◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)
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昨日の夜からの雪は降り続いたようで
窓を開けると家の前だけでなく
ずっと先の小高い丘まで白く染まっていた
冬の朝の太陽は さっき起きたばかりだから
まだ東の空で眠たそうにあくびをしている
目を擦りながら視線を前へと向けると
未だ誰の足跡も付いていない白銀の絨毯があって
まっさらな景色が拡がっていた
最初の一歩を踏みしめたいという欲望を抑え込む
わたしは もう「大人」なのだから
その特権をいま持っているのは五歳になる息子だ
そんなことを考えているうちに━━━━━
うちのわんぱく小僧が寝室からやってきた
窓から落ちそうになるぐらいに身を乗り出して
冷たい空気を吸い込むと
お気に入りのセーターとニット帽を身につけて家から飛び出していく
風邪ひかないでおくれよ と願いながらわたしは歓声をあげる小さな背中を見つめていた
冬の空には 乳白のひつじ雲が点々と水色のキャンバスに描かれている
天上までの距離は遠いはずなのに
綿菓子のようなかたまりに手を伸ばせば触れてしまうかも
そんな気持ちになってしまう
庭に目を向けて胸の奥に潜めた感傷に浸る
それは幼くして亡くなったもう一人の「我が子」のこと
氷のような悲しみを背負ってからだいぶ時間が経ってしまった
息子にはまだしっかりと話せていない
まっさらな白い雪を見ると純真無垢だった小さき生命のことを思い出す
誰かが言っていた 子供は「七つ前は神の内」
その存在は神様に少し近いのかもしれない
わたしの元から去った生命は尊いものになったのだろう
何処かで見守っていてくれるかもしれない そう願ってやまない
庭で息子がこちらに向かって手を振っている
気がつくとたくさんの小さな足跡が踏みしめられていた
眠っていた白い大地に生きている生命の証が刻まれていくようだ
わたしも手を振り返す
近くの木の枝に溜まっていた雪が重みで落ちる音がしたとき
相変わらず手を振り続けていた息子の顔が一瞬ぼやけて見えた
その時の表情はいまは亡きもう一人の「我が子」に似ているような気がした
家に戻ってきた息子に温めたココアを出してやると
美味しそうに飲む横顔を窓際から眺める
その時思い出したように息子が話し始めた
「向こうの丘の上にちっちゃな男の子がいたよ」
「あの子に気が付いてもらえるように一生懸命手を振ったんだ」
わたしは丘の上に立っていたという男の子の顔を
心の中で想い浮かべる
シルエットは少し揺らいでいて曖昧だったが
その表情は在りし日の「我が子」と
雪のように溶け合いながら 重なった
いえ、お互い同士されるのは、かまわないです。
ただし、批判的なものは禁止とさせて頂きます。
褒める分には、いくらでも褒めてあげて下さい。
ただ、これが頻繁になると、
それはそれで掲示板自体の様相が変わってしまいますので、
節度ある範囲でお願い致します。
また、これに関しても「1往復ルール」が適用されます。
個別に1往復で終了で、
それ以上、話を続けないように、して下さい。
(一部の人で盛り上がると、それ以外の人にとっては入りにくい環境となってしまうものです。
それ故、この掲示板では、すべて一往復で終りにして頂くことをルールとしています)
aristotles200さま
メッセージをありがとうございます。
身に余るお言葉をたくさん頂戴して、勿体なく、でもとても嬉しく、気持ちがふわふわしております。
aristotles200さまの作品も楽しみに拝読しています。毎回ひとつの大きな物語を読んでいるようで、その中に人や人の世の(或いは人でないものも)かなしみやせつなさが感じられるのがとてもいいなぁと思います。これからもお互いがんばりましょう。
(島 秀生さま
嬉しくてこの場を借りてお返事をさせていただきましたが、不都合であれば私もこのメッセージは削除させていただきます。)
人と庸様
「足跡」
拝読させていただきました。
凄いです。
相変わらず、私は貴方の大ファンなのです。
心に、言葉が刺さります。
私が、いつか描きたい世界そのものです。
感銘いたしました。
言葉の格調の高さと、
凛々と言葉が薫る、匂い立つ。
いつか、こういう詩を書きたいです。
ありがとうございました。
✳島 秀生様
投稿者の間で、このような投稿が不可であれば教えてください。
この投稿を削除し、今後はしません。
名前のない真夜中に
とつぜん窓の外が光った
その次に来るものを待つ
待てるほどに
わたしはこれまで天の災厄からも
人のかなしみからも遠いところにいた
その遠さを洗い流すように
こんどは激しい雨が
道は川のようになっていようか
枝わかれの先の枝わかれへと
水は無為の意志で運ばれる
これまでわたしを運んできたものは
わたしの意志にほかならないが
今このときは
その道程が洗われることを望むのだ
洗われると感じるのは
わたしが天の災厄からも
人のかなしみからも遠いところにいるからで
雨は実際には
おのれの足跡をくっきりと残す
また光った
その数秒後
天から咆哮が降ってくる
そして
天も山も街もその境界を失くし
ひとつのおおきな雨になる
街は濡れそぼち
まだ色彩のもどらない朝
雨は白い煙となり
黒い山を這い天に還る
今このときは思うのだ
わたしたちは
世界を借りて生きている
洗われたはずの道に残されているのは
