞご希望に応じて、各掲示板をご利用下さい!!!

編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

在りし日の君の、名はテロル。  佐々木礫

「もうすぐ全部終わるから、モラトリアムなんていらないよ」
そう言った君の心臓は、モラルで首を取り合う透明な世界に、赤いインクを一滴垂らした。
呼吸の混じった石ころみたいで、こんな半端な命なら掻き消えた方が美しい。なんて、何度同じ結論に辿り着いたことか。
にじり寄る陰に怒号を打って、「まだ少し生きなきゃならないな」って、笑う君の顔が見えなかった。
もう誰も、「俺は屑だ」と卑下した時に、蒼白な顔で「そうだね」と都合よく言ってくれない。
その事実は、底なしの虚しさを俺に与えるが、君の元へ行く想像力は、うすら寒い夜にすら湧かない。

夏の日差しに記憶が死んでも、秋の紅葉思い出す。冬の風当たりが突き刺さっても、また春を待ち眠りにつく。
そうやって生きることを拒んだ君は、大人にはなれなかった。
君は渇く記憶に自分の血を与え、凍える心を自分の身体で覆い隠した。
ガラスに張る霜が浸食したような君の言葉は、俺の心を傷つけ、膿を洗い出した。
今ある尊い何もかも、流された始末に、残るは惨めで孤独な未来。その未来を生きる俺が酒と煙草で誤魔化しているそれを、君は生前、「絶望」と呼んだ。
そして、君は自分が抱いた絶望を、君もろとも捻り潰した。
その美しい去り際に、部外者の俺は途方に暮れた。
それ以上深く考えることもなく、俺は、遠くに聞こえた君の絶叫を、思春期の痛みのせいにした。
言ってはいけない「ずるい」が、喉に張り付いた。
君の絶望から逃げた先で、君が貫いた孤独と過ちに敬意を払うと共に、君の絶望が怒りへ転化し、破壊へと繋がることで君が生き延びるなら、どれだけ良かっただろうと思う。
俺は君に刻まれた傷を撫ぜては、君がその鋭利さを以て世界を癒す高名なテロリストたる世界を、思い描く。

***

テロル。この世で最も美しい孤独。
高空に聳える塔の呻きに涙を流し、
火薬の束に着火した。
在りし日の君の、名はテロル。

真理の名の下、
弾ける自尊の爆片は、
正義と乱心のcomplex。
爆炎は熱く柔らかに、
心地よい風を人々に届けた。

そして見よ!
瓦礫と化した街の中、
かつて涙したテロルの赤子を、
嘲笑っていた人々の棒立ち姿。

彼らは野山の獣たち。
人は狩りして糧とする。
増えた狼は間引きする。

その狩人の、名はテロル。
深い萬緑の山中にて、
世の破壊者を狙い撃つ。
願わくばその病根を、
悪の中枢を破壊せん。

テロルの正義は乱心にあり。
その過ちは詩的な銃弾、
その孤独こそ、至高の銃身。

在りし日の君の、名はテロル。
その欺瞞こそ、尊き慈愛。
その呵責こそ、永遠の美学。

編集・削除(編集済: 2025年11月18日 12:02)

死者の息吹  ゆづは

静寂に支配されたその地に
石の道を行く影たち
足音さえ 風に溶けて消える

灰色の空が重く垂れ込め
光を失った街の隅々で
墓標が並ぶ 
その先に眠る者たちの 
幽かな声が響く

生者の足が届かぬ地
過ぎし時の流れは
冷たく凍りつき
それでも 彼らの記憶は
消えることなく残り続ける
深い闇に 刻まれたまま

墓石の間を彷徨う風は
黄泉の扉を静かに開き
遠い昔の歌を運ぶ
それは死者たちの 無言の祈り

ここは眠れる者たちが見守る街
生きる者よ 忘れるなかれ
その名は 永遠に刻まれし

死を超え 時を超えて
なお語り継がれしこの地に
闇と光が交わるその刹那
死者の息吹が
新たなる命を ひそかに呼ぶ──

編集・削除(未編集)

