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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

夢のまた夢  ふわり座

ズタズタに引き裂かれて
ボロ雑巾のように捨てられる夢を見た
誰か一緒にいてくれる人がいれば
抱きしめてもらうシーンだよ
深層心理の現れなのかな
僕は何かに怯えているのか
いったい何に
過去の出来事に関係があるのか
確信的なことは何もない

まったくお前らしくもない
考え過ぎだよ...と
誰か笑い飛ばしてくれないかな

電気は消えたまま
カーテンも閉めたまま
膝を抱えて小刻みに震えてた

僕らしくもない
グッと力を入れて
気持ちを入れ替えるのに時間はかからなかった
ペットボトルの水を飲み干し
深呼吸を一つ
これで何気なく1日が始まる

ご機嫌なお気に入りの曲を聴いて
徐々に自分を奮い立たせる
サビの部分でテンションはMAX
これで今日もイケる
目玉焼きも上手くいったし自信満々

可愛いあの子も振り向いてくれるかも
それはないか...
でもあんな夢をみたのに
勢いよく吹っ飛ばした僕なんだから
今日なら何が向かってきても心配無用なはず

まあ朝から何か特別なことがある訳でもないが
お昼のコーヒーは目当ての彼女と一緒に
きっと恋の味がする
他愛のない話をして微笑む彼女を見つめる
彼女は少し照れて目をそらす

まだお昼だ こんなものだろう
仕事も上手い具合に終わり
今日は帰り道も彼女と一緒

さり気なく手を握り彼女も握り返してくれた
これはイケる 彼女を家に誘って
僕の心臓は爆発寸前そして部屋に入っ...

ガバっと起き上がった!
なんだ夢か...

編集・削除(未編集)

地下道  温泉郷

歩行速度は人間関係
コツコツ 歩く
後ろから足音
追い抜いていく
はずの足音が並び
追い抜かず 並ぶ

コツコツ
コツコツ

追い抜いていただこう
歩行速度を少し緩める
足音も 速度を緩める

先に行かせてもらおう
歩行速度を少し速める
足音も 速度を速める

並んで歩いてはいけないの?
それはなぜ?
なぜって……
人にはそれぞれの
歩行速度があるんだ

止まるか
走りだせばいい
でも
それをしてしまったら
何かが壊れそうだから
やっぱり 平衡を保とう
そう決めて 歩く
今後は同じ速度を
できるだけピンと保って

コツコツ
コツコツ

しばらくすると
並んでいたはずの
足音が消えていた
自分の足音だけが
地下道に響く

また
後ろから足音が
やってくる

編集・削除(未編集)

サーチライトを躱して  荒木章太郎

そうか、果てしない広告塔は
嫌だ嫌だと拒否すればするほど
「関心あり」と認識するらしい
ならば、無関心が得策なのか

これでは、
いじめられないために
悪意を避けようと
一文字に口を閉ざした
あの小学生の俺と同じではないか

真っ赤な悪意を抱え込んだ
夕陽を拒むように口を閉ざし
地平線を眺めていた

一文字に口を閉ざした
あの思春期の俺ではないか
広がるのは途方もない無関心の砂漠だ

成人の俺になって
無関心ばかりではいられなくなるが
それにしても、「嫌よ嫌よも好きのうち」とは
なんて暴力的な思い込みだろう

(サーチライトを躱す)

スマホに夢中になっている場合ではない
電子音の讃美歌が嫌で
プロトコールという監獄から
脱走を試みている最中だ

編集・削除(未編集)

夏生様 評のお礼です。  荒木章太郎

夏生様、佳作の評を頂きありがとうございました。表現したいことが伝わって嬉しいです。私は夢や希望を描くことは、何か薄っぺらい感じがして、避けてきました。格好(ころも)つけの性分があり、暗くネガティブな詩になりがちでした。それだけに、本作において「希望」や「明るさ」が読み手に伝わったことは、詩作において、とても貴重な体験です。本作は自分が「書きたいと思う」詩と自分に「向いている」詩の違いについて、折り合いがついた時に思いついた作品でした。この日以来、どんな詩を読んでも、その作品の良い所を見つけて味わえるようになりました。また一つ詩が好きになったのだと思います。本当に幸せなことです。これからもよろしくお願い致します。

編集・削除(編集済: 2024年11月27日 22:51)

夏生様へ  詩の評価の御礼

評価をありがとうございます。
秋になったからか、こういう詩を書いてみたくなりました。
何があった訳ではないのに、なんとなく切ない感じを表現したかったのですが、難しいですね。
また、評価をお願い致します。

編集・削除(未編集)

