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編集・削除(編集済: 2026年05月30日 02:08)

御礼 島 秀生様  aristotles200

島 秀生様
拙作「赤」にご講評とご感想をいただき、ありがとうございます。
おまけ秀作プラスとのこと、反省すべき点が多い投稿でした。

いくつもご指導をいただきました。
感謝いたします。
それぞれ省みて、改めて行きます
何か、過去の作品の成功例を、無意識にパターン化している気がします(否定やオチ等)。

根本には、テーマ(主題)の分散と、読み手とのズレに私自身が気づいていないことですね。
変に書き方が固まっている気もします。
私の下手な料理のように、何を作っても同じ味(詩)のような気がしてきました。

今回も丁寧なご指導、ありがとうございます。
次回も、宜しくお願いいたします。

編集・削除(編集済: 2026年07月06日 16:01)

評、6/19~6/22、ご投稿分。  島 秀生

遅くなりました。


●トキ・ケッコウさん「ホトトギス」

ホトトギスは、もともと夏の季語で、万葉集の昔から頻繁に短歌・俳句に登場しますが、
とりわけ、

「鳴かぬなら ころしてしまえ ホトトギス」信長
「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」秀吉
「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」家康

この武将三人の性格の違いがわかる句として有名ですね。
それゆえか、この詩には作者の句も入っています。

私個人的には、ホトトギスの口の中が赤いことから、「鳴いて血を吐くホトトギス」の言葉があり、結核の意を持つ鳥として、自身の雅号とした「子規(ホトトギスの意)」のことが思われてなりません。
ちなみに「鳴いて血を吐くホトトギス」には、「口の中が赤いからだ」のほかに、「血が出るほど、鳴き続けるからだ」の異説もあり、鳴く時期にはしつこく鳴くようです。

作品ですが、夜明け前にホトトギスの鳴き声で目が覚め、布団の中で思案を巡らせている感じから始まり、やがて夜明け。そして朝起き上がってからの、朝一番の行動でしょうか。虫を捕まえ、虫を殺さず、外へ逃がす行為をする。
と、いった時系列が、詩の背後でゆるやかに流れてる感じがいいと思った。

考えてること自体よりも、そういう沈思黙考のうちに過ぎた「時」が描けていると感じた。そこがまず良かったです。

2段目のところの言葉が深いかなと思った。鮭のようにライフサイクルの中で、繁殖を優先して、命を縮める行動を、当然のようにするものもあるが、あれは決してジサツではない。ジサツをするのは人間だけだと思う。他の動物は決してしないことを思うと、ジサツは、生命の規範に反する行為なんですけどね。何故か、人間はしますし、そこを思い悩みますね。ただ、生きたくとも生きられない人もいることを思うと、純粋にそこを悩める時間を持てるのは、ある種、贅沢で豊かな時間であるのかもしれません。
ともあれ、万物の生命に想いを馳せた作者は、一匹の虫を逃がしてやろうとしますが、虫の行方不明から、自分の行方不明にまた迷い込むようです。

他の生きものから、自分の人生の在りようを考えるのは、いいアプローチだと思いました。秀作を。


ところで、詩は詩としまして、余談になりますが、
だいたい、鳥が高い所に留まって大きな声で鳴いている時は、繁殖行動なのであります。繁殖のための縄張り主張(他のオスに対して)であると同時に、メスを自分に呼び寄せている行為であります。
ただ、ホトトギスやカッコウの場合は、もう一つの意味があって、托卵先であるウグイスやオオヨシキリなどが自分に釣られて鳴くのを故意に誘っているところがあり、その鳴き声で相手の所在を探っているフシがあります。ホトトギスやカッコウの場合、托卵先の鳥が近くにいることも、繁殖の条件だからであります。

ご存じかもしれませんが、ウグイス等に托卵されたホトトギスの卵は、一番先に孵化します。孵化したホトトギスのヒナは本能的にお尻で、他の卵(本当のウグイスの卵)を全部、巣から落として割ります。そして自分一人を育ててもらいます。ホトトギスって、実はワルなのです。

また、巣にいる鳥や卵が、他の動物に狙われることは時々ありますが(卵やヒナに限ってはカラスも狙う)、飛び回ってる親鳥を捕食するものはめったにいません。タカ類でも、オオタカとハヤブサ類(チョウゲンボウ含む)に限られるので、そういう所はめったにないと思います。おっしゃるように、それらがいるとわかると鳥は鳴きません。