無  静間安夫

たとえば
純白の雪原に残された
小動物の足跡

たとえば
月のない夜
山間に浮かぶ
一軒家のともしび

たとえば
静寂の中
はるか遠くから聞こえてくる
渡り鳥の啼く声

小さな足跡も
孤独なともしびも
彼方からの声も
特別な背景なくしては
決して気づくことはない

そう、
真っ白な平原の上でこそ
漆黒の闇の中でこそ
深い静寂に包まれてこそ
それらの「存在」を
認識できるのだ

いや、
もしかしたら
「存在」とは
こうした広大な「無」に
飲み込まれまい、と
必死に抗うときに
はじめて
露わになるのかもしれない

「死」に抗う
「生命」のように

「時間」の腐食に抗う
「美」のように

だから
真実の「ことば」も
虚無の深淵にこそ
存在するのかもしれない

古来
多くの詩人たちが
窮乏と危機に直面しながらも
同胞を励ます詩句を
生み出すことができたのは
決して偶然ではない

編集・削除(編集済: 2025年11月18日 10:16)

しゅじんこう  相野零次

さあ、これからものがたりがはじまる
どんなものがたりかって?
さあ、それをこれからかんがえるところから
ものがたりがはじまる

しゅじんこうはどんな人? 
おとこのこ? おんなのこ?
どんなしごとをしているのかな?

とりあえずそこにいた男は帽子売りだった
いろとりどりで形もさまざまな
帽子を売るのがその男の仕事で、
しかしその男はしゅじんこうではなかった

その帽子売りの男の命を狙う男がいた
一流の殺し屋で吹き矢を使うのが殺しのやり方だった。
しかしその男もしゅじんこうではなかった。

しゅじんこうに恋をする女がいた。
その女はしゅじんこうのことを何一つ知らなかった。
なのになぜしゅじんこうに恋をしているのか?
「わからないわ、だってヒロインは私だもの」

唐突にヒロインがあらわれたが、
やはりしゅじんこうはどこにもいなかった。
そしてある日しゅじんこうは殺された
あの殺し屋の吹き矢によって殺されたのであった。

しゅじんこうは殺されてもしゅじんこうだった。
しゅじんこうが殺されたので、この物語は終る。
ついに最後までしゅじんこうが何者かわからなかった。
それでも物語は終った。皮肉にも。

編集・削除(未編集)

★★お知らせ★★  島 秀生

MY DEAR 357号の発行につきましては、私の事情により、1日遅れの発行を予定しておりましたが、
編集後記をのぞきメドが立ちましたので、発行は当初予定どおりの11/17発行とし、
(いつも一番後回しにしてる)編集後記のみを、11/18の差し替えとさせて頂くことに致しました。

今回、変則的な発行となりますが、何卒ご諒承下さい。
誠に申し訳ありません。

編集・削除(未編集)

問い   晶子

たぶんその時は昼食前で
学生だった私の眠気も大人しくしていたのだろう
生命科学の講義の最後に
髪をコンパクトにまとめた教授が言った
「生物の定義とはなんですか?」
空気が必要なこと
程よい温度や圧力があること
他の生物を食べること
学生たちは次々に答えて言ったが
どれも例外のような生物たちが紹介されて定義は成り立たなかった
「私にもわからないのですよ」
そう言うと教授は
「誰かわかった人がいたら教えてくださいね」
と講義室を出て行った
それから私の頭の後ろの方にその問いは常にあって
同時に
それじゃ私たち人間の定義とはなんだろうと思うようになった

それから時が流れて
私の苗字が変わった頃に
動的平衡という言葉が
生物の定義になりうるのでないかと
一応の答えを得て
もう一つの問いが残った

朝が来て夜が来て
その繰り返しのうちに
夜明けを待ち侘びる悲しいことや
夜更けを恐れる恐ろしいことや
眠いなぁと目を擦る穏やかな朝や
幸せを感じる夜があるうちに
底が抜けたような残忍な事件を
食器を洗いながら思い出して
あっ、と気付いた

人が全てのものに名前をつけるように
定義するのも人間だ
人がどこから来てどこへ行くのかという問いがそのまま答えのように
人間が定義する人間の定義
そこから外したい者を人でなしと呼んでみたりするけれど
そう呼ばれる者でさえ
定義する者なのだから
否応なしに付け加えられた定義に
激しく怒りが湧くのだ
私のすること全てが
あなたのすること全てが
人間の定義を決めていく
だから私は私に問う
私は同種を殺めますか?
そしてあなたに問う
あなたは同種を殺めますか?

