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暗い病室で独り眠りながら
あなたは今日101歳になられた
しかしどうだろう
あなたは気付いていない
歳を取ったことすら忘れてしまうほど
長い夢を見ているのか
それともただ寝ているだけなのか
僕には分からない
もし夢を見ているのなら
綺麗な花に包まれて
幸せに笑って過ごしてほしいと
僕はそう願う
活発だったあの頃を思うと
あなたは最大に老いてしまった
足腰も急激に悪くなり
今は立っていられない
眠ることで体を休めて
起きたら会話をして
昼になったら食事をして
夜にまた眠る
その繰り返しで時は進んでいき
今は深い眠りについたまま
あなたは暗い病室で独り
寂しく淋しく過ごしている
目を覚まして元気な姿を見せてほしいと
前まで願っていたが
今はもうそのままで
どうかそのままで静かに眠っていてほしい
あなたのその強さ
あなたのその生命力
どれも尊敬致します
僕もそうでありたい
暗い病室で独り眠りながら
あなたは今日101歳になられた
しかしどうだろう
あなたは気付いているのかな
齋藤純二様
今回も私の詩に丁寧なご感想を頂き、誠に有難うございます。佳作
との評をくださり、また、場面をはっきりと目に浮かぶことのできる
作品、と仰って頂き、本当に励みになります。
これからも少しずつ、書き進めていきたいと存じます。
どうかよろしくご指導のほどお願い申し上げます。Liszt
斎藤様
こんにちは。
詩の評、有難うございます。
佳作有難うございます。
私的には詩というより短編ストーリーな感じになりました。
親子の絆頑張りました。
これからもよろしくおねがいします。
ドリップ 喜太郎さん 6/20
ユニークな作品になってますね。自分をドリップして飲んでみると思い出の味として、甘みや酸味が感じられると若き頃の気持ち、苦味を感じると諦めた希望や夢がそうさせているといった、コーヒーを飲むことによって自分の時代を振り返ったりしているという設定、構成が見事に作品で表現されています。
そして、最後は何度かドリップして骨の髄までしゃぶるようなコーヒーの飲み方に、そうそう私もそれしているなあ、と共感しながら拝読しました。アメリカンよりも薄くなってしまうと、ミルクを多めに入れて飲んだりしてますね。私もけっこうなコーヒー中毒です。
後半は歳を重ねて心の苦味というか渋みが出てきたようですね。もしかしたらそれは、燻銀のコクかもしれませんね。ミルクと砂糖を入れるのはちょっともったいないなあ、なんて個人的には思いますが、味は好みなので。
えーと、ここがよく分かりませんでした、「残ったモノをライスペーパーで包み/飲み込んだ」。春巻きみたいにして飲み込んだ? そしてまたドリップって、もう飲み込んじゃたよな、って。「?」になってしまいました。
話の流れのテンポはずっと同じ感じで良かったのです。読者が想像しながら拝読する作品というより、状況の説明をしながらある程度の答えに進む作品で、時制の中でだんだん苦くなっていく流れが捉えやすく工夫をされています。甘くもあり少し酸味→少し苦い、琥珀色、黄昏が似合う色→苦い、かなり(あの頃は甘くて美味しかった)となっているが、ただ最後は再度ドリップして薄いコーヒーになってしまうようですが、今までの苦くなっていたところから、どのように今までコーヒーを淹れていたのか……となり、一杯のコーヒーを飲んで味が変化(味を探っているのか)していく設定なのか、何度か淹れなおしているのか、もしかしたら違うコーヒー(心)を淹れているのか、場面が浮かばなくちょっともったいない気がしました。どのようにして色々な味を感じているのか、その設定(場面)があるとすんなり読者が話の流れを汲み取りやすい作品になるでしょう。
評価は「佳作一歩前」です。
再び 眠る 森山 遼さん 6/20