●相野零次さん「空虚」

読んでいて、
宇宙の謎と、人間存在の謎は、似てるのかもしれんなあーと思った。
宇宙とも、なんともいえない空間に浮かんで、漂ってる感じで読めました。
リアルなものも登場するのだけど、全部、空間に浮かんでる感じがする。
良いように言えば、シャガールの絵みたいです。(シャガール本来の意味合いとは違いますが、花束を持った女性が宙に浮かんでたり、リアルなものが全部空に浮かんでたりする、配置や構図が、この詩のイマジネーションと似てるという意です。)

本人、意識してないかもしれないけど、この空虚の世界が、一つの絵面を持っているのがいい。
たぶん、ただのモノローグに終わらず、いろいろ登場するところで、一つの絵面を持ってくるんだと思う。救急車も空に浮かんで読めますね。

うむ、いいと思う。名作&代表作入りを。


●上原有栖さん「スイマー」

赤信号のきわに飛び込んでくる自転車って、車から見ると、一番アブナイですよね。
なにしろ間際まで横断歩道上にいないんだし、しかもそっちはもう赤信号だから終わったと思ってると、猛スピードで突っ込んでくる自転車がある。あれ、脇道からの飛び出しと同じレベルだと思う。絶対セーフじゃないよね。私も何度かヒヤッとさせられたことあります。

昔、野良犬や野良猫がもっと多かった頃の話ですが、車に轢かれるのは決まって猫の方が圧倒的で、犬はめったに轢かれるということがなかった。それは犬が道路を横断する時「歩いて渡る」のに対し、猫は道路を「走って渡る」からです。つまり、道路を走って渡ること自体、車からの視認性が落ちるのです。それを赤信号のきわでやると、信号に間に合ってるかどうか以前に、車からの視認性として、危険度90%の行為をしてるようなものなのです。
事故確率の高い行動を繰り返してると、そのうち必ず当たりになる。時間の問題みたいなものなのです。(詩に出てくる「勢いで泳ぎ出た」人も、その行動は初めてしたんじゃないと思う。何度もそんなことを繰り返していた結果だと思う)

どっちが正しいとか、警察がどうとか、言う以前に、事故を起こしてトクする人は誰もいないのだから、当たった方も、当てられた方も不幸にしかならないのだから、事故確率の高い行動は、お互いしないほうが良いのです。つまるところ自分のためです。

ああ、すみません、余談が過ぎました。
作品ですが、人混みをかき分けて器用に歩く姿は、たしかに魚群の中をぶつからずに泳ぎ回る魚のごときスイマーですね。
そしてこの世は大海原で、されど鉄の塊も走り回っている。
おもしろい構図で描かれた、いい比喩だと思います。

3連の「喚起」は、注意喚起ってことですね。
4連では、ついに事故になり、終連を見ると、死亡事故だったようです。

この詩の中には、群集心理で、みんなやってるからいいだろう、みたいになってることへのアイロニーもあると思います。
みんなしてやっておいて、誰かが犠牲になっても、ただ見ているだけだ、みたいな主張を感じる終連です。

うむ、いいと思いますね。比喩がバツグンに良かった。
名作&代表作入りを。


一点いうと、初連1行目。
潮の干満は、たしかに等間隔ではありますが、一日にそれぞれ2回、計4回のことなので、それと信号が変わる間隔・回数は段違いに違うので、1行目の比喩だけ頂けないんです。信号機に喩えるのではなく、魚の方にしませんか?

寄せては返す波のように
青信号で魚群はあふれ
赤信号で魚群は引いていく
信号機が点滅している
注意せよ もう渡ってはいけない
されど危険を知らせる合図を無視して
横断歩道を行き交う魚影たち

こんな感じはどうでしょう???
そこだけ一考してみて下さい。


●aristotles200さん「赤」

現代美術には、最初からロケーションを計算に入れて、生かす作品があります。この場合でしたら、夕焼けの赤い光が入る場所に飾ることを前提にし、それを計算に入れて生かす作品を作ってる場合があるのですが、
第一印象はそっちだったのですが、詩中には無名氏とあるので、そういったものでもないかもしれません。作者が独自にそう思う、発見の絵があるのかもしれません。絵の内容と画題を見れば、だいたいはっきりするんですけどね。
詩の段階では、そこは想像に任せているようです。

