◆ここは「MY DEAR投稿掲示板」です。
詩に意欲的に取り組みたい方や、詩をある程度の期間書いておられる方、
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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
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「同じ時間の中で」を詳細に分析していただきありがとうございます
群れのなかにいても、抜け出しても、どちらにしても不満は残るということを描きたかったのですが、もう少し別の描き方のほうがよかったかもしれません
おまけということですが、秀作という評価をいただけて嬉しく思います
〇めだか
ベランダに置いたポリバケツに
西陽があたる。
沸騰をさせないように、
たまにうちわで扇いであげる。
もう夏だから
ホテイアオイに卵を産みつけ、
孵化した稚魚に食らいつく。
青春だなあ
オレンジ色の太陽が大きくなる。
一息ついて、うちわで涼む。
蚊取り線香の煙がゆらゆら揺れる。
私はあしたをさがす。
〇流れる雲を数えに
美術館へ行きましょう。
美しい絵画を愛でに。
コンサート会場へ行きましょう。
流れる旋律に身を委ねに。
博物館へ行きましょう。
知的好奇心を深めに。
図書館へ行きましょう。
背表紙を眺めに。
動物園へ行きましょう。
親子連れに溜め息を。
映画館に行ったなら、
闇の中で目を瞑る。
校庭へは行きたくない。
独りぼっちでしゃがみ込む。
屋上へ行くしかない。
ゆるりと流れる雲を数えに。
通勤路
駅でエスカレーターに乗る
上に昇っていく
出口近く
無意識にハンドレールを離す
最初に戻っている
エスカレーターに乗っている
やや混乱
気のせいだろう
前を向く、意識を集中する
出口近く
無意識にハンドレールを離す
最初に戻っている
やはり、繰り返している
いいだろう
左側に移り
階段を一つずつ昇っていく
最初に戻っている
エスカレーターは
上り続けている
無言のまま
白いYシャツに黒のスラックスの
前の人の服を触る
そのまま出口へ
前の人ごと最初の位置へ
服を触られる感覚に
前の人も
パニックになっている
変だ
後ろを振り返る
全員
自分が振り返っている
深呼吸
落ち着いて
ハンドレールを掴む
前の人に話しかける
すいません
白いYシャツに黒のスラックスの
全員が
前の人に話しかけている
一つ、判明した
このエスカレーターに乗っている
全員、自分らしい
どうすれば
ループを止められるのか
わからない
目を閉じて
幼い頃
祖父に教わった呪文を
唱える
寿限無、寿限無、五劫のすり切れ
ポンポコリーの長久命の長助
全ての私は
一つに戻れ
遠くで雷鳴がする
間違えた
✳
何ごともなかったように
エスカレーターを出る
白いYシャツに黒のスラックスの
私が
次々とホームへと向かう
ターミナル駅
全てのホームに
溢れかえっている
✳
駅の外では
巨大化した
白いYシャツに黒のスラックスの
私たちが
立っている
ホームを覗いている
島様 いつも拙作を丁寧に読んでいただき、誠にありがとうござます。ご指摘にもあった「海亀が聞ききと鳴く」というシーンが、浮かんできて、そこに向かって言葉を運んでいきたかったというのが今回です。事実ベースは全く知らず、海亀が鳴かないということもご指摘で初めて知ったのですが、わたくし的にはどうしてもキキキと鳴く海亀が見えてしまったことが結局は作品の中心となりました。重ねてありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
どこのだれが話していたか
ここではない世界の昔話
四方を巨大な神様たちが支えていた世界
長い足で地面をふみしめ
逞しい腕で天をおしあげた
どんな顔をしてらっしゃるのか
みしるしは雲よりはるか上に在って
だれも見たことは無いのだった
やがて永い冬がやって来た
世界は前よりもだいぶ白くなり
特に北方は氷に覆われてしまった
司る神様は寒さに震えていた
踏ん張る足もとは霜柱であかぎれ
伸ばした手のひらは雪でしもやけ
しだいに支える腕にも力が入らなくなってきた
うーん うーん もうだめだ
とうとう北方の神様は
堪えきれず片膝をついてしまったと
天をおさえるバランスが崩れてしまい
気がついた三方の空から声がする
だいじょうぶ しばらく休んだらまた立つぞ
北方の神様は答えたものの
寒さで身体がこわばって
動きたいのに動けない
次第に地面についた膝が
凍りだしてしまった
それから
北の方角からの声は途切れてしまった
他の神様たちもそれぞれ動けず
そのまま今まで時間が流れていったとさ
北の国へ行ってみるといい
夜空に輝く星がはっきりと見えるだろうさ
あれは神様の大きなお顔が
私たちの見えるところまで近づいているんだ
寒くて空気が澄んでるからね
みしるしが拝めるんだよ
むかしむかしから
この世界の四方を支える神様たち
今ではほとんど━━━忘れられてしまった
ただ北方を司る一柱をのぞいて
その名前は
『うるてぃま・とぅーれ』
最北の地に佇む神
灯りを吹き消すように
あんなに騒がしかった夏が
寝返りの隙間を通りすぎてゆく
ハンガーに無造作に掛けた
小花柄のブラウスが
鏡の前でくたびれている
青白く光る画面に
向けていた視線はもう
考えることをやめて
暗い階段のステップを
一歩 一歩踏みしめるたび
足の裏から
昼の記憶が剥がれてゆく
部屋の隅で
昼間の顔は霞み
閉じた瞼の裏に
幽かな青い名残りがひび割れる
鍵をかけたドアの向こうで
今日という日は
ひそやかに熱を失って
明日の予定だけが
デジタル時計の数字となって
枕元に降り積もってゆく
街行く人達を横目で流しながら
胸に少しの重りを塗り込められた感覚を
ざわつく気持ちも寂しさも
夢見るラムネで誤魔化すの
ラムネが溶ける…
夢を見る
青い世界に流される
あたしは今、どこにいくの?