編集・削除(編集済: 2025年11月16日 01:43)

いつかの星 多年音

痛いの痛いの飛んでけと
空に飛ばしていいのだろうか
痛みが誰かに落っこちて
入ってしまったりしないだろうか

ジャングルジムの下で
片膝を抱えて少年は思う

人に当たらなければいんじゃないか?
そんなに狙いをつけて飛ばせるのか?
分からない
雨に裂かれて分裂するんじゃないか?
大きさが増して帰ってくるんじゃないか?
分からない
不思議に答えはない
そんななぞなぞに
ズバッと閃ける程の齢でもなく
ただ時間が過ぎて

公園にいるのも自分一人になった頃
少年を頭の世界から引き戻したのは
冷たい風だった
少年は気づく
それは砂漠の風だと
霜を越え海を経てきたのだと

近くじゃなくて
遠くへ飛ばせば
そのうち冷たくなるだろう
だから少年は高く高く飛ばした

空に浮かぶ少年の痛みは
今日も綺麗な色に見える

編集・削除(未編集)

アフター・ライフ  上原有栖

スポットライト照らす舞台の中央で 
姿勢を正して深々とお辞儀をした
見知った顔ばかりが並ぶ観客たちの
スタンディングオベーションは鳴り止まない
たった今 終幕のベルが響き渡り
人生の幕が降ろされた

重みのあるベルベット生地の緞帳が
天井から音も無くスルスルと滑り落ちてくる
此方(こちら)側と彼方(あちら)側に線が引かれ
各々が名残惜しむ姿が隠れてしまう
それでも耳には延々と続いている拍手の音と
よくやった そんな労いの言葉が聞こえていた

折り曲げた腰はそのままで
視線は床模様の木目を見つめている
ここまでの生き様は如何だったか
後悔や心残りは無かったか
顔を伏せたまま今までを振り返った

頭の中で途切れ途切れに流れる映像
これが走馬灯というものなのかもしれない
完璧では無かったかもしれない
けれども 満足のいく人生だった

もうすぐ退場の時間が迫っている
ずっと前に同じように去っていった顔なじみたち
彼らと同じところに行けるのだろうか
顔を上げて舞台袖へ歩を進めた

スポットライトが一つだけ照らす空間を
少女が舞台袖から見つめている
ステージに立つのはひとりの老人
全ての仕事を終えた主役は
床をきしませてこちらに向かって歩いてくる
彼女は手を差し出した
相手はその手を優しく受け取った

***暗転***
(さあ「次」の演目の準備に取り掛かりましょう)
*********

電球色の照明が部屋を照らしている
暫しの眠りについた舞台と観覧席
演目が終わった
観客は退場した
主役も去った
そして 誰もいなくなった
それぞれの人生の後にはきっと「次」がある
(カチッ)
どこかで照明のスイッチが消される音がした

編集・削除(未編集)

