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編集・削除(編集済: 2024年09月10日 18:37)

評、6/21~6/24、ご投稿分。  島 秀生

早くも熱中症になりかけました・・・・・・。

外で作業する人は、長時間続けて直射日光を浴びない方がいい。
ここのところの陽射しの強さは、本当にハンパないです。
皆さん、気をつけて下さい。

*井嶋りゅうさんの評は、ご都合により、少し遅れます。気長にお待ち下さい。


●蒼井百合亜さん「赤い鬼火」  

「赤い鬼火」のイマジネーションはとてもステキだと思います。
ただ、この角度から描く、という自分のスタンスをきちんと決めた方がいい。スタンスが揺れていると思う。角度が揺らぐと読んでいて没入できない。

朝が来たところで、この路地裏が心の暗部の比喩だというのは自ずとわかるので、路地裏の場面は路地裏の場面としてきちんとその場を描いたほうがいい。
また「赤い鬼火はわたしだろうか」という疑問ないし推測の形で書くなら、そのあとも「~だろう」「~にちがいない」という語尾になってくるだろうし、最初からそれと確信があるなら、確信があるような書き方で通すのがよい。
スタンスを決めて、そういった統一感を持ったほうがいいです。

あと「紅い鬼火」(3連)と「赤い鬼火」(他の連)は、やっぱり揃えた方がいいでしょうね。

言いたいことは伝わるし、外観としては書けてる人なので、あとそういった緻密さを詰めていけば、もう一段上の詩になりますよ。
イマジネーションがとてもステキな詩なので、ぜひもう一息、完成させてやって下さい。
蒼井さんは私は初回ですので、今回は評価はつけず、感想のみとなります。

(蒼井さんは実力ある人に思うので、最初からレベルを合わせてしゃべりました。ちょっとキツかったら、ごめんなさい。)


●akkoさん「最期のダジャレ」

 体が難儀になっても悲嘆の声も苦悩のしわも見せなかった夫よ

この人は、ホントにこれがエライなあーと、いつも思う。なかなかできません。
それと、akkoさんの詩をずっと拝見してきて思ったことだけど、ご主人、いくら無口な人と言っても、思い残すところあれば、もっと言うものなので、「覚悟がよい(男らしい)」「奥さんに心配かけまいとしてる」ということはもちろんあるだろうけど、それだけでは今ひとつ得心のいかないもの、引っかかりを私はずっと感じてたんですが、ふと思ったのは、この方は、ここまでの人生がもう充分幸せだったと感じられていて、もうそんなに思い残すことはないと思えていたから、あとのことをあんまりグダグダ言わなかったんじゃないかなと。
もちろんこれは私の勝手な想像に過ぎなくて間違ってるかもしれないんですが、そう考えることが一番つじつまが合うので、私は勝手にそんなことを思いました。きっと、思い残すことよりも、奥さんや家族への感謝の気持ちの方が勝ってたんじゃないんでしょうか。想像ですが。

2連の、
 治療費?・・なんとかなる なんとかする・・

ここ、ステキですね。作者の覚悟がわかる。
終行ですが、この詩においてはこの行が大事な叙景の1行になるので、しっかり感じてもらいたい。その意味で「みかんの花の」の後ろで、読点を打つか、ひとマス空けるか、した方がいいです。

終連のセリフのところ

「アレジオン あれじぉんじゃ(あれじゃ) 駄目だ!」

これぐらいの表記にしといた方がいいかも、ですね。
最後まで、奥さんを笑わせたかったんだなあー と思いました。
心配かけまいと気遣ってるということもあるんでしょうけど、奥さんが笑うのが嬉しかったんじゃないんでしょうか。やっぱりそこに幸せを感じていたというか。
そんな気がしました。

二人それぞれの思いを感じる詩でした。
文体の技量もだんだん上がってきましたね。
名作を。
この詩は、病名や告知された直後の二人の動きがわかるので、シリーズ作の中で、一つのポジションを持っています。なので代表作の列に、この詩も加えていいと思います。


