このロケット掲示板の『葵新吾"大好き大川橋蔵ファン広場”掲示板PARTⅡ』と
Rara掲示板『大好き大川橋蔵ファン広場PARTⅡ掲示板』【 https://rara.jp/fanhiroba/ 】は同時進行で運営中です。
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どちらを見ても大丈夫なように管理者が責任をもって投稿記事は双方に分かるように掲載していきます。
🟨この掲示板は無料版の掲示板にしましたので、広告が入りますので見ずらくなってしまいました。ご容赦ください。
♧息子を罪に陥れれば
久雄「俺はぶそんやけど、己か、江藤という殺しの大将は」
江藤「おきさらせ、バラケツ風情に呼び捨てにされる俺と思ってけつかるのか」
といってドスを抜き、久雄に斬りかかる。
ドスが鴨居に刺さってしまい、危なくなった江藤は懐に持っていた合口を抜いた。
久雄「なるほど、それが俺の合口やな」
(ここで江藤が事件に関わっていることが分かります。・・・超特急で、疑問の解明に入っていきます。)
久雄「水月から裏ずたいに浜の屋の2階に行き、ことの発覚を恐れて仲井を殺し、部屋へきて睡眠薬を飲まされて人事不正になっている花奴をえぐり殺し、その血だらけの合口を傍に寝ていた俺の手に握らし、懐にある合口を盗んで水月に戻った。どや、俺の推理に間違いないやろ」
江藤「何とでもぬかせ。これがわれの合口なら、たった今帰してやるから受け取れ」といって向ってきた江藤の右腕が飛んだ。
江藤を人質に、栗本の屋敷に乗り込む。
栗本「貴様ら何の真似だ」
久雄「どうやらこれで、悪党の顔ぶれが揃うたようでんな」
(疑問の解明の大詰めです。最初の頃顔を出した栗本と坂内という人が関わっていたわけです。花奴が武村刑事に会ってから呼ばれた座敷に行くと言っていましたが、栗本の座敷だったのです・・ここまで来てやっと分かりました。)
情婦のお浜に睡眠薬を入れさせたのは軍医の坂内、元兵事部長の栗本は、酔月を根城にして花奴にお熱だったらしい。
久雄「もし、お偉いお方。男ちゅうもんはな、最後だけはいさぎようするもでだっせ。ええか、耳の穴ほじくってよく聞きさらせ」
浜野屋の女将が薄情したところでは、花奴の男がぶそんということを知っていた。そこで、あの晩、江藤を酔月に呼び、坂内、大月屋と相談の上、ぶそんと花奴の痴話のもつれに見せて、殺しの罪をぶそんにかぶせた。
それは何のためだったのか?
武村久五郎刑事が身辺を探っていることが分かったので、息子を罪に陥れれば、警察から追放させられ、自分たちのやっていることはわからない、と考えたからだ。
栗本と坂口は結託して、大月屋や江藤一家の組員を丙種として軍籍から除いて。暴利をむさぼっていた。
武村久五郎は無事釈放になった。
相良刑事達と質屋のおかつが出迎えた。
武村「すんまへん、自分のことで皆はんにご迷惑かけて」
おかつ「旦那はん、ぶそんはん、お元気だっせ」
武村「おおきに、おおきに」
みんなに囲まれて行く父親を、遠くから見まもる久雄と妙子。
久雄の安心したような、嬉しそうな顔が印象的です。(①の画像)
ですが、左腕に彫ってある刺青をしみじみ見つめ何を思ったのでしょうか・・・・
🐧(堅気になろうと決心をした・・・と思えるのですが、堅気になるのですよね。)
妙子「うちはあの晩、あんたのそれを見たんや。ほんで直ぐに入れたんやけど、こんなかには、た・け・む・ら 隠し彫りがしてあるんねん。参ったか」
久雄「参った(➁の画像)、所詮おまえには勝てんわ」
🐧(腑に落ちないのは、いくら久雄が好きで一緒に生きて行くと思ったからと言って、堅気の妙子が刺青を彫るのは、それに久雄には堅気になってほしいのですから・・ちょっと私には理解しがたいところです。)
久雄と妙子に笑みが(③の画像)・・堅気になってくれるんですよね、久雄さん。
妙子「ほな、何処ぞへ行ってお父ちゃんのために祝杯あげようか」
久雄「よしや、そうしよう」
📌二人の楽しそうな後ろ姿から・・・心配しなくても大丈夫なんだなと思われますが・・。
でも、父親のもとへは帰るのでしょうか、帰らないのでしょうね。あれだけ帰りを待っている父親の気持ちを考えたら帰ってほしいな、せめて時々でも逢いに行ってほしいな。
ファンからすると、最後に橋蔵さまの明るく可愛い笑顔が見られたのは救いでした。
作品の感じからすると、橋蔵さまにあのような凄みを強調したバラケツでなくても良かったのではないか、とつくづく思うのは現在の感覚で見るからなのかしら。
今のテレビの2時間ドラマ的ないようですよ。
題材、脚本、演出が当時の世相には合わなかったと思われるのでした。
またまた、長ーくなってしまいました。お疲れさまでした。
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♢やったるで。俺やってみせたる・・
