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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

山茶花  ゆき

カーテンを開けて
窓から見下ろすと山茶花の花が
地面に散らばっていて
もう秋はここにはないのだと
教えてくれた

目を見張るような鮮やかな花びらが
癒してくれたのに
短い秋はもう僕を通り越してしまったようだ

厚手のセーターを探しながら
ため息をつく

冬はやってくる
青白い早朝と共に
吐く息が白くなって
肌が痛くなるほどに
日毎に凍えていく

そのうちに雪も降るだろうから
マフラーも探しておこう

初めて貰った手編みのマフラーは
今でも僕のお気に入りだ

二人で煌びやかな
クリスマスのイルミネーションを
観にいった時に写真を撮るのに夢中になって
寒さも気にならないでいると
風邪ひいちゃうよと
後ろからそっとかけてくれた

雪の中の散歩で
繋いだ君の手が暖かかった事も
来年もよろしくねと笑った
可愛らしい笑顔も

まだそんなに前の事ではないのに
思い出に変わっていきそうで

山茶花の花が散って
君からの返事が来なくなっても

君が戻って来るまで
寒くて凍えそうな夜も
僕は一人で過ごすだろう

編集・削除(編集済: 2022年11月23日 20:05)

川面  秋冬

川面を走る女を見たのは 
一昨日の朝のことだ

たぶん
誰も
信じてくれまいと

今朝は
いつでも
撮れるように
構えている

年齢は
分からず
思い返せば
髪が長かっただけで
男だったかもしれない



待ち構えると
現れない





ぼくは
川に近づき
スマホを
尻ポケットに入れ
大きく深呼吸する

一回、二回、三回と

心が決まり
向こう岸を
目指して
川面を
走り出す

一歩目から
浮かばず
ランニングシューズは
ずぶ濡れになる

川幅
十メートルほどの
浅瀬


髪の長い人が
追い越していく

年齢も
性別も
分からないが
川面を
走り抜けていく

向こう岸に
着いたら
消えた


あれくらい
髪が伸びるまで
続けたら
ぼくも
川面を
走れるように
なるだろうか

編集・削除(未編集)

夜になると  cofumi

夜になると
歌が聞こえた
それは隣の部屋から聞こえた

夜になると
歌は泣き声に変わった
それは隣の部屋から聞こえた

夜になると、あなたは
悲しみをフランス人形の様に抱き
明日のために涙を出し切った

夜になると、あなたの姿を
小指が入るくらい襖を開け
ただじっと見ていた

幸せとは何かと
問う自分と
幸せに形はないと
思う自分と
その人が幸せであって欲しいと
願う自分と
早く夜よ明けてくれて
胸が窮屈になる自分と

今、あなたは幸せなのですか?

夜になると尋ねたくなるのです。

編集・削除(未編集)

時間と空間の声が聞こえる

ゆっくりと 静かに 並木道を歩いていると
道の 向こうから 木々の間から 
おおきな青い空の 向こうから 流れる白い雲の 間から 
時間と 空間の 隙間から
時間と空間の声が 聞こえてくる
静かに かそけく 聞こえてくる 
 

それは 秋の 気配というものでしょうか 
いいえ そうでは ありません 
公園では 木々が たくさんあって 
紅葉していて 秋の気配 は あるけれど 
時間と 空間の 隙間から 
聞こえてくる 
時間と 空間の 声は 
聞こえて きません 
 

時間と 空間の 声が 
聞こえて くるのは 
あの 並木道 だけです 
 

私が 並木道で 立ち止まると 
時間が 止まり 空間が 止まります  

驚いて 見上げると 
緑色に光る だいだいの実が 成(な)っている 
美しい 樹が 立っていて 
私は 息を 呑んで います 
 

世界は 美しく 立ち止まって います  

私が また 歩き出すと 
時間と 空間は ゆっくりと 
また 動き始めます 
 

私は 時間と 空間の この声を 
もっと 昔から 知っていたのかも 
知れません 
 

いいや やっぱり そうでは 
ありません
 

時間と 空間の 声は 
静かに ゆっくり 世界の中を 
歩いて いる ときしか 聞こえないのです 
 

いまになって 時間と 空間が 
たくさん 豊富に あるので 
私が 美しいと思う世界のなかで 
静かに ゆっくり 歩き始めたので 
 

時間と 空間の 声が 
聞こえるように なったのです  

私は 時間と 空間の かそけさの声を 
美しい 世界の なかの 並木道を 
静かに ゆっくりと 歩きながら 
楽しんで います 

 

 

編集・削除(未編集)