それはそれとしまして。
そこにどっぷり浸かった時の印象、心の騒ぎ具合を書いてくれてるのは、いいと思いました。
そこをワン・ワールドにして書けたら、この詩はもういいんじゃないでしょうか。

「・・・・・・」以降の続編はいらない気がします。2つを連作的に載せる場合は、2つの連係・相互関係から何かを言わないといけないのですが、

今日も
連れて行っては
くれなかった

は、前の作との脈絡が見えない。別々の日のことを、バラバラに書いてるとしか、ちょっと見えないものでした。
また、

今日も
連れて行っては
くれなかった

なんて置くと、こっちがホントのテーマで、ここから本当の話が始まりそうで、だとしたら、前に書いたことはなんだったんだ、みたいになりますよ。

それに、夕焼けの時間中は、たしかに連れて行ってくれたではありませんか?
それの否定にまでなってしまいますよ。

前との関係性をもって、唯一後ろに置くものがあるとしたら、「夕暮れの時間が終わると、絵はまた静寂を取り戻す」、ぐらいのことではないでしょうか。

あのーー
基本的には、一つの方向で、一つのものに集中して組み上げる、積み上げる、ということを丹念にしてもらった方がいいです。ワールドの組み上げが大事です。
で、どうしても否定を入れたい時は、ワンフレーズ単独で否定しないで、こうだからという周りを共連れで、否定を入れるようにしてもらった方がいいです。

作者的には脈絡が繋がってるんでしょうけど、読む方としては脈絡が繋がらない時があるのです。原因はたぶん、そのへんかと。
終連も、無理にオチをつけなくて良くて、フェードアウトでもかまわんと思って下さい。

後ろは気になったけど、前の方は良かったんで、おまけ秀作プラスを


●ゆづはさん「セピア色の共鳴」

ディスクオルゴール!! 
めったにお目にかかれないステキなものなので、すごく印象に残ったにちがいありません。また、嵯峨野の風情とディスクオルゴールの組み合わせというのは、読んでいて、想像を掻き立てるものがあります。
そして、なんと言っても大事なのは、そこにいる「若き日の私たち」であります。「光のなかにいた」で表現されているように、家族が集まり、楽しかった時代であるにちがいありません。とりわけは、お誕生日のお祝いをされる笑顔の人。その時まだお元気であったのでしょう。
今はセピア色の写真の中にしか、いないようにも感じます。
この詩はセピア色の写真を見て、当時を思い起こした回想の詩ですね。

6~7連の連係を読むと、ここにある「百年」とはオルゴールのことのようです。百年前の職人が作った巧みの調べが、古都の静寂に溶けていく美しいシーンです。「祈り」とも「物語」とも表現されていて、キレイです。

嵯峨野の風情と、ディスクオルゴールと、光の中の私たち、の組み合わせが美しい詩です。
名作を。


一点いうと、4連後半の、

その背後で
大きなディスクオルゴールが
静かに息をひそめていた

からディスクオルゴールのことがずっと続くので、
ここはここでキレイで、しっかり読みたい部分ではあるのですが、「あなた」のことが消えてしまう、というのがあるのです。
それは、「あなた」のことが4連前半にしか出てこないせいで、印象がわずかなうちに、すぐオルゴールに行ってしまうからで、

上記4連後半のフレーズに入る前に、もう少し「あなた」のことを書いて、印象を高めておいてから、オルゴールの話に行ってはどうでしょうか? と思いました。
そこをもうちょっと追加する点につき、一考してみて下さい。


●朝霧綾めさん「歩く」


朝霧綾めさん、お帰りなさい。
戻ってきてくれて、嬉しいです。

御作、久々ですけど、健在であります。丹念に書かれていますし、構成も取られていますね。
人生を道に喩えること自体は珍しくないんですが、この詩ほど、物語の中を登場人物が実際に彷徨い歩く様が見える作も珍しいです。第一に映像力がある。
しかも抽象すぎることもなく、リアルすぎることもない。
たとえば、

