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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。

(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

水無川 渉様 お礼  TICO

はじめまして。TICOです。
丁寧な感想と助言をくださりありがとうございます。
はじめて行分け等のない散文詩を書いてみて右も左もわからない状態で投稿させていただきました。「儀式のはじまり」→「テレビを消す」これは私には思いつきませんでした。新しい視点をいただけて嬉しいです。たしかに場面を考えると、テレビのノイズがある状態では、日常から非日常への切り替え=儀式の空気とは言えないですね。
また投稿の際はどうぞよろしくお願いいたします。丁寧に読み込んでいただきありがとうございました。

編集・削除(未編集)

メモ  TICO

急に部屋中のものを
捨て始める

見境もなく
片っ端から捨てていく

デスクの引き出しを開けたところで
手が止まる
取り出した小さなメモ

消えた床に
君は落ちていった





メモを握りしめて
休日の繁華街を
かけ抜ける
しばらく近づかなかった
旧知の店

あがった息を整えて
重厚な木製の扉を引く
立ちこめる
コーヒーの香りに気圧されそうになる

控えめなドアベルに
重なるように
馴染みのある声

目が合って
しばらく黙したあと
小さく目蓋をふせて
視線を店内に向けた

手汗で湿ったメモを
上着のポケットにしまい
定位置だった窓際近くのカウンターに
ゆっくり
腰を預けた

椅子は買い替えられ
少しだけ高さが変わり

まだぎこちなく 
視線の置所に惑う君を 
黙って
受け止めている

控えめなBGMが
コーヒーの粒子の
合間を縫って

そっと
君の空間に
配置されはじめた



※「作り笑顔」連作ラストです

編集・削除(未編集)

雪解けの栞  ゆづは

遠くで鳴る呼び声は
風のいたずらでしょうか

あの日 
あなたが閉じたままの
扉の向こうで
銀色の針葉樹が
静かに影を伸ばしています

重い外套を脱ぎ捨てられないのは
その裏地に残る 
消えない温もりを
閉じ込めているから

水平線が朱に染まる瞬間
あなたは誰の面影を
なぞっているのでしょう

空に浮かんで滲むのは
見知らぬ誰か
それとも 遠い記憶の底の誰か

真実の想いは
雪の底に沈めた

そう言って
静かに笑うあなたの横顔は
凍てつく月のように

私はただ一篇の詩を栞として
心の襞に挟んでゆきます

いつか 雪解けの水に流れればいい

ただ 明日の朝
あなたが新しい靴紐を結ぶ
その乾いた音だけを
私は信じていたいのです

編集・削除(未編集)

三浦志郎様  御礼  静間安夫

今回も私の詩にお目を通して頂き、誠にありがとうございます。甘め佳作
との評をくださり、とても励みになります。

そうですね...前半部分で、真摯な叙景・感動・思考の例を挙げようとしたのですが、
どれも月並みな表現になってしまって...。
改めて考え直してみます。

今後とも、どうかよろしくお願い致します。

編集・削除(未編集)

三浦志郎様 評のお礼 多年音

三浦志郎様今回も丁寧な批評をしていただき、誠にありがとうございます。
冒頭の表現をケッサクと仰っていただけたこと、嬉しいです。
先生の飄々とした雰囲気が個性であるとの言葉に腑に落ちる感じがしました。
今まで様々な切り口で詩作を試みていましたが、
そう言った雰囲気が自分の詩には必ず現れる感じがしていたので、
その部分は個性として大切にしていきたいです。
今後とも、ご指導の程よろしくお願いします。

編集・削除(未編集)

