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★★ << 2つの掲示板のご案内 >> ★★

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詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。

(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)

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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

戦争  荒木章太郎

悪気はないのだ
自分が見捨てられる前に
人を見捨ててしまうのだ

自分を守るために
専守防衛の癖がつくと
自分が傷つく前に
人を傷つけてしまう
——知らぬまに加害者になる——

悪気がないから、怖いのだ
「自分のため」が
いつしか「人のため」
そして「正義のため」へと育っていく

(津波とともに無力の波が押し寄せた記憶
 絶望の瓦礫の前でひざまづいた被害者の記憶)

不条理への怒りが
正義を求める爽快な波
高揚の波が
また押し寄せてくる

良かれと思い
あきらめるように
人は、加害者になっていく

専守防衛の癖がつくと
知らぬまに——戦争になる

編集・削除(未編集)

或るカナリアの歌  トキ・ケッコウ

僕がケージのなかで歌いつづけているのを聞いて
おおきな羽根たちが押し寄せてくる
「黒いダイヤを掘り起こせ」
「レディーの後ろに遅れをとるな」
そう、さえずり、さえずりあっている。
でもそのさえずりは僕の歌声よりすごく強くてうるさくて
意味も本当のところはよく分からないんだ
けれどなんだか許してしまうのさ
だっておおきな羽根たちは僕をしっかり守ってくれるし
おまけに連中は僕のクチバシよりも硬くて寒気がするほど重たいアレでいまもおおきく、おおきく振りかぶって。

ガシャ ドカ ガタン
ゴロゴロ ポロポロ コロコロコロ

黒い粉たちはとても軽いのに尖ってて
かるく宙を舞ってはお構いなしにまとわりつく
ああ最悪! せっかく整えた黄色い羽根がもう台無しじゃないか
だから怒りを含んだ少し険しい声で鳴いたのだ すると

「ごめん! ミス・スイート・バード」

僕はメスじゃないのだよ
君と同じだ‥‥その一番おおきな羽根を持つセバスチャンが
僕の爪のさきよりももっと鋭く目を細めて
「大丈夫、もうここはレディーの出番じゃない」
くるりと背を向け
他のオスたちに強くうるさく鳴き散らした
‥‥やっぱり許してしまう、だって僕は君より断然に格好いいのだから。
でも悔しかったらそのうるさいだけの鳴き声を
いっぺんでいいから少しエレガントにしてみないか?  そうすればきっと本物のメスたちからモテるよ

わたくしたちに棺はいらない
ケージがわたくしたちの家
棺は歌が無くなってもいらない だって
わたくしたちのお墓は空(そら)
空の先の向こうに参る
ところでわたくしたちの真似をして
ひと声たかく鳴いたという
昔どこか遠いところにひとりのオスが

‥‥居たって聞いてる。しかしどんな色の羽根だった?
‥‥知らない。
‥‥興味ない。だってそいつ、きっとニンゲンだろ?



僕が生まれたのは
太陽がニレの木の根本から登る季節で
つまり僕たちが番(つが)いだすころ
といってその木に僕が羽根を休めたことはない
目が覚めたらそこがセバスチャンの家だった
セバスチャンはご飯をモリモリっと食べる
僕もだからおなかいっぱい食べさせられた
すぐにおおきくなってそのうちとてもよくさえずった
だからセバスチャンの目にとまったのかもしれない‥‥でも
「行こう! ミス・スイート・バード」
‥‥だから僕はメスじゃない‥‥ところで

たくさんの仲間たちを束ねる一番おおきなオスのセバスチャンは
他のどんな羽根よりも真っ先に飛んでいく
その仕事場で僕のすることとは飛ぶではなくってただただ「歌う」のだ
狭苦しいケージなので背中がかゆいときもありほんとうは羽根をすこしくらいはバタつかせたいのだけれども
「必ず迎えに来る! 約束だ、ミス・スイート・バード」
(だから僕は‥‥)

セバスチャンのおおきな羽根からは不思議な水が、つう、ツウっと垂れて。
他のオスの羽根たちにも流れて、ときには赤い色の水がとろとろ、と流れているのが見えた。
そうなると僕はさらに、さらに歌うのだ、歌って歌いつづけて。
終いにはうっとりと気持ちよくなるまで、歌って、そうなる頃合いでセバスチャンが迎えに来るのだった。
‥‥そうだった、あのおおきな羽根は決して約束を破らなかった。一度も。そう、ただの一度も。

僕たちがひとりのときは さえずって
ふたりのときは 歌った
でもたくさんいればいいってことじゃあない
それはひとりで鳴く勇気がないってこと
ところで、君たちは?

