◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)
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仕事帰りにバスを降り
たまに立ち寄る
学園の森の珈琲店
硝子扉の奥を覗くと
小さな店内の厨房にいる
若き店主と目が合って
そこから会話が始まるのだ
営業は春から秋の週一二回
自分一人のためだけに
店主はいつも待っていた
濃い珈琲をブラックで
飲めるようになったのも
この店に出会ってからだった
店主の好きなジャズが流れる中
お気に入りの席に座り
硝子張りの窓の外を見ながら
あれやこれやとおしゃべりする
今日は何にしますかと言いながら
店主はその日のおすすめを勧めて来る
店主が淹れる珈琲は香り高く
黒く深みがある味わい
今日のは美味いですよ
これが店主の口癖だった
木目調の店内には
小さな木のテーブルと
椅子が並ぶだけで
余計なものは一切ない
今年に入って店主から
この夏で店を閉めると告げられて
初めて深煎りの珈琲豆を買った
店のシャッターが降りてから
その道はもう通らない
秋風が寂しく吹いていた
時々思い出したように
封を開けて珈琲豆を挽き
お湯を沸かして珈琲を淹れる
店主に習った珈琲の手順を
いつも思い出しながら
いつも優しく淹れていた
店主の顔を思い出しながら
冷蔵庫に眠ったままの珈琲豆
忘れられない珈琲店の思い出とともに
お世話になります。はじめまして、Ema(エマ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
初っ端から大変申し訳ないのですが、
11/20の投稿No.6514「ライン(line)」を訂正をしております。
①誤字 「確立」→「確率」
②変更 最終連の一行目「橋」→「跨川橋」
以上二点になります。どうぞよろしくお願いいたします。
やさしい道が架かって
通勤時間が少し短くなった
自宅から西の方向に十数分歩くと
南北を流れる川がある
川幅は百メートルほど
その向こう岸とこちら側を繋ぐ
人道橋が開通した
道幅はちょうど四メートル
勾配のない十分な広さの歩道だ
雨の日でも 車椅子でも
四人が一列横並びになれる
歩いて二分ほどで渡り切れるが
数十秒で走り抜ける人もいれば
ゆっくりゆっくり歩を進める人もいる
その真新しい橋を渡って職場に向かう
前後に気兼ねなく自分のペースで歩いて
向こう岸に渡った頃には
今日の仕事の工程を考え始めている
小さな仕事場に着くと
クリーンルームに入る
私はここで路(みち)を作る
名刺ほどの大きさの
透明なシリコン素材のプレートに
始点と終点がある
その二点を繋ぐ
髪の毛一本が通れるか通れないかの
細く長い路を作る
この路を通るのは
肉眼では見ることができないものたち
細胞や微生物だ
人は
目に見えないものを生かしながら
目に見えないものに生かされている
そうやって共生しているにも関わらず
そのほとんどについては未知の領域だ
その小さきものたちは
たとえば難病を打ち消したり
人が地球に寄り添えるような
やさしい可能性を孕んでいる
あらゆる工程を重ねて
一週間ほどかけて完成させた
手のひらにのる路
肉眼でも確認できる
すーっと通った細い線を
顕微鏡でたどっていく
路のどこかに
障害物が落ちていないか
路がどこかで
途切れたり欠けたりしていないか
紛うことなく美しい路になっていたら
大学の研究室や
企業の研究所に納品する
研究が少しでも先に進むような
どこかにつながる路であってほしい
そんなことを思いながら梱包する
クリーンルームを出ると
上司が次の受注の話をもってくる
なかなかの確率で
製品として出荷できるかすら分からない
無理難題な案件だ
それらを脳内に背負って職場を出る
多くの人が家路につく時間帯
私も夕陽を背にして橋を渡る
今日完成させた路は
小さきものたちにとって
快適な路だろうか
うまく渡り切ってくれるだろうか
帰り道はたいてい
仕事のあれやこれやに
思考をとられがちだが
跨川橋を渡り終わる頃には
急務の課題、
晩ご飯の献立にシフトする
奏者と佇むグランドピアノ
少し眠気が来てあくびをする
瞬間
漆黒のミミックが僕を一飲み
ゲームオーバー
リトライした頃には
演奏は終わっていた
ミミックに出会ったのはその一度だけ
それから何度か
ピアノを見る機会があったが
そいつはいなかった
歳を重ねるごとに霞む記憶
どんな曲だったかも分からない
ただ確かに脳裏に焼きついているのは
絶命の記憶
脈動する打鍵
肉を断つ弦
僕は、あの日のミミックを探している