考える、考えられない、悲しい、悲しくない、さみしい、さみしくない、と花びらを一枚一枚剥がし「すき、きらい」みたいに心を探っている感じの構成で作品がまとめられ、上手く仕上がっていますね。ただ、今回はこの作品のメッセージというか風景が私には捉えられえず、能力不足でごめんなさい、って感じです。たぶん、目覚めの不快な心情かな、と思いつつやはり力不足でした。
この「一度目は さみしい/二度目は さみしくない」の文言は、ぐさりときましたね。心の防御反応だろうか。二度目がさみしくないということ自体が、めちゃさみしいことに思えてしまいますね。ああ、なんかわかるなあ、と。
ということで、ごめんなさい、今回は評価の保留ということでお許しくださいませ。
山師 積 緋露雪さん 6/20
こちらの作品、純文学を拝読しているような芸術性に富む表現がいいですね。私が私を抹消していった過程により、ある時に自身を支配し始める鬼子が生まれる。それは自身で育んでしまったであろう「異形の吾」に精神をのっとられてしまうという話の流れが、精神の病についてだろう比喩を使い表現され上手でした。
まだ、その異形の自分が意識できたというのは、救いだったのでしょう。完全に自身を失ってしまっては、なかなか厄介なことに……。自身から出る「毒」により「異形の吾」が溶け出したというのだから、最悪の事態に至らず、読者も終盤で安心しつつ読み終えることがで、着地はきっちり立てていますね。
そこで、この「毒(毒が毒を制する薬だろうか、思考の変化か)」というのが、異形を溶かすのだが、「さうかするうちに」という言葉で突然に物語のクライマックスにモザイクがかけられてしまったのが残念でした。この「毒」とはどのようなニュアンスのモノなのか、少し触れて欲しかったですね。読者もその「毒」により、同じような状況であるならば、そこから抜け出す糸口となることでしょう。
ちょっと話は変わりますが、こちらの作品を拝読していましてアニメ「呪術廻戦」の虎杖悠仁に宿る両面宿儺との設定を勝手に思い浮かべていました。まあ、こちらは別人格が入ってしまうのですが、作品の文言が人間の負の感情を描いているようで雰囲気が重なりました。「鬼滅の刃」とも通じるところがあるかもしれませんね。それくらい語りがいい感じで背景(雰囲気)を生み出していました。
そしてタイトルが「山師」。自身の精神を保つための「だまし」なのだろうか、本文とのフィットがあまり感じられなかったかな。
これは個人的な意見のですが、タイトルが「異形の吾」を溶かしたモノ(無形のモノかも)だとかなりしまるかなと思いました。
評価は「佳作」です。
介護の現実2 Lisztさん 6/20
介護という現実。二作目ですね。
介護をする話にとどまらず、介護する側が自己を見つめるという経験があり、それを書かれていることに詩人の感性が活かされていると思います。母のためにとテレビの暗いニュースからバラエティにチャンネルを切りかえる語り部だが、そこにも守られるべき尊厳があることに気づくというお話がとても身近に伝わってきましていい作品です。思うより母の心はタフ、という表現にリアルな介護から見えてくる現実が伝わってきます。
たぶんLisztさんの日々を占めている介護しか、今は詩として書けないかもしれませんが、なんとか書けている時間はとても貴重なのだろう、と思ったりします。それにしても上手に書けていますね。読者が場面をはっきりと目に浮かぶことのできる作品になっています。
一つ開かれている窓、生きる糧はテレビもですけど家族なのでしょう。
評価は「佳作」です。
テレビサイズ 妻咲邦香さん 6/20
テレビは見なくなりましたね。最近ではデバイスで見たい映像をインターネットでチョイスできる時代になって、テレビでは求めている内容の番組とフィットすることが少なく、こちらの作品にあるように「時間がないので」みたいな感じになり、テレビは見ないですかね。