夏生様、「母、ハルピンへゆく」に関する評と感想をありがとうございました。  秋乃 夕陽

夏生様、「母、ハルピンへゆく」に関する評と感想をありがとうございました。
確かに夏生様のご指摘通り、合唱曲の内容や母のその合唱に対する思いなども描けてたら良かったなぁと思いました。
ぜひもう一度練り直して、いつか本を作るときの参考にさせていただきたいです。
ご指摘ありがとうございました。

編集・削除(編集済: 2024年11月27日 10:37)

本当の名前  相野零次

君の名前はなんでしょうか
両親がつけてくれた名前があります
他にはありませんか
そこには本当の名前があります

どこかに落ちているような気がするのです
落ちた銀杏の葉の裏に
雲の切れ間からもれる太陽の光に
満開の桜の木々の合間に

どこからか君の名前が隠されていて
それを僕は見つけなければならない
そんな気がするのです

いやもう見つけているのです
うまれたころからたくさん見つけているのです

僕が初めて君たちの本当の名を知った瞬間
その瞬間に生まれた真実を知りたい

編集・削除(未編集)

三浦志郎様  まるまる

「絵本の読み聞かせをしています」に評をありがとうございました。
メールを書き進められなかった理由をご理解いただけるようすごく迷いました。
ご理解くださり、心情を共有いただけたなんて、ほっとすると同時に
とても嬉しかったです。時間のかかった「残念は・・・」の一行も、書けてよかったです。
気づかい、優しさ・・・実際の私もこの言葉に相応しい人に、いつかは・・・です。
今回もありがとうございました

編集・削除(未編集)

「谷川では瑠璃色の美しい鳥が朝をつげる」

山賊はかどわかす美しい娘ら 世にもまれな彼女たち どこに売ろうかな 法外な値段で
(谷川では瑠璃色の美しい鳥が朝をつげる 霧にくるまれた柔らかな朝が次第に明ける)

山賊たちは腕自慢 近くの百姓はおろか騎士たちにも恐れられている
(朝はしずかに透明に溶け行きまぶしい光を乱射させる)

山賊どもは、大騒ぎ、めったにない美しい獲物を、見ては、酒を飲み、肉を食う
(今日一日の天啓と言った美しい光が、谷から山々にのぼってゆく)

このあたりに山賊を討つものはひとりもいない。金持ちたちは、むしろ、この美しい娘らが、いくらの値段で売り出されるか、もっぱらの評判。あの一番美しい娘には、いくらの値が付くかで、大騒ぎの程じゃ。
(夜が明けた森の精は、しずかにそよかぜを吹かせながら、流れてゆく)

山賊たちは、酒が入ると、どの美しい娘が、自分のものか、次第に内輪喧嘩をはじめる
(山の精は、いつもながらの鳥の鳴き声と、霧の流れ、晴れるさまを、見物していたが、山がはやくも夏が終わりそうなのを気にしておった)

しかし、集まった金持ちたちが、金にものをい言わせて娘らを高値で買い取るので、山賊どもの内輪喧嘩も次第にしたびになってゆくのじゃった
(その日は山は美しく晴れた日じゃった、空から転輪王(注)がふってくる日じゃった)

金持ちと山賊の酒宴と取引のあと、娘らは、泣き泣き方々へ引き取られてゆくのじゃた
(しかし、それを観ておった、転輪王は、山賊どもと金持どもがまた悪いたくらみをしおったな。と、思って転輪王の天空のラッパをたからかに吹くのじゃった)

まあ、あれよ不思議、山賊や金持は、みすぼらしい貧乏人になり、娘らは、天馬に乗って、生まれ故郷へかえるのじゃった
(転輪王は、また人助けをしてしもうたわいと、言いながら、食後の午睡をするのじゃった。谷と山はいつものように美しかった)

その後の山賊、金持、娘らの行く方はだれもしらんそうじゃ。



(注)てんりん‐おう〔‐ワウ〕【転輪王】

《(梵)Cakravarti-rājanの訳》古代インドの伝説上の理想的国王。 身に三十二相を備え、即位のとき天より感得した輪宝によって四方を降伏 (ごうぶく) させる。 輪宝の種類により、金輪王・銀輪王・銅輪王・鉄輪王の四王がある。 転輪聖王。



編集・削除(編集済: 2024年11月30日 05:56)

三浦志郎様へ 評のお礼です。  人と庸

三浦志郎様、読んでいただいてありがとうございます。
おっしゃった通り、「電車」はひとつの社会(会社、でもいいのですが)として書きました。ただ、社会学ということになると、恥ずかしながら不勉強なのでよくはわかりません。
タイトルは、晴れた空から降る雨、「天泣」と、虹という意味の「天弓」(「天弓」という言葉を、私は今回初めて知りました。)、音が同じなのが面白いと思って使いましたが、もっと考えてみます。
佳作との評をありがとうございます。
また投稿しますので、よろしくお願い致します。

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