何のかけらもない街  荒木章太郎

品性のかけらもない街に生まれ
知性のかけらもない街に育った

誠実さは能力であると、
優しさは技術であると、
薙刀の祖母は教えてくれた。

生き抜くためには愛が武器になると、
花を売る君が教えてくれた。

心はあとからついてくると、
歯車を回す父は言った。

目に見えるものを疑え。
目に見えぬものを信じろ。
神経質な母はそう呟いた。

夜になれば百鬼夜行。
飲んだくれの遠吠えが響き、
撃たれた母鹿の子が哭いている。

子持ちの鹿を撃ってはいけない——
約束を守れない友達が、
それだけは知っていた。

時代が進み、
象徴的に手が震え、
抽象の中で右目を失い、
物語の中で右足を失った。

欲望に取り憑かれたあとの酬いだと、
心理学をかじった嘘つきの学生は笑う。

遺伝かもしれない、と
医者だった祖父は糖尿病の話をした。

燃えるごみと燃やせないごみの
分別すらできない街。
みんな、永遠ばかり探していた。

不老不死を求め、
さようならの仕方を知らない人々が
街を満たしていた。
血眼で何かを追い回していた。

牧師の兄は、何事もひとのせいにするな、と
教えてくれた。

だから僕は、安息日に留まることにした。
不完全であることを祝福し、
終わりあることを賛美しながら。

赤ワインとチーズのひととき、
君と別れを惜しむ幸福。

絶望の淵にも、
祈りだけは残っていた。

人間になるには
悪い街ではなかった。

編集・削除(未編集)

瞳のブルーライト  松本福広

瞳に吸い込まれて。
瞳みつめて。
瞳を見ないのはきっとキスする時だけ……

待ち合わせに向かう電車の中、ネット発信のライトな恋愛小説を読んでいた。瞳の描写が多くそんな感想をもった。
電車の中は適度に空いている。誰もが車窓越しの日差しを浴びながらシートに静かに座っている。
家族連れもいるけれど、座席から車窓を眺めて看板の字を読み上げるような子どもはいない。親から渡されたスマホのゲームに夢中だ。
周りの人もうつむき加減。ニュースサイトなどを見たりしているのかもしれない。職場の休憩所に似ている。

電車から降りれば、子どもも、性別も、年齢も関係なくうつむき加減に歩く。
周囲を見ず操作するスマホをいじる人もいる。
前を歩く人にぶつかるギリギリになり慌てて避ける。待っている私もうつむいている。
相手が来て手を振る。笑顔。チャットアプリで他愛ない話もするけど、久しぶりに会う気持ちになる。

SNSで投稿が流行った喫茶店に着き、座席に案内される私たち。おもむろに2人してスマホをいじり始める。料理と店内をSNSに投稿する。
それから……お互いへの愚痴。
一週間の操作時間が表示される。
私たちの顔を見合わせての時間はどのくらい?
それを教えてくれる機能はないみたい。


整体師の彼が話し始める。最近、腰痛の訴えの人が増えているらしい。それと同時にスマホ首の人も。
人間を重たい頭を支える首から臀部へ繋がる脊椎を守るためにも同じ姿勢を長時間維持するのもよくないらしい。そんな話をされた。
これは役立ちそうだとSNSに発信する。今日も頑張って魅力ある発信を心がける。誰かに見てもらいたくて。誰もが発信できるようになったからこそ、一定ペースの発信が必要なのだと私は発信のネタをアンテナを張る。

彼の愚痴が始まった。
整体師にとっては色んな人がいて話題を合わせるのも大変なのが悩みの一つでね。
色んなジャンルが分化していくから尚更だ。スマホで手軽にチェックできるけどさ。
彼も首をさすっていたことを私は知らない。積極的に首を痛める私たち。
知見は広くなるどころか狭くなっていく。


インスタントな情報の取捨選択
深めていくと同時に広がる世界を知らない。
先ほどの小説が頭によぎる。
瞳の奥に広がる世界
小さな瞳に、眼前を映す人間のレンズ
私は写っておらず
反応がなかった私ではなく
スマホをいじり始めた彼氏。
私たちすれ違っている。

誰かにぶつかりそうになって。

顔を見合わせた会話をしないで。

連絡ツールとして便利過ぎるから
休日に職場からの連絡に使われて。

電源がオフになることなく
切り替えられない画面と気持ち。
そんな常ならぬ努力を重ねて

首や眼精疲労を訴える。
そして
お互いにスマホをを見る時間を
伸ばしたがるように声だけ発信する。

だからと言って、やめられない。

誰もがうつむいた軸をもっている。

歪な背骨
、歪な構造

分かりつつも

誰もが、誰かに見てもらいたいから

刺激的な画面内の深みにはまっていく。

後日、彼氏と別れた。
お互いの言い分は
「自分が見られていないから」
「自分がいなくて、いい気がしたから」
ということだった。
やがて、彼の顔も消えていく。

編集・削除(編集済: 2025年11月15日 08:57)
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