親父に面会をお願いするが、監守は肝心のお父さんが・・と困りはてる。
武村「断っておくなはれ、わいは人殺しや、その人殺しの親がどの面さげてせがれに会われます。どんなことがあっても、会われしまへんねん。ただ一つだけせがれに伝えておくなはれ。親が親なら子も子やと、世間に後ろ指刺されるようなバラケツから、一日も早く足をあろうて、まともな人間になるよう、これだけせがれに、わしが言うとったと・・お願いします」
監守が、気持ちはわかるが食事を一度もとらない。なぜ好意を丹波屋のおかみ、木下鹿造、警察本部の志のもの、なぜ好意を無にするのだ。
武村、心配かけてすまないがどうしても喉を通らない、と。皆には有難くいただいているといっといてほしい。
武村「おとうはん、堪忍してくれ。わいが後妻を持ろうたばかりに、久雄をあんなバラケツにしてしもうた。これというのも、みんな、わいの蒔いた種や。その償いだけはちゃんとつけて、いずれ近いうちにそっちに行くけどな。・・・おとうはん、おや、親ちゅうもんは弱い もんやな」
🐧(ここまで後悔する必要があるなら、いくら頑固と言っても、伝え方はあったと思うのですが。母親を恋しがる息子とバラケツにしてしまい殺人を犯してしまった息子をかばう父親の複雑な思いを入り交えながら・・葵新吾の胸中に持っていき、見ているファンの心を揺さぶろうとしたのかしら。申し訳ないけれど、私はこの場面で涙は流しませんでした。)
父親に会うことが出来なかった久雄は汽車の汽笛に消されるなか「おかあはーん」と大声で叫ぶ。久雄は決意をする。
久雄「この事件には3つの疑問がある。お前も名刑事の二代目やったら、やるだけのことはやってみい・・よーし、やったる、やったるで。俺やってみせたる・・親父を死なすことは出来ん」(①の画像)
神戸に2本しかないという合口、鹿造親分のところへ行って聞いてくるように勘吉にいう。
その頃木下組に江藤組から果たし状がくる。勘吉が木下組へ行った時には出て行ったあとであった。勘吉急いで知らせに戻り、バラケツ達がくりだしたが、行った時には鹿造親分はやられてしまい、
久雄の「もう一つの合口は誰に」との問いかけに答えられず息絶えた。
親父は別の事件を手掛けていると言っていた。
🐧(そうなのです。この作品の筋は、何故武村刑事が福原に張り込んでいたのか、が描かれてはいません。あっちこっちからの尾ひれをつけ、結果肝心のところがおろそかになっているような気がします。そして、ここから事件の謎解きが始まるのですね。それだったら、違う題材の方がよかったのではないかしら・・。)
勝兵衛にあの下駄どこから盗んで来たのかと問うと・・酔月の玄関からひろってきたのだと。
久雄「酔月の玄関から。(➁の画像) よーし、それやったら生駒へ行ってあの正下駄誰が買ったか調べてこい」
勝兵衛「えらいこと思い出した」、久五郎の旦那にあの合口を調べられた時、近くで彫師の留次郎が見ていたことを思い出したのだ。
久雄殺人現場へ行き、その時の状況を思い出しているところに、女将のお浜の様子が気にかかり問い詰める。
秋月は、江藤組の一人に兵役から逃れるのに誰に頼んだか問い詰める。
🐧(どこからどういうにして、兵役が関係していると分かったの?)
秋月が調査してきたものを読んで、「なるほど、やっぱりそうか」(③の画像) 確信した久雄は、鹿造親分の敵討ちだと木下組の6人と一緒に、江藤組に乗り込んだ。
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♤「貴様には分からんのか」「分からへん」
竹村刑事が酔月をはっていると、久雄が浜の屋に入って行くのをみる。
花奴に手紙で呼び出された久雄。
見受けをされるから手を引いてほしいということだった。花奴も久雄が好きだった。
懐から合口を出し、花奴につき付け・・花奴の「心中」するのという言葉に、「バラケツは心中はせん」と。
それじゃさっぱりと殺して・・と覚悟を決めた花奴、・・久雄合口をおさめる。
久雄「俺はろくでなしや。どんな女でも口説くし、相手かまわず喧嘩もする。お前を引いてくれる男がええ男やったら、直ぐに俺のことなんか忘れるやろ」
花奴「わてかてこんなつもりはなかったのやけどな(①の画像)、この間あんたのお父はんにおおてから、・・おおてから、わての気持ちが変わったんや。お父はんの涙を見たら自分が悪い女のような気がして」
その先は言わなくても分かっている、と久雄。酒を酌み交わす。
(橋蔵さまと桜町弘子さんとの絡みもう少し描いてほしかったですわ。花奴は久雄の情婦なわけですよ、その関係がこれだけ。事件が起きるのに。)
暫く時が経ちます。
久雄が目を覚ますと、血がついた木下からもらった合口を手にもっている。
傍には花奴が、廊下には仲井が死んで(倒れている)いる。