三分、二分、一分、十秒で、というくだりは、なかなか手きびしい視聴者からのご意見となっていますね。そして、ブラウン管の向こう側にいる者への急かし具合が強烈です。この語り部のイライラ感が伝わってきます。受信料を払いコマーシャルを見せられるのですから、こちらを満足させて欲しいとは思います。まあ、テレビを見ないという選択肢もありますが。
ブラウン管の向こう側の者に対して話しかける構成で書かれているのが面白いです。また、相手にはたぶん聞こえてないでしょうが、言いたいことを発しているという場面がこれまたいいですね。
話しかける文言で楽しく拝読できるように上手に書かれていると思います。ただ、語りの口調には威勢がありましたが、読み終えてみりと後味が薄めだったかな、という感想になりますかね。
評価は妻咲さんはめちゃ書ける方なので、めちゃきびしめの「佳作一歩前」です。
サバンナを行け 山雀詩人さん 6/22
まず一読。「ぼく」はめちゃ優しい。そしてぼくは人間だと思っていたけど、話が進むと人間でないのかな……、となり最後にゾウだ、ってことになる。なんとなくゾウが言いそうな感じがする文言が上手く書かれています。今まで小さな生き物を踏んでしまい、死なせてしまったことになんだか懺悔してしまう経験からして、人間をゾウによせて構成しているのも良かったです。
こちらの作品を拝読していまして、今までどれだけ私も弱い生き物を踏みつけ、叩いてきたのだろうか、と思い起こしていましたら、こりゃいつの日かは地獄に落とされてしまうんじゃないか、なんて考えてしまいましたね。とくに子どもの頃は残酷だったと。ザリガニやらカエルやら、虫たちを粗末に扱っていたことに、ごめんなさい、って感じに。やはり日本は八百万の神がいるという精神もありますので、なおさらですね。
と、いうことで語り部とすっかり同じ気持ちになってしまいました。まんまとやられてしまいましたよ。上手に書かれています。
生きていくには仕方がない。そんな不条理な世界で生きていくことに気づくことも、人間社会での気づかいに繋がるのではないかと思います。食物連鎖の頂点にいるんだから、そんなことを考えなくていいじゃないかとなりがちですが、生かされているという感謝の気持ちがあるというのは、こちらのゾウみたいに優しさとして表れるような気がします。ああ、今晩の夕飯にはしっかりと手を合わせて「いただきます」「ごちそうさま」と心を込めたくなりました。
なんとも心を浄化させていただいた、素晴らしい作品。評価は「佳作」です。
音楽の木 やまうちあつし さん 6/22
おっと、今回も「木」シリーズですね。
4分33秒の音楽が流れる。大きなものの正体は光ということで、朝日か夕日か、なんて思いながらこちらの作品を拝読しました。情景が音楽、とてもオシャレな感じで表現されているところが、たまらなくいいですね。その光を浴びる時間に悲しさ、寂しさ、沈黙がありこれらを踏まえると夕日を浴びてセンチメンタルな気分なのかな、と。かすかな灯りとありますので、一日を終え感慨にひたっている感じが伝わってきてしんみりとなります。
そして気が咲くことに夢をみる。この音楽を浴びて前向きな気持ちになっていくという設定がほっこりとしてすてきですね。また「どんなものでも咲かないよりは」とあり、この世に生きた証を刻むような生きざまをしなさい、あなたらしさで生きなさいということだろうか、そんなメッセージを勝手に想像しつつ拝読しました。
「どんなものでも咲かないよりは」。ここは「どんなものでも咲かないよりは……」みたいに最終連と距離を置かないと、着地に足を捻った感じになってしまう気がします。または最終連を「一本の気が/音楽を聴いている」と出だしに戻った感じで、前連と距離を置いてもいいかもしれませんね。
「光の花びらが五枚」と、ここが強調されていますので、この「五」からくる意味合いに触れた内容があるとしっくりくると思います。例えば「五線譜」でそこを音符で奏でる光として、なんていうのもいいかもしれませんね。
苦し紛れに、咲かないより、咲いた方がよいだろう根拠を読者に提示する言葉がそれとなくでも入っていたら、しっくりと納得のいく作品に仕上がったのではないかな、と思いました。