●相野零次さん「あなたと僕」  

「母親のような存在」に対し「恋人にしたい」、両者の内面的な食い違いを、比喩で実像化して見せるとすると、こんな具合になった。とも言えるし、
今も生きている自分と亡霊(あるいは生前、親しかった人)との恋、という捉え方もできると思う。生の者と死の者は、この世界で関係を許されない。
どちらに読むのもアリだし、どちらに読んでもおもしろい。

ちゃんと図式ができているからか、あるいは心の置き所について明確であるからか、二人それぞれのポジションについて、混乱も混同もなく最後までちゃんと書けています。この長さで書いて、途中混乱がないのはたいしたものです(たいていの人は、この長さで書くと、途中でなにか矛盾を出してしまうとこです)。

イマジネーションだけでなく、深さがあるね。だからいい。
それに、このケースに限らない、成就できない恋全般も想起させてくれる。そこもいい。
いい詩だと思う。粘り強く、よく書けましたね。名作を。
相野さんの代表作の一つと言っていい作だと思います。


●荒木章太郎さん「やむにやまれぬ音だ」  

初連の入り方が良くなりましたね。
いきなりかっ飛ばさず、ちゃんと接点を持ちながら入ってくるのがいい。

 雨がやむ音を
 聞いたことがあるか

も、ありそうで、ないところがくすぐります、良い問いかけでした。

3連は、「諦めの溜め息」に沿ったダークな流れがありつつ、「生活の再生」に向け、ゆるやかな上昇が感じられる4連になっている。なので3~4連はそれなりに脈絡が取れている。

問題は2連ですね。

 人が病む音を
 聞いたことがあるか

の問いかけはおもしろいんですが、
あとの脈絡がちょっとおかしい。
いちおう「聞いたことがあるか」なので、答えとして、なんらかの音が欲しいんですが、初連では最後に「かすれ声」があるのに対して、2連は「かき消される」と「やむにやまれぬ」だけで、答えとなる音がない。
そもそも初連も2連も、音をまだ書いてないのに「かき消される」があって、書く前から消してるんですが、初連では最後に後追い的に「かすれ声」と書いてフォローにしてるのに対して、2連では、音を書く前に消したままで、なんのフォローもない。

なので2連のそこは、要改善に思います。
でも全体まずまず書けてるので、秀作を。

終連の

 食器棚に置かれた
 固く青いトマトが
 顔を赤らめる夕暮れ

ここも印象的で良かったです。
でも、次に「蒼穹」をどうしても入れたいのだったら(なくてもよい気もするのだけど)、ここのトマトは「固い緑のトマトが」と書いておいた方がいい。


●埼玉のさっちゃんさん「真昼の月」  

うむ、進展しましたね。

平日、仕事にあけくれる日々の、昼休み時間に見た、真昼の月に元気をもらうという、シチュエーションがいい。

案外と夜の月よりも、現代社会に働く人間が昼休みにチラッと見る白い月の方が、現代人にそぐう形であるとも言える。
元気が出て、午後の仕事もがんばれる。それっていい月ではありませんか。

この詩における「貴方」は、読者それぞれがそれぞれの「貴方」を思ったらいいと思う。ここはぼんやりとした置き方で、これでいいと思います。

うむ、いい詩だと思います。秀作あげましょう。

文体がしっかりしてきたので、もう長いものを書いても、破綻しないで書けると思いますよ。


●上田一眞さん「十歳の夏」  

高度成長期になると、大都市圏やその産業に絡むところは人の出入りが活発になってきたので、因習みたいなものも否応なしに薄まってきたのかなと思うところがあるのですが、高度成長期って、かなり地域差が出た時代でもあるので(だから集団就職とかもありましたね)、人流の少ない地域では、特に陸の孤島みたいなところでは、悪しき因習みたいなものが、より長く残っていたのかもしれません。
その学年だけで済んだのかどうかわかりませんが、子供の頃は「一日」が、すごく長い時間ですから、そこからの四年間は、さぞかし長い時間であったことでしょう。お察し致します。

しかしながら思うのですが、日本人の性格によるものなのか、はたまた人間の性格によるものなのか、クラスに一人、いじめられっ子がいるというのは、今も変わっていないような気がします。一人、いじめ対象を作ることで、自分たちを安定させようとする、人間の情けない性分は、今の時代にも通じているような気がします。