小さな一軒家の前を通り過ぎた
窓からこぼれる灯りを見た
その暖かさは私のものではなかった

に見られるように、家のロケーション自体は、ちょっと童話的な設定のところがあり、他方で、そこから伝わる温かさは、リアルに肌身に染みるようなものがある。言うなれば、短編映画のようであり、大人の童話的なところもある映像空間を醸し出しています。

そして、そういう客観性をもった人物の置き方で描いているけれど、作者本人は、もっと深刻に悩んでいそうだというのも、人物の動作や対応からわかりますね。

私は歩いている
ポケットに手を入れて俯きながら
誰かと出くわしてはすれ違い
たまに怪しまれて たまに怒られる
誰かにわかってもらうことも
誰かをわかってあげることもない

の姿は、孤独そのものです。
ただ、方角を聞かれたら答える。必要な時には水筒の水を分けてあげる。それぐらいの最低限、人間として必要な優しさは持ち合わせていよう。
それが、今のところ得られた、作者の人生の歩き方のように思われました。
名作を。

そこは誰かの庭だった
道理で綺麗すぎると思った

ここは象徴的な意味もありつつ、あるあるの話にも思えて、実感あるというか、生きている詩行で印象的でした。

「歩く」は、シリーズ化してもいいかもしれませんよ。
本作は、極めつけの一作ですが、シチュエーションによって、いろんな歩き方を描く、ヴァリエーションの作を作ってもいいかもしれません。



───*──*───*───

評のおわりに

建国250周年でのトランプさんは、相変わらずでしたね。

トランプさんに言いたい。
おまえが世界の王を名乗るんじゃない
世界の王を名乗っていいのはただ一人
王貞治だけなのだ、と。

(なんのこっちゃ)

編集・削除(未編集)

三浦様 お礼です 月森うさこ

お忙しい中、ありがとうございます。
いつもご丁寧に読み込んでいただきありがとうございます。
次回は全く違うジャンルのものを寄稿したいと思います。
アフターアワーズもありがとうございます。
私もほとんど知りませんでした。現役のキャバ嬢のお友達に教えてもらいました。

編集・削除(未編集)

三浦様、ありがとうございます。  石川ぼうず

ご丁寧で温かい講評をありがとうございます。

みかんの何気ない受け答えや、主人公との穏やかな空気を丁寧に受け取ってくださり、とても嬉しく感じました。また、最後の「閉鎖病棟」についても、作品そのものと作者の意図の両方を尊重したうえで、技術論としてA・B両面から考察していただき、大変勉強になりました。

作品に真摯に向き合ってくださったこと、そして「アフターアワーズ」で率直なお考えまで共有してくださったことに心より感謝いたします。今後の創作にも生かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。

編集・削除(未編集)

三浦様へ お礼です  夏目兼緖

三浦様

お忙しい中、読んで下さり有り難う御座いました。
次回は、読み手側の想像がしやすい作品を目指してみます!
丁寧な感想を有り難う御座いました!

編集・削除(未編集)

感想と評 6/26~6/29 ご投稿分 三浦志郎

1 上原有栖さん 「羽痕(はあと)」 6/26

これは一種のファンタジーだと思われますが、意外と現実的な書き方をされていて、しかも「天使」だと明記されてます。タイトルとの関連から背中がひとつのキーパーツにはなっています。ただ文中感じさせるのは人間の姿形のように思えてきます。ところで読み手は「天使だから人間の姿とはおのずと違うだろう」といった先入主があるわけです。すると、この文中から天使の全体像を読み手は想像しにくいのです。どうしても人間の姿がちらつくからです。すなわち、この詩は筆致的には問題ないにしても、映像として読み手に印象付ける設計にはなっていない気がします。タイトル通り、背中の羽の痕は良いと思います。それ以外が読み手はイメージしにくい、というか、どうイメージしていいか迷うといった感じでしょうか。以上がひとつの読み方なんです。ただし、もう一つ読み方はあって、この天使を(読み手が)あくまで人間と押し通して読んでしまうスタイルです。こちらは前記ファンタジーではなくリアル詩になりそうです。すなわち生身の女性を主人公がひたすら愛して、強烈に天使に喩えた、思い込もうとした、その愛のひたむき、といった解釈であります。ひとつの象徴として「羽痕(はあと)=heart、ハート」もありそうです。案外、こちらで読んだほうが、前者のような機能不全は起こさないはずです。ただ既述した前者のような完成時の曖昧さも尾を引いている気はします。
佳作一歩前で。


