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やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

三浦志郎様へ 評のお礼です  松本福広

佳作の評ありがとうございます。励みになります。
元々X(旧Twitter)をきっかけに書き始めたので、Xを覗く時間が多いのです 苦笑

その中で「女性にAEDはどうなのか?」みたいなことで賑わっていて……一旦問題の是非や男女は置いといて考えてみると、
顔出ししている有名なインフルエンサーが言う分には「うん。わかりました。あなたには使いません」で済む話のように思います。
ただ難しく思うのは、匿名性の強い(本当は性別も分からないはずの)個人の発信の方が影響力が強い印象です。
それらのやりとりを見ると、木村花さんの件で一旦はおとなしめになったように見える誹謗中傷も近年あの件はなかったかのように見えて残念に思います。
そんなことを思いながら描きました。

マナーやモラル、ルールなどを整えても限界はあるような問題ですが、
自らの良識にしたがって、周囲に左右されずに悪い方向に染まらず行けたらと思う次第です。
ありがとうございました。

編集・削除(編集済: 2025年02月03日 10:30)

青島江里様 御感想の御礼  ふわり座

今回も丁寧な御感想ありがとうございます。
とても勉強になりました。やっぱり難しいですね。
簡単には思うようにいかないものです。
次も頑張ります。ご指導宜しくお願い致します。

編集・削除(未編集)

遅れましたが、おめでとうございます!!

妻咲邦香さん

第二回たびぽえ大賞ですか、
受賞、誠におめでとうございます!!
楽しそうな詩誌ですね。

編集・削除(未編集)

三浦志郎様 感想のお礼です  白猫の夜

三浦志郎様、ありがとうございます。
ペンネームを褒めて頂いて嬉しいです。
紅茶についてとても詳しく調べていただけて、かつ、
詩と照らし合わせた丁寧な感想までいただけてとてもありがたいです。
私自身、伝わりにくい所もあるかもしれないと思って書いたので、
もう少し比喩をわかりやすく書けるように精進したいと思います。
また、よろしくお願いします。

編集・削除(編集済: 2025年02月03日 01:25)

1月21日(火)~ 1月23日(木) ご投稿分、評と感想です。  (青島江里)

◎1月21日(火)~ 1月23日(木) ご投稿分、評と感想です。

☆ 虹蜺(こうげい)  樺里ゆうさん

 虹蜺(こうげい)……。普段はあまり耳にしない虹 の漢語表現。虹を雄雌の二匹の龍に見立てるなんて、それ自体が詩的ですよね。

一連目。この言葉を更に輝かせるようなステージ。出雲の空の登場。とても神秘的なイメージに包まれました。単に「出雲の空にふたつの大きな虹がかかりました」としてしまったら、それまでなのですが「出雲の空は よく虹がかかる」という始まり方にしたところは、読み手を「どうしてなのかな?」という気持ちにさせてくれ、もっと次が読みたいなと思わせてくれました。「そうか、不安定な天気が多いからなんだ!」「ん?一日に三度も、四度も虹がかかる時があるんだ!」と、通常ではあまりない天候に驚かされたり、自分の中で新しい発見に巡り合えた気持ちにさせてもらえました。

神秘的というイメージがからのスタートでしたが、二連目になって更に「天気雨」という、これもまた神秘的に輪をかけるような言葉が登場しました。その中にかかっている大きな虹!それも二つ!実際に見たわけではないのに、この詩のステージの中にいる読み手の私は、すごいなぁという気持ちでいっぱいにさせられました。