上田さんの詩は、昔のことを描いているようで、人間の本質を突いているから、今の時代への共通項があり、現代の教訓にもちゃんとなっています。そこがいいと、いつも思っています。
名作を。

文体が、より磨かれてきましたね。一段上がった気がしますよ。
この詩、「うぐし」の話の続編という位置づけ(その後の自分に起こったこと)で、代表作入りさせてもいいと思います。


●理蝶さん「ビーズ」  

理蝶さんは、長いの専門かと思ったけど、短いのも書けてるね。
ハッとさせられる、ステキな詩だと思います。
終連とタイトルの「ビーズ」の配置もグッドで、これにより詩全体が「ビーズ」の暗喩になっている気さえしてきます。

7連、

 おんなじことで
 吹き出してしまった

は、正直ちょっと謎の言葉なんですが、でも詩中、すごく効いている言葉なので、一つぐらい謎のままで置いておいてもかまわないです。これが結論。

結論を先に言った上で、何が謎かというと、これの意味が複数に解釈できてしまうことと、脈絡として一番順当なのが、1~6連の様子が思いがけず過去の記憶と重なったことを意味してると受け取るのが順当なんですが(これが順当となる書き方をしてるので、こう誤解されても否定ができない)、なんとなくこれじゃない匂いがしてることです。

気になった点はそこだけです。後ろ4連は凄くいい。
ちょい甘、名作を。
舞い降りてきたビーズを大切に。


●秋乃 夕陽さん「受難曲」  

第九をやるというので、社会人になってまだ4~5年しか経ってない時に、一度だけ参加したことがあります。
年齢の違いも、普段の職業や立場の違いも、全部取っ払って、みんなで一つの曲に向かう時の、平等な一体感のすばらしさは今も覚えています。それが市民合唱団のいいとこじゃないんでしょうかね。そこを抜きにしてはあり得ないと私は思うけど。

なんなんでしょうね、その指揮者。自分のことしか考えてないのか、あるいはその曲に関し、自分独自の解釈を持っているのか、(もしかしたら複数箇所に問題があって、修復するのに時間がかかるという意味の「厄介」なんだろうか?? だから他パートから先にやってるんだろうか?? だとしてもその言い方はない!!)
その人の実績は知らないけどエライ人かもしれないけれど(たしかにプロの道に進む人は容赦ないですけどね)、少なくとも市民合唱団に向く人とは思えないな。

でもね、佐渡裕とか、本当に優れた指揮者というのは人をまとめるのも上手ですよ。ちょっと居合わせたことがありますけど。だから、つまるところ、その指揮者はハズレなんでしょうね。外の世界をあんまり知らない人じゃないのかな。

作品ですが、初連で、作者が理解するところの曲の概要を述べてくれているところが、まず良いです。
3連前半ではその曲に挑戦する作者の努力を書いてくれていますが、それに対峙するように、2連では対照的な指揮者の態度がある。
それらにより、事態の状況が見えてきます。
それだから、3連後半から終連にかけての、作者の失望もよくわかるというものです。

きちんと書いてくれているし、この曲を知らない人にもわかるように、音楽的な部分も配慮されてるのもいい点なんです。このサイズの詩としてはこれでいいと思うんですが、音楽的な部分は、今書いてる部分を入り口にして、もう一歩踏み込んでもいいと思う。その方がもうひと回り大きな詩になれます。
詩のサイズは、最初から決めてかからず、長ければ長いでかまわないので(ネット上では何行書いてもタダですから)、書きたいことをまず書きましょう。構成さえちゃんと取れていれば、少々長くてもそんなに破綻することありませんから。

ふむ、秋乃さんはある程度書いておられる方とお見受けしました。
私は今回、初回になりますので、感想のみですが、この詩はマルです。

編集・削除(編集済: 2024年07月07日 03:57)