2 相野零次さん 「美味しく」 6/26

いわゆる“自虐ネタ”というものなのですが、僕はかえって好ましいと思います。皮肉やユーモアが他者に向かう場合、これは時に問題になります。相手を傷つけるケースもあります。自分で言ってる分にはカドが立たないからです。そして自分でもけっこう楽しいものです。悪くないですね。
ただしこういったものを書く場合、自尊心といった背景が健在だからこそ書けるというものでしょう。まあ、ちょっと不気味な部分もあるのですが、書き方として、自我や人間性の捉え方としては面白いと思います。まあ、ちょっと“おもしろ不気味”といったところ。しかし、こういったアプローチで自分を見つめ直すのもアリかと思います。「美味しく」という向上心も伺えますし。バリエーションの広がりとしても面白い趣向です。僕が頂く時は少し甘い味がいいですね。そこで甘め佳作を。


3 竹中ゆうすけさん 「貝とイルカ」 6/27 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。

よろしくお願い致します。
仲の良い貝とイルカを軸に、ファンタジーあるいは童話的要素を抽象詩的な衣で包んでいる。
そんな印象です。ストーリーは詳しくはわかりませんが、貝とイルカ両者、戯れ遊ぶ感覚でしょう。
解釈やストーリー展開よりも、無関係な言葉を駆使して、言葉のインパクト、イメージのインパクトで詩を繋いでいく。明らかに現代詩の洗礼を受けています。そういった趣向で全体で感じるのは、どこかのどかで、可愛らしく、明るく、好意的なものを感じ取れます。ちょっと不思議な浮遊感を持った作品です。さらに特記するならば、添付された絵です。まさに詩と絵の相似形。相互に雰囲気を作り合っています。不思議にして新感覚。また書いてみてください。


4 夏目兼緒さん 「夏の追憶達」 6/27 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。

よろしくお願い致します。
夏の想い出を描くに、大変、本道的なアプローチをされていると思います。
その中にあって、2連目「あなた」。文脈からして老農夫が想像されます。そして3連目「あなた達」となっています。前からの流れからして、やはり農夫と思われますが、複数形です。読み手の感想としては、これらの人々の事は知っておきたい気はしました。5連が少し場面を伝えてくれています。この雰囲気からすると、幼い頃の記憶と取れそうな気もしますね。全体を読むと胸がキュンとするような、切なさが充分伝わってきます。それだけに、前記の人々のことがよけい知りたくなるのですね。こういった雰囲気を書けそうな人。また書いてみてください。


5 月森うさこさん 「紅灯の巷」 6/27

酒を飲む場所もいろいろあって、僕が行くような大衆酒場からこの詩のようなところまで。
この詩で即座にイメージするのはー
渋谷、新宿、池袋。歓楽街。女性がドレス着て、お酒と話術のおもてなし。業界用語で言うと「高級酒場業界」とでも言うのでしょうか。俗に「夜の蝶」という言葉がありますが、ちょっと特殊で差別っぽくもなるので、ここでは使いませんが、作品中でも蝶に喩えられているのが興味深いです。お客と女性とのやりとり。やや手練手管のようなものも垣間見えます。「黒揚羽」がいかにもアクがありそうで、この雰囲気にぴったりです。今回はなかなか具体的なモチーフですが、それが纏う文体はやはり月森さん風といったところはあって耽美的な味わいはあるわけです。甘め佳作を。

アフターアワーズ。
引用されていた酒名ですが、全て超高級酒でした。辛うじて知っているのは「白州」ですが、
これさえも、水割り価格は他と格段に違います。あとは全く知りませんでした。


6 石川ぼうずさん 「ころり、と幸せ」 6/28

優しく、心和む詩をありがとうございます。僕はみかんの受け答えが大好きなんですね。
「―いつもこんな感じだよ ―ないよ ―いいよ」
みかんは気どることなくいつも通りのみかんでいます。だから答え方も至ってシンプルで普段通りです。そこに逆にみかんの魅力を感じるのです。ここでは、主人公のみかんへの感受性の優しさが際立ち詩を成り立たせているのがわかります。そういうフィーリングとはお互い伝わるもので、みかんにとっても心地よい時間であったはずです。素直で、単純といってもいい詩行ですが、不思議と温もりが伝わってくる作品です。ただし「閉鎖病棟」は最後に置かれたインパクトになります。語り掛ける主人公の哀しい環境と境遇です。タイトルにある「幸せ」に条件が付けられる、ということでしょう。評価の最初ですので、佳作二歩前からで願います。