その後に内容転換。大きな虹がどういうものかという解説のような連になりますね。このままだと解説っぽい連になって、下手するとここだけが浮いてしまう確率が高くなってくるのですが「大学時代の時代に聞いた講義が/頭に浮かんだ」と結びつけているところが、暮らしの一部として結びつくことができ、隠し味のようになっていて、この連が浮いてしまわなかったのでよかったです。あと、とても細かいことをいうなら「頭に浮かんだ」のは、どういう風に浮かんだのか、例えば「ふと」なのか、じわじわと、或いは、ぼんやりと「頭に浮かんできた」ものなのか、副詞などの使用で詩の周辺の様子をより一層、鮮明にさせることもできるので、必要であればぴったりのものを考えてみてくださいね。

最後の方の四行もよかったです。
果たしてこの思いつきが正しいのか
わたしにはもう調べようもないのだけれど

そうだったら いいな
そういうことにしておきたい 今は

古代中国の人たちの気持ちになって持論を発していますが、それは明確と証明できないことを綴ってくれています。正直、自分にはわからないと言って、その後、そうだったらいいのにとなって、そういうふうに思いたいな……「今は」と余白を持たせているところ。重ねて虹がゆっくり消えてゆくような余韻のような雰囲気を、個人的には味わうことができました。「これはこうだ!」とはっきりしてしまうのではなく、ぼんやりとしたもの、そしてまたいつか会えるかも、わかるかもしれないという雰囲気を残していく表現、やわらかい読後感を与えてもらえました。佳作を。



☆「赤い実がひとつ」  森山 遼さん

秋の木の実の様子を描いてくれたのですね。赤い実にも黄色い実にもそれぞれに、人でいう、一生のようなものがあるっていう、こまやかなところに視点をあわせているところには、作者さんの「自然が好き」という気持ちを感じました。

さて、この詩の一番の注目する点は、各連の二行目の「落ちて落ちて」など、同じ言葉を繰り返すところだと思いました。繰り返すことでリズム感が生まれるのですが、せっかくですから、通常に使われるようなワードを重ねるだけではなく、オノマトペなどを使って、個性を出してみるのも楽しいのではないかと感じました。そして、このオノマトペも通常に使われるような「キラキラ」などではなく、自分で想像したものを使ってみるなど。中原中也さんの詩にでてくる「ゆあーん、ゆよーん」のような。きっと、読み手に想像する世界を膨らませてくれるのではないかと思いました。ほんと、せっかくなので、作者さん自身が一番に楽しむくらいの気持ちでもいいかと思いました。読み手によっては、意味わかんないなど思う人もでてきたりするかもしれませんが、学校の学年末テストで進級が関係するというわけでもないのですから、ノビノビと楽しんでみてください。個人的には、四連目までは、それぞれの連の二行目のところに独自のオノマトペを重ねて、最終連の「みんなみんな秋の中」の次の「きれいにきれいに」の分はオノマトペではなく、似たような言葉を重ねて変化をつけたいかなぁと。例えば、秋の醍醐味と言えば夕暮れ。「ゆうやけこやけに」にするかなぁと。想像するだけでも楽しくなりました。森山さんもゆっくり楽しんでみてください。今回は佳作三歩手前で。



☆あの日の二人  ふわり座さん

幼馴染の女の子を一途に思い続ける「僕」について綴ってくれている作品。「人生最後の時を君に見守られながら迎える」という表現から、真剣に好きなんだなぁっていう気持ちが伝わってきました。

それでは、気になったところを。二連目の途中の「一番最後」ですが、重ね言葉になっているので「一番後」もしくは「最後の最後」にする方がよいと思いました。あとは、今回は単独で一文になるあとに、ひとマス空けて一文を続ける方法をとられていることについて感じたことをお伝えしますね。改行については特に絶対こうしないといけないという規定はないのですが、空白をあけてくれているのですが、個人的にはところどころ読みづらい箇所があったので、区切りのしやすくできそうなところは、整理する方法もありかなとも思いました。例えば・・・・・・