唐辛子と光トカゲのうた  荒木章太郎

毎日仕事終わりは
激辛中華そばを
唐辛子で赤く染める

赤く爛れる痛みで
長い人生の中の一日を朦朧とさせ
二つの乳房の谷間
真赤な太陽沈めるだけよ
汗と涙が噴き出して
怒りと悲しみ流れ出る
痛みが味覚に変わる快感
なんて綺麗な夕焼けかしら

我慢が美徳とされる時代に
生まれていたなら
この町では表彰者だ
圧倒的な絶望のもと
痛み傷つき跪く
私の皮膚は血の滲む努力で
この人格を守ってきたのだ
スープを飲み干した頃
店の壁には光トカゲがいた

鏡の皮で迷彩し
長いしっぽに透き通る体
光と影を行き来する
切ったしっぽは流れ星
トカゲと私は似たもの同士
私の場合はしっぽがないから
背骨を切って行き来する

編集・削除(未編集)

楡けやきの誘い  上田一眞

庭にある一本の楡けやき
芽吹いたときの新緑がことのほか美しい

この木 よほど伝説的な木であるようだ
お隣り 小学生のチビ君曰く

 僕らの間では 
 〈クワガタがいる木〉で有名なんよ
 オオクワガタ
 コクワガタ
 ノコギリクワガタ
 たまに カブトムシ
 雑木林中の虫が
 木の匂いに誘われて集まって来よる

なるほど
虫好きには垂涎の的
目も眩む 夢のような木なのだろう


日曜日
庭に子どもの声がするので
行ってみると
泥だらけになった
男の子が地べたに座り込んでいる

クワガタを狙って
楡けやきの木によじ登り
あえなく 墜落

この木 逆さ箒のように剪定しているから
滅法 登り難い
おまけに こわ〜い奴も現れる
聞くと案の定
スズメバチに追われて落ちたのだ

骨折しているようだから
大急ぎで救急車を呼んだ


翌日 
小学校を訪ねてことの顛末を話し
善処をお願いした
早速 全校調査が行なわれ
児童全員(男も女も)
うちの楡けやきの木を知っていた
驚きだ

子どもたちの
クワガタへの思いはよく分かるが
重篤な事故に繋がると困るので
以降 庭は
立ち入り禁止にしてもらった


喜んだのはスズメバチだ
蜂は小姑のごとき
子どもたちが苦手だった

子どもの気配が庭から消えたら
わが物顔で 
ぶんぶん 庭中を飛び始め
家の壁 妻面に巣をかけた

さあ 困ったのはわが家の住人
庭に出るたびに
蜂の影に怯えるようになった

今日も
キイロスズメバチが鋸のような牙を研ぎ
尻から針を出し入れしながら
屯している


私は深く反省した
かわいい庭の用心棒たちを
「小姑」などと言って締め出したから
バチがあたった

まず最初に
やらなければいけないのは蜂の駆除
それから
楡けやきの木も
クワガタが観察しやすくなるよう
逆さ箒の形をやめる
さらに 幹に傷を入れ
根本の方にも樹液が出るようにする

親の同伴があれば子どもたちを
受け入れよう

 共存同栄!

そうだ
一風変わった
この町の基本理念を忘れてはいけなかった
子どもたちの笑顔を取り戻さなくちゃ

編集・削除(編集済: 2024年08月23日 19:03)

そらをとびたい  じじいじじい

がっこうにいってもおこられてばかり
べんきょうがにがて
まいにちつまらない

きょうしつのまどからそらをみたら
おおきなとりがそらをとんでる
のんびりとゆっくりとんでる
とりはいいなそらをとべて

そらをとびたいな かぜにのりたいな
せなかにつばさをつけて
おおぞらをじゆうにとんでみたい

つらいこと かなしいこと なきたいこと
ぜんぶわすれられそう
そらをとんだらしあわせになれそう

なにもかもぜんぶわすれて
そらをとんでみたいな

編集・削除(未編集)

ドーナツステーション  松本福広

一人ぼっちで道の駅へ
夏の陽炎はいつも
その向こうに不思議な場所を佇ませている

ミスター・ドーナッツ氏からの
ようこそ、こんにちは
ポンデリングとオールドファッションで
作られた駅舎
ポニポニとゴツゴツは
きっと悪い魔女が作った
真夜中2時の創作物