感想と評 1/23~1/26 ご投稿分 三浦志郎

1 晶子さん 「晴天の朝」 1/25

夜が明ける。早朝の表情です。「ピリピリと/ドゥドゥと」いうのは、どういった朝の様子でしょうかね? 2連は読んでいて何か楽しいですね。風景や様子にバラエティがあり、よく練られているようです。さて、この詩は3連なんです。ここを読み手がどう解釈するかで、この詩の個性や評価も変わろうというものです。まず2行目「忘れたことを覚えている痛み」―僕はこの書き方は違う気がする。何か空回りするような表現です。「覚えて」は自覚や意識を表す言葉なので、単に「忘れたことへの痛み」とか「忘却の痛み」ではないですかね。3行目は夢のことを言っている気がします。次第に薄らいでゆく夢の跡のようなもの?いっぽうで「立ち向かう」の効用です。この詩のトーンからすると、やや場違いなのですが、その場違いさが約50%以上の“カッコよさ”を含んでいるように思えるのは僕だけでしょうか?(あ、僕だけですね、汗)そこに、僕は朝の軽い意志を感じるのです。そこで、僕が手懸りとするのが2連。「~スリッパ」「~駆け足」「速足」。これらは家庭の、家族の群像と取れなくもない。通勤、通学。皆それぞれにせわしない朝です。
各人忙しいのですが、彼らを世話し送り出す人こそ忙しいのです。そこに僕は妻であり母であり女性としての晶子さんを感じるわけです。みんなを送り出した後、自分も働きに出るとなれば、なおさらのことです。(もしかすると、それが「立ち向かう」になったのかもしれない)。甘め佳作を。


2 佐々木 礫さん 「入道雲と花の日記」 1/26

なかなか面白く、微笑ましく読ませて頂きました。これはタイトル通り、文字通り日記なんです。
日記をそのまま詩にした。即席造語で言うと「日記詩」!そんな面白さですね

「彼女は、坂の上の大きな入道雲に向かって、自転車で駆け上がっていく」

僕はこのフレーズがこの詩の中で最も好きですね。夢を伴いながら風景的、絵画的です。それに続く「もうすぐ夏が終わる~~まだ少し暑いけれど」まで、この詩のメインになり得るパートです。
ただし、ここでの「温暖」は冬から春に向かう時こそふさわしいもので、これから秋に向かうに、確かに「酷暑→温暖」なんですが、ここは「爽やかな」とか「涼し気」みたいなほうがいいでしょう。
上記したフレーズが後半も形を変えつつ、より抒情的に繰り返されます。主題であること、間違いありません。ひょっとすると、これは恋愛詩として読んでもいいかもしれない。終わりの友人とのやり取りは照れ隠しのようにも取れますね。あまずっぱいA DAY IN THE LIFEの日記。甘め佳作を。


3 静間安夫さん 「詩と真実」 1/26

冒頭、大変失礼なことを書いてしまうと、5連まで。再度、ごめんなさい。ここまでは詩を書く人ならば、大体思いそう、書けそうな考えであり詩行なんです。もちろん、条件に応じた詩のありようを細やかに書き分けてはいるのですが、静間さんは比較的、独特の思考をされるかたなんですが、(ちょっとフツーだな)と思って読み進むうち、ありました、ありました。6連以降が”静間さん“です。
いきなり結論です。「詩とは真実だ」(ちょっと古いけど「芸術は爆発だ!」みたいな感じです)。人は思います「なんじゃ、そりゃ?」。けれども本作は独自の思考で、これを解きほぐしていきます。僕の読み取ったところでは、以下のようになります。

「詩とは作者それぞれ自己にとっての真実、ここで言う真実とは作者が詩に託した純粋で誠実で真摯な叙景・感動・思考→他者が共感する→その輪が十人、百人、千人、万人、億人に広がった時→その詩は個人・主観から発するも、名作となり普遍へと繋がる。つまり主観から客観へ、個的なものから全的なものへと価値は変容する」。
最後の着地を考えます。僕の勝手な思考では、「普遍→細部・個人」。事の流れは大体大きなところから下へ流れてくるものでしょうが、ここに見る詩の広がりようは下から上を指向するもので、その意味での逆説。この流れが達成されれば幸福。さらに言うと、静間さんは達成如何に関らず、詩とは本来的にこういった可能性を秘めたものと考えているように思えるのです。ところで、評価が難しい。極端に色分けすると、「前半のフツー、後半の卓越」。されど総じて言うと、これは自己への鼓舞も含め、詩と詩人への応援歌。
うーむ、足して2で割って、甘め佳作でしょうか。


