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編集・削除(編集済: 2026年05月30日 02:08)

繋がる  ゆづは

台所のテーブルの真ん中に
小さな箱がひとつ

ゲームセンターの喧騒を抜けて
それは そこにあった

ご飯の炊ける匂いのなか
説明書をめくる指先は
少しぎこちなくて

耳の奥で小さな電子音が弾ける
透明な電波が
私の時間と繋がるように

少し離れたところで
はにかむ息子の横顔
「三個も取れたんだよ」と

届いた音のぬくもりが
新しい私の毎日に
一つずつ溶けてゆく

編集・削除(未編集)

幸せの扉  光山登

秋晴れの穏やかな日の夕暮れどき、僕は心地良い水の流れの上にふんわりと浮かんでいた。

みんな、幸せの扉は狭いと思っている。

だから幸せになれないみたいだ。

きっと幸せの扉はどこにでもある。

さらさらと流れる水の音は、いつも僕を絶頂に連れて行ってくれる。
流れにぷかぷかと身を任せていたら、僕はいつの間にか遠くに来ていたようだ。

他の人は誰もいない。
幸せの扉は狭いと思い込んでいる人たちを、陸に置いてきた。

僕たちは歩いていく必要なんかなかったのに。
みんな、歩き過ぎて、幸せから遠ざかっている。

水の周りで鈴虫がきれいな音で鳴いている。
他の虫たちも合唱に混じって、ひとつの大きなシンフォニーになった。
その調べに耳を傾けていたら、僕はいつしかうとうとと眠ってしまった。

編集・削除(未編集)

夏生さん 評のお礼です  光山登

自分の詩を丁寧に読み解いていただき、ありがとうございます

今回は想像力をかきたてる作品を目指したので、狙い通りの作品となっているようで嬉しく思います

「詩を書ける方」という評価は嬉しくて舞い上がってしまいました

今後もその評価に恥じない作品を書いていきます

ありがとうございました

編集・削除(未編集)

似たもの同士  じじいじじい

「今日も雨かあ」とつまらなそうに
大あくびをする愛犬

本当につまらないと言いたいのは私のほうだ
これだけ雨が続いては憂鬱な気持ちになって
当然だと思う

愛犬も散歩に連れて行けない日が続いているので
大あくびするのも共感できる

ただ私は見逃していない
彼がつまらなそうにする本当の理由が
別にあるということを

毎日の散歩で出会う美人チワワに会えないのが
彼のつまらなさの原因だ

彼は今 美人チワワに思いを寄せている
毎日 彼女に会うと幸せになる
シッポを大きくふり満面の笑みを浮かべる
彼女と遊べることが至福の時間なんだ

美人チワワに早く会わせてあげたい
雨よ早くやんでくれと空に祈る私だ

というのは人間の私の卑しい言い訳だ
本音は美人チワワの飼い主
美人さんに私が会いたいだけなんだ

愛犬も愛犬なら飼い主も飼い主だ
似たもの同士だなと思いながら
かわいい愛犬をそっと撫でた

編集・削除(未編集)

歴詩奇譚・鎌倉篇 一 「悪党の系譜」後編 三浦志郎

元弘三年(1333年)五月二十二日
鎌倉幕府は新田義貞によって滅ぼされる
北条一族 長崎父子他 およそ二百八十人 
東勝寺にて自害

この腐敗政権の滅亡にあたり
鎌倉武士の防戦ぶりは凄まじい
たとえ 
その時の為政者が愚かであるにせよ
兵 それぞれの武勇と矜持とは
おのずと別の処にあるらしかった
この政権には過去
名君も多く
美しく栄えた時代もあった
武家の都に生きた全ての人の魂が
戦う武士たちに宿ったとしか思えない
「この地 守っておくれ」とー
その奮戦 古今に比類なし


   鎌倉幕府最後の総帥・北条高時の腹切りやぐらが現存する。戦前教育では、その供養塔に石が投げられたりしたようだ。
   今はそんなことはない。ただ残念なのは、今はそのやぐらは(崖崩れの恐れの為)立ち入り禁止になっている。


どうやら 私は うっかり
死者に鞭打つ詩を書いてしまったようだ
だが 事実だから仕方がない
ただ 今思うことは
その口直し 
せめてもの鎮魂のために
ある歴史学者の次の言葉を掲げたい
悪党たちにも伝えたい


「(ある書物は)幕府滅亡の原因を、北条高時の愚行や長崎高資の専権に求めるのであるが、
幕政の動揺は個人の愚直や為政者の思惑をこえた社会の根本において、
また政権の基礎である御家人制の変貌に深く進行していたのであった」


                          (終)