ピスタチオの利用客は
殻をぶつけ合っている
現実発銀河鉄道乗り換え天国行きの
ハニーディップ準急と
期間限定フロマージュトレインは
人身事故で発信できないアナウンス
乗客たちがこぼすカレーを
ドーナツ傾けて
滑り落としていく
シュガーコーティングされた
乗客員たち

チョコとクランチストロベリーの建前と
豆乳おから味の良識垂れ流して
本当は抹茶と小豆味が好きという
本音は隠しています

ドーナツの真ん中の真空トンネル
ドーナツポップ貨物列車に乗って
運ばれる荷物と私と鳥と
自由と責任は
ドーナツの穴が空いているから
0カロリー

本当の私のドーナツステーションは
どこですか?

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お役所  秋乃 夕陽

ちょんぎられた支援の端
暑苦しく嫌な顔をして高齢男性に説明を繰り返す
区役所の障害者支援係の職員
隣の子育て支援の係はというと
誰も客がいなくて暇そうに
楽しくおしゃべりしている
女性のアルバイト職員ばかり

イライラとくしゃくしゃと
あとは白白とぬくぬくと
湿気て澱んで
個人情報は舞い狂う
書類の上
笑う笑う
怒る怒る

「マイナンバーカードはお持ちですか」
出すのが当たり前だろうと言わんばかりに
何度も耳元で投げかけられた言葉に
老人はうまく飲み込めず首を傾げる
「ま、マイ、なんだって?
うーん、無いかなあ。わかんないなあ」
惚けたような応えに突き放すことばを投げかけつつ
何度も何度も説明を繰り返す
「なければ保険証再発行ですね!」
職員の怒りの沸点も頂点に達しつつある時
ようやく老人も何とかなく
相手の意図することを飲み込めたようだ
パイプ椅子に丸く曲がった背中を
より丸く丸めながら
職員の言葉に首振り人形のように
従順にうなづいている
「それではこれで手続きは終了ですので、
通知が来るまでしばらくお待ちください!」
バンバン机を叩きながら書類に必要事項を記入させ
履き捨てるように老人を送り出す

そんなやりとりに
自分達は関わり合いになりたく無いからなのか
それとも初めから
自分達には何の関わり合いもないことだと
決め込んでいるからなのか
後ろに控える職員は終始徹底して
顔を上げることなく机に向かい
誰もが仲間の横暴な態度にも
何も聞いていないフリを貫き通していた
男性職員は一旦は窓口から離れて
乱暴に書類棚に書類を突っ込むと
またイヤイヤながら持ち場を陣取った
「番号札十二番の方、どうぞ」
怒りの矛先はすでに次の客に向けられていた

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猫のように‥‥

人は強かったり弱かったり
わたしは強い? 弱い?
そんなことわからない

笑っていても
仮面の奥で 泣いてることだってある
泣き顔見せていたって
仮面の奥で 意地悪く
薄っすら笑いを浮かべていることもある

わたしの本当はだれもわからない
わたしにさえわからない

人は正しいとか間違ってるとか争うけれど
わたしはどう?
そんなことわからない
いつも迷っているから

ああ考えればこちらが正しい
こう考えればあちらが正しい
わからないはどっちつかずだけれど
悪くない
あっちこっちしながら
迷いながら生きるなら
本当を探し続けるだろう

だからわからないまま
猫のように
ただそのままを受け入れて
生きていけばそれでいい

ゆっくりゆっくり
一歩ずつ 
抜き足差し足
足を進めて
揺らぎながらでも
真っ直ぐに

いつか本当がわかる
その時を待ちながら

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

タイトルも変だし何だか変な詩をごめんなさい。
時間切れで上手くいきませんでしたが投稿します。井嶋先生、ごめんなさい。
よろしくお願いします🙇‍♀️

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「悟り 帰らず」

インド
太陽が赤くなり
二重に浮かぶ
ワタシ 手を合わす
祈る

ワタシ ムカシ
路ばた 食い物拾ってた
ババア 餓鬼 
ムカシ シャカ 歩いてた
足 光ってた
ワタシ ソット
シャカの 足あと 足ふんだ
やっぱり 暖かかった
仏 いるんだと やはり 思った
ババア 餓鬼
般若心経より
コレヘトのことば
時の詩
美しい
ちっと 禁犯した