4 トキ・ケッコウさん 「水玉いろのザムザ」 1/26

(前置き) : カフカ「変身」はかつて読んで、今も家の何処かに在庫してますが、主人公が朝、虫に変身した以外、全くその内容を忘れました。従ってWIKIで概要をさらって、今回に臨む次第です。

全篇が「わたし」と「水玉いろのザムザ」との触れ合いとその感慨が綴られています。場面的には二大別できそうです。後半はザムザがちいさくなってからですね。まずは前半からですが、冒頭2行の奇妙な書き方や「~そっくりの」「でもちっとも似てない」など、
ちょっとした矛盾を掬い取り、それらを詩の一種のキャラクターにしたかのような趣を感じます。前半の両者ですが、満更でもない、
なかなか良い関係のように思えます。いっぽう後半、ポイントになるのは、ザムザが小さくなって動き回る。スリッパで叩き潰される。眼鏡レンズに飛沫が付き動いている。ここの心理は複雑で、不気味やら悲しいやら、で、自分の気持ちが整理しきれてない状態のようです。それを暗示するかのような終連だと僕は考えます。この詩の制作意図や、何かの寓意であるとか、僕にはよくわかりません。ですが、「ザムザ」とある通り、カフカ「変身」に想を得ているところはあるのでしょう。この作品がよく指摘される「不条理性」を、この詩も影響され受け継いだと見るのが自然と思われます。作者さんも毛色の変わったモチーフをユニークなアプローチで書いて来るイメージがあります。面白い書き手さんだと把握できます。ただ、この作品自体の存在意義の観点からは佳作一歩前と致します。


5 光山登さん 「氷片」 1/26

この詩は一見、抽象のようですが、さほど取っつきにくいものではないと思います。一日の流れと人々の営為がひとつの軸。「一切」に代表される人の生がもうひとつの軸。そんな詩です。
朝が来て夕日が沈むまで、人は生産的活動に出かけます。「大地をざりざりと踏みしめ」「青白くただれた目の人たち」が行きます。
こういう誰もが「一切」の下にあり、「一切」に還る、としています。
この言葉は「死という全き無」を表象していると思われます。逃れられない運命です。けれども作者は特に悲観しているわけではない。詩行に「僕らはけっしてひとりぼっちじゃない」とあり、それ以降、非常に前向き思考になっています。ところで「氷片」という言葉も非常に含蓄深く使われているようです。人間或いは人間性といったところでしょうか?なるほど、「僕」を含め人は夜と共に解体され、朝に再構築・再生産される。「明日のことは明日に取っておこう」みたいな思考もあり。こういう事を繰り返す以上、人々はーいつか一切が来るとはいえ―共通営為の中で皆繋がっている。連帯している。そんな集団意志を感じます。佳作です。

アフターアワーズ。
この詩とは特に関係ないのですが、違っているのを覚悟で書くと、僕には雪国の人が書いた詩に思えたことでした。雪国のかた、本当におつかれさまです。


6 多年音さん 「つぎはぎ」 1/26

前回は”弱めの印象”みたいなことを書いたのですが、今回はどうでしょうか?まず初連です。
「毎日満タンだったから」―ここ、ケッサクですね。そうですね。毎日、あれや、これやで、思慮浅くやっていた。子供ですからね。さて、それ以降は大人になっての今?「イヤホンで縫い付ける」―ここも面白いです。ただし、この詩、精密に解釈するとなると意外と難しくて、たとえば、こんな推測は辛うじてできそうです。
「大人になると、日々、課題・問題(無理難題!?)が次々出てきて、けっこう対応に忙しく追われたりします。その都度、真正面から対峙したり、危うく身をかわしたり、笑ってごまかしたりするわけです。そういった対処が「空白~つぎはぎ・縫い付け。穴~紡いで・ボロボロ」の比喩になりそうです」
こういったことは人生の常と言えば、常なんでしょうが、どうせしなきゃならないなら、その結果、人柄や表情に味わいや渋さが出たらいいですね。そんなラストでしょうか?この詩は一定のフィーリングをキープしていて、良いと思います。あっけらかん、とまでは言わないけど、どこか飄々とした雰囲気があって、“ケセラセラ”のムードも感じます。肩の力が抜けています。そこが良いと思います。これはやはり、ひとつの印象、個性と言ってよいでしょう。甘めながら佳作とします。


