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ホロコーストの悲劇がある民族だから、ついつい遠慮してしまうんですけど
だからといって、他者に何してもいいっていう理屈には絶対ならないと思うんですよ。
国際社会はもっと真正面から批判すべきと思います。
即時停戦を望みます。
●秋さや香さん「流星群」
仔細なことを言いますが、スタートを
十七歳の無力さを覚えているか
という、問いかけにすると、読者側も自分の十七歳を思うことになり、したがい、「共通項としての十七歳」がテーマになってきます。
一方、自分の家族や家庭など、個人的事情に関わることをテーマにして書こうとしてる場合には、
十七歳の無力さを覚えている
と、問いかけにはしないで、始める必要があります。自分語りの場合は、こっちってことですね。
今回の詩の場合、前者であるので、前者をテーマとしているという認識で読ませてもらいます。
大人になることも
子供でいることもできずに
救うことも
救われることもできずに
なにも紡げない白い息
こういった詩行にキーとなる心情やテーマ性を感じて読みました。
まだ世の中に出て何かをなせるわけでもなく、かといって子供にも戻れない。しかしながら、そろそろ将来への意志決定を迫られてる時期ですから、なにかアプローチを始めてるかもしれませんね。しかし世間はそんなに甘くない。焦りが無力感を助長するところがある時期のようにも感じています。
一方で、青春の最も多感な時期でもあります。いろんなことを思うでしょう。あこがれが強い時期でもありますし、逆に傷つきやすい時期でもあります。
2連の「うかつにひらいた手のひら」から始まるこの詩の物語は、私は後者の話のように感じて読みましたが、読者それぞれが想像を巡らせて読んでよいと思います。
あふれる情感は、程よい抽象化が試みられてみて、どの連もキレイです。今回の詩は、洗練された叙情表現が特に続きますね。
出会わない折り鶴たちが
横たわる窓辺
途切れてしまうオルゴールの
切ない音色を繋ぐように
とりわけ、この2連は好きですね。
終連の1つ前、
できないことばかり数えていたけれど
光って消えてしまうだけの星は
ただそれだけで
じゅうぶんに美しかった
これは、その時の作者の心を癒したのだろうと思われ、一縷の希望ですね。これが来て終わっているので、少しだけ救いを得て、読み終えられるような気がします。
うむ、ちょっと高度で読むのに時間かかりましたが、名作を。
初連の「一七」を、終連と同じ「十七」で統一する点以外、特に不備はないです。しっかり気合いの入った表現力でした。
まあ、強いていえば、もう一つ、二つ、ヒントが欲しいけどな。
●akkoさん「じゃあ、そろそろ・・」
本当に我慢強い人ですね。痛いとか、つらいとか、しんどいとか、そういう言葉を聞いた印象がないのが凄いなあーと思う。
あとから思えば、きっと団らん中に「じゃあ、そろそろ・・」と席を立つ時も、自分の体に不調を感じて、自室に引っ込んでたのかもしれませんね。
昔かたぎの人は、医者嫌いだったりするから、定期検診とかも受けてないんでしょうねえ。もう少し早く病巣が見つかると良かったのだけれど、自分からは医者に行かん人だったんでしょうね。
良い思い出ばかりを残して逝かれたんですね。いい旦那さんです。
作品ですが、大事なこと、書かねばならないことを、きちんと選んでピックアップされてるから、内容がぎゅっと詰まってます。
いい詩というのは、どう書いたところでいい詩であるので、このままでも大丈夫なくらいなんですが、ちょっとだけ整理のために微調整しますと、
初連はそのままで、2連以降を、
浅い息遣いの夫に
ごめん、不出来な妻でごめん・・・
と 何度もあやまった。
深夜の見守りを私と交替したばかりの息子が
「お父さん 息していない!」
と 駆け込んできた
団らん中に静かに席を離れるときの夫の口癖が
「じゃあ、そろそろ・・」だった
明けの明星が最後の光を放つころ
一瞬の隙を狙って夫は
「じゃあ、そろそろ・・」と
無言で空へ旅立っていった
春は残酷
我が家の死を受け入れねばならぬむごい春
一輪の真紅のばら
厚ぼったいビロードの花びら
金粉のような花粉を贅沢に撒き散らし
しおれようとしながらも
高貴な香りを最後まで漂わせてくれた