‥‥さえずります。
‥‥ふたりで歌います。
‥‥さえずるし歌う。でも君たちどうもニンゲンに、慣らされ過ぎだ。



朝から雨だった
その日の僕はいつもより静かに運ばれていた
「お前ら、濡れるな!」
セバスチャンがブルブルっと尾羽根を震わせて他のオスたちを振り向く
ごうごうごうと聞いたことのない嫌な響きがする
ケージに入った僕からは見えない先が
いつもとは違う暗闇に吸い込まれていくみたいだった‥‥
「今日も頼む! ミス・スイート・バード」
セバスチャンが、ごとっと鈍い音を立てて僕を地面に置いた。
ごうごうごうという響きは相変わらず辺りにこだまして
僕のクチバシはもう歌う前からカラカラに乾いてしまっていた
ふだんこんなことはしないのだけれども僕は目をつむった
怖いから?  いや、みたくても見えないから仕方がないのだった。
僕の目には、いつもの暗がりくらいなら十分に明るい。

だが、変なのだ。なんだ? ここはどこだ? え?

‥‥ピぃ。



あからさまに 打(ぶ)たれている
Japan Tokyo komagome 知らない人々が
彼と彼女を笑いながら叩いている
sushi barの片すみでふたり
おれが何したってんだ と うめく彼
ここはそういう場所じゃねえんだ!
テーブルに頭をぐいっと擦り付けられた彼
ひきつった彼女の顔に飲みかけのビールをぶっかける女
口紅が溶け剥き出しの唇に汚い泡がくっついている
連れの男がその女に手慣れた目線を送る
やがて大将の太い指が男の襟首をつかんだ
どさっという音を立てて玄関先に彼が崩れた
乱暴に引き戸が閉まって彼女が人形のように倒れた

そのとき
彼と彼女が「世界のどこかでシデカシタ痛み」が

急に歌を止めた僕の声に重なった‥‥もう一羽の鳥が僕には見えない空を飛んだ‥‥坑道ではたくさんのオスたちが騒いでいた‥‥セバスチャンはまるでケモノのようだった

深く暗い底へ‥‥ひとりで飛び込んだ



ボクを生んでくれたあなたへ
ボク 今日から歌うよ
まだ声はそんなに美しくないけど
いっぱい鳴くよ みんな は いいニンゲンたちだから心配しないで
でも‥‥あなたのほうが羽根の色はきれい

そうだボクのちいさな風切り羽根が
今日の朝に一枚抜けたよ
あなたにあげたいんだ だからいつだっていいです

もどってきてください



あたらしい歌声が次の出番を待っている
僕という羽根は

次の行く先を、さがしている。

編集・削除(未編集)

追悼。Kazu.さん、坂井一則さんへ。三浦志郎 12/16

Kazu.さんが亡くなられたとの由 今 僕は驚きと悲しみの中におります
「MY DEAR」での長い道のりの中で常に気高い作品 批評を展開されました
詩集も数多く出され とりわけ闘病中も二冊出版されたことは輝かしい足跡であります
Kazu.さん 東京有楽町での交流会 ZOOMでの会話など懐かしく思い出されますね
これからは詩集の中でお会いできます そのことが楽しみです
これからは詩の神様になられて 私たちをお導きくださいますよう―
おつかれさまでした                      三浦志郎 拝

編集・削除(編集済: 2025年12月16日 19:16)

▼追悼 Kazu.さん、ありがとうございました。▼

MY DEARレギュラーメンバーとして
長く活躍し、掲示板評者も長く務めて下さいました、
Kazu.さんこと、坂井一則さんが
亡くなられました。
12/5に亡くなったそうです。
奥様より、さきほどお電話を頂きました。

最初に脳腫瘍の手術をした時から数えると
闘病中になんと2冊も詩集を出しています。
とりわけ、病状を知る者にとって、最後の一冊は、
誰もが出せるはずがないと思われた、
驚異の一冊でした。

Kazu.さん、
MY DEARで長くご活躍頂き、たいへんお世話になりました。
また最後まで、詩人で在り続けられたことを誇りに思います。
本当にありがとうございました。

闘病生活、お疲れ様でした。

    島 秀生

編集・削除(未編集)