ちょっときびしいですが「佳作一歩前」となります。
敗北と海 鯖詰缶太郎さん 6/22
敗北とは上京したが夢に破れ次の街へと向かうことなのだろうか。作品の出だしは「海は広いな大きな〜」、みたいな歌でちょっとのどかさを感じさせながら始まるが、新幹線は断続的にしか海も見せてくれない、と自分の今の気持ちにより添ってくれないし、何か警告は発しているようだ、と癒してはくれない。これから先にある生活や自分らしさは取り戻せるか、そのような不安に揺れる心を歌っているようですね。言葉は少ないが端的に景色や心情を覗かせる作品は上手に表現されています。
二十代に一度、花火の色をした船を浮かべたのでしょう。今回が二度目の船を浮かばせたようですね。この二度目、一度目にはなかった「無力感」があり、年齢を重ねることで「挫折感」が入り混じった心境となり車中から外を眺めているようです。だから花火の色をした船を浮かべたくなったのでしょう。
敗北感というか今後への不安な気持ちがたいへん伝わってくる作品ですが、花火の色をした船を浮かべるといったイマジネーションがあればなんとかやり直せるでしょう。
評価は「佳作」。
みじかいなつ じじいじじい さん 6/22
セミのナッくんにとってもひまわりのママにとっても短い夏、お互いが家族のようにその刹那を全うしようと励ましあいうるるん、してしまう作品に仕上がっています。ナッくんは日に日に衰えていくカラダにどうして?と動揺してしまうが、ひまわりのママがナッくんは諭しながら励まし、愛を惜しみなく与えようとする場面に、前回の「がんばる頑張る」のテーマのように応援したい気持ちになりながら拝読させてもらいました。
童話のように長い綴りになっていますが、根気を込めて最後まで書かれていることが素晴らしいですね。ご苦労さまです。ナッくんとひまわりのママが短い夏だとしても、愛ある時間を過ごせた喜びも感じられる作品となっていて良かったです。
ひまわりはタネになり次の夏には咲いて枯れてしまい、セミの方が何年か土の中にいるのでパパ、ひまわりが娘という設定もいいかもしれませんね。小さいセミがパパというのも面白いかもしれませんね。
評価は「佳作」です。
今日の月のこと 紫陽花さん 6/22
紫陽花さんの好きな色の季節もどうやら終わりを告げようとしていますね。みずみずしさなくなると一気に額が茶色くなってしまいます。花火のような華やかな色合を楽しんだ日々が過ぎ、紫陽花が空を吸い込むと今宵の月が現れたのでしょうか、ロマンチックな世界が展開された作品はしっとりといいですね。花火の後の煙っていうのも、なんとも切ない感じでキュンとする私ですが、紫陽花の枯れた額も同じような気持ちになりますね。そして、紫陽花って額を切ってやらないと次の梅雨時期までそこにあったりします。ご近所で真冬にも紫陽花の額があったりして、雪を被った紫陽花を見た時には、なんだか不思議な気持ちになったことがあります。まあ、それもありかなと思いつつ、なんだか可哀想な気持ちにもなりますね。
おっと脱線が続いてしまいました。失礼。最後の一連の展開をもう少し丁寧に描いたら、クイっとしまる気がしますね。「空をごくりと呑み込み込んで/今宵の月になりました」のところが、唐突でしめを急いでしまったかな、と。紫陽花が月になったみたいな情景なので、そこを工夫されるともっと素敵な作品に仕上がると思います。青空の青系の色を欲している紫陽花が、それを飲み込んでしまうと、夜となり月がそこに現れた(咲いた?)みたいな感じでもいいんじゃないかな。
評価はきびしめで「佳作一歩前」です。
。。。。。つぶやく。。。。。
暑いっ。
みなさん水分補給をまめにしてくださいね!
今回は多数のご投稿があり、ありがとうございました。
MY DEAR のTwitterテーマ詩に参加してくれている方々、
めちゃ難しいテーマばかりですが、いつも楽しませていただきありがとう!!