僕と君は幼馴染 でも不思議と二人の仲は
今でも新鮮なままだ だからなのか
まだ君を手に入れたという明確な実感がない

僕と君は幼馴染だけど
不思議と二人の仲は今でも新鮮なまま
だからなのか
まだ君を手に入れたという明確な実感がない

別件になりますが……「雨上がりに朝陽が差し虹がかかったなら」→「雨上がりに朝陽が差して虹がかかったなら」という感じで、「て」をいれてあげると「差し虹」って何?となることを防げそうです。以上、これらに関しては個人それぞれなので、あくまで参考の一つとしてお伝えしますね。あとは、最後の方の「あの日幼馴染になった二人の笑顔は」部分なのですが、こちらの表現が、私の方ではっきり把握できなかったかなぁ。「あの日幼馴染になった」ですが、幼馴染というのは昔からの長い付き合いによってなるので、「あの日」急になったわけではないので、別の意味を伝えてくれようとしてくれているのだろうとは思いました。考えた結果「幼い頃にかえった笑顔」ということなのかなと、思ったりしました。それとも、恋人同士になれる可能性のあった二人が、それぞれの夢のために、幼馴染のままでそれぞれの道をゆくということなのか。とも思ったりしました。であれば、「あの日、幼馴染の関係に戻った」になるのかなとも考えたりしました。こちらも、今よりわかりやすい表現があれば、変更されてもいいのかなと思いました。

全体的に拝見して、好きな方への想いということで、書きたいことがいっぱいあったのだろうなと思いました。①幼馴染の君について寄せてきた思いについて②二人、或いは自身についての約束について③君の夢、僕の夢について④僕の君に対する誓いについて…等々、なかなかのボリュームです。なので、どうしても全体的に長い作品になってしまうので、できたら、コレだ!という内容を幾つかに絞って書いていかれると、今以上に凝縮された、そして、深堀できる作品になっていくと思いました。例えば作中の「いつかの約束」とはいったいどういう約束だったのかという詳細がみえてきたり、二人のそれぞれの夢がどういうものだったのかということが、具体的にみえてきたり。そのようなことも期待できそうです。


この作品で一番心に残った表現は「子供の頃から僕が前を走っていた/少し後ろで君が背中を支えてくれてたね」でした。君の人柄を感じさせてくれました。決して出しゃばらず、それでいてしっかりと背中から僕を支えてあげる献身的な人柄。また、幼馴染ということで、幼い頃、電車ごっこをして笑っているかわいい姿も彷彿させてくれました。仲良しの笑い声が響いてきそうな明るい一行でした。幼馴染の君を思う僕のまっすぐな気持ちが作中の端から端まで溢れる作品。今回は佳作三歩手前で。



☆魚類博士の誕生  温泉郷さん

タイトルだけを拝見して、どのような内容の作品になるのだろうか?と、想像の全然つかない作品でした。「石のネコ」と「魚類博士の誕生」のワードの結びつきなんて、なかなか想像つかないなぁって。どんな展開になるの?と興味をそそられました。

一連目なのですが、ちょっと舌を噛んでしまいそうな羅列になっているかなぁと、個人的には思ってしまいました。一旦、切ってしまったらどうでしょうか?例えば、
大きな頭の石のネコが
石の本を読んでいる
その傍らで並ぶ
コートを着た人たち

そのままでも行けなくはないかと思うのですが、石のネコが石の本を読んでいるのか、それとも石の本をコートを着ている人が読んでいるのか、一瞬、混乱してしまったのです。なぜかというと、これがスタートの行だったからです。「大きな頭の石のネコ」というワードから、リアルな内容か、或いはファンタジー系な内容か、石のネコと石の本が同じ石像か何かであるというところまで、想像が追い付かなかったのが要因だったのかなと、読後、思いました。

一連目の末行の「石のネコの固い読書」と言う表現は、石の固さと性格の頑固な感じがほどよく合わさっていて、堅物な猫の像のイメージが勝手に浮かんできました。

二連目以降の展開がとても魅力的でした。子供の純粋な気持ちがいきいきと表現されていて、愛らしさが満開でした。

子どもは石のページを
めくろうとするけれど開けない

ああ
次のページには何があるのだろう?
どんな魚がいるのだろう?

