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編集・削除(編集済: 2023年10月25日 04:10)

同じ時代の悲しみに   晶子

いつだって
日常という板の上では
落ちないように
皆必死です
次こそから次へと来る悲しみを
抱えていては
生きていけない

大切な人を失った悲しみも
その人を失って悲しむ人が亡くなっていけば
少しずつ少しずつ
かたちを変える

だからせめて
同じ時代の悲しみに
悲しんだっていいだろう

編集・削除(編集済: 2024年03月12日 06:39)

孤独  静間安夫

同志の皆様へ

取り急ぎ一筆申し上げます。

皆様には、長きに亘って私の逃亡生活を支えて頂き、厚く御礼申し上げます。

思い返せば、爆弾製造の専門知識を買われて、私がこのグループにスカウトされたのが、50年前のことでした。しかし、私が加わって活動を始めたとたんにグループのアジトが摘発されてしまい、その後は、ただただ公安・警察の目をかいくぐって逃げのびることだけが、わたしの「任務」になってしまったように思います。

しかし、誤解しないで下さい。わたしはこの任務に意義を認めていなかったわけではないのです。たしかに、破壊活動を通じて社会不安を引き起こし、やがては混乱に乗じて現状の体制を転覆、理想社会を招来するという我がグループの成功のシナリオと比較したとき、この50年の結果は、決して受け入れられるものではないでしょう。ただ、たとえそうであったとしても、刻々と輪を狭めるようにして管理と警戒を強める現在の社会の中で、同志の助けを得ながら官憲の手をかいくぐって逃げのびる、という任務を遂行することで、何ものにも拘束されることのない生き方を貫く、というグループの美学を多少なりとも実現できる、とわたしには思えたのです。

例えば、運転免許証にせよ保険証にせよ、一切の公的な証明がない状況で日々の生活を営むことが、いかに困難であるかは、よくご存じでしょう。しかし、逆にこの試練を克服すれは、既存の国家や社会の枠組みが必ずしも絶対的なものではないと証明できる、とわたしは捉えたのです。そして、こうした幾多の問題を乗り越えて地下生活を生き抜くことが、同志の皆さんの支援に応える唯一の道、ひいては、われわれの目指す理想社会の一側面も示すことができる、と考えたのです。

ところが、わたしがこうして自らを納得させることができたのは、まだ若く気力もある年齢まででした。言い訳がましく聞こえてしまうかもしれませんが、逃亡生活も後半にさしかかると、これまでに経験したことのない孤独感に苛まれるようになったのです。もとより支援者の皆さんと直接会うことは許されていませんし、偽りの名前と経歴を使って何とか入り込んだ職場の同僚と、親しくつきあうこともままなりません。周囲の人々との交流を避け、ひっそりと生活し、文字通り、砂を噛むような孤独を耐え忍ばなくてはなりませんでした。

それでも、わたしは耐えました。耐えに耐えました。しかし、ついにわたしの忍耐も限界に達するときがきたのです。きっかけは、最初はただの腰の痛みと軽く考えていたものが、悪化し始めたことです。医師の診察を受けられないわたしにとって、やがて飲酒に頼る以外に痛みを紛らす術がなくなりました。そんなときです。勤め先からの帰り道、痛みを抱えながら一刻も早く隠れ家にたどり着いて強い酒をあおろうと急ぎ足で歩いていたそのときです。いつもはただ通り過ぎるだけの居酒屋の中から漏れてくる灯りと人々の声が、なんと懐かしく魅力的に思えたことか!

気がついたとき、わたしはすでに酒場の他の多くの客と酒を酌み交わしていました。彼らにとって、わたしがどこの誰であろうと、別にどうでもいいことであり、お互いに楽しく呑めればそれでよかったのです。そして、わたしが何より驚いたことは、そんな酔っぱらいたちの世界に、いや、これまでわたしが意識的に遠ざけてきた市井の幸福な世界に、自分が全く違和感なく溶け込んでいることでした。

もう、おわかりでしょう。そのとき、わたしを長きにわたって閉じ込めてきた自意識過剰の牢獄が崩壊したのです。わたしが人生の大半を捧げて闘ってきたものとは、一体なんだったのでしょう?結局のところ、わたしは独り相撲を取っていたに過ぎなかったのです。

それから、ほぼ毎日その酒場に通い続けた結果、腰の痛みは、耐え難いほど悪化し、もはや酒で紛らわすこともできなくなりました。命を縮める行為であることは、わかっていました。それでも、わたしはやっと掴んだ人々との交歓の日々を手放すことができなかったのです。もう孤独な世界には戻りたくなかった…それだけです。

そして、いよいよ、わたしにとって最期のときがきたようです。わたしは、これから、この50年間を通じて初めて病院に行き、せめて鎮痛剤を処方してもらおうと思います。本名も名乗るつもりです。なせなら、そのことによって初めて、自分の人生にケリをつけることができ、また、深い孤独からわたしを救ってくれた酒場の人たちに義理を果たすことができる、そう思うからです(もちろん、これもわたしの独りよがりかもしれません)。

