◆ここは「MY DEAR投稿掲示板」です。
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水無川様丁寧なご感想をありがとうございます。
この作品は元は
「潰えた」という語句を使ってみたいという動機から始まりました
更に主人公にエヴァンゲリオンの碇シンジ君を据え、
臆病な彼が戦い続けるには恐怖に打ち勝つ「生存本能」を呼び起すしかなく、具体的な「死」のイメージとして
「潰えた黄金虫」を置きました
自分の存在意義を探し求める彼に
「探さなくていい」と呼び掛けるイメージで作りました。
「潰えた黄金虫」と「探さなくていい」に目を止めていただき
嬉しく思います。
また投稿したいと思います。
よろしくお願いします。
鴉の不吉な鳴き声と
祭り囃子の吉兆が交わるとき
妖達が集まり宴を始める
お面を被れば ほぼ人間
狐の面を被った人間の子
焼きとうもろこしを抱えて
半泣きで彷徨い辿り着いた
遊ぼう〜(人間)遊ぼう〜(人間)
食べよう(子の妖)たべよう(子の妖)
石の上で分け合う焼きとうもろこし
踊るぞ〜(人間)踊るぞ〜(人間)
カランロコン カンカンコロリ
下駄の音色が響き 手を取り合う
あやかしの子と人間の子は 笑い合う
さあさあ、ちこをよれ(人間)
良う出来た狐のお面よ
お前達 あたしらと会ったことは
吉兆なり吉兆なりトントントン
お面のおでこに虹石を打ち込む
さあ(人間)鴉の不吉がばら撒かれる前に
あの小川に沿って面をかぶって
思いっきり走るのじゃ(人間)
またあえるさ お前達の澄んだ心が
ここへまた導いてくれようぞ(人間)
もっと
もっとと穴を掘る
欲望という名前の穴を掘り
自分で穴を埋め
また掘り始める
見ているだけで
嫌になった
だから
ぼくはその人から目をそらした
そうしたと同時に
その人も顔をそらす
嫌っていたのは
他人ではなく
他人と同じように
穴を掘る
ぼくだった
欲望は
他人の中にあるときほど
欲深く見える
そして
自分の中にあるときには
うまく名前を変える
向上心
知的好奇心
正義
夢
愛
鏡の中のぼくは今日も
言い訳をしながら
穴を掘り続ける
ご丁寧なご感想をありがとうございます。
揚げたてのカレーパンのおいしさや、作品の軽やかなリズムを感じ取っていただけて、とても嬉しく思います。また、ラストの「ペダルが重くなる」という一行から、爽やかな読後感を受け取っていただけたことも励みになりました。
シリアスな作品だけでなく、こうした日常の楽しさを気軽に味わっていただける詩も書いていきたいと思っています。
温かいご感想をありがとうございました。これからも投稿を続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
一、海の向こうで
拍手と怒号が鳴り響いた。
遠い水平線の彼方で
積乱雲がかすんで見える。
まだ、ぱちぱちとやってる奴は
リボンのついたメダルは貰えまい。
今日の昼には、
冷凍うどんをチンして食べる。
卵を割って、葱をちぎって。
ひらいた掌は拳に変わり、
突き上げる。
雲は突き抜けないけれど。
湯豆腐には絹豆腐が良い。
箸でつまんで崩れて、すくって。
あなたたちは、きのう何を食べたの?