図書館から飛び出して
石のネコと並んで座り
一緒に図鑑を見る

大人には思いつきそうにもない、子供の気持ちが眩しかったです。石のネコと同じ世界の人になってゆくのがよくわかる展開でした。気難しく考え込んでいる石のネコに答えを教えてあげようとしているかのような、子供の所作、魚類図鑑を借りてきて一緒に読むだけではなく、教えてあげようとしているようにも思えるところも魅力的でした。

最終連のワードの「次のページ」ですが、読み手にいくつかの意味を想像させてくれました。一つ目は、子供が頭の中で想像しながら、石のネコと会話している様子。二つ目は、石のネコが、子供に対して感じた思いの想像。「君、なかなかやるじゃないか。将来は魚類博士だ!」というような意味。三つめは、先ほどの石のネコの言葉は、石のネコに代弁してもらっている、子供に対する、付き添いの親の気持ち。「このすごいわ。将来は魚類博士かも!」など、おそらく、作者さんが書き込んでいる本来のこと以上に、色々と想像の世界を広げてくれた展開でした。ストレートに、ほのぼのした気持ちにさせていただきました。今回は、ふんわりあまめの佳作を。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

あっという間に一月もすぎて二月です。寒さもいよいよピーク。
今週は数年に一度の寒波がやってくるかもという天気予報が。
行き先、どうぞあたたかく、ご安全に。

みなさま、今日も一日、おつかれさまでした。

編集・削除(未編集)

三浦志郎様 感想のお礼です 上原有栖

三浦志郎様、今回は感想を誠にありがとうございました。
この詩のモデルはご指摘あったように8割をジャンヌ・ダルクを外殻に、残り2割をそこに独創を加えた女性をイメージして書きました。
完璧に彼女を主人公に出来るほど私はまだ彼女の事を知ることが出来ていないと、この詩を書いている時に思ったためです。時代や場所的な情報のエッセンスを上手く組み込めるように頑張ってみます。
白いガーベラのブローチにつきまして:
白のガーベラには「希望」「純潔」「穢れなき心」といった花言葉から聖女と呼ばれた彼女を感じ、白には門出や新しさをイメージする色として、今までとは生まれ変わるという意味でタイトルと重ね合わせて採り入れました。
いつか、彼女を本当の主役に据えた詩を書いてみたいと思っています。
また次の機会も、是非とも宜しくお願い申し上げます。

編集・削除(未編集)

三浦志郎様  御礼  静間安夫

今回も私の詩にお目を通していただき、誠にありがとうございます。佳作
との評をくださり、とても励みになります。

そうですか、左手の「ノミ」が「飲み」に通じ、「左党」となったのですか。
今まで、いわれを全然知らずに使ってました...。今晩は、頂戴したつまみで
「左党」にならせていただきます。

今後とも、どうかよろしくお願い致します。

編集・削除(編集済: 2025年02月02日 20:30)

