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編集・削除(編集済: 2023年10月25日 04:10)

わりきれない JOKER 益山弘太郎


満天星キャンバスに宇宙船油絵が描かれる

私は 画家の友人が その絵を描くのを

彼の家の窓から 見ていた

MarilynMonroe 帰らざる河が 聴こえる

すると 彼は 筆を 置いて

買い物行くから留守番してて と 私に言う

ジャパネズミック弁当も買って来てくれよ

油絵は 画室の三角脚立の上に置いてある

彼が出かけたので 私は玄関から家へ入り

ソファーに腰かけてcoffeeを頂き寛いだ

20分も経ったか何やら不可思議な気分に

私の身体も 友人の家も 3次元の物体から
平たいペタンコキャンバスへと 位相した

私は焦る このまま300年500年1000年

油絵の中の人物になってしまうのだろうか

恋人を もう一度 強く抱きしめたかった

ジャパネズミック弁当を 食べたかった

私は2次元の平面から 残った最後の力で

トランプをshuffleし 3次元へ向けて

2. 5次元の世界へそのカードをばら撒けた

12枚の カードが 煌めいて 点灯した

A M U R O N A M I H E I

果たしてこのまま絵の中の存在になるのか

できれば James Deen みたいのがいい

その時ピンポーンと友人が帰った音がする

辺りが何かザワめかしい オークションか

$ 300 $400 $500 と 競り士の 叫び声

確定 $ 1500 で 落札しました! と

  
だけれども 目を擦り擦り 目覚めわかった
       
  
最初から最後まで すべて 夢の中

編集・削除(編集済: 2024年04月08日 00:14)

紅色鯨の種  荒木章太郎

紅色鯨の種を食べた国で
ジェノサイドが起きたらしい
これまで人類は
肉は腐らないように腸詰にした
葡萄を腐らせ
大豆を腐らせ
米を腐らせ
菌類との戦いを制したかにみえた
薔薇とサボテンの棘まで食べた
随分と沢山の犠牲を払った

解放と快楽を求めて
毒で悪を制してきたけど
熟成させようとした精神を
視床下部にある
糠床に埋めたままにして
腐らせてしまった

この先はどうなるか
神様も分からない
だからと言って
調理師に頼らない
占い師に頼らない
心理師に頼らない

口から取り入れるものについて
失敗から学ぶことは難しい
積み上げられた過去の遺物を
薬草にして咀嚼し
叡智にして前へ進む

編集・削除(未編集)

覆輪舌の野花  上田一眞

  ◆エビネ讃歌

かつて 
長門と呼ばれた山口県西・北部は
エビネ〔海老根〕蘭の宝庫だった*

五月
ゴールデンウィークが終わる頃
ちょっとした杉林に分け入れば
うす暗い林床に
シダ類が繁茂するなか
サイハイランやムサシアブミと同居する
数多くのエビネを見ることができた

春を謳う小鳥たちや
年に一度の花どきを迎えた
山野草に会いたくて
カメラ片手に山稜を渉猟闊歩した

そして
一輪のエビネにまみえたとき
こころ躍らせてファインダーを覗き
夢中でシャッターを切った  
杣道の向こう
そこには花が支える
みやびで濃密な空気の淀みがあった


  ◆キエビネ

子供たちを連れて
今富ダム**へ遊びに行ったとき
車を停めると
ぷ~んと甘い香りが漂った

あたりを支配する香りの渦
駐車場そばの杉林に入ってみると
ほんの入り口に
大きなキエビネが二株屹立していた

このキエビネ
長門の山々を代表するエビネだ

弁も舌も黄一色の大花
暗い涸沢にこがね色の光彩を放つ蘭
特徴的なのは
株が大振りで背も高く
なかには
強い芳香を放つ個体があることだ

伊豆諸島 御蔵島のニオイエビネや
コオズとは種類を別にし
風合いも異なるが
漂う香りの芳醇さはいっしょだ

その痺れるような芳香は
洋蘭の女王 カトレアに優るとも劣らない


  ◆ジエビネ 
 
石灰岩の小山が多い 美祢・重安
人家の目と鼻の先 竹林に乱れ咲く
ジエビネの群落に出会った

キエビネと違い
花も株も小振りだが
華やかさでは引けを取らない
よく見ると花々の中に
見事な覆輪舌を持つものが数本あった

 赤茶弁 薄紅覆輪舌

思わず見入る
園芸物ではない天然の覆輪舌花
清楚ななかに漂う背徳の香り
花弁を見つめていると
サド公爵のジュスティーヌの姿が現れ***
その官能に
私は魂を籠絡されてしまった