存在の螺旋  aristotles200

Ⅰ「帰還」
集団意識の浅ましさ
繰り返される選択と結果
万人に訪れる死という現実

人間、そのものから生じる禍々しさ
美しさ豊かさ
相反する生き残る為に必要なこと

私は憎む
不完全、不合理である人間そのものを
惨たらしい悪そのもの
生き残る限り
他者の犠牲に成立っている
その行いを

絶望が心を覆う
空腹、喉の渇き
食わずにはおられない
飲まずにはおられない

生き物、そのものに含まれる根本悪
奪え、盗め、仲間を増やせ
敵は滅ぼせ
臣従するなら飼ってやろう
利用価値がないなら捨てる

人間という動物が
この世界を支配する
心は常に欲望に苛まれ
ありとあらゆるもの、全てを
支配することを望む

人間が想像した
あらゆる悪の根源を上回る
人間そのものこそ悪、否
生きているという存在自体が悪

カオス、混沌の世界よ
私は戻りたいと思うのだ
世界が始まる前の、原初の存在へ


Ⅱ「否定」
私は全てを否定する

逆に問う
どうして善に期待するのか
生身の、その有様で善を語るのか
それこそ偽善
浅ましさよ、自己中心の化け物よ

理想の人間像など空想の類い
超人は、現れることはない
石器時代の洞窟と都心のビル街
何も変わらない、何処までも人間

否定せよ
この世界を
あらゆる存在を

私は、全てを否定しようと思う
正しさなど
存在していないにも関わらず
正しさを追い求める
善か悪ではない
悪か、更なる悪がこの世の中

存在しなければ悪は消える
悪と、相反する善とやらも消える
夢や幻を追いかけ続ける
人間の歴史
苦しみも終わる

永遠よ
平安あれ
その為に必要、不可欠だと唱えよう

否定しよう
この世界を
あらゆる存在を


Ⅲ「肯定」
世界は無意味である
何と心地よい真理であろう
唯一の正しさ、とは
あらゆる存在は無意味
ここに集約される
善悪、偽善、そして詭弁
全ては否定されねばならない

今とは
私とは、貴方とは
歴史も、未来も
無意味の構造体の一部分

ここに立たねばならない
ここが、人間の立ち位置

存在、そのものからの解放
生まれて初めての自由を得た喜び

目の前には通勤風景が広がっている
Gare d'Osaka
一日、統計上で1,028,987人が利用する
私はその1人
この数字から自らを解き放とう
ここは、私1人の為に存在している
ここは、私がいなければ存在しない
ここは、無人の原野が広がっている
私は本来の原野に立っている
何故なら
時間、空間ですら無意味であると
宣言したからだ

無人の荒れ地を歩くが如く
1人、連絡橋を歩いている
視界には数千の人間

存在は意味を持ち出した
何と心地よい世界であろう
唯一の正しさとは
あらゆる存在は、私の為に意味がある
ここに集約される
善悪、偽善、そして詭弁
全ては肯定されねばならない

編集・削除(編集済: 2025年12月16日 09:44)

夜明けの狭間  ゆづは

猛獣たちの咆哮が
響き渡る
その音は幾重にも重なり
嵐のように
部屋を揺るがす

けれど、不思議と恐れは湧かない
唇に人差し指を当て
シー、と
独り言のように囁く
駄々をこねる子を
そっとなだめるように

やがて 
扉の向こうへと
声は遠のき
隙間からこぼれ出るのは
湿った森の残響

ひとしきり震える闇の中で
無防備な背後から 
爪を隠した
しなやかな足音が忍び寄る
 
足元に寄り添うその温もりは
言葉を持たず 
ただ息をひそめ
丸く横たわる
朝の淡い光に 
瞳を細めながら

目を開ければ
冷たい空気が肌を撫で
仄かな温もりは消え去り
夢の世界は
ひっそりと閉じられる

けれど、次の瞬間 
鼓膜を震わす獰猛な声が蘇る
私はまだ 
夜明けの狭間で
夢の続きを見ているのだろうか──

それとも
目覚めたことすら
夢だったのか

編集・削除(編集済: 2025年12月16日 02:30)

風は循環する  光山登



風。
らんらんと腐乱したにおい。
普遍的な死が待ち伏せている。

僕はさわやかな風に運ばれて生まれた。

誕生は悲劇だ。
みんな泣きわめいて歯ぎしりしながら生まれる。

回りの子どもたちはみんな朽ちていった。
やがて生きる屍となってどくどくしいにおいを発するだろう。

泣きながら生まれ、
そして泣きながら育った僕だけが、
よく生きるにはまぶしすぎる光を浴びても朽ちなかった。

僕にもいつか再び風にさらわれるときが来る。

泣きながら生まれて泣きながら大きくなったけれど、
この世を去るときには、
さらさらと、
さっそうと、
僕を運んで来た風のようにさわやかに吹かれたい。

編集・削除(未編集)