いつも同じものを探すの
あたしが駄々を捏ねても怒らない人
優しく頭を撫でてくれる掌
いつも探しているの空っぽなの
埋められない暗黒を
夢を見るラムネで誤魔化すの
ラムネが溶ける…
光を見る
青い星が流れてく
誰かあたしの手を引いて?
大人になったあたしは
紫煙を燻らせ思い出す…
冷たい流浪の日々が
煙に乗って空へ流れてく…
ここは温かいの
大きな手があたしを掴んでるから
あたしは今、生きてくの…
もうラムネは要らないの
深い茂みのなかで 朝を迎え
雲間から注がれる陽気を浴びれば
危うい青信号
小刻みに震える膝を
寸刻 惜しんで 抱えたら
ただちに
酷く 心地悪い
役務の支度を開始せよ!
時の操る風を遮ったのは
ボタンダウン
──── 通し忘れて雑踏で憂う
湖上の小舟では
浮遊の静寂が 悠長に 語られている
天から降《くだ》った薄黄のベールの向こうで
古傷のような遣る瀬なさが律動し出して
次第に激しくなる
* * *
キツネの頭上で煌めくのは
精霊が落とした黄金《こがね》の被り物
超然とした喧騒にあっても
瞭然として表される福音の奥義に
およそ二千年前
戦慄した!
(が
つい70年ほど前まで
断続的に 見失っていた)
「秘密があるなら 今ここで 明かしてちょうだい」
野蛮なキツネは どことなく 不安げな顔付きで 詰め寄る
所業は見知る必要のなかったことかも知れない
けれども
残忍さ,残虐さの極みとして
世界のどこかで
善美な生を
絶えず
阻みつづけている
* * *
添加物もりもり の悪魔の旨さ!
求めて止まないキツネによって
教義は破綻に至っても
なお長らえる
ギャングエージと組織的犯罪との相関関係は
不運にも
筆舌を絶するほどに密らしい
「世の中そんなに甘くないよ」に反論する試みは
出現を厭う、パンチの効いた言葉に
決まって
敗られる
殺し合いのない世界
→ → → 実現できると信じていた幼い頃
傷付け合わない世界
→ → → 実現できると信じている拙い瞳
* * *
ナチュラルに寄り添う歌が流行るとき
キツネは不可思議な感情に悩まされる
できないことを100コ数えるあいだに
強烈な幸運を受け取るパワーを
90%以上失った
画面の向こうにある現実は変えられない
という比類を見ない無力感から
却って 肥大した傲慢さが
不真面目かつ不誠実で 悪戯なコメントを無数に招ぶ
* * *
日常にある豊かさと便利さとの享受
それと引き換えに
何をどれだけ犠牲にしているのか
しかし
引き返して畏れるほどの余裕はなく
いつも 思考停止を余儀なくさせられる
繰り返し口を衝くキツネのおべっかが
無情にも
低刺激の好奇心をそそる
* * *
最も劣等な分際が
社会を変えられると思い上がる
しかしながら
変えられるのは
神
お一方のみ
(だと信じることが
全頭に等しく許された)
まったく新しい世界を
創造されようとし
そして
今日までに
此処に
成し遂げられた
神
被創造物としての自覚を持たないキツネは 曝しつづける、
屠られまいと 躍起になる 醜態を
──── 間接的に且つ直接的に
荻座利守さま
こんにちは。拙作に評を下さりありがとうございます。
3連目の表現などお褒めいただき、嬉しいです。
最終連は、自分の内にだけ目を向けた書き方でしたね。伝わるような構成や表現を、考えてみたいと思います。
佳作一歩手前とのご評価をありがとうございました!またよろしくお願いいたします。
紗野玲空さま
こんにちは。拙作に佳作との評を下さりありがとうございます。
雨上がりの空を見て、この景色をとても描き切れないと思っていました。一行目は最初に浮かんだ言葉をそのまま用いたのですが、描写力を信じてとのお言葉、嬉しいです。最終連も違和感があったので、提案して下さった行分けを参考にさせていただきます。
「閑話ひとつ」もとても興味深く拝読しました。下から見上げるのではなく、日々雲と相対している方のお話は真に迫るものがありますね。それに、近ごろの豪雨被害のことを考えると、ただ感傷にひたってばかりもいられない、切実な現実がありますよね。
色々気づかせていただきました。またよろしくお願いいたします。