久雄は合口を手から離し、驚き慌てて外に飛び出し、張込みをしていた武村刑事とぶつかりかける。
武村「久雄」と呟く。
不信に思った武村が家に入っておかつの所で見た桐の下駄が目に入った。2階の部屋には花奴が、廊下には仲井の死体が、捨ててあった合口を見て・・久雄がやったと思い、帰ってきた女将の前に、合口を手にして現れる。
翌朝、新聞を見て、やったのは自分?、だが何も覚えていないと悩む久雄に
秋月「ぶそん、これには何か訳がありそうだなぁ。泣くな、君は親父を憎んでるっちゅうが、うん?」
久雄、懐から写真を取り出し
久雄「秋月、見てんか、おかはんや。おかはん、俺が16の時に死んでしもうて、それからちゅうもんは何べんもその面影を夢に見るようになってなぁ、(➁の画像) 別にもろうた後妻は悪い人ではなかったけど・・・」
反抗していたのでそれが原因で勘当された。その親父が、自分が殺しをやったと思い、自分の代わりに自首したのだと。
久雄は妙子に、今度の戦いは俺の負けや、皆はよう身の始末つけるように、と言って、花奴と仲井殺しの犯人として兵庫警察に自首する。
久雄「あの事件は親父がやったんと違う。僕がやったんです」
相良「具体的な証拠は」
久雄「花奴は僕の情婦でした。凶器の合口は俺が鹿造親分からもろうたもんです・・」
他に言うことはあるのかと聞かれ、これだけの証拠があったら十分だろうという久雄に、相良のビンタが飛ぶ。
相良「おいバラケツ、今だから言うたるけどな、俺たちは今日、貴様の逮捕に踏み切ろうとしたのや。しかし、合議の結果中止せなしょうがなかったんや」
久雄「なんでだす」
相良「その理由は、貴様には分からんのか」
久雄「分からへん」と言った瞬間、だまれとビンタが飛んだ。
(そんなこと言われたって、誰でも分かるはずありませんよね。)
相良「当局が、本件に関する新聞記事を差し止めてるのは何のためやと思う。武村久五郎が拘置所で断食をしているんだぞ」
あの事件は息子の犯行と信じて、逮捕されてから差し入れも一滴の水も 口にはしない。恐らく公判までは生きていないだろう、と聞かされ久雄は唖然とする。
相良「どうやバラケツ、貴様にはこの親の心分からんやろ」(③の画像)
久雄、何も言えない。
相良「よーし、分からんかったら見せたいもんがある、来い」
といって武村の家へ連れていかれる。
そこで見せられたのは、仏壇にかざられた久雄の母親の写真。
武村は久雄を勘当してまもなく後妻と別れ、前妻(久雄の母親)の写真に息子の更生を祈りながらいつかきっと息子が帰ってくると信じて一人淋しく暮らしていた。
胸にこみ上げるものがあった久雄であったが・・・。
相良は久雄に、今度の事件には沢山の疑問がある、我々はその裏付けを取るために必死になっている。
仲井が正面から胸をえぐられて頭を階段の方に向けて死んでいたのはなぜか。
解剖の結果、花奴の体内に睡眠薬を飲んだ形跡があるのはなぜか。
武村刑事が一人で福原に張り込んでいたのはなぜか。
相良「貴様、名刑事の二代目やったら、自分で判断してこの3つの謎を解いてみい。解けなかったら、貴様が真犯人として逮捕されんや。武村久五郎はそれを恥じて必ず自殺するぞ」
じっと黙って何か考えているように聞いている久雄の肩を強く叩き、
相良「どうや、分かったか。分かったらとっとと帰れ」
🐦(ここのところ強引にもっていったように思えます。それに相良さんがいい人だったとしても警察ですよ。それに疑問を投げかけバラケツに犯人を探せなんて言いますか。父親のためにとは言え)
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🌊(下駄)どっかで盗んで来たんとゃうか
家に帰った久雄は夕べ木下組の殴り込みがあったことを聞く。
集団の殴り込みを助けてくれた秋月が久雄を待っていた。
足抜きをした芸者と秋月は一緒だった。福原の芸者から久雄のことを聞いて訪ねて来たという。
いつ捕まるか分からないのだから飯を早く食わせろ、という秋月に勝兵衛がそんな銭はない、と・・隠していた桐の下駄を久雄に見せ、質屋に入れたらいくらぐらいになるだろうと。
久雄 「何や、これ」
勝兵衛「兄やんの下駄があんまりちびてるよって、夕べ福原で・・拾てきましたんや」
久雄 「拾て来た?」
勝兵衛「へっ」
久雄 「そんなことゆうて、われ、どっかで盗んで来たんとゃうか」
🐦(桐の下駄がどうして出てくるのか、不思議に思うでしょう?それはあとのお楽しみに。あっ、言ってしまった。)
木下親分から久雄に昨日の詫びと言って米をもってきたが、久雄をおびき出しておいて殴り込みをかけるとは、と憤慨する。それを聞いた鹿造親分は、大月屋が両天秤かけていると分かる。大月屋は江藤組に寝返っていた。
(ここで、木下組と江藤組というやくざ組が関わっていることが分かりました。)
鹿造親分は久雄の身を案じ、バラケツの勝兵衛を呼んで