いとおしい いとおしい
真紅のバラよ
こんな感じに整理されてはどうでしょう。
特に気になったのは、2連初行の、
ごめん、不出来な妻でごめん・・
が、初連の診察中の言葉ではなく、深夜の見守り中にかけていた言葉であることです。
そこは、このようにわかるようにしておきたいと思いました。
ご参考まで。
名作です。紛れもなく、現時点のakkoさんの代表作です。
あまり男性がバラに喩えられることはないんですが、男性が女性に想うバラの花のように、
作者にとっては、夫がバラの花のようだったというのが、この詩の特徴的な部分ですね。詩作品としての個性も備えています。
●上田一眞さん「桔梗の化身」
おやまあー 凄い褒めっぷりですね。
注釈等、断り書きがありませんので、何かの作品の人物や有名人を想像することは不可能です。この書き方ですと、あくまで作者の身の周りにいる私的な人物を想像して読むしかありませんので、そのことを先にお断りしておきます。
まあ、初連は客観として、
この詩は2連目以降を全部モノローグと読むこともできるのですが、私はなんとなく、2~3連は相手側の言葉で、4連初行でもって作者が呼応し、以下、作者側の言葉というふうに読むことにしました(迷いましたが)。
もしそれで合ってるなら、2~3連の言葉はもうちょっとその人の語り口に合わせてもらった方がいいでしょうね。そこと4連以降の語り口とに差がない点が迷う原因です。
これ、相手側は返事に困るだろうな。終連の初行にも「ため息などつかないで」があり、その様子が伺えますが、これ、マジメに言ったら、相手側が困りそうだ。(まあ、惚れてれば言うかもしれないけど)
これ、相手も困るけど、読者も困りますね。なにしろその相手のビジュアルが読者には全く見えてませんのでね。唯一「楚々とした」の言葉があるので、「楚々とした」雰囲気はあるんだろうなあと思うけど、手がかりはそれぐらい。顔立ちも容姿も着ているものも想像つかない。わからない。読者的には、映像はまだ空気状態なので、空気を相手に、良いとも悪いとも、合ってるとも間違ってるとも、言えないわけで。ああ、そうですか・・・、しか言えない。
それが感想です。
この詩、一見書けてるんですが、アプローチが間違ってる気がします。
現実的に、当事者二人のあいだには情報がいっぱいあるわけですが、読者はその二人についての情報はゼロです。
その状態のままで書いてしまうと、当事者二人のあいだではよくわかる詩になるけれど、読者にはさっぱりわからない詩になるわけです。
この詩は、二人のあいだだけでわかる情報で、書きすぎています。読者への情報提供のフォローがない。
読者には相手の人物像がさっぱり見えてないから、「桔梗の化身でしょう?」と言われても、賛同も共感もできないというのが感想ですね。
漠然と、あまーい雰囲気は伝わってきますけど、それを漠然と感じることぐらいしかできないですね。
例えばね、数編の連作の中に、この詩があるのであれば生きると思います。というのは、他の詩の中に、相手のことを説明してくれる詩が別途であるから、それによって補完されて、この詩も読めるようになるわけです。
ところが補完関係によって成り立ってる詩を、単独で出してきても読めないわけです。
そういう構造を持ってる詩を手本に準じる時は、注意しないど。
一つ提案ですが、たとえば、
徹底的に相手側を書く。相手の容姿、そぶり、発言、作者への対応などを描いて、それから次にその人が桔梗に愛着を示す様子を描いて、(言えば、それら論拠となるものを示してから)作者は、心の中で、(きみこそが桔梗の化身だよ)と、ぽそっと呟く。
そういった展開のほうが、読者的には桔梗に喩える意味がわかって、スッキリすると思います。一つの案ですが。
いずれにせよ、アプローチからやり直してみて下さい。評価保留にします。
●まるまるさん「現実のこと」
良いことを書いてくれています。
教科書で習ったこと。
未来の教科書で、習うであろうこと。
でも、今も戦争で死んでゆく人はいて、
決して返らないこと。
いい着眼だし、書かれていることもすばらしいです。
ただ、そこまでで終わっちゃいけない、という気がする。