見えないもの  エイジ

僕の住むこの高層マンションには
市井の人々の生活が
ぎゅうぎゅうに詰められている
それにしてはあまりに静かだ

このマンションでは
市井の人々の想いが
膨らんでいるはず
その想いは気配をもって
夜の静寂に溶け込んでいる

夜 ベランダのカーテンを開けると
いたずら小僧が駐車場で
遊びまわってはいないかと
僕は眼光を光らせる
「いや、誰もいない」

ベランダに出て
風のかたちを見るために
わざとタバコの煙を吹かした
ようやく姿なきものが
そのかたちを表した

誰も干渉し合わない
このマンションでは
様々な想いが今も
音なき音をたてて
渦巻いているはず

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「僕はいない」  水野 耕助

ここにも
そこにも
あそこにも

どこにも
僕はいない

昨日にも
今日にも
明日にも

いつにも
僕はいない

どの空間、時間にも
僕はまだ
存在できてはいない

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規格に填まれなかった私たちへ 紫陽花

私はただぼーっとしていた 
暑すぎた夏が終わったとようやく
私の体が認識したからなのか

いつものようにみちこちゃんから
お金を預かってコンビニに
通販の青汁の支払いに行った
セブンイレブンの自動釣銭機に
じゃらじゃらっと封筒から
お金を入れる
ウイーンといつもの音がしている
と思ったらなんだかガチャガチャ
音がするエラー音も聞こえるような

私が放心してると
店員さんが異変に気付いて
自動釣銭機を開けてくれた
中から出てきたのは
500円玉より一回りは大きい
昭和の青函トンネル開通記念硬貨
その大きさは釣銭機の穴を通らないよね
当たり前だ
確認を怠った自分を責めながら
店員さんに平謝りした
店員さんは
この硬貨は使えません
普通の500円を出してください
と言っている

そう 普通の500円を出さないと
いけない
普通でないと時々こんなふうに
はじかれてしまう

帰り道やっぱり私はくよくよしていた
元を辿れば私は酒乱の父のいる家庭で育ち
暴力をうけた青あざを隠し通学し
ある日ふと異常に気付いて
市のDV相談センターに相談したところ
10人のうちの2人はそんな家庭です
とさらっと言われたところから
家出 何回もの転職
高齢出産と こんな生き様

家族があるだけいいじゃない
職につけるだけいいじゃない
子供がいるだけでいいじゃない

そうだその通りではある
有難いと思っている
ただ世間でいう8割の規格には
填まれなかった
みちこちゃんも似たようなもの
彼女は父母の早世 自身の精神障害
今でも3日に一回は怒ってる
あの鍵付きの病院に入院させられた事

ああ私たち世間一般という規格には
填まれなかったみたいね
青函トンネル開通記念硬貨と一緒だ
記念硬貨だってお金なのにね
あの自動釣銭機の穴の大きさに
合わなかっただけなのにね

今日は
皆が決めた普通の穴を
するりと
通り抜けられなかった

私達だって存在してる
なんだか分からないが世間の8割の
行動規格に合わなかっただけだ
そしてなんだかんだ言いながら
みちこちゃんと私
今はにこにこ穏やかに暮らしている
今日から青函トンネル開通記念硬貨も
私達と穏やかに暮らせばいい
そういうことにした

編集・削除(編集済: 2022年11月23日 12:23)

慈愛 黒い木

俺はもうすぐ死ぬ。
今朝病院の周りを散歩していると、茶色く腐った雀の死骸を見つけた。
俺は泣いた。自分もこんな風になるのが恐ろしくて。
ある銀杏木の側を通ったとき、黄色い葉っぱが溢れるようにどっと落ちてきた。
俺は泣いた。この木は俺の死を悲しんで泣いてくれているのだ。
なんと喜ばしいことだろう。

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似ている  樺里ゆう

父方の祖父母の
七回忌の集まり

別れ際に握手したとき
私は驚いた

叔母さんの
うすい掌は

祖母の掌に
そっくりだったのだ

家に帰って
風呂に入ったとき
また私は驚いた

洗い場の鏡に映る
半月形の白い額と
それにかかる癖毛が
祖母とよく似ていたから

誰もが
誰かの面影をまとって
生きている

私のいかり肩と
とんがった坐骨は
私が生まれる前に亡くなった
母方の祖父から

かきむしると
すぐに負ける肌は
父方と母方
両方の祖父から

すべて私が
もらったもの

私はそれが
うれしい

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日曜日のピアノ弾き  朝霧綾め

日曜日
今日は雨が降っていて外へ行けない
そんな日 私は
ピアノの蓋を開けてみる

リビングの隅に置かれている
白いピアノ
たくさんの鍵盤が ずらりと並ぶ

家族が習っているけれど
私は弾けない
それでも 人差し指をそっと鍵盤にのせれば
 ドー
ずんと 音が
体の芯から響いてくる

今度は
親指 中指 小指で
ゆっくりと鍵盤を押してみる
 ド ミ ソ
心地よく 和音が響く

指を変えて
親指 薬指 小指で
鍵盤を押す
 ド ファ ラ
さっきと少し違う これもきれい

素早く軽やかに弾いてみる
 ポロン ポロン
楽しげな音色
外の雨だれも
 ピチャン ピチャン
はねて合わせるよう

 ド ミ ソ  
  ド ファ ラ
   ポロン  
    ピチャン
     ポロン
      ポロン

雨降りの日曜日に ピアノを弾く
家の中に
小さな音楽が響く

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