誰かはたぶん、
カップ麺をずるずるとすする。
そこらへんの奴らが、
来週の食事のメニューを決める。
まだ、パチパチとやっているというのに。
あはははは。
海の向こうでは
今日は良い天気だってさ。
二、風に吹かれて
すべてが終わっても、
あなたは祖国へ戻らない。
厚手のコートを
タンスにしまう頃でも、
あなたはあちらで
珈琲豆を挽いている。
向日葵が背丈ほど伸びた。
赤い空は夕焼けのこと。
風が吹いている。
こちらからあちらへと。
明日も晴れるでしょうね。
お待たせいたしました。9/22~24ご投稿分の感想と評です。コメントで提示している解釈やアドバイスはあくまでも私の個人的意見ですので、作者の意図とは食い違っていることがあるかもしれません。そもそも詩の解釈に「正解」はありませんので、参考程度に受け止めていただけたらと思います。
なお私は詩を読む時には作品中の一人称(語り手)と作者ご本人とは区別して、たとえ作者の実体験に基づいた詩であっても、あくまでも独立した文学作品として読んでいますので、作品中の語り手については、「私」のように鉤括弧を付けて表記しています。
●石川ぼうずさん「カレーとペダル」
石川さん、こんにちは。初めての方なので感想を書かせていただきます。
軽やかな文体とリズムで書かれた作品ですね。揚げたてのカレーパンのおいしさが伝わってくる描写で、思わずこちらもカレーパンが食べたくなってしまいました。食べ物を描く詩としてはまずこれで成功していると思います。オノマトペの多用も、特にユニークなものではありませんが、詩の雰囲気とマッチしています。
そしてラストの落ちが良いですね。「ペダルが重くなる」という終行の言葉とは裏腹に、読後感は爽やかです。
シリアスな作品ではありませんが、こういう詩も楽しくて好感が持てます。またのご投稿をお待ちしています。
●八月野 蝉さん「天上の子守唄」
八月野さん、こんにちは。初めての方なので感想を書かせていただきます。
「御前さま」は民間伝承に登場する女の妖怪あるいは女神でしょうか。女の姿を取って人間の男と結ばれ、子を産んだ後に本来の姿を現わして天に昇っていったというストーリーが想像できます。この別れは望まざるものだったのでしょうか、イラクサの揺りかごに入れられた幼子のために遠い天から子守唄が聞こえてくるという、もの悲しいイメージで締めくくられています。
全体的に民話風の内容になっていますが、もしかしたら現代の複雑な人間関係のことを暗示的に描いた詩なのかも知れないとも思いました。凝縮された短い詩行からいろいろなイメージと解釈の広がりを想像することができる、味わい深い小品だと思いました。またのご投稿をお待ちしています。
●Mayさん「白昼夢」
Mayさん、こんにちは。初めての方なので感想を書かせていただきます。
この作品の主題は「本物」と「偽物」の対比だと思います。二行目の「偽物の夏」と終行の「本物の夏」が全体を囲い込む構造になっており、その中で昼と夜にまつわるイメージ(太陽と月など)が入り交じって描かれていきます。
「白昼夢」というタイトルから、おそらく語り手にとっての現在は昼だと思われますが、そこで語り手が夢見ている月にいる「僕」の方が「本当」であるという、「本物」と「偽物」の逆転が見られます。夢想と現実の境が崩れていく幻想的な雰囲気がよく出ていると思いました。パーツとしては、
街灯の下で潰えた黄金虫
探さなくていい
此処にあるから
という部分が印象に残りました。またのご投稿をお待ちしています。
●aristotles200さん「名」
aristotles200さん、こんにちは。これはaristotles200さんお得意の哲学詩ですね。「世界は存在しない」とか「運命は存在しない」という主張は、哲学の世界ではそれほどユニークな主張ではないと思います。だからそれを詩にしてはいけないということではなく、むしろありふれた素材をいかに独自の視点から提示してみせるかが詩人の腕の見せ所であると思います。
さて、本作品で重要な役割を果たしているのは「海」の存在であると私は思いました。すべてが存在しないとされる中で唯一存在している海。
何処でもない
暗闇の中で
潮騒が
音をたてている
この部分から、私は旧約聖書の創世記冒頭部分を思い起こしました。
初めに神は天と地を創造された。
地は混沌として、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。
神は言われた。「光あれ。」すると光があった。
神が「○○あれ」と「名づける」ことによって万物が創造されていく、というのが創世記の記述ですが、不思議なことに、その前に「深淵」や「水」があったとされています。本作品の「海」も、そのような世界の存在以前に存在した原初の海をイメージしているのかと思いました。
そう考えると、この詩ではユダヤ・キリスト教的な創造概念をひっくり返しているのではないかと読めてきます。「名づける」ことによって生み出されたすべてのものは存在しない。あるのはそれ以前の混沌とした「海」だけである、と。
この「海」があることによって、この詩はありふれた哲学的概念の繰り返しではなくなり、ぐっと内容に深みが増したと思います。評価は佳作とさせていただきます。
●人と庸さん「不在」