感想と評 1/24~1/27 ご投稿分 三浦志郎 2/2

1 津田古星さん 「律儀」 1/24

なかなか面白かったです。日常ありそうなエピソードですね。日本人は比較的曖昧な文化の中で生きているので、こういった事態は欧米人よりもあるでしょうね。単に“お愛想”なのか約束的なのか、判断が難しかったり、ナアナアにしたりします。花束の件はちょっとツライですねえ。大事なのは「人は自分の口にしたことの~」の連ですね。これ、日常よくあることなので、各人、よく考えておきたいところです。僕にも似たような経験はありました。このケースでは相手の出方しだいなので、“こちら”は待っていればいいといった感じ?いわゆる様子を見ればいいってヤツですかね。
いっぽうで、相手の立場を考えると「おあいそのつもりで言ったんだけど」なのかもしれない。そう考えると話は「立場の違いほど恐いものはない」まで行き着いてしまいそうですね。相手を見定めて、いったところでしょうか。ところで「律儀な人=記憶力の良い人」「記憶力=やさしさ」は(他にもありそうといった点で)これだけではない気もします。判断(考え)や行動が主だとは思いますが、ただ、この詩の文脈からすると、上記がふさわしい気もしてくるわけです。ちょっと微妙なところですかね。ともかく“終連でいること”が最も平和なのかもしれません。
「律儀」という言葉は最近あまり使われなくなった気がします。試みに辞書を引くと「ひどく義理堅い、
実直なこと」とあります。いい言葉ですよね。スポットしてくれて大変嬉しく思っています。佳作一歩前で。

アフターアワーズ。
ご主人が仕事柄、日本刀に詳しいのは、なんか凄いですよね。オカリナ、よい趣味をお持ちです。


2 相野零次さん 「漫画」 1/24

結論から書きます。前回の話の拡散に比べ、本作は漫画世界一点に絞られ、コアな雰囲気の中でストーリーが流れていきます。これでいいと思います。得意の想像世界が展開されますが、今回はエリア内設定がしっかりしているので、ぶっ飛ぶような想像展開ながら、前回よりは安心して読めるのです。ただ「また別の巨人か他の何かの手によって行われたのだった」は、ストーリーの終わらせ方としては弱いです。ちょっとうやむや感があります。こういった超空想世界を無事終わらせるのは相当難しいようです。そして、それ以降の論旨をどう解釈するかが大変難しいのです。
想像的かつ創造的なストーリーが漫画世界では常に破綻の危機をはらんでいる、といったことなのか、どうなのか?僕はこのことを考えながら、この詩はそんな漫画世界の謎や不可解を提出したものと思っております。佳作一歩前で。


3 上田一眞さん 「堺」 1/25

珍しく、ちょっと苦渋に満ちた詩でした。まさにアリスの歌詞のような。仕事で約一年の単身赴任。
なにか建築業界向けのメーカーのようですね。どこの業界でもそうですが、メーカーから販売店などに出向したりすると苦労する話はよく聞きました。たぶん、そういった事情と思われます。セールスも又難しいものです。孤軍奮闘、悪戦苦闘ぶりが伝わってきました。父上が亡くなってすぐ、というのもあったのかもしれない。「堺の街には~結界がある」「いやいや そうじゃない」「結界はわがこころの内にあって」はしっかり読んでおく必要がありそうです。異動先での仕事の過酷が、たまたま堺であっただけです。堺が悪いわけではない点は自明です。一族は遠く堺まで船出した。何かの縁もあったのでしょう。古い歴史を持ち商業・工業共に発達。政令指定都市で大阪市に次ぐでしょう。上田さんが当時、鎌倉に来ても同じだったということです。アリスの歌詞が再登場する単元が読みどころ。堺は海も近いんでしたね。海と相対しながら、苦悩が風景と行いに色濃く滲んでいます。詩は苦渋のまま終わっています。このアリスの歌詞の影響力は大きいと思います。苦みがあるので、せめて甘みを入れた佳作とします。

アフターアワーズ。
奇縁と言うべきか。この詩の投稿直前に堺を起点として南下する土地を調べる縁がありました。
地名で言うと、岸和田~貝塚~泉佐野、さらには樫井、少し離れて淡輪(たんのわ)……。