木下「これを武村はんに渡してくれ」
といって黒檀づくりの神戸には2本しかない合口を出し
木下「俺が大月と手を切っからには、武器棒ではあかん。いつも必ずこれを身につけて置くように言うてくれ」
📍(神戸に2本しかない合口、1本は久雄に、もう1本は誰にやったのでしょう? ここで明かしてくれないから、行きつくまでに大変。)
生活費と秋月のために50円必要だと勝兵衛が拾ってきたという桐の下駄を持って、質屋のおかつに頼みに行く。
質屋の帳面を手伝えばという、「それもそうだな」と久雄。おかつは前から久雄にバラケツから足を洗って養子になってと言っていた。
久雄「冗談ゆうたらあかん。俺はこんな商売は苦手やし、女出入りであんたが苦労するのが落ちやで」
それを承知でいっていると迫るおかつ、黙っている久雄に「何で黙っているのや」
久雄 「おかつさん、実はなぁ・・俺・・」(①の画像)
おかつ「いや、いやいや、聞きとうない言わんといて」
そこに、玄関が開く音がして武村刑事の声がした。
話をしていて奥の部屋の襖に久雄の姿をちらっと(➁の画像)見た武村刑事
武村刑事「おかつさん、ぶそんとか言うバラケツが帳面の手伝いにくるそうやな」
月々の末に2,3日だけ、優しくてそろばんが達者で、学校時代は剣道をやっていたとかで・・。
武村刑事「さあ、そこや、バラケツって奴はそうやって人を信用させといて、いきなり バッサリ悪いことさらすんや。まあ、けどな、わしには縁のない男やし、山ふまんかぎり手は出せんけど、金庫にだけは気いつけなはれ」
立ち上がりながら、久雄が持ってきた下駄に目がいく。
武村 「ええ下駄やなあ、駒屋の特製や。麻がよう通ったる」
おかつ「目がききますな、それ、わてがぶそんさんにあげようと思うて」
武村 「わざわざ買うてきたんやな。そやけど、歯裏に土が付いてるで。もっとも2、3回しか履いてないけど。まあええわ、お邪魔さん」
(こんな時、下駄の話を詳しくするのか、と不思議に思いますよね。)
武村刑事は質屋を出てから、鹿造親分のところから帰る勝兵衛に出くわした。
懐に入れていた合口を見て、誰から掏ったのだと聞かれ
勝兵衛「掏ったんやおまへん、木下鹿造親分からぶそんの兄やんに」
武村刑事の顔色が変わる。自分がもらったと勝兵は言い直す。
合口を返してもらい懐に入れながらふり向いたとき、彫師の留次郎の姿が目に入った。
(単なる通りがかりだけの者ではないですね。)
竹村刑事と入れ替わりに、質屋に妙子が乗り込んできた。おかつに久雄とキッパリ手を
きってほしいと。久雄を好きな女の闘いです。
妙子 「久雄さんさえ、ちゃんとした元の暮らしに戻ってくれはったら、うちはそれだけでも・・おかつさん、お願いです、うち何でもします、腹がたったら殴っておくんなはれ。お願いです、久雄さんのためを思うんやったら久雄さんを堅気に、お願いします・・・」
おかつ「負けたわ・・わての負けや」
おかつ「久雄さん、あんたさっき言いかけはったこと、この妙子はんのことと違う」
・・この時の久雄(③の画像)
おかつ「妙子はんやったら、わても納得しますけれど、もし他のおなごはんやったら、わてが承知しまへんで。よろしおますな。さあ、妙子はん、この質ぐさは、あんたに確かに渡しますよって、離したらあきまへんで」
🐧(おかつさん、格好いいなぁ、久雄さんふがいない。この間、久雄は立ったまま何も言えず二人の展開をみているだけでした。でも・・でもですよ・・どうして、久雄を取りあうおかつと妙子の場面、久雄を前にしてこんな風に長く描く必要あったのかな。そんなに大事な場面とは思わないのは私だけかしら。)
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♧任侠道、つまりやくざの掟とは
久雄は、木下組の子分に呼び出される。
その直後、集団の殴り込みがあり仲間達が痛めつけられる。
久雄を頼ってやってきた秋月京太郎がちょうどやって来て集団をやっつける。
久雄も別なところで木下組のものに囲まれる・・3日のうちに今のところを立ち退けという。
大月屋が大家田川の言う通りにしない限りは、立ち退きはしないとやり込め、木下組の親分のところへ案内させる。
久雄の前に木下鹿造が現れた。
木下「俺が木下や。うちの若いもんを、えらい可愛がってくれたそうやな」」
久雄「その話は後にしてんか。折り入ってな、あんたに聞きたいことがあるんやがな」
「言うてみい」木下鹿造が座る。
久雄「任侠道、つまりやくざの道の掟とは」
木下「分かりきったこっちゃ。第一に堅気の衆にご迷惑をかけんこと、第二に弱い者いじめをせんとや」
久雄「それやったら、今夜あんたがやったこと、あれは一体何ではんねん」
木下「何だんねとは何や、田川というやつは一銭でも余計に立退料を取ろうとしやがるし、また、お前らその尻馬に乗りやがって」
久雄「それは誤解や。あんた大月屋の口車に乗せられてまんねん」