  ◆ナツエビネ

ナツエビネ 漢字では〔夏海老根〕
字のごとく夏の盛りに咲く変り種
紫色の涼しげな花

美祢・長門両市の境にある山
花尾山で山歩きを愉しんでいるときだ
広い山塊に歩き疲れ
ミツマタの木陰に腰をおろして
涼をとっていると
長い花茎に
ぽろぽろとつく面長の小花があった

ナツエビネが一株 
雨を呼ぶ
東風(こち)に吹かれて揺れている
風に湿り気を感じ
慌ててカメラにその姿を収めた

 白紫弁 紫覆輪舌

やがて雨粒がレンズを襲う
突然の驟雨に踊るこの花も
見事な覆輪舌を持っていた


  ◆キリシマエビネ(鹿児島)

鹿児島・大隅半島のど真ん中
志布志の街に 従姉が嫁していた
薩摩隼人の夫君は東洋蘭の愛好者
カンランがお好みだ

 “薩長連合” でカンラン探そうか…

そのように夫君から誘われ
カンランの自生地 肝属(きもつき)を訪れた
志布志から車で一時間ばかり
もう九州も最南部だ

海岸近くの明るい疎林の中
細葉のカンランの株を
従姉夫婦と三人で探した
花どきではないので葉を鑑賞するだけだ

二時間近く藪漕ぎしても
見つからず
諦めかけていたとき
藪の中に数本のエビネを発見
小さな白い花が
うつむき加減に咲いていた 

 うわぁ キリシマ 
 しかも 白花だ!
 
九州でも
ごく一部でしか見られなくなった
幻のキリシマエビネが
崖のそばで
海からの南風(はえ)に揺れていた
幸運にも花茎があがっていたので
見つけることができた


  ◆長門峡のエビネ

中也の名作「冬の長門峡」
この見事な詩の舞台
長門峡(ちょうもんきょう)は
日本海に注ぐ阿武(あぶ)川の上流域にある

この峡谷は景勝地であるとともに
好事家には
エビネの自生地として名が通っている

峡谷沿いの小道を散策しているとき
甘い香りが漂い
姿見えぬ
エビネの存在に
匂いで気づかされることがままあった

 長門峡に、水は流れてありにけり。
 寒い寒い日なりき。 ****

と詠う「冬の長門峡」
幼子を亡くした傷心の中也は
寒い寒い冬を強く感じていたのだろう

冬から春へ季節が移ろい
エビネの香り揺蕩う春の長門峡ならば
中也のこころも
少しは癒やされたのではと想像した


  ◆絶滅落胆

エビネだけではない
カンラン ウチョウラン〔地生蘭〕
セッコク フウラン〔着生蘭〕
サギソウ トキソウ〔湿地蘭〕

山口県内のどこを探しても
もう見ることはほとんどない
いずれも絶滅が危惧されている野生蘭だ

エビネたちは何処へ行ったのか
深山の沢筋に隠れたか
心無い採取者の
「盗掘」という所業で貴重な蘭が滅んだ
覆水盆に返らず 
もう取り返しがつかない

 消えたエビネ王国

私が密かに眼で語りあった山野の恋人
エビネやサギソウ
年に一度しか会えない(咲かない)
天の河の二人に等しい 野の花

あの馥郁とした香りを何とか
取戻せないか…   

ひたすらそう願った


〔追記〕

覆輪 花弁や舌に入る細い色の帯のこと

*山口県を構成する周防と長門
 エビネは長門に多く 周防には殆どない
 湿潤な日陰を好むため乾燥している周防で
 は生育しないのであろう
**今富ダム 山口県宇部市今富
***ジュスティーヌ マルキ・ド・サド
 『悪徳の栄』澁澤龍彦訳より
****中原中也「冬の長門峡」より一部抜
 粋