******************************************************

付記。

〇 足利幕府、徳川幕府にくらべ、鎌倉幕府はその創始者と最期者が全く別人なのが異例である。政権の性格がまるで違う。
泉下の源頼朝が知ったら驚き嘆くことだろう。そして、これだけ闘争と流血が多かった政権も稀な気がする。最も短い武家政権ゆえ、
それだけに死の密度は高い。何故だろう?と考えてみる。鎌倉時代はおそらく後世の武家社会―たとえば織田・豊臣・徳川期―にくらべ、政権運営はもちろん、武家としての行動指針・精神背景・文化蓄積がまだ貧しかった。「倒すか 倒されるか? 生か死か?」。
ふたつにひとつの選択枝しか持たなかった。鎌倉武士、めっぽう強いが、そんな武家文化初心者としての未熟を思ってみる。
それは時代の未熟でもあって、全てが武士たちの責任とは言えないだろう。そこに私は彼らへの憐憫を感じていたいのだ。

〇 自由に見学できた頃の北条高時腹切りやぐらに、私は三度ほど行ったことがありました。供養塔の背後の卒塔婆のひとつに、
俳優「高倉 健」の名前があって驚いたことがあります。ところが調べたところでは、高倉は傍流ながら鎌倉北条家の子孫である
ことは間違いないのでした。その人物は金沢流北条家の北条篤時。金沢文庫創設者・北条(金沢)実時の次男です。
この人は幕府滅亡時、北条高時と共に自害したが、その子らが九州まで落ちのび、姓を小田に変えました。高倉はその子孫という
ことになります。腹切りやぐらに卒塔婆があるのはごく自然のことでした。高倉 健の誠意のしるしだったのです。

北条高時腹切りやぐら (東勝寺跡 立ち入り禁止以前)

編集・削除(未編集)

詩に思うこと  相野零次

詩や僕に興味のない他人にとって
詩はただの落書きにすぎない
スケッチブック片手に果物の模写をする
それと一緒だ
出来が良いものも悪いものもある
誰かに見せたいものもある
感想が欲しい 批評が欲しい 
反応薄いのは仕方ない
絶賛してくれればうれしい
その人と友達になりたくなる

そうやってコミュニティーが広がってゆく
自分だけじゃない他人が書く詩も重要だ
その詩を見て絶賛したくなったとき
ふと自分が成長したかのように錯覚する
感動が伝播する
脳から身体に伝わり指先に伝わる
それだけで傑作が書けるわけじゃないけど
書けたかのように嬉しい

本格的に詩と向き合うようになって
2年ぐらいだろうか
初期の詩を眺めてみると
さして進歩していないように見える

それはたぶん何も考えずに
思い浮かぶことしか書いてないから
のように思える

今は過去の詩を抒情詩・叙事詩・寓話などに
種別分けしている
それで詩がよくなるとは思わないが……
例えば今書いている詩は実際に起きていることなので
叙事詩だと思う 
そのなかで心の中だけの出来事
なので独白の詩と呼べると思う
いや、エッセイが正解かも

実は詩のストックもだいぶ溜まったし
本にしてみようかと思い
詩 出版 でいろいろググったが
本にするには費用がメッチャかかるだけで
対効果(多くの人に見てもらう)が薄いと自分は思ったので止めた
こんなことを思うのは仕方ないけど
どうしても本を作り上げたら売り出して儲けたいと思ってしまう。
本自体売れない世の中で自分の拙い詩を本にして売れるわけがないのだが、
もしかして、ひょっとしたら儲かるかも!と思うのは人間のさがとして仕方ないことだと思う。

さて、ではどうするか。
紙ではなくWeb媒体はどうだろう?
今はここでしか発表してないが、
もっと活動の場を広げて売り出すにしても紙ではなくWebで売り出すのはどうだろう。
そういったこともぼちぼちしていこうと思っている。

この今書いている文章は詩と呼べるのだろうか、
呼べるのならば抒情詩?叙事詩?それとも詩とは呼べないエッセイか日記?
それだけおしえていただければ幸いです。
これからもよろしくお願いします。

編集・削除(未編集)

歴詩奇譚・鎌倉篇 一 「悪党の系譜」前編 三浦志郎

ある作家が歴史における「悪党」とは何か?
を述べている  曰くー

「幼少の主君 暗愚な主君をおだて 時に恐怖させ 担ぎ上げ 躍らせた者である」

そんな定義を携えて詩は始まる
たとえば
鎌倉時代 幕府の末期的様相

*               *               *               *

   〇当時の反幕府・独立在地勢力を歴史用語として「悪党」と呼んだが、ここでは幕府中枢部を、通常使われる意味での
   「悪いヤツら」と呼んでいる。

   鎌倉幕府は蒙古襲来の難事を乗り切って以降、その能力を著しく消耗させた感がある。
   そういった政権構造に“悪党”は出やすいものなのだろうか?