木下「何やて」
久雄「まぁ、聞いとくなはれ、田川さんご夫婦は大月屋の先代の頃からあの家に住んで、恩給だけで細々と暮らしてました。ところが、5か月ほど前に奥さんが大病にかかって、その治療のために心ならずも家賃を滞納したんだ。すると大月屋は、その抵当として家財道具一切を引き上げてしもうて、またその上に・・」
🐦(この台詞長いので省略しようと思ったのですが、まず第一のカギになりますのでそのまま書きました。ここまでの映画の筋からは全然見えてきません。久雄がいきさつを話すことで省略されているようです。ああ、そういう事なの、とここで分かるのです。飛び過ぎです。)
木下は久雄たちが大月屋に嫌がらせをしているのだろうと。
木下「他に言うことないのんか」
久雄「それは、あんたさん次第ではおまへんか。あんたの方に聞く気がなかったら、馬の耳に念仏やろし、まぁ、木下組はごろつきどもの集団ということになりまっしゃろな」
木下「なに、ごろつき」
久雄「そや、ごろつきや。ごろつきとかくすぶりちゅうやつはな、表に任侠道の旗を掲げやがって、裏で何さらしてけつかるかわかるかい」
木下「ぬかしやがったな、若造」
木下日本刀を久雄の顔の前に抜く。
木下「見てみい」
久雄、じっと睨みつけ
久雄「切れまっか、親分。(①の画像) 斬れるもんなら斬ってもらいまひょ」(➁の画像)
暫くじっと久雄の目を見ていた木下親分、日本刀をしまい、
木下「われ、いいど根性やな。ぶそんちぅのは本名か」
久雄「本名や。音で読んでぶそん、訓で読んだら武村や」
木下「武村?」
久雄「そうや」
木下「ほんなら、あんた、刑事の武村はんの息子はんと違うか」
久雄の顔色が少し変わる。(③の画像)
久雄「冗談言うたらあかんで、息子がバラケツやったら、親の刑事が黙ってまへんやろ。俺はそんな身分のものやあらへん」
木下「なるほどなぁ、あんたは度胸もあるし、頭もええ。30円ある、これもってお帰り」
久雄が客人かかえて大変だろうという木下の気持ちを、「有難いが断る」という久雄。
「ぼん」と木下は久雄に向って言う。
木下親分がすることはこの件から手を引くことだ、と言って帰って行く久雄。
🐦(ここの場面いいところです。そして日本刀を突きつける木下と久雄の場面は、見ているこちらに緊迫感が伝わってきます。橋蔵さまやはりきりっと決まります。本格的な任侠映画であったらよかったかもしれませんね。)
木下は武村刑事に恩があった。そして、手間賃ともらった金を大月屋に義理をかいてすまないと言って返してくるようにいう。
(ここで、大月屋というあくどい金貸しが関わっていることが分かりました。)
久雄がずっと好きだった妙子は心配で後をつけて来て、木下組を出た久雄と帰り道に・・そして二人は一緒に朝を迎えることになるのです。
🐧(ここの場面、二人の感情を表すのはよく分かるのですけれど、橋蔵さまにこういうキスシーンは合わない・・・と思うのですが・・いかが。作品がバラケツですから仕方はないのですが、この表現しかなかったのかなと考えてしまいます。もう少し品位というものを考慮しても良かったのではないかな。ファンはここまでのキス・シーンは見たくないし、要求もしていなかったのでは。)
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そういえば、一応任侠映画?方向になるので、私は躊躇しました。
バラケツって不良とか愚連隊のことを言うわけでしょう。
当時、そんな題材のものを、甘い2枚目で売ってきた橋蔵さまがどうしてやらなければいけないの、と憤慨したものです。時代劇スター大川橋蔵を東映は潰すつもりなのか、と思いましたよ。東映は時代劇俳優はいらなくなったのですから。
掲示板に書こうと思い真剣に細かく見ていましたら、当時の世間の評価はどうでもよいと思いました。掲示板に書くので一つ一つ聞き流さず見逃さず把握していくと、橋蔵さま、いい所沢山ありますよ。捨てたもんじゃありません。(聞き逃さず見逃さず・・ですよ)
凄みを出すために、暗い表情であそこまでくずさなければいけなかったのかな。
あれは失敗だと思います。
この作品の橋蔵さま、当時はぼろくそに言われていましたが、それなりに可愛いし、作品が良いものであったら、素顔での物も悪くなかったと思いました。
作品内容を吟味したなら、現代ものいける、と思いました。
そういえば、フジテレビドラマでしたかしら、ほんのちょっとだけお出になったことありましたね。
テレビ番組を見ていたら、お名前が、あの時は、テレビで現代ものの橋蔵さまに初めてお会いするので、舞い上がってしまっていて、どんなだったか全然覚えていないんです。テレビをかけていたのは覚えているのですが。
すみません、横道にそれてしまいましたね
では「バラケツ勝負」(1965年)です。
🌊素直に喜べない久雄