人と庸さん、こんにちは。これは不思議な雰囲気をたたえた詩ですね。舞台となっているのは廃墟となったゴーストタウンですが、評者は読みながら東日本大震災の帰還困難区域を思い起こしました。投稿日が9月であることから、もしかしたら作者の意図もそこにあるのかもしれませんが、はっきりとは分かりません。いずれにしても、長く見捨てられていた場所も新しい家が建ち、復興の兆しが見える。けれどもそこに人は(まだ)住んでいない……。
この詩の語り手がなぜ家々を訪問しているのか、なぜ町は無人なのか、一切説明されておらず、読者の想像力に委ねられています。それは不気味な光景とも受け取れますが、同時に生い茂る草木や蝉、入道雲といった自然描写の中に、いのちへの希望がそこはかとなく示されているようにも思います。
いろいろなことを考えさせられる、味わい深い作品でした。評価は佳作とさせていただきます。
●れもんさん「乾いていたい」
れもんさん、こんにちは。初めての方なので感想を書かせていただきます。
これは「正しさ」を主題とした作品ですね。「正義」と言ってもいいのかもしれません。人は正しく生きようと願うけれども、現実にはなかなか難しい。これはいつの世にもある葛藤だと思いますが、この詩では「正しさ」を「乾き」と表現しているのがユニークだと思います。そして乾いた「正しさ」の対極にあるのが「べたべた」した状態ということですね。
語り手の「ぼく」は正しさを求めながらもどうしても身体がべたついてしまう。かといってそれを乾かそうと風を入れると今度はかさついて痛い。正義をめぐるジレンマが肌感覚のメタファーで生理的に感じられるように描かれているところが巧いと思いました。
タイトルの「乾いていたい」も、乾いた(正しい)状態でいたいという願望と、乾いて「痛い」という状態のダブルミーニングになっているのが面白かったです。またのご投稿をお待ちしています。
●そらねこさん「コトノハ」
そらねこさん、こんにちは。初めての方なので感想を書かせていただきます。
これは「ことば」についての詩ですね。人の心を豊かにし、人と人をつなぐためにあるはずのことばが心を満たすことができないばかりか、人を傷つけ血を流させるものとなってしまっている。これは情報はあふれているのにますます人々が生きづらさを感じるようになった現代社会の状況(特にSNS等)を鋭く描いていると思います。
語り手の「僕」はそのような社会の中で、自らを満たしてくれるような本物のことばを探している。それがタイトルにある「コトノハ」ということなのでしょう。あえて古風な表現をタイトルに持ってきたのは、かつての日本人が持っていたゆたかな言語感覚を取り戻したいという作者の願いの表れかもしれません。
この作品ではことばについて異なる表記が用いられていますが、1-2連の「言葉」と4連の「コトバ」はどちらも否定的な意味で用いられています。これに対して、下から2行目の「言葉」は肯定的な意味で用いられていると思いますので、「ことば」あるいはタイトルと合わせて「コトノハ」など、異なる表記にした方が良かったかも知れないと思いました。
現代人をとりまく言語状況に対する作者の切実な危機感が伝わってくるような、胸に迫る作品でした。またのご投稿をお待ちしています。
*
以上、7篇でした。今回は初めての方が多かったです。いつもの常連さんに加え、新しい詩人さんとの出会いが与えられたことを感謝します。
餡の声を持つ人がいる
その重さ、粒子、甘みよ
ひとの心を、ひとの思想を
淡々、淡々と読む
ただ声のみに宿るあたたかさ
それだけのことで私は満足なのだ
たったそれだけ、それだけで
僕はあなたを知らない、知ることもないだろう
でも忘れることはない
わたしにくれたものを、そのじんわりとした温かみを、立ち上がる力をくれる甘みを
あなたのような人々に幸あらんことを
台所のテーブルの真ん中に
小さな箱がひとつ
ゲームセンターの喧騒を抜けて
それは そこにあった
ご飯の炊ける匂いのなか
説明書をめくる指先は
少しぎこちなくて
耳の奥で小さな電子音が弾ける
透明な電波が
私の時間と繋がるように
少し離れたところで
はにかむ息子の横顔
「三個も取れたんだよ」と
届いた音のぬくもりが
新しい私の毎日に
一つずつ溶けてゆく
秋晴れの穏やかな日の夕暮れどき、僕は心地良い水の流れの上にふんわりと浮かんでいた。
みんな、幸せの扉は狭いと思っている。
だから幸せになれないみたいだ。
きっと幸せの扉はどこにでもある。
さらさらと流れる水の音は、いつも僕を絶頂に連れて行ってくれる。
流れにぷかぷかと身を任せていたら、僕はいつの間にか遠くに来ていたようだ。
他の人は誰もいない。
幸せの扉は狭いと思い込んでいる人たちを、陸に置いてきた。
僕たちは歩いていく必要なんかなかったのに。
みんな、歩き過ぎて、幸せから遠ざかっている。
水の周りで鈴虫がきれいな音で鳴いている。
他の虫たちも合唱に混じって、ひとつの大きなシンフォニーになった。
その調べに耳を傾けていたら、僕はいつしかうとうとと眠ってしまった。
自分の詩を丁寧に読み解いていただき、ありがとうございます
今回は想像力をかきたてる作品を目指したので、狙い通りの作品となっているようで嬉しく思います
「詩を書ける方」という評価は嬉しくて舞い上がってしまいました
今後もその評価に恥じない作品を書いていきます
ありがとうございました