4 白猫の夜さん 「3分間のティー・タイム」 1/25

いつか言おうと思っていましたが、なかなかステキなペンネームをお持ちですね。
この方面に全く疎いので、まともな感想が書けるかどうか? まあ、調べまくったわけです。
初連は抽出ポットで3分間蒸らす場面でしょう。そして茶葉のジャンピング。「魔法使いのおうち」とはそのポットの比喩と見ます。
タルトタタンはすでに調理済みと見られます。3連ではテーブルの様子?「とんがり帽子~小さなほうき」はわかりませんでした。飛ばします。砂時計の3分が「紅茶と私=魔法使いと私」とのワクワクタイムとでも呼びましょうか。最後の一滴(ベストドロップ)が大事のようですね。その次の「クラウン」はわかりません。最後は豊かな味と香りを堪能しています。
けっこう作り方のほうにも比重を置いているのがわかります。正統的な作り方を作者さんのオリジナルな言葉で表現したと言えるでしょう。楽しい時間とちょっと可愛らしい詩行が魅力ですね。
全くの門外漢なので、テーマに対する詩行の具合がよくわかりません。すいませんが、評価は割愛させて頂きます。


5 上原有栖さん 「New Born」 1/25 初めてのかたですので今回は感想のみ書きます。

よろしくお願い致します。
非常に高らかな精神性を感じさせる作品です。この詩を解くカギは……
「祖国を憂いて涙した/あの日の少女はもう居ない」「少女はこの後聖女になった」
この少女が誰か?に尽きる気がします。「行進、鼓舞、旗、前進、祖国、血」などから、僕はなんとなくジャンヌ・ダルクをイメージしたのですが、まあ、たぶん違うでしょう。もっと現代寄りの中国や香港や韓国などに女性活動家がいたのかもしれない。「白いガーベラのブローチ」もヒントになりそうでしたが不明でした。前半にもう少しヒントがあると嬉しいですね。時代や場所的なものを入れてもいいでしょう。あるいは全くモデルとかはなくて、独創かもしれない。「生まれ変わった」とあるので、タイトルは「REBORN」というのもいいかも? これは聞き逃してもらってかまいません。詩には勢いというか推進力がありました。ぜひ、また書いてみてください。


6 司 龍之介さん 「聡明なあなたへ」 1/25

冒頭+上席佳作と致します。
早い段階で「あなたは芸術家」と規定されます。「私」は「あなたという画家」の作品対象者。しかも何度もその対象になったフシがあります。こういった状況では特別の感情が芽生えやすいものであります。すなわち愛であります。詩中にも、それを充分感じさせるものがあります。そして構図上で言うと、二人の立場を明かす、その距離感(前半と終わり近く)がちょっと面白く効果を上げていると言えるでしょう。2連前半の考え方はユニークで印象に残りました。続く3、4連では、―ちょっぴり悲しいけど―物事のいっぽうの真理が語られます。終わり2連は「ふたりのこと」。もしかすると、ふたりは愛しながらも、どこかに相克もあったのかもしれない。
この詩はいろんな言葉で言い表すことができます。曰く―「切なさ、やるせなさ、憂い、哀しみ、諦念」。この詩の良さはそういったものを、淡々と抑制の効いた文体に乗せていることなんです。なにか、突き上げてくるものを懸命に抑えながら綴っているような……。涙が出そうなんだけど、それをこらえる為に無理に笑ってみせるような……。そんないじらしさを行間に残しています。そこがすごくよかったのです。

アフターアワーズ。
大勢に影響ないので、こちらに書きます。「一旦寝て明日になればまた一から」の「一」です。
表記上、ピンと来ないです。意味は理解できますが、誤読を避ける意味からも別表現のほうがいいでしょう。あと最後の「クスッ」はこの詩のイメージとちょっと違う気がします。もそっと抒情的に笑ってもらいましょう。どちらも簡単なことです。