神戸を舞台に不良と言われるバラケツが、殺人事件にまつわる真相を解明していく。
ある夕方、バラケツの一人がバラケツが塒として世話になっている田川の借家に新聞を手にして慌てたように帰ってきた。
🐦(何時橋蔵さまがスクリーンに映し出されるのか?、どんな感じなのか? ファンとしては映画の流れは頭に入らず、橋蔵さまの出を待っていたのでしょうね。2階から一人の男がおりてきました。久雄です・・・橋蔵さまです。この時の橋蔵さまとてもよい感じで好感もてます。)
久雄の父親である武村刑事が手柄をたて新聞に載ったと、新聞を読み上げはじめる。
「・・・12名の決死隊員が、北長狭通2丁目の菊ノ屋に踏み込みしところ、犯人はモーゼル拳銃を発射して抵抗したが(①の画像)、武村久五郎部長刑事が勇敢に踊りかかってそれを押え」
久雄「あぁ、わかった、もうえぇ、止めとけ」(➁の画像)
まだまだ後があるんだから、というのを
久雄「うるさいなぁ、止めとけと云うたらやめんかい」
といい2階に上がってしまう。
「なんぼ勘当されたからというたかて」「勘当?」「それじゃ”ぶそん”くんは、そのデカさんの」
久雄の仲間や大家の田川は久雄の父武村久五郎刑事の手柄を喜んでくれたが、勘当された身であった久雄は素直に喜ぶことが出来なかった。
「”ぶそん”の兄やんはあんな強がりゆうてるけど、ほんまは嬉しいんと違うやろか」
勘吉「そうかも知れんな、なんたって実の親子やわい」
祝ってやろうとしても、先立つものがない。
武村兄貴に相談してみる、というが「その兄貴がなあ・・」と勘吉。
2階に上がった久雄、窓から夕陽を見つめ
「モーゼル拳銃か、親父は運が良かったなぁ」
そこへ、たまにはパッと飲みましょうと持ち掛ける勘吉、久雄も賛成する。
夕刊を見ていた質屋のおかつは勘吉や大家が久雄のために質ぐさをいれ祝ってやろうという気持ちに打たれ、その気持ちを質ぐさにもらっておくという。
福原で、武村刑事を囲んで刑事たちが祝いをしている。
(その部屋が見える一室では、元兵事部長の栗本と軍医の坂内が、あれだけの手柄を立てたのだから、敬意を評して・・と酒を飲んでいる (この二人が関係してくるとはね)
芸者の花奴が武村刑事に近づきお酌をして
花奴「おめでとうおましたなぁ」
武村「なんや」
「一番乗りだっしゃろ、武村の旦那はん」という花奴に、何で武村久五郎って知ってんのかと。
花奴「そりや旦那はんが、あの人に似てはるよって」
同じ町内で育ち、久雄と幼馴染みらしい。
思い違いをしているのではないかという武村刑事に、思い違いはしていないと言い、
「これ、あの人からやと思って」と言って花奴が出した杯を払いのけ、
武村「出過ぎたまねさらすな。よーく聞いとけ、わいにはせがれなどあらへんで」とカッとなる。
田川の家の2階、久雄を囲んで盛り上がっているところ、勘吉と下に折り
久雄「おい勘吉、今夜のどんちゃん騒ぎは、ただの騒ぎと違うやろ」
あいつらただ騒ぎたくて、という勘吉。
久雄「隠さんかて分かっとる、親父の手柄いおうてみんなで」
勘吉「兄貴」
久雄「俺は喜ばへんで。親父が手柄したかて俺に関係あるかい。礼は言わへん。
・・そやけどな、みんなの気持ちだけは持ろとくは」(③の画像)
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私が「バラケツ勝負」に思うこと
作品のないようについて書く前に、どうしても頭の中をめぐっていることを吐き出した方が書きやすいかな?と思いまして。
🐧(ここで書くことは東映時代劇黄金時代が好きだった私の個人的見解ですので、不都合なことがありましたらお許しください。時代の流れが欲していた方向だったのだということは理解していますので。)
1960年に前にも書いた黒沢映画が人気を得てから綺麗な時代劇は廃れ始めました。岡田さんの考えで東映は生き残るためにやくざ路線に変えたようです。
(任侠路線というのは後になってから付けられた言葉だと思いますが。)
”時代劇の東映”といわれた東映は、他社のように現代ものではお客が入らず、そこで考えたのが”やくざ路線”のようです。時代劇で活躍していた人達はやくざ映画にでるようになりました。橋蔵さまも会社の方針には逆らえませんから、1965年に「バラケツ勝負」をとる破目になったのでしょうね。結果は不評で橋蔵様のやくざ路線は失敗、つぎの企画は没。この時もう映画界の東映には、橋蔵さまの魅力を活かせる企画、場所が無くなってしまったのですね。
「バラケツ勝負」・・題名がいけないな。これではひどい映画だと思われます。私当時この題名を聞いたとき、見たいとは思わなかったですもの。
プロデュースは次の東映を背負うようになるやくざ映画の俊藤浩滋。脚本は比佐芳武、監督は松田定次という東映時代劇を作ってきたお二人。凄いといえば凄い取り合わせだったのですが、撮るものの根本が違っていたのではと思います。脚本は橋蔵さまが主演ですからそれなりに書いたものなのでしょう。