同志の皆さん、最後の最後で裏切ることになり申し訳ありません。ただ、安心してください。警察の取り調べに応じて、何らかの情報を話せるほどの明瞭な意識は、わたしにはもはや残されていないでしょうから…。

○田△夫

編集・削除(編集済: 2024年03月12日 14:48)

静かの海 大杉 司

普通の日が
普通でなくなり
あった景色や人集りが
消えたあの日を思い出す

あれから13年が経つが
街は癒えることなく
悲しみや後悔で埋め尽くされ
立ち上がる気力さえ消えた

応援ソングやチャリティーで
「勇気づけられた」と言っているが
それは本心だろうか?
無理をしていないか?

原発反対を合言葉にして
住んでいた人々を疎外し
「あそこは危険だ」などと言い
助けようとしない集団がいる

もはや慈悲はなく
操られている方々だ
距離を置くべきと
僕は思っている

行方不明者は見つからず
ただ時間が過ぎるまま
荒波いよいよ落ち着いて
やがて静かの海となる

こんな悲しい景色は見たくない
こんなことが起こってほしくない
心の中で皆共鳴して
しっかり目を閉じる

編集・削除(未編集)

はじける  ベル

卒業というひとつの点に向かって
私たちは日々を過ごす
そして弾けてそれぞれの未来へ行く

もうすぐその日はやってくる
仲良しグループのみんなで言う
卒業してもまた会おうね

そんな寄せ書きを贈り合う

あれから十数年の時が流れた
もうすぐ私も結婚する
住み慣れた部屋の整理をしていると
あの時の寄せ書きが出てきた

タイムマシンに乗ったかのように
あの頃の思い出が蘇った
みんなの顔が、声が、浮かんだ
そしてこれからの私に
勇気をくれた
卒業してもまた会おうねは
嘘じゃなかった

あれからさらに時が流れた
娘が今、卒業に向かっている
羽ばたいて行け
今が大切な思い出になる日まで

編集・削除(未編集)

紅色のすみれ  上田一眞

柔らかな陽光が零(こぼ)れる
麗らかな春
山あいに咲く
紅色のすみれに会いたくて
滑(なめら)峡*まで足を運んだ

峡谷周りの照葉樹林を
逍遥すると
シイやコナラの若葉が

 しゃらしゃら
 しゃらしゃら と

擦れ囁き 春風が心地よい
小一時間 樹林下を彷徨う
蔦に足を捕られ 藪漕ぎに苦闘して
汗を拭っていると
出会いは突然訪れた

森に佇む
一朶(いちだ)の紅色のすみれ
細い杣道に沿って

 ぽつぽつ と

ひらく 花くれないの群れ
綻びる蕾
葉先まで紅紫に染まり
可憐に咲く小花が愛おしい

そっとすみれの花弁に触れた 
すると私の内部にぞくりと戦慄が奔った
散りどきを悟って咲く花
滅びの美
僅か五日の命なのだ

放散される香りにいざなわれて
一匹のハナバチがやって来た

 ぶんぶん
 ぶんぶん と

孤独な羽音をたてる
魅入られたように飛び廻り
花の虜となった
はぐれ蜂

私も対の蜂となって
花の精の虜となる
紅一点を見つめていると
くれないのすみれは

 そより と

一瞬の風に応えた


日陰を好む紅色のすみれ 
春の懈怠を捨て去り
緩やかな時の流れに逆らって咲き急ぐ
野の花だ






*滑峡(なめらきょう)山口県中央部に位置
 し 国有林で名高い

編集・削除(未編集)

神は細部に宿る 三浦志郎 3/8

フランスの小説家 ギュスターヴ・フローベール
あるいは
ドイツの建築家 ミース・ファン・デル・ローエ

私にとっては 
その言葉を
誰が言ったか などは
実はどうでもいい
不明でもよかった

その言葉のみ
「神は――」
全てを睥睨しつつ
この言葉こそが人を動かし得る
芸術王国の創造点に
舞い下りる
着地を遂げる

私にとっては
ヒントとして
「神は――」
実に
アマチュアリズムと
プロフェッショナルの
分岐点となって現れる

名ある言葉も絵画も音楽も
細やかに押さえつつ
やがて大きな世界へ旅立った
あるいは
大局を鷲づかみして
細部を差配して降ろしていった

どちらも又
神が与え給うた任意であるだろう

一般には
気づかれることは少ない
それこそが分かれ道
一握りの人々が
その部分を追い求め 
発汗(パースピレーション)している
細部への汗は
歴史を刻むであろう産物の中に
確かに流れ込んでいく

編集・削除(未編集)