ヒラメキがあって、詩を書きますが、ヒラメキだけ書いたのでは、いい詩にならないんですよね。そこでもう1回考えて、骨組みだけのものに肉づけをする。あるいは膨らませて、当初予定の家より、もう一回り大きな家にする。その、後からの努力が、結構大事なんですよね。詩の後半の作業と言っていい。
たとえば、初連の時の自分の姿。2連での、未来の子供の姿。それらが映像としてあっていい。亡くなる人も人間だが、そこで学んでるのも生身の人間なんです。どちらも人間同士を感じさせる意味でも、そこに人間の姿があっていい。
また、話の思考展開として、もう一つ先の展開を考えてもいい。
たとえば私なら、こういう第3連を設けます。
きょうも爆弾が降る
砲が打ち込まれる
兵士が銃を撃ちまくる
きょう亡くなっていく人たちの具体連です。こういう思考展開例があってもいい。
まるまるさんはベテランさんなので、以上のようなことも考えてほしいのです。期待度高いですから。
いいこと書いてくれてる詩なんですが、完成形まで行ってなくて、「まだ途中」感が強いというのが、この詩の感慨なのです。
きっといい詩になるから、もうちょっと練ってやって下さい。半歩前とします。
それともう一つ気になったのは、
フランス革命も、スターリンの大粛清も、ざくっとで言えば国内ものに思うのですが、複数の国のあいだの戦争でなく、国内ものを選んだ理由が何かあるのでしょうか? 「うんとひどい」例というだけの意だったら、第二次大戦をはじめ、例がもう少し並んでいい気がしました。念のために言いますが、イスラエルとガザは、国内紛争ではありません。
●理蝶さん「天使の息抜き」
ナルホドー、天使なんですね。
初連の
一仕事を終えて
くたびれた翼を羽ばたかせ家に帰る
の翼は、比喩じゃなかったんだと、あとでわかりますね。
サラリーマンが仕事が終わって、ビールを一杯ひっかけるがごとくに書かれてるのが、おもしろいところですね。天使がサラリーマンすぎるところが笑えます。いいユーモアですね。
あと、夜空を掬い取ったあとの、コップの中の模様を描いた表現が、すごくステキだ。眺めてるところの3連ね。ここが一番の読みどころですね。何度読んでも、うっとりするものがあります。
飲んだ時の味覚表現を含め、ここらあたりを丁寧に表現してくれたことが、この詩の魅力になっています。
うむ、よく書けてます。名作あげましょう。
ベストの作とは言いませんが、代表作の仲間入りさせていい作と思います。
終連の「お呼ばれ」だけ、イカンですね。
「お呼ばれ」は、「人から酒食のもてなしに招かれること。」以外に意味がないですから、意味が変わってしまう。これ、たぶん「呼び出し」に丁寧語の「お」をつけたつもりなんでしょうけど、「お呼ばれ」と書くと、意味が変わってしまう。
主人公だけが呼ばれた意か、サラリーマン天使全員が呼び出された意かで書き方が変わると思いますけど、前者なら「呼び出し」、後者なら「非常招集」「緊急集合」くらいで、いいんじゃないでしょうか。そこだけ一考下さい。
●荒木章太郎さん「依存」
大要は悪くないですねえー
表現は飛躍があってもいいんです。でも、バックとなるロジックは飛躍させないで、丁寧に語ることです。ロジックの方は飛躍させちゃいけません。順に繋がっていかないといけない。そこらあたりですね、課題は。
依存の過ちということでは、この詩は終連がない方が、スジが繋がってていいですね。その方がテーマも大きく感じるし。
終連で、自分個人に落とす時に、話がズレた気がします。
終連削除で、3連を3行ずつ、2つの連に分けるといいですね。
その方がテーマ性がしゃんと見えます。
それと、「人生は短いといふのに」の「いふ」ですが、部分的に旧かなを使うというのは、良い悪いという以前に、国語的な意味で間違いになってくるので、やめたほうがいいです。また、もしもこの部分が引用であるなら、何からの引用か、注釈をつけましょう。
注意点は、以上のようなところです。
あ、でも、表現力は豊かなものをお持ちなので、ロジックと表現が一体となる文体が書ければ、飛躍的に良くなると思います。良いものをお持ちですから、ガンバレば、いいセンいきますよ。
荒木さんは、私は初回なので、以上、感想のみです。
ぬばたまの黒い闇から生まれ出た
犬に
魂を食い破られ
その衝撃で
眼は色彩を失った
うつ病という名の狂犬が暴れ廻り
こころが壊れると
色がともに散華した
真紅の薔薇はセピア色へ変わり