主人公久雄は勘当されてバラケツになっているが、父親が刑事という育ちの良いぼんが、あることから勘当されて、といった設定になっています。普段にやれば橋蔵さまでもいけた作品だと思いますの。 橋蔵さまらしいところが作品の中に感じられるところがありますから。でも、主流は苦虫を噛み潰したような顔をした神戸のバラケツということで凄みと荒っぽさを表に出す映画にしなければいけなかったのでしょう・・プロデュースする人の考えは。(任侠という言葉を世間は違ったように映画に取り入れてしまった・・・任俠とは本来、仁義を重んじ、困っていたり苦しんでいたりする人を見ると放っておけず、彼らを助けるために体を張る自己犠牲的精神を指す語です。)
やくざ路線を作ったのは俊藤さんと岡田さん。他の映画会社と違うことをやらなければと・・やくざの世界で有名な俊藤さんに、やってきたことを映画にすればいいというように頼んだと言われていますが。やくざ路線のレールは順調に敷かれていったのですね。
「バラケツ勝負」もやくざ映画のように撮られたので、世間の目は凄みがあって大暴れするものだと思っていたと思いますから、当然不評を買ったでしょう。
🐧(才覚のあった千恵蔵御大が社長になっていたら、東映はどのように生き延びたのかな、時代劇は完全にだめになっていってしまったのかな、・・・。)
そのあと東映は映画では落ちるところまで生きポルノの方向に、テレビの方で、生きて行くことなりましたね。
沢島監督が東映映画は鶴田たちの時代になってしまったので東映を去ったと言っていたように、俊藤プロデューサーの得意のやくざを描き、自身が育てた鶴田浩二と娘の藤純子が頭角をあらわしてきたわけですね。
「バラケツ勝負」でも妙子役の藤純子は水を得た魚のように、橋蔵さまは妙子に頭があがらず何も言えずふがいない男のように描かれています。
ですから、映画を見た男の人達は、「藤純子が良かった、橋蔵が女にふがいなく情けなくがっかりした」というような批評も多かったようです。
当時不評の第一に言われたことは、橋蔵さまが弱々しくて似合わないということだったと思います。
やくざ路線の映画だと思っている観客に、時代劇流の「若さま」のなぞ解き風と「新吾」の父母を恋うるイメージを思わせる方向を入れましたが、やくざの抗争の中でのバラケツを期待していた人達には不要だったようです。
また、周りの人達が普通に演技しているのに・・橋蔵さまには不良のような凄みを強調させているから橋蔵さまが浮いてしまっている。
そんな風にも思えるプロデューサーの演出にも問題があったのではないでしょうか。
橋蔵さまファンはすっぴんは見たくない、世話物の現代風のならばいいが品の悪い役は嫌います。よりによって江戸っ子の橋蔵さまにどうして関西のガラが悪い(表現が悪かったらごめんなさい)言葉をいわせるのですから。
橋蔵さまは優しく品のある甘さが売りものであるから、不自然になってしまう。もう少し背景を考えてほしかった。任侠映画いややくざ映画は無理だったのですよ。
橋蔵さまがよく相談なさっていた片岡仁左衛門さんも「甘さが売りものなんだから、汚れ役は絶対にやるなよ」と橋蔵さまに言っていたと語っていたことがあります。
作品自体の流れも、どこを主体に描こうとしているのか分からないようなストーリーになってしまっていることにも責任あると思いますが。
前半の間延び(バラケツ達の宴会、おかつと妙子の久雄の取りあい、拘置所の面会を願うところなど)、後半の筋の展開がいつの間にといった風で、早い一挙に謎解きの展開で結末にいってしまうのですもの。場面カットをしていった結果でしょうが、久雄の父武村久五郎が何を追っていたのかなんて筋からは考えられない。
最後土壇場で、なるほどあそことあそこからそういう事か、と考えるような始末。
刑事たちが分からないことをバラケツ達に、どうして分かるのさ、と言いたいところだけれど、そこは我慢して・・・。
東映チャンネルが何回も放送をしているので、私も今回考えたあげく、真剣に挑戦することにいたします。
次回は本題「バラケツ勝負」について書いていきますのでよろしく。
🎶《 セリフ回しと抑揚のうまさ 》
橋蔵さまの魅力が十分に詰まった作品「美男の顔役」は私の大好きな作品の一つですので、何回でも言葉にして良さを伝えたいのです。
ブログでこの作品まで到達するには、時間がかかりそうなので、作品放送のたびにその時心に残ったところから書いていきたいと思います。(同じことを・・と思わないでくださいね)そのたびに、画像は変えていきますので。
旗本くずれのやくざ浪人金子市之丞の哀愁、ひょうきん、真面目さとふんだんに見ることが出来る作品での橋蔵さまがイキイキとしていてすごく良いのです。