評のおわりに。

選挙が近いです。
さて、当日は投票して、うまいモンでも食べて帰ってこよう。 
では、また。

編集・削除(編集済: 2026年02月01日 17:42)

評ですね。1月16日〜19日ご投稿分  雨音


「矛盾」じじいじじいさん
じじいじじいさん、こんにちは。お待たせいたしました。
まさに今、受験生の方たちにとっては臨場感のある作品ですね。
雪、正月、雑踏、図書館、神社、C判定、ととても具体的ではっきりした設定があることから、場面が思い浮かべやすくなっているところはとても良いと思います。それから、とても素直な感情表現があって、現実味があります。受験生の葛藤、切なさがくっきりと見えますね。タイトルにある矛盾を感じる点での気持ちの揺れ、内省もほんの少しくすりとなってしまうような、その小さな笑いも雑踏に紛れてしまうような儚さでバランスが良かったです。全体としては佳作二歩手前です。二つ参考にしていただけたらいいなと思う点を書いてみます。

1、じじいじじいさんはきっととても真面目で優しい方なのだと思います。作品もとても丁寧で親切に書かれています。ですから早い段階でこの作品の状況や心境も正確に伝わって来ます。それで少し読者を信じて情景に任せてみることを提案したいです。
例えば、「希望大学C判定の私には正月なんて禁句だ」というところですが、これはすごく直接的な状況が書かれています。それで、「希望大学C判定の私は数式を解きながら年を越す」としてみると、私の気持ちは強くは出て来ませんが、読者は「辛いよね」と想像できます。この想像の余地を読む方のために取っておいてあげる、そんな感じです。これはやりすぎてしまうともちろんちょっとわかりにくくなるのですが、じじいじじいさんの丁寧さでしたら、そんなことが起こることはないと思いますので、試してみてください。

2、今回は受験生の苛立ちや焦燥感、苦しさ、というものが前面に出ています。実際そうですものね。なので、全体として少し強めの表現、口調が多くでてきます。一方で矛盾を感じたときに溢れてくる弱音のようなものがあります。これはとても素敵な部分で、ですので、この対比が少し際立つようにすると作品の立体感がうまく表現できるはずです。1で提案したことをやると、少し強い部分が控えめになると思います。それに加えて、この矛盾にかかる弱音を直接的ではなく何かに託してみるのが良いかもしれません。例えば、自分の打った柏手が雑踏に飲み込まれていく、それだけでもいいと思います。苦しさの表現を強めるよりも弱めていく方が、印象が残りやすいです。これもぜひ試してみてください。

じじいじじいさん、これはあくまでも私が感じたことなので、良いところどりしていただけたら幸いです。


「孤独な季節に」相野零次さん
相野さん、寒さが深まっていますね。お待たせしました。
こちらの作品は佳作です。特に後半、本当に素敵なメッセージ、希望が感じられる作品で、一年の初め、そしてタイトルにもあるように孤高な季節である冬に読むにはふさわしいと思います。母、父、この世にはいない不在の、けれど確かに感じられる繋がりから始まっています。すぐに現れる自分の暗い内面と葛藤、そして見知らぬあなたが現れ、明日へ続きます。前を向いていく余韻、それがとても良かったです。特にその前向きさをそっと含ませている静かさがいいですね。実はちょっと涙ぐんでしまったくらいで(心が弱っているわけではありません、笑)とても心に残りました。前を向いて淡々と歩いていく、そういう気持ちに共感される方は多いと思います。
特に直すところはないと思いますが、参考までにちょっとだけ書きます。必ず見直してほしいというものではないのであしからず。