秋の日  静間安夫

きのうより今日、
今日よりあしたと
日ごとに伸びる
街並みの影

午後遅くにもなれば
急に日差しは衰え
路地を吹き過ぎる風が
刻一刻と冷たくなっていく

さっきまで
石蹴り遊びに興じていた
子どもたちの姿も
何処へともなく消えてしまった

見上げれば
家々の屋根で区切られた
小さな空に
ほんのり茜色に染まった
千切れ雲が
申し訳なさそうに浮かんでいる

視線を下に向ければ
路上で踏み散らされ
汚れた落ち葉が
かさかさと
風に舞っているだけ

この裏町の秋は
成熟とか、
実りとかいう
言葉とは無縁なのだ

ただただ
夕暮れと
冬の闇に沈むのを
待っている―
老境のわたしと同じように

決して短くはない
これまでの人生で
手にしたものと言えば
幻滅と懐疑だけ

およそ
実り豊かな人生では
なかった

そんなわたしと
この裏通りは
似たもの同士だ…

やがて
とつぜん
どこかの家で
ガラスの割れる音がする

チャリン、
という音に
共鳴するかのように
わたしの心にも
亀裂が入り
その隙間から
この世の苦しみが
沁みこんでくる

そればかりか
路地の突き当たりの踏切で
間をおいて繰り返される
警報器の音も
闇が広がるにつれて
いちだんと不気味に
響くようになってきた

その音を聞けば聞くほど
踏切が
この世とあの世の
境界のように
思えてきて
知らず知らず
足がそちらに
向いてしまう

やがて
わたしの魂が
一足早く
身体から離れ
駆け足で踏切に近づき
いま
自ら遮断機を持ち上げ
列車が近づいてくるのも構わず
踏み切りの中に
立ち入るのが見える…

そうして
後に残されたのは
ただ抜け殻のように
人生の残照の中で
たたずむ ひとつの身体
いや、
ひとつの視線のみだ

よかろう
もし、そうならば
自己の魂の死を見送った
この視線のみが
わたしに残された
唯一の所有物だ

あらゆる幻滅と
懐疑と引き換えに
手に入れた
この曇りなき視線で
厳然と
この世の行く末を
見届けることにしよう

編集・削除(未編集)

あなた  樺里ゆう

幼い頃からあなたは 自身の母親に
何をするにも口を出され
アルバイト先 着る服の色 電話の相手 一人暮らし
選ぼうとしたもの全てを否定された

今の私よりも若い 二十四歳で結婚したあなたは
あの家を出る方法はそれしかなかったと言っていたね
あなたの夫となる人が 初めてあなたと出会ったとき
あなたは「完全に」母親から「精神的に支配され」
「救われたがっているように見えた」と言っていたよ
その一方で 母親を「捨て切ることもできない」のだとも

子どもが生まれたら あなたは
支配の連鎖を 断ち切ろうとしてくれた
手伝いを頼むときは命令口調にならないよう徹底し
三人のきょうだいを比べないよう気を付けた
ほんとうに 慎重になってくれた
それはよくわかるの

だけど時々 あなたはバランスを崩して
家の中に台風を吹かせることがあったね
長い間 自分の心に立ち入られすぎた弊害か
自分と他者との境界がわからなくなり
なぜ家族は 自分の気持ちや状況を察してくれないのかと
なぜ自分の理解できない言動や行動をするのだと
罵ったり 嘲ったりしてきたよね

私はそんな時 いつも
聞き流すか 自分の部屋に逃げるかして
あなたと向き合うことはしませんでした
決して察してやるものかとも 思っていました

あなたを一人の人間として 私が捉え直せるようになったのは
就職して 家を出てからです
服や食事や日用品
すべて自分で考え 選び 決めているうちに
あの家にいた頃の私も 境界線が曖昧だったと気付いたのです
不本意な提案をされても あなたを傷つけまいと口ごもり
知らぬ間に 自分の感情を抑え込んでいました

今 己の感情を守れるようになった私は 恐れずに
あなたに本音を伝えることができる
それに本音を言ったところで あなたは
拍子抜けするくらい 
私を 蔑まないでいてくれたから

母さん 
私は家を出て 私自身を救えましたが
あなたを救うことはできませんでした
だけどその実 自分を救いきれる存在は
自分自身の他にはいないのだとも 思います

母さん あなたはもう
あなた自身を 救えたんでしょうか
それともまだ 救っている道の途中ですか

誰に何を言われようとも 私がこんなこと言わずとも
あなたの心はあなただけのものだって 
重々承知の上で ただ
救われていてほしいと 願う

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滝本政博さま 評のお礼です  樺里ゆう

滝本さま
お忙しいなか、この度は拙作「西の果て」にご講評をありがとうございます。タイトルもお褒めいただき、嬉しいです。
美術館で古代エジプト展を見たことが、この作品を書くきっかけになりました。
あまり意識したことがなかったのですが、私の詩は大抵、自分の思考を言葉にしてまとめ上げるものが多いですね。

今後も励みたいと思います。またの機会に読んでいただけましたら幸いです。
ありがとうございました。

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