アフターアワーズ。
評価に影響の出ないこちらのコーナーに書きます。最後の四文字は多少の賛否両論が出そうです。純粋かつ一般論的技術論です。
わかりやすくする為に極端にして色分けします。
A……この言葉を書かずとも、この詩は終われたはずだ。この言葉で詩のフィーリングの方向性が最後でズレている。
B……いや、これが作者の言いたかったことだろう。ひとつの背景だ。これがなければ、この詩はこの詩でないはずだ。
ところで、僕が最も感じるのは「作品とは最初から最後まで作者本位だ」ということです。
読み手の感想とはーどんな有名な作者であれー結果論として後からついてくるものです。
そして(作り手~読み手という)立場の違いは、ついに越えられないものだという、やや悲観的な立場を取ります。
そう考えると、(Aも考えますが)僕はB寄りになるわけです。作者尊重です。
ただ、判断の参考例として、ポジション「最初はどうか? 真ん中ではどうか?」などを、軽く提出しておきたいと思います。


評のおわりに。
早いもので、もう7月。今年も後半期です。
私事ですが、7月は自分の一番好きな月です。もともと数字の「7」が好き。
年の境目。雨と晴れの境目。暑いけど、夏こそ季節の高揚。「JULY」という女性名。
みなさん、7月をよろしく(笑)! では、また。

編集・削除(編集済: 2026年07月05日 06:29)

フィグ  上原有栖

配膳は滞りなく進む
白布が化粧するのを静かに待つよ
甘くて
艶めく果実の香りが届く

目の前では
蝋燭の灯が揺れていた
青い蕊(しべ)を優しく包むのは
橙色の花弁だね
ああ膨らんだ蕾に似ているんだ

息吹けば散って闇
一本くらい消してもいいかな
駄目よ
雰囲気が壊れるから
和やかに談笑は続く

給仕係の並べた前菜は
無花果とムール貝のソテーです
剥き身にされてsourceに彩られて
なんて美しくて無防備なのでしょう
唇と舌で
甘味と塩気のmariageを感じて

あなたは気に入ってくれたみたい
まだ食事は続くから
必ず満足させてあげるよ
そうしたらきっと実を結ぶ
さっきの無花果みたいに
柔らかく熟した
甘い恋の夜

編集・削除(未編集)

評、遅れます  島 秀生

すみません、私の評は、月曜日になりそうです。

次の評者の方、どうぞ先に行って下さい。

編集・削除(未編集)

歴詩奇譚「三成二人」 第二章 三浦志郎

〇 吉継 ある疑惑

三成生涯の盟友・大谷刑部少輔吉継

わしと三成とは豊臣に仕えし初期より昵懇だった 新進気鋭な上様(秀吉)に仕え お互い切磋琢磨した やつはさすがに切れ者だった ただその分 己の才を誇り 尊大にして人の感情を軽んじる所あり そのことでわしは三成を諫め 世の理(ことわり)を説いたものだった ところで今から思うと奇妙なことがあった わしが北陸仕置きの帰り 佐和山に立ち寄ったことがあった つかの間の遊興だ 遠乗りや鷹狩り 竹生島にも渡ったりした 夜は能に酒宴だ そんな中にあって三成どこかが違うのだ 背丈が 声が 微妙に違う気がした 少し話が合わないこともあった 馬の乗り方がいつもと違う 諧謔のつもりだったのか? 左を使う者の乗り方だった 刀は普通の位置だったが扱いがどこかぎこちなかった わしの思い過ごしかもしれぬが ただいつもの尊大さはなく 妙に優しい男だった気もする


  ただ大谷吉継の疑惑は解かれないまま終わった。なぜなら後年、彼は(今で云う)ハンセン病を患い、失明し病で崩れた面相を恥
  じ、顔を白布で覆っていたからだった。ただ三成との友情は互いが死ぬまで続いた。それは殆どの場合(兄・佐吉三成)とのもの
  だった。