ちいさな羽アリがテーブルいっぱいに落ちていた
8の字のからだに透明な羽を生やして網戸の目を潜り抜けてきたら
しい
シロアリではないことだけ確認するとなんだか気の毒になった
どういう種類のアリだろう
広げたティッシュの上に指でつまんで載せ数えた
みっつ、よっつ……。
あといくつだろうと曖昧になったところで
「それは違うよ」
指先が言ってきた
そうだった、オレを入れずに、5人、6人‥‥。
(神様が振ったサイコロの目数だけやってきたのだろう
でもここはきみたちの生きていく場所じゃない)
マグカップのなかにも羽アリが入っていた
底に点々と落っこちてコーヒーの跡にからめ取られている
流しで洗って空になったところにあらためて水を注ぎ
カップのフチにくちびるを当て
排水溝の屑取りネットに引っかかった影に向かって数えた
ななつ、やっつ‥‥。
あといくつだろうと曖昧になったところで
「それでいいの?」
くちびるが訊いてきた
そうだった、オレを入れずに、9人、10人‥‥。
(神様が振ったサイコロの目数だけやってきたのだろう
しかしここは餌を漁るところじゃない)
床に目を近づけると見渡すかぎりに落ちた羽アリだった
まだジリジリと動いているものもある
よほど盛大な結婚旅行だったのだろうし掃除機で吸うのは間違いだと
乾いた白いタオルをあてがって拭った
玄関を出てバサバサふるうとポロポロ小さな黒い点が落っこちた
屈みこんで数えた
にじゅう、さんじゅう、いやもうわからない。
すっかり諦めたところで
「また間違えてやがる」
あたまから声が響いた
そうだった、オレを入れずに、40人、50人‥…。
(神様が振ったサイコロの目数だけやってきたのだろう
それにしてもいつまで数えればいい?)
*
神様はサイコロを振りたまわない とは
アインシュタインが言ったことば
彼がどこにいるのかはわからない
だが羽アリたちは
彼らの誰も知らなかったいま ここ に あ る
夜明け前
ビルの隙間から月が顔を覗かせている
月も呼吸しているかのようにパワーを解き放ち
私を優しく見守っている
星の瞬きも綺麗で
月と星を交互に眺めていられる
ふと思う
この先も月、星、太陽の光や
心地よい風のささやきを感じられるのだろうか
急ぎ足で流れる日々に
時には立ち止まる事も必要だと教えられる
このかけがえのない時間を大切にしていきたいと
始発電車を待ちながら思いを馳せる
白く濁った私の眼球は
もう手の施しようがない
これまで事実を見ようとしなかった報いだ
手術で澄みわたらせることはできる
だが人工的に手を加えることが
どうにも気に入らない
運命を受け入れるために
ゆっくりと自然発酵させることにした
この深みを生かすことにした
やがて思い込みが
さらに視界を濁らせていく
注意は必要だ
遠くなった耳を呼び寄せ
そっと澄ませる
聞こえないところを
また想像で補ってしまうから
ここでも注意が必要だ
海に波を聞きに行きたい
ものがまだ見えるうちに
海亀の産卵を見に行きたい
海を――うみを――観に行くのだ
私の知らない痛みと
哀しみをはらんだ喜びが
暗いうちに
ひっそりと執り行われる儀式
やがて、夜が明けて
生まれるものを前にして
濁りが、静かに退いていく
目の前が開けてゆく気配を感じる
私は
白内障の手術を受けることにした
とても丁寧で深い評をいただき、ありがとうございます。「輪郭のない影」というタイトルについて、存在の不確かさを感じ取っていただけたことにとても嬉しく思います。
冒頭の「足元に落ちた微かな温もり」に関して、最初は漠然としたイメージでしたが、こうして言葉にしていただくことで新たな解釈が生まれました。また、哲学的な側面にも触れていただき、その考察の深さに刺激を受けました。「西洋的な独立した存在観と、東洋的な関係性の存在観との対比」という視点は新鮮でした。
最後に「輝く世界はまだ私を知らない」という一行に込めた想いを、汲み取っていただき感謝しております。
今後とも、さらに表現力を磨いていきたいと思いますので、引き続きご指導いただければ幸いです。
荻座利守様
拙詩「缶」への評とご感想、ありがとうございます。
佳作半歩前との評価、励みとします。
ご指導いただいた点に関しては、精査し、改め、次回作に活かします。
星新一さんのショート・ショート、大好きでして、世界観、等かなり影響を受けています。
最近の私の作風ですと、自由詩よりはショート・ショートに近く、想像力・アイデアをどう詩の言葉にしていくかが課題です。
自由詩を始めて半年目の我が身、
これらが私の強みになるのか、弱みになるのか、正直、よくわからないのが現状です。
次回もご指導のほど、お願いいたします。