次第に彩度を失って
モノクロと化し
黒い薔薇となった
生活の中から彩りが消えた
蝶 も
蜻蛉 も
蟻ん子 も
私が愛する
生きとし生ける小さき命が
黒いゴキブリに
姿を変えて
ゴソゴソとこころの襞を這い廻った
**
いま思い返すと
あの日は
生産部門でミーティングの予定だった
就業時間の前に済ますつもりで
早朝 自宅から
工場事務所に直行し
古い社屋の入り口に立った
胸がざわつく
どこか普通じゃない
色がない
もともと一帯はコンビナートで
工場地帯
スレート一色だ
無機質で彩りに欠けるところではあるが
それにしても様子が変だ
陽は登っているのに 鈍色
アッシュグレーの世界
中庭にある邸内社の朱い鳥居も褪色し
抜けたような薄墨の世界に
変わっている
そして ついに現れた
夢の中で
私の魂をバリバリ喰らう犬
闇の中から生まれ出た狂い犬
そやつが
事務所の前にいぎたなく寝そべっていた
眩暈と悪心にしゃがみ込んだ
足元を見ると
靴は軟らかい犬の糞を踏みつけて
汚穢と臭気に包まれていた
私は激しく嘔吐した
**
精神科医院の門を潜った
うつ病と診断された
医師から
甘くみてはいけないよ
入院してきちんと療養するようにと
告げられた
しかし
自分はそれが許される状況になく
断らざるを得なかった
ただ 身体があちこち傷んでおり
血尿 下血が続いていたので
検査するため
人間ドックに入った
そして
うつ病と向き合うことにした
日々うつは悪化して行った
眠りは浅く不眠症に陥った
わがこころの中の街並は
色を失い
風が途絶え
小鳥は何処かに去って
人の気配すらしなくなった
病んだこころと身体の相剋
病んだこころと頭の背離に
痛みを覚えた
あまねくこころの内も複雑に乖離した
何もかもバラバラだ
人格の統合すら怪しく感じられた
ああ もう疲れ果てた
うつ病とそれに伴う幻覚・幻視を
発症しているとはいえ
色彩を喪失するなんてキツいなあ
洒落にならないよ
俄にはこんなこと他の人に説明したって
信じてもらえるはずもないし…
私は途方にくれ
後ろ髪をひかれながらも一ヵ月ほど
休職し
こころの病と対峙した
しかし それは終わりではなく
うつ病との長く
孤独な
闘いの始まりにすぎなかった
今回も感想とアドバイス、誠にありがとうございました。まだまだ未熟な自分の詩、もっともっと勉強して投稿したいと思います。
ありがとうございました。
今回も的確な感想とアドバイス、誠にありがとうございました。指導された所、もう一度、自分でよく考えて完成させたいです。誠にありがとうございました。
日曜日の午後
あなたはカーペットに横になり
YouTubeを観ている
最近ハマっているシリーズがあり
昔の恋愛を思い出しキュンキュンすると言う
あなたの昔の恋愛の話しは
詳しくは知らないし聞いていない
嫉妬心もなくキュンキュンと言うあなたが可笑しい
かくゆう私も携帯で流行りの恋愛コミックでキュンキュンだ
似たモノ同士
あなたも私も登場人物に簡単に感情移入してしまう
ヤキモキしたり相手の喜怒哀楽は見ていて楽しい
それはあなたも私を見て思っているだろう
お互いにお互いをキュンキュンする機会は減ったけれど
まだキュンキュンする気持ちはあるんだと思うと
なんだかあなたといる事が幸せだと再確認する
こんな詩を書いている私にあなたは………
キュンキュンする?
今君の前にあるゼロは
どんなゼロ?
最初からそこには
何にもなかったゼロ
豊かだった場所から
多くが失われてできたゼロ
正反対の物事が
一思いにぶつかってできたゼロ
どん底に落ちてから
地道に這い上がってきたゼロ
隠し事をするために
冷や汗かいて偽った
後ろめたいゼロ
油ぎったしがらみを
思い切り取っ払った
清々しいゼロ
カレンダーを破っては
残りを数えてたどり着く
最後のゼロ
産声をあげた
素敵な未来を創造する
始まりのゼロ
ゼロはゼロでも
色んなゼロがあって
長い道のりを経て
目の前にゼロとして現れる
ゼロをただの無として切り捨てたら
きっと多くのことを見落としてしまう
ゼロはゼロでも
どんなゼロなのか
きちんと見極めなくちゃ
たくさんのゼロで頭がこんがらがってきただろう
それじゃ正しく見極められない
ほら
頭の中をいったんゼロにして
世界をもう一度見つめ直してみよう
今君の前にあるゼロは
どんなゼロ?