1、三連目の冒頭、これは二連目からつながりますが、二連目の終わりにある「辛い」を生かして、辛い日々→その日々という風にするとすっきりしそうです。

2、明日への潮の満ち引きが、からの後半は本当に素晴らしいと思いました。それで、さらに余白を加えて印象を深めるのも良いかもしれないなと感じます。あなたなら/心を捧げてもいい、の前に一行空けるのはどうかなと思いました。
3、最終連、これは特に素敵な結びでした。救いがあって心に残りました。それで、「忘れてしまったけれど」を「忘れてしまいそうだけど」くらいにトーンを落とすとこの部分がちょっと控えめになって、最後の一行を引き立てるような気がします。

以上です。本当に良い作品でした。読ませていただけて良かったです。

:::::

評とは関係のない話になりますがご容赦ください。

花屋に行ったらミモザがありました。春が近づいているのですね。

年末から途切れず仕事をしていましたが、今週末はようやく一日休めました。休みって素敵。もうすぐ立春、ここで仕切り直して、一年のスタートにしようと思っています。一年の初めになんとなく本意ではないことが続いた方はぜひご一緒にいかがですか?

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野辺の枯れ花  人と庸

 案内も必要とせず山に入る者を
 かれらはいつも見送っていた

色々なものが過ぎ去ったあとに
残されたものだけが佇む季節
かれらは自身の花穂に
かつては光や風をいっぱいに湛えていたが
いくつかの種子を送りだしたあとは
その間隙に
わずかな空気が行き交うのみ

山の入り口から見下ろす砂防堰堤の
いまだ満たされたことのないその内側には
みわたすかぎり
みわたすかぎりの
枯れ穂の花束
なけなしの
しかし常に外側に向く矜持を束ねて
集うかれらの祝宴だ

 川の音は上流に向かうにつれ
 宴の静けさにかき消され
 伝える言葉を忘れてしまった

 きまぐれにはしる鎌刃の閃光に
 かれらは右腕からゆるやかに麻痺してゆき
 もはや 風に揺られることもない

いま 山に入ってゆく者がいる
その者は戻ってくるのか こないのか
戻ってこなければそれでよい
戻ってきたなら
腕いっぱいになるまで
枯れ花を束ねて贈ろう
精一杯たたかったとて
決して正義になりえない
それに気づいた群れの中の孤独な者に
無音の言祝ぎとともに

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over.  上原有栖

気怠い空気の午後三時
短針と長針は90度の距離をおく
アイス・キャンディを咥えながら
眺める無音の秒針

火照った身体が
タオルケットに包まれている
なだらかな稜線の先に見えるのは
華奢な首元と足首の肌色だけ

******

ふたりは
都合のいい、関係
知っているのは
必要なときに繋がる電話番号

知り過ぎると囚われてしまう
本気になった側が負ける遊戯(あそび)

あなたは
縛られるのも悪くない、と笑った
わたしも
束縛されるのは嫌いじゃない、と、嘯いた

******

再び視界が覆われる《over.》
 引き締まった胸板に腕を回す
紫煙の残り香に包まれる《over.》
 わたし、あなたと同じ煙草を喫うようになった
感情が昂ぶっていく《over.》
 恥じらいの理性に今だけは鍵を掛けて

******

目覚めると、ひとり
短針と長針は随分と離れてしまった
無音の秒針も
逢瀬の終わりを告げている
《So it's over.》

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水無川様 お礼です 上原有栖

今回も丁寧な感想と評を頂きまして誠にありがとうございます。
「望郷」というタイトルの違和感は、やはり拭い切れませんでしたか。
おっしゃる通りタイトルは詩の顔ともいうべき、
とても重要な要素ですので今回のアドバイスを活かしつつ
詩作を進めていきたいと思います。

思い出の原風景は、目の前から無くなっても心の中には在り続けるという
普遍的な気持ちを詩に込めることができて良かったです。

次回の投稿の折も、どうぞよろしくお願いいたします!

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