北の庭には黒猫が歌う 紫陽花

陽の射さぬ北の庭を好むのは
孤独な私とクリスマスローズだけ
世のすべてを呪いながら
この花は私にやさしく語りかける
幸せになれると思った 
あなたを神だと信じていた時は
今宵もそんな声が聞こえた気がした
そんな時 私は庭を想う

月の無い闇夜は本当に寂しい
でもどこか安心感もあり
私は眠れぬ夜に庭を眺める
そこにはただクリスマスローズだけが
白く浮き上がるように咲いている
そしてその花のもとには
いつも痩せた黒猫がいた

痩せた黒猫は白い花びらをちぎる
限りなく透明な雫が流れ
その滴りに唇をつけてすする
黒猫は歌い始める 一晩中 
時折こちらを見ながら
低く低く 時にかすれた声で
ときに白い花びらをちぎり
滴りで喉を濡らす
私はそれをいつもただ見ている

やがて月が昇ってくると
クリスマスローズの白さは闇に溶け
黒猫のいた場所には
ただ黒い土が盛り上がっている

編集・削除(編集済: 2024年03月07日 21:40)

眠れない夜について語ること  荒木章太郎

真夜中に目を覚ますと
決まって最終電車の音が風に吹かれて打ち寄せてくるのだ
頭の中の遥か遠くの片隅でラッパの音が鳴っているのだ
かの軍隊行進曲だ
あの駅前のパチンコ屋から鳴り響く威勢の良い高揚感

死の恐怖を無意識の井戸に沈める
貧しい方へと
若い方へと
弱い方へと
もうへとへとになってしまった

原始的な欲望は雪だるま式の戦車となる
一夜漬けの投資家達は
魅力的な課金制度で
疲れを真っ赤な火の玉に解釈して
雪を溶かして高感度な欲望へといざなう

肉体は猥褻な雑踏を避け朝の公園へと逃れたが
街中の老廃物がアバターとなって集まり
同じ方向を向いてラジオ体操をしているではないか
ならば駅前に行くしかないか

駅前はカンカンとうるさい匂いを放ち
区役所庁舎ビル建設工事が始まっていた
(今何時だと思っているのか)
コンクリートで固められた超自我が
東口と西口の間で佇む古井戸に圧力をかけていた

カンカンと遮断機の目が日の丸の旗
"右・右・左・右・右・右・左・右
全体止まれ ・前へならえ・やすめ
そして考えるな! "

(支配者も陰謀論者も特定の個人ではない)

語れない夢の中では
いつも最終電車に間に合わない
乗れなくもよい
感じて泣いて
吐き出して
考えて良い

どうか戦争をしない
子供達に育ててください
お願いです車掌さん
見上げると彼には頭がなかった
(思考すら音声案内なのか)
夢すらも支配して伏線を回収し
世界中の皆様に承認されたいと思っている
現実には戦争が起こっているというのに
自己愛だけが脳天気に翼擦って歯軋りして歌をうたう

1・2・3・4・1・2・3・4・1・2・3・4
(シアワセハ・アルイテコナイ・ダカラアルイテユクノダネ)
昭和歌謡がサンプリングされループする
汗かきべそかき歩こうよ
前を向いて歩こうよ

体を起こしカタカタと背中まるめて検索を駆使する
鬱蒼とした無力感に感染せぬよう最新の注意を払う

考えて・考えろ・考えろ・考えろ・考えろ・考えろ
もう臍の緒はとうの昔
祖先が大気圏を飛び出した時に断ち切っているのだ
絆という鎖の重さに頼るな
最初から無重力なのだから
空っぽな自己の軽さを恐れるな

考えるだけではだめだ行動しろ
決してたどり着けないと悟りながら
現実に触れる旅に出るのだ
他者と対話するのだ
決して一つにはまとまらないと悟りながら
統合を目指すのだ
どうせ最後は自我は溶けて
黒い闇へと混ざるのだから
なにも始発電車に乗る必要はないが

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「ぼくはこんなに手を振ります」


いいのです
いいのです
こんな私でいいのです
夜に独りで座っているのです
黙狂かもしれないのです
明日はべらべら
しゃべるのでしょうか
いいえ
明日もやはり黙狂なのです
言葉を教えられてないのです
生まれてから
ずっと
教えられれてないのです
黙狂を通すのです
秋の
舞い散る枯れ葉のように
悲しいのです
だけど
泣かないのです
泣けないのです
もう若くないのです
死に絶えるのです
黙狂なのです
みなさん
さようなら
よくしてくださいましたね
ぼくはあんなに手をふります
ありがとう
こんにちは
言葉を
かけてくださって
うれしかったです
さようなら
さようなら
ぼくはこんなに手を振ります

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紗野様 評のお礼です 喜太郎

読んで頂き、ありがとうございます。
そしてアドバイスまで頂き、誠にありがとうございます。
アドバイスを活かして、今後も創作していきたいと思います。

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