雨だけではない わたしの足跡
この足跡だけは
借り物ではない わたしのものだ
目の前に金塊がある
今なら、自分のものに出来る
薄壁の向こうには
それを知る者がいる
その家を窺う者たちがいる
金塊は、誰かの手に移った瞬間から
誰のものではない
一同、スタートの合図を待っている
この数人を知る者たちがいる
誰かの手に移った金塊を狙うべく
着々と、この家のある村を包囲する
一人漏らさず捕まえてしまえ
この村がある街には
金塊とそれを狙う者たち、この全てを
知る者がいる
村の、全てに人を潜り込ませ
虎視眈々と金塊を狙う
街の、金塊を知る者の企みは
市を束ねる者が知っていて
市の次は県、県の次は府
府の次は、国の王様も知っていて
王様の次には、隣国の王様も狙っている
金塊を目の前にしている男は
知っている
これを奪った瞬間
自分がどうなるかを
故に、動けない
どうすれば良いのか、見当もつかない
それを窺う者たちも
見張られていることに気づいている
更に、見張っている者たちも
狙われていることを理解している
誰も動けない
無造作に机に置かれた金塊は
自分の立場を知っている
ここ百年、代々跡を継いだ者たちがいて
狙われ続けているが
誰も、金塊に触れた者はいない
金塊は、実は
金塊に見えるハリボテであることを
押し黙っている
何故なら、触れられない限り
永遠に、金塊であり続けられるからだ
最初に、ハリボテの金塊を置いた者がいる
ちょっとしたイタズラ
今や
バレたら、とんでもないことになる
故に、目の前の金塊を触ることはなく
家訓として、代々受け継がれている
夜は無人になっている
金塊は疲れて眠り込む
実は、全員ハリボテだと知っている
今さら、金塊ではなかったでは
全員、困る
金塊は、存在し続けなければならない
ある日ハリボテは二つに割れてしまう
その日、皆が見て見ない振りをする
その夜、全員が集まり修理にかかる
ハリボテは金塊でなければならない
幾度の割れと修理を経て
見かけは
ハリボテ以外、何ものにも見えない
それでも、ここには金塊があり続ける
第三者の、誰かが
ツギハギだらけのハリボテを見て
ゴミと思い
道に放り出す
ハリボテは、人に踏まれ雨に濡れた
金塊は消えてしまった
仕方ない、人間のすることだ
すみやかに、翌朝には
かねてから用意しておいたハリボテが
最初の家に置かれる
この手の類いとは、そういうものだ
仕事に疲れて出た俺のため息は、 どうしようもなく、 彼女のため息そのものだった。
何も喋らなくても、その短い、 小高い声の小さなため息が君のものであることは、一目瞭然だった。
薄暗く、誰もいない教室はダンスホールだった。机と椅子がすっかり廊下に出されて開けている。
左前には黒い小さなグランドピアノ。文化祭で、彼女が弾いたものだ。可も不可もない、合唱用の歌。
俺は集団イベントなんて好きじゃないが、それでも合唱祭の練習には参加した。彼女の弾くピアノが聴きたかった。彼女がピアノを弾く姿を近くで見ていたかった。
窓から吹き込んだ桜は、ひたひたと床に落ち、破れた音符の切れ端となり、もの寂しい空間に染み込んだ。時折、破裂音のような誰かの叫び声が、廊下の奥で弾けて反響しているようだ。 顔を上げると目に入る天井のシャンデリアは、現実の窓を濁すように、虚しく明かりを残していた。煌びやかな反射が過去を求める俺をくっきりと鏡映し、俺は目を背ける。
装飾用のガラスのように固くて脆く、いつかは錆びて溶けてゆく運命にある贅沢品。 まるで俺たちみたいだと思った。彼女もあの教室にいるのかもしれない。
今、壁際のピアノの黒い椅子の足元、誰かの靴が片方だけ、 つま先を外へ向けて置き去られている。 それは彼女のものだったろうか。 それとも、俺が履くべき夢が靴の姿をして、 俺の逃亡を助けようとでもしているのだろうか。 また少し遠くで、微かにピアノが聞こえた気がした。 記憶か、残響か。 俺の吐息だけが、埃を揺らした。
窓の外では、霧が立ち上る。 風に混じって、 「あの時の声」が呼びかける。 名もない少女の笑い声、 まだ色褪せていない、最後の青。 俺は立ち上がる。 踊らなかった舞踏の続きを、 あの破れたリズムで踏もうとする。 すると足元に、 花弁より軽い、あるいは記憶より重い、 ガラスの仮面が転がってきた。 それは、カラン、と寂しく響き、誰かがここにいたのだと教えてくれた。それを拾うと、透明な冷たさが掌を染めた。そして、あたりはますます静まり返り、 俺はそれを持ったまま、もう一度、空想のさらに続きをみようと、 目を瞑り、天井を仰ぎ、青空を見た。
次に懐かしいチャイムが鳴ったなら、 俺は急いで目を覚まそう。
そして黒い学生鞄を持って、憧れの人に会いに行こう。
三浦志郎さま 評ありがとうございます。
冒頭佳作&代表作入り嬉しいです。
感動します。まで言ってもらえて言うことなしですね。
別書体バージョンも書いてみようと思います。
今回も読んでいただき、誠にありがとうございました。その上、素敵なご感想までいただき、とても嬉しく読ませていただきました。まだまだ未熟者以下ではございますが、努力していきたいと思います。ありがとうございました。
評価をありがとうございます。
言葉の選び方を次回から気をつけたいと思います。
ただ、遠くからこの方もお仕事を頑張っていらっしゃるのだと思い、尊敬の意味でついつい会釈をしてしまいます。
その事を詩に書いてみようと思いました。
次回も評価を宜しくお願い致します。