編集・削除(編集済: 2024年04月06日 08:10)

コップの中の音 三浦志郎 4/5

”コップの中の嵐“とはよく言われるが、音はどうだろう?
これは自慢だが、我が家のコップたちは飲ませる役割も果
たすが、妙なるサウンド発生にも良い使命を果たしている。
無作法ながら、箸でもペンでもいい。私はコップをよく叩
く。そして深く思う。打つ、叩く、その音生まれの崇高さ。
その行為こそが楽器の原初のはずだ。

(なぜコップはコップであって楽器ではないのだろう?)
(なぜ奏でる、でなく、飲ませる道を選んだのだろう?)

教会の鐘のミニチュア。TINYな音の姿。心惹かれる単音の
SIMPLE、SAMPLE。サウンド表情を聴きながら、私は夢
想する。

     ♪キンキン カキンカキン♪

今此処にあるコップを楽器と見做すには?手立てはひとつ
しかない。スティックで強打することだ。コップにシンバ
ルほどの強度は望めない。結果は明白である。

グワッシャ~ン―シンバルに近いサウンドを挙げながらコ
ップの粉々。悲鳴のような楽器達成。そして瞬時の破滅。
不憫だが仕方がない。音の恨みのような破片が手首に食い
入った。

血の色をした音の痕跡。残りの水割りが遺言となって流れ
て行く。私はそれでいっこうにかまわない。次のコップを
台所に取りに行く。すでに架空の“独りセッション”が始ま
っている。かくして我が家からコップが全て消えて行く。
もう一度言おう、夢想である。だいぶ酔ったようだ。

編集・削除(編集済: 2024年04月05日 16:12)

Nuclear

母さん
私はあなたの腹から逃げて来たのです
だってあまりに気持ち良すぎて
消えてしまいそうだったから

なのに
私は今あなたの内に還りたい
あなたの神秘の扉を開けて
私の全てを知りたい
消えてしまうかもしれないのに

望郷の思いがし過ぎる
命の根元まで探究する為に
一度分解したくなる
分解されたその後に誰が元に戻すというのか

禁断の果実をもぎ取ったのも私
プロメテウスの火に魅了されたのも私
なぜなら
そのように出来ているのが私だから
ならばこのようにつくったのは誰
神というものならば
なぜこのようにつくった
タナトスとエロスの間に生まれ
どちらも選べない子のように
その間を綱渡りする子のように


※※※※※
映画『オッペンハイマー』にインスパイアされてこの詩を書きました。

編集・削除(編集済: 2024年04月05日 00:12)

お大事に  温泉郷

重力は実は存在しない

昼間雑談で聞いた話は本当だろうかとふと思った
重力がなければ物は落ちないはずだが 
そんな軽い話ではないのだろう

明日も早い
カフカの「審判」を途中まで読んで
布団に入り 部屋を暗くした

いつの間にか私は果樹園にいた
果樹園の周りには畑が広がっていた

近くの樹から熟したリンゴがひとつ
枝をそっと離れ
スローモーションのように落ち始めた
ああ やっぱり 重力はあったのだなあ
と思って見ていると
リンゴは着地前にこちらを見て
  ほら このとおり 重力はあるのよ
  ほら このとおり 重力はあるのよ
と微笑んで草の中に音もなく落ちた
私はほっとした やっぱり 重力はあったのだ

急に風が空に向かって吹いた
果樹園の周りの静まり返っていた畑がざわめき
スイカが 一斉に舞い上がった
リンゴも枝をちぎって 一斉に浮き上がった
スイカもリンゴも 勝ち誇ったように
高みからゆらゆら私を見下ろした

草地に落ちたさっきのリンゴも
  ごめんね ほんとうは 重力はないのよ
  ごめんね ほんとうは 重力はないのよ
といいながら仲間の後を追って
申し訳なさそうにゆっくりと昇って行った