かいじゅうの
うたが流行っていた
はるか昔にも違う歌詞で
かいじゅうの
うたが流行っていた
バリケードを作り
闘っていた人達が
まとまってうたっていた
その後懐柔され
十分に研究され
なし崩され
散らばった父母から
僕は十姉妹に生まれた
世間から始末されることを恐れ
野生にもなれず
かいじゅうを夢みていた
やがて空を舞うことを諦め
翼を捨て足を鍛えて
疲れ果てた靴を産む
靴は時代に取り残され
かつて僕が蹲った場所にいた
帰ることのない母が戻るまで
意地になって待ち続けた
未熟な林檎の頬をした少年
アジテートして
ストライキしていた
かいじゅうとは何か
今一つ分かっていない
自分を抱きしめる意味が
今一つ分かっていない
故郷のバス停で
その少年がしゃがみ込んでいた
肩の強ばりは理解できる
黙って抱き締めればよいのか
大切に使う なんでも
まだ使える もったいない
タオルなんて擦り切れるまで
捨てない 買い足さない
生前の母に言われたのは
置いておく土地代がもったいないよ
捨ててもいいよと言われたようで
正直少し ほっとした
でも やっぱり捨てられない
ジッパーのついた保存袋は
洗って干して もう一度
その時に使う 水 洗剤 時間に手間
プラスになんてなりっこない
わかってるけど 止められない
今日も 洗ってまた干した
本当はもう やめたい
次は捨てよう
心に決め 手を拭きながら振り返る
観るともなしについているテレビ
聞くあてもなく聞こえてきたのは
たやすく物を捨てられないのは
感謝の気持ちを持てるからです
あ、そうそう その通り!
洗えばもう一度使える袋は
私からしたら まだ生きている
残る機能には敬意を払い
働く機会を奪いたくない
だから 洗って干している
よかった
ただのケチケチの節約家
というだけではないらしい
ふふふ
今日が特別な日か
それとも同じ日か
捉え方は人それぞれ違うし
感じ方も違う
しかし僕にとっては
今日が特別な日で
水を浴びた花のように
いつもより清々しい
昨日までは子供だったのに
今日から急に大人になった
不思議な気持ちだが
それも次第に慣れるだろう
ただ大人になったからと言って
全てが許されることは無く
未だ縛られたままで
身動きが出来ない
その約束を破る人を
世間では「不良」と呼び
吊し上げて罵倒し
隅っこまで追いやる
そんな社会に疑問を持つか
それとも見過ごすか
捉え方は人それぞれ違うし
感じ方も違う
話を戻して
何故特別な日なのか
その理由は
今日で「成人」になったから
これからは良く考えるし
良く働くし
良く葛藤するし
良く悩むだろう
それが大人になる証拠で
日々成長するようになる
暗い顔をせずに
明るい顔で歩いていこう
あの 茶色いごつい上着あったやろ?
あのあったかい上着持ってきてくれや
またまた仕事先に自転車移動中
88歳少々認知症のあるお義父さんの
入院先の病院から電話が入った
始めは看護師さんが
お義父さんがなんか寒いって言ってて
と話してたが
途中から お義父さんがナースステーションまで
ついてきてしまって電話代わっていいですか?
とクスクス笑いながら言ってる
間髪入れず お義父さんの声が聞こえてくる
茶色のお気に入りの上着がない持ってきて
と繰り返している
目下お義父さんは1月から
くも膜下出血で入院中
一時期危なかった容体も最近では落ち着き
週に2回は電話がかかる
結婚して16年
お義父さんとの地理的距離は少々遠い
心の距離だって同じくらい少々遠い
それはいつだって変わらなかった
ただ 今年の1月から
お義父さんとの心の距離が近いような
非常に近すぎるような
人付き合いがまだまだ苦手な私は
電話がかかる度どきどきが止まらない