7 松本福広さん 「毒の名はアノン」 1/26

ガードレールや電線の詩。社会派の詩人さんといったイメージがあります。今回はそんな横顔に、より濃度を感じました。注釈助かります(感謝笑い)。テーマくっきり。匿名とは昔からあったんでしょうが、昨今の個人情報保護の観点から、ますます増えているのでしょう。やや負の要素を引きずりながらも、それ自体はまずまずニュートラルなものですが、それだけに悪用されやすい。すぐに浮かぶのはネット上や投書での極端な非難・誹謗中傷でしょう。この詩では「薬→毒」に喩えて展開しています。非常に巧みな喩えです。
2連では効能が書かれますが、それ以降はだんだん怪しくなり、ガラリと毒の表情を見せる。どの連・行もその属性を見事に言い当てています。一番恐いと思ったのは「自らその道へ選択をするよう追い詰められる」、ここですね。殆ど現在形で書かれているのも恐怖を倍加するかのようです。まさに至言での警鐘と言っていいでしょう。佳作です。


8 荒木章太郎さん 「牛丼の旗の下」 1/26

タイトルが珍しいし、それ以上にびっくりしますね。荒木さんの作風としても、ちょっと珍しいと思います。しかし冒頭と4連目には得意の同音異義語が出ました。その意味・状態の対比の面白さがあります。世代交代が意識の隅に表れています。これはそんな父子の日常のひとコマ詩。5連は明らかに今までの生き方の比喩でしょう。これからもそんな時間が待っている。そういった時間作用の中で、息子さんへの願い、やがてバトンが渡されることを思っている。息子さんの側を想像すると、黙々と食べながらも自分達父子の何事かを思っていることでしょう。そこは父子。言わず語らずの内にも、今と先に思いを馳せている。それが父子の証明の旗。こういうリアル詩も好意をもって読むことができます。甘め佳作を。


9 静間安夫さん 「切子の器」 1/27

まずはネット上の写真を見ました。大変美しく、心魅かれるものがあります。まさに工芸品。
値段もなかなかのものがあります。思わず買い求めたのもわかる気がします。詩は時間と光によって、変化する器の表情が美しく活写されます。脆さ、儚さを予感するからこそ、美はそこにある。ガラス工芸のありようが理解されるのです。「とっておきの地酒を新しく美しい器に」。これは左党にとって、この上ない贅沢でしょう。あとは美味なるつまみでキマリ、ですね。やっぱりこういう時ってとびきり美味しく感じるものでございます。もうひとつ語られるのは自身の孤独です。その境遇と酒器との連れ添いも、スペースを取り実感されています。よい酒。よい器。そのくらいの楽しみはあっていいでしょう。ちなみに、つまみに”佳作“をどうぞ。どうか、この器を日々の慰めに―。


評のおわりに。

上記の評に「左党」(酒飲み)を使いました。(なぜ、こう言うんだろ?)―調べたところ、江戸時代の職人は右手に槌(つち)、
左手にノミを持っていたそうです。その左手の「ノミ」が「飲み」に通じ、「左党」とこじつけられたようです。 
やれやれ、これで安心して飲めますな(笑)。 では、また。

編集・削除(編集済: 2025年02月04日 18:22)

空  秋さやか

琥珀色の光を
柔らかく振るわせて

すこし切なく響きわたる
放課後のチャイム

せっかちに号令を言い終えると
一斉に
校庭へ駆け出す子どもたち

みなちりぢりになって
それぞれの遊具をめざす

ブランコ
空中シーソー
恐竜のほね
回旋塔

鮮やかな原色たちの纏う
凛とした冷たさが

子どもたちから放たれる熱と
混ざり合う

砂ぼこりのなか

ランドセルを放り投げ
身軽になった体は

なにも恐れず
いきおいよく

回旋塔を
まわしてまわして

風を起こす

ブランコを
大きく大きく漕いで

いさぎよく

飛び込んだ

自分だけの
空へ

編集・削除(編集済: 2025年02月02日 07:15)

意志の手  人と庸

何台もの文明が
ものすごいスピードで駆け抜けていく
道路のわきのすすきの群れは
風になぐられてたおれそうになる
しかしかれらの手のような意志は
いっせいに指し示す
文明が進むのと逆の方向を

編集・削除(未編集)
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