ワタシこれでも
いつか悟れるか
悟れそうもない

悟りちっとも欲しくない
ほんとにワタシ
悟れへん

カマンノ カマンノ
悟らずに生きてゆく
ほやけん それが
ワシの味ちゅうもんよ
ババ餓鬼の味ちゅうもんよ
インド

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立志  理蝶

立ち上がる
初夏の風が吹く最中

立ち上がる
ぐらつく歯を噛んで

立ち上がる
袖をせわしくはためかせて

立ち上がる
白い腕を日に焼いて

立ち上がって みたものの

みえをきって みたものの

空には まひるの月がぽつねんと
だれもみてはいないのさ

丘だけはしっている
ふたつの足が 
かすかに震えていること

力感たくましく 走ってゆくんだ
いのちは まだ満足していないぞ

土を散らして 汗を垂らして
立ち上ってくる 草のちぎれた匂い

まひるの月から 光のしずくが落ちて
花が次々とよみがえる 

色が行く手を跳ね回る
なんだか目にしみて 
涙まであふれてくるんだ

あれ どうしよう
うらぶれた 
ことばとルーチンが 
らんらんと光り出して 
すこし笑っちゃうくらい

どんな光も壊してしまわないように
この手は 広く やさしく

この手には まだ何も握られていないから
この世界のどこよりもすずしい!

風をはらんで 走ってゆくんだ
いのちは まだ満足していないぞ

丘だけはしっている 
花束を持った男が 
彼の後をそっとつけていったこと

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ウクレレ教室迷子 紫陽花

その日も朝から雨だった
いつもと同じようにウクレレのレッスンは始まり
いつもと同じようにレッスンは終わった
それから唐突に先生が 今月でレッスンを辞めますと宣言した

降り続いていた雨の音がやんだ
いきなり私の足元の床がすとんと抜けた
私の体はそのままどこまでもどこまでも落ちていった
まるで底無し沼に落ちていくように
それから急にその音は聞こえてきた
懐かしい波の音だ 
ゆっくりと地面に着地すると 今度は潮の香りに包まれた
私はゆっくりと歩く
一足ごとにどこから出てきたのか
金色の猫が足元にまとわりつく そのたびに私は足を振る
猫が驚いて離れる とまた少し歩く
そうしているうちに弁天堂と看板のあるお店に着いた
店の窓から今度は白い猫がこちらをじっと見ている
私は再び足を振る 白猫は驚いたように窓から飛び出す
それと同時に私がぽんと店の中に入った
店内には大きな窓がひとつ 
四角い8人掛けの木のテーブルがひとつ
背もたれのない丸い椅子が8脚ある 
それだけで小さな店内はもういっぱいだ
壁には跳ねる魚の絵がひとつかかっている
奥の方から視線を感じて目を向けると
背の高い金色の髪の男性がこちらを見ていた
軽く微笑むと立ち上がり自己紹介を始めた
私はここで毎週ウクレレ教室をやってます
どうぞ今から体験していってください
私は喜んで椅子に座った
周りにはいつの間にか猫猫猫猫
みんな小さなウクレレを抱えている
金色の髪の先生が拍を数える
パートに合わせてアンサンブルが始まる
私の好きなFry me to themoonだ
間違えた音を弾いては誰かがニャー
1回合わせ終わるごとにニャー
そんな調子であっという間に時間が過ぎて
レッスンは終わりですと声がかかった

その声が終わるタイミングで
私は私の部屋に帰っていた
バッグの中を見るとさっきの
Fry me to themoon の楽譜と金色の名刺がある
どうやら本当にウクレレ教室体験をしたようだ
名刺には先生の名前がにゃんころりんと書かれてあり
メールアドレスも書かれてあった

うん まずはメール問い合わせをしてみよう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
井嶋様、こんばんは。暑くなってきて妄想に拍車がかかっております。
よろしくお願いいたします。

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