テーマ詩はもう4、5年になりますかね。
ぼちぼちちがう企画にしようかな、とも思っていますが。
作品を募集して本にする、ってのもいいかな……。
毎朝陽は昇る
毎年春はやって来る
雨露をしのぐ家で
日々暮らしている
だけれども
何なのだろうか
このむなしさは
このやり切れなさは
たとえ同じ言語を使用していても
互いの思いを共にすることは
とても難しく途方に暮れてしまう
何事もなくすれ違いに終わる
失われた十年
失われた二十年
失われた三十年
失い続けた歳月
この先あと何年失い続けるのだろうか
ふと思うのは
寄る辺なき私という
ちっぽけな個は
予め失われた存在だったのだろうか
失われた時の中で
静かに息をしている
彷徨い続けながらも
失われた時の中を
草葉が風にそよぐと
あの風はどこから来て
どこへ去ってしまうのか
という思いにいつも捕らわれる
どこからともなくやって来て
誰も知らないどこかへ去ってしまう
風は一流の詩人だ
悠久の時を吹く風
というものがあるのだろうか
忙しなく輪廻を繰り返す
そんな風があるのだろうか
今朝朝焼けに感じた風と
今晩夕焼けに感じた風は
きっと違うのだろう
想えば紅茶の香りや
花の香りを
そっと運んできてくれる風は
なんという詩人なんだ
想えばこの地球(ほし)に
風を添えたのは
抜群の演出だった
風よ
明日午後12時30分頃
僕が透析に向かう頃
自宅前のバス停辺りで
そっとそよいでくれ
辺りの草葉を揺らし
そっとそよいでおくれ
どこからか良い薫りを
運んできておくれ
吹き荒れる必要はない
ただそっとそよいでくれるだけでいい
砂浜に行くと
いつも一人で遊んでいるようちゃん
ようちゃん今日はなにをする?
さくら貝 さがそうか
おじょめ蟹 採ろうか
のみたれコチ 捕まえようか
ようちゃんは不思議な人
ときどき僕の知らない言葉を話す
でも とても気持ちのいい響き
伽耶の国の言葉だって
それどこにあるの?
僕の知らない遠いところ
ようちゃんはいつも一人で遊んでる
いつもみんなと喧嘩してる
きっとみんながシカトするから
ようちゃんの言葉が分からないから
でもようちゃんは僕に優しい
ハンミョウ採ったら僕にくれる
砂で船も作ってくれる
そんなようちゃんとの悲しい別れ
しかたがないんだ
きっと伽耶の国にかえるんだから
さよなら
さよなら
ようちゃん
僕のこころの友
*おじょめ蟹 砂蟹 のみたれコチ メゴチ のこと
遅い春の裏庭に夕暮れが忍び寄る
輝く太陽が空をオレンジ色に染め
やがて夕闇が訪れて
イッツアスモールワールド
そんなに世界が小さいと言うのなら
あの木々の先の空の奥にいる彼を見つけてきてよ
あの千切れた雲の間から彼を連れだしてきてよ
そりゃ無理だ、というのなら
私が鳥になって今終わろうとする光の中を抜けて探しに行く
この惨憺たる悲しみは
このうずくまるほどの悲しみは
私はここにいる
私はここに
だけど
怖いんだよ
恐ろしいんだよ
なかったことに
されてしまいそうで
だから
苦しくても
痛くても
書き進める手は
決して止めない
私はここにいる
なかったことになんて
されてたまる・・か
美しい名を持つ二人の女性
一人はJUNE
快活そうなショートボブ
一人はJULY
サラサラのロングヘアが風になる
華やぎ色に夏服が揺れる
シャイニーストッキングに
心地よいヒール
彼女たち 柔らかに笑い
軽くガールトークを楽しむ
時のストリート真ん中を通っていく
手わたすJUNE
(お願いね)
受けとるJULY
( OK!)
彼女たちが時を繋いでいる
二人は男を一人連れている
後ろを歩くのはAUGUST
太陽の下でいかついサングラス
筋骨たくましくコワモテの男
二人のボディガードでついていく
二人を無事に送り届ける
女性二人とタフガイ一人
夏が歩いていく