悪党
平頼綱(たいらのよりつな)という武士がいた
本来は幕府執権・北条家の家宰
いわば北条家庭の世話役 私的な執事に過ぎなかった
そういった立場の者が*増長し勢力拡大
極秘の寄合(会議)に参与
当時の幕府を動かすようになった
その異常さ
敢えて容赦ない言葉を使う
“成り上がり”である

その男
源氏に滅ぼされた“あの平家”の子孫の可能性が高い
そういう一族が鎌倉政治に食い入り牛耳った
その不思議
その歴史的皮肉
その因果応報

平頼綱
*既存勢力の代表御家人であり
器量人の安達泰盛を
主君に讒言し滅ぼした

しかし その過激さ
主君をも乗り越えようとした
時の執権・北条貞時もさすがに
頼綱を警戒し不意打ちで滅ぼす

滅ぼし 滅ぼされる
なぜ こうも鎌倉には
闘争と流血が多いのだろう!?(驚・悲)

くだんの北条貞時
幕政改革に乗り出すも
その困難に打ち砕かれ
相次ぐ子息の夭逝もあり
晩年 酒と女と遊興の日を過ごし
失意の死を迎える

残された幼君・北条高時
それを補佐するは
長崎円喜(えんき)と高資(たかすけ)父子
実はこの二人 あの平頼綱の縁者

またしても悪党の系譜は続く

いわゆる”恐怖政治“
奢り高ぶり
裁判の不公平
賄賂の取り込み
主家・北条氏への高圧的対応
有無を言わさぬ討伐

後世の幕府の滅び
足利幕府 徳川幕府にも
このようなためしなし

成人した北条高時も
*精神を病んでいた疑いがある
(闘犬と田楽の外 他事無く候)
そんな主旨の記録も残る
やはり暗愚な主君でしかなかった
それを躍らせた長崎父子

この政権 
無事ではすまないだろう



つづく。

*              *               *               *

*増長し……彼らは「御内人」などと呼ばれて実権を握り、既存の御家人と激しく対立した。
北条もつい便利に使ってしまったのだろう。主君の北条も恐れるほどの権勢を振るった。

*既存勢力の……現代の会社に例えると、家宰から上がった社長室長の平頼綱が、格上の支店長統括・兼副社長の安達泰盛
を引きずり降ろしたようなもの。室長が社長の代行として会社を動かすようなものである。

*精神を病んで……この時期の北条係累はうち続く血族結婚の弊害があり、高時もそうであった、と分析する学者もいる。

***********************************************************

後編は三浦評担当区間内にて掲載。

編集・削除(編集済: 2026年10月03日 14:51)

'26年しょうねん  長谷川ひかり

僕は小旅行で夏の景色がうつくしいと
人気の南の諸島にいざ来た
ところが体が芯から冷えて
風で髪が頬にあたる感触が
かれ葉と歩道の擦れる様子とリンクするし
僕はコートの肩に雪を降らせていた
それで目を細めて捕らえられる位の距離に
南国の静かな海を見ていた


もう少し早くに(こんなに寒くないうちに)
来られたらよかったと空港で思った
でも70年前アメリカで6坪もないカフェに連れと座っていた晴れ空の夕方
濃緑の壁がときおりまだらに白むのを窓際の席から見ていたときも
同じことを
でもそういうものだし だからあの母娘も海岸に来たのだろう
と未だ目を細めながら海岸の人の往来を
僕は見ていた


君は僕の何故ここに赴いたかを
好きに気にするといい
僕は雪が溶ける前にパッパッと払い落として
手先が凍えないうちにどこかしら店の灯りを
探して 老人として

編集・削除(未編集)

老老  May

病人がひとり増えて現実になる
手術後の杖つく君と手帳給付者
の私
重い物を持てない君は家中では私より役に立たないのに
君は私を車に乗せ張り切ってスーパーへ連れて行く
視野の欠けた私
思考は右にハンドルを切る
田舎町の買い物は車が必須
ご飯を食べられるのは君のおかげ
負けた気がする
家の中では
君に優しくする
杖つく君は期間限定
もうすぐ会社に復帰する日がくる
期間限定老老介護

編集・削除(未編集)

追憶  虹乃 衣里絵

彼方此方に散らばって
拾い集める事が出来ない
数々の夢達 青臭い夢達

ひとひら 摘み上げたとて
それは それは儚く
綿菓子のように
消えてしまいそうで

諦めた目標
届かなかった想い
その全てが散らばって
でも 掃き集めるには忍びなく
虚ろに眺めるのみ

叶わなかった夢を
葬り去る事も出来ずに
只 散乱するに任せ
不思議な距離感で眺める

時間の経過の非情さと
徒に老いてゆくだけの自分
それらが 綯交ぜになって
季節は 何度も過ぎゆく

まるで 膨大な履歴書の如く
人生経験を重ねたけれど
無駄が多い生き方だった

悔やむには遠過ぎる
然し 安らぐには早過ぎる

編集・削除(編集済: 2026年10月02日 16:31)
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