〇 弟 その思い

一人の人間「石田三成」を兄上と分け合っている お互い半人前なのだ ただ兄上の“半人前”は凄い 誰もが兄を怖れ兄を頼り太閤殿下の信任を一身に受け世の中心にいる その正義感 物事への毅然とした振る舞い わしにはできぬことだ いや それ以前に天下のことなど関心がない わしはわしの分を守っておればよい 人の道を守っておればよい 領国・佐和山を任されている わしの故郷だ この地を守り育て領民を慰撫してゆく 幸い「治部(三成官名)の近江」として統治の良さは世評になっている これからも統治の合間に村の長と酒でも酌み交わし童女と共に手毬唄など歌おう それでわしは充分仕合わせなのだ 兄上と向きあうと 似る点 似ない点 よく見えてくる 嬉しいようで複雑な気持ちになるのだ そして双子とは厄介なものだ 今は公の場で二人間違っても顔を揃えてはならない 揃えていいのは秘密を知っている限られた人間といる時のみだ 兄上がたまたま領国に戻った時などは大変だ 慌てて観音寺に駆け込んで半ば蟄居・幽閉のようなものだ 戦場(いくさば)では覆面武者となって島 左近の陣に紛れ込むのだ 兄上とわしはふたつでひとつ 一心同体でなければならないが 同時に最も遠い人間でなければならない それぞれにそれぞれが独りでなければならないのだ しかし今となっては この奇妙な境遇も長い時間と共に馴染んでしまった 「影」と割り切れば、ある意味楽な部分もある 難しい決断は要らぬ 兄上に従っておればよい まず間違いはなかろう 兄上はわしにとってまさしく鏡だ 自分のありようを確かめる わしの生き方の手本になる ところで わしの名の「佑」は「人を助ける」の意だそうな 文字通り わしは影で兄上を助ける 二人 相見互い それでこそ真の「石田三成」だ


〇 太閤秀吉の死

利害打算の末
一代で築いた天下
秀吉 その死
扇の要 外れるが如し
政権基盤の脆弱さだけが残る
三成権威の後ろ盾がいなくなる
政権の不具合 軋轢 確執 
その不満は殆ど三成一人に集中する
問題山積
朝鮮出兵以降
出来るはずのない論功行賞
秀吉亡き後の
家康の台頭
秀吉亡き後の
家臣派閥抗争

三成 派閥抗争に巻き込まれ
奉行を辞して佐和山へ隠棲
一大政変だった
ただし それはある意味 予定の行動だったかもしれない
家康を討つ為の領国での戦準備
諸侯を歴訪しての参戦依頼と調整
三成兄弟 共に多忙


*               *               *

評なしで。  つづく。 次回は7/10。

編集・削除(編集済: 2026年07月04日 07:21)

天空マラソン  相野零次

美しくたくましく生きることが
僕の望みだった
人々は笑い 願いは花に変わって
仄かに香るは桜の花
僕は空へ向けて垂直に昇っていった
両足のかかとから爪先まで
しっかりと大気を踏みしめる
この日のために開発された
大気を固体にかえるシューズで 
まるで競歩のような歩みで進んでいく

太陽の光はまぶしかった
心地よい暖かさだった
数機のヘリコプターが
TV中継していた
僕は時おりカメラ目線で手を振ると 
背中から大歓声の波が押し寄せた
とても良い気分だ
雲の中を通ると
雨がさらさらと降ってきた
肌にあたって滑るように流れていった
初夏の気候にはちょうどよかった

挑戦者は他に10人いた
僕は中継地点である 
雲のてっぺんまで辿り着いた
ちょうど陽が沈むところで
360度 陽が僕を淡く照らし
最高の景色だった
僕は額からうっすらと流れる汗を拭った  
自然と笑みがこぼれていた 

ゴールまでの道のりはまだ遠かった
遥か上空かすかに見える影
月がゴール地点だった
脱落者はいなかった
大気圏に突入した
大気が無くなったので
一旦宇宙船の中で専用の宇宙服に着替え  
専用に作られた道路の上を歩く
あくまでも月まで歩くのが目標だ
宇宙船に乗っては意味がない
そうして数時間後
僕らはついに月まで辿り着いた!
秒速約10キロ 10時間の道のりだった
僕の美しくたくましい行き方に 
またひとつ勲章が加わった
ビバ 僕と彼らの人生!
この先の日々にも栄光あらんことを!

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