私は驚きと悔しさと羨ましさで 思わず 
  重力がなんだ 俺だって
と叫んで布団をはねのけ
空に向かって思いっきり跳んだ
が 伸ばした手はスイカにもリンゴにも届かず
背中から落ちた

裂くような稲妻が仙骨から脳天を貫き
白銀色のギザギザがまぶたの裏を突き刺した
スイカとリンゴが一斉に落ちてきた

ああ また やってしまった
私はうめいた
重力の証明のために 腰を犠牲にする必要まではなかった

激痛に耐えながら かろうじて電気をつけた
  こいつだったのか
ヨーゼフKが朝食用に取っておいたリンゴがひとつ
枕もとに転がっていた

編集・削除(編集済: 2024年04月04日 10:30)

人間の尊厳

少しがさついた指先が冷たくて
それでも「有り難う」という言葉が
何だか妙にあたたかい

特に大それた事をした訳ではない
ただ、世知辛い社会から追い出され
家も家族も失った人達に
水のように薄い豚汁と
ホカホカの白いご飯とを
食べてもらっただけ
それなのに世間で〝ホームレス〟と
言われる人達は皆
食糧を配る私達ボランティアに
頭を下げて感謝の意を述べる

その真摯な姿に
今まで色眼鏡でしか見てこなかった
私にとって
溜飲の下がる思いがした
私は初めてヒトとヒトとの繋がり
人としての尊厳を思い知らされた

どんな逆境においても
この人達は生きてゆける
そして、人間は誰でも
どんな苦悩にも負けずに
立ち向かってゆける

そんな確信を
優しい思いと力強さを持つ人達から
いま、この場で
プレゼントされたような気がした

編集・削除(未編集)

ひとりの道  理蝶

ちょっとひねくれてるから
きっと散歩が好きなんだ
街の華やぎから遠く
川沿いの青臭い中をゆくんだ

なで肩を揺らし 静かな方へ
誰もいない川沿いを とんがって歩く
平日のしがらみに
足を取られてちゃいけないぜ
ため息の暮らしをやり直す
ひとりの道なんだから

ふいに
丸石だらけの 
優しげな河原に
少年少女が駆ける幻

それはふと立ち上がった思い出か 

それともなんだ
やっぱり僕は寂しいのだろうか

わからない
考えたってわからない
たぶん答えはないさ 
いつか答えにするのさ

幻とは
忘れがたい何かからの言づて
今僕にできるのは
忘れずにそっと胸にしまっておくこと

まっすぐ続く ひとりの道
川沿いで聴く 午後のスピッツ
幻を連れて どこまでゆこうか
風に吹かれて どこまでもゆこうか

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しょっぱいお握り  あこ

心がひび割れて しもやけになっていた頃
君に逢った
君は 父の分も 母の分も 愛してくれた
だから私は 生きて来られた
家庭の味と言う物を私は知らない
いつも肉屋で買った揚げたコロッケかトンカツ
だから君が イビツなお握りを持って来た時
嬉しかった 例えようもなく嬉しかった

泣きながら食べたお握りは しょっぱかった
「塩 きかせすぎたな」君はそう言って笑った
想い出す事は 幾らでもある 次々と湧いてくる
あの頃の時間は 家族を持てなかった私に
神様がくれたプレゼントだったのだろうか
私は 父にも母にも愛されなかったけど 君が全部
まとめて引き受けて 全身全霊で 愛してくれた
心のしもやけはいつか消え去り ひび割れた心は
クッションのように フカフカしてたあの頃
でも そこで時間は止まってしまった
なにもかもそこで 消えてしまった

最初から知らなければよかったのに 知らないままで
ただ寂しい娘でいれば それでよかったのに
家族の温かさを知ってしまった私は 壊れるしか無かった
そうしてそれから何十年 ひび割れた心の私は
それを修復する事も無く ここまで来てしまった
この先も このまま行くのだろう 最後まで 一人で

しょっぱいお握りは 二度と食べる事は無かったのだった

編集・削除(未編集)

滝本政博様  評へのお礼です  あこ

評をありがとうございました
どうしても行間を開ける癖があります
少し長い詩を書いて
調整していきたいと思います
ありがとうございました

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