河内山宗俊を中心にして描いたものはテレビドラマでもやったりしていましたし、歌舞伎では天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)で有名です。
これらは宗俊と直次郎がメインで書かれています。直次郎の母が出世をした息子に会うため国もとから出てくるため河内山宗俊達が一芝居をうつ、という筋になりのですが、「美男の顔役」はその話を御家人崩れの悪名高い剣客、金子市之丞をメインで描いた作品です。悪党で美男、女性に大もて・・橋蔵さまでなければ絵にならない、楽しく可笑しい中に、市之丞の母への思慕を織り込んで心を打つという人情ものです。橋蔵さまの金子市之丞の母を想う演技に愛しさを感じます。
石翁とのやり取りは品位があり、身の変わり方は橋蔵さまならではの上手さがいいですねえ。
立回りも橋蔵さま軽い感じで動いてゆきますが、ダイナミックで歯切れの良いチャンバラで流石。
二枚目半から三枚目のような役が挿入されているものをこれまで数回演じているので、この時期の橋蔵さまは、こういうものはお手のもの。本当に二枚目半に良き面が見いだされる橋蔵さまです。
「お楽しみのところ、とんだ邪魔入り、恐縮旋盤、 というのも、誠にもって野暮なはなし」
「下世話にも、間男七両二分という言葉がござるそうだが、拙者もあいにく手元不如意の折から、金五十両にて目をつむってもよい」と、歌舞伎調でのセリフで美人局でのお目見え、かと思うと、
「身分の地位のと、ごていそうな口を聞きやがったわりには、しけてやがるぜ」と砕けたやくざ浪人の口調奈なります。(①の画像)
市之丞はお金さえ手に入れれば、女には用なし、勘美津には目もくれず帰っていくのは良いのですが、女難が相次いで降りかかってくるのです。
この場面の橋蔵さまの動きに合わせてのセリフまわし、抑揚、振り、表情がとても良いので、セリフの面白さが引き立っています。
「私だって水商売の女だし、金子市之丞様の奥方になろうなんて言いやしない。他に何人女がいたっていい、飽きがきたら捨ててもかまいやしない。楽しい夢を10日でも20日でもいさいすりゃ私の気持ちがおさまんのよ~、」と勘美津の言いたいことを市之丞は飽きれながら言うのですね・・・この調子が何とも言えない。(➁の画像)
その直後には・・市之丞、勘美津の時とはうって変わって神妙な面持ちで、好きだとすり寄ってくる琴江によい返事をしないでいると、家を出るからそばに置いてほしいと。「私に飽きが来たら追い出してもかまいません。ただ、あなたのお傍で10日でも20日でも・・」と言うセリフが出て来たのです。
「初めはみなさん、誰でもそうおっしゃる」その台詞は聞き飽きた、という表情をする市之丞。(③の画像)
画像豊富に載せて見ましたが、橋蔵さまの雰囲気伝わるでしょうか。
ここまでで見る側を引きずり込んでいく、市之丞って?・・・筋はこれからどのような展開を見せてくるのか、リラックスして、わくわくしてくるのがいいですねえ。
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東京の23区は、夕方から強い雨や小雨が降る中、隅田川では 花火大会がありました。
テレビでも恒例の放送がありましたが、いつ見ても同じようなので、私はパス、「男はつらいよ」を見ていましたけれども。
今日は11時から「美男の顔役」をかけながら最後まで。 笑わされたり、そしてまた 泣かされてしまいました。が、今日は殺陣から・・最後の大掛かりな立回りもよいのですが、ここではやはり、峰内での市之丞ひとりの殺陣のところが素晴らしいと思います。
河内山宗俊から尿瓶を花瓶だと交わされた竹内金次郎が浪人を連れて、宗俊に恨みをはらすため碩翁の屋敷にやってきた時、金子市之丞が「こいつは俺にまかしとけ」と応対にでる。
この作品での橋蔵さまの台詞回しはすごいものですが、その一つ・・ここからの台詞回しも実に言いですね。
「よう、来たか、尿瓶」と楽しそうに玄関先で。
「坊主は」という金次郎に「坊主は奥でちゃんと待ってるよ」と市之丞。
金次郎「人を騙すにも程がある」
市之丞「騙すとはなんだ、坊主があの時、あれが尿瓶じゃねえとでも言ったかい。夜の雨という名器だと言っただけじゃねえか」
金次郎「くそ坊主め、あの小便壺を、(クンクン)、拙者にふさわしいもんじゃと言いくさった」
市之丞「ふさわしいじゃねえか。金にいとめはつけぬけん、(クンクン)てな口をたたくてめえの根性に、あれほどふさわしいものがあるか。それを賄賂に使って栄達を謀ろうとする伊勢守の根性だって、まこと小便壺に相応しいつてもんよ」
🐧(ふさわしいもんじゃねえか・・・この言い方好きだなあ)
金次郎「無礼者」から始まるところの殺陣は峰内での殺陣ですが、力強く、スピードがあり、見ていて惚れ惚れする見事な一つ一つの動きで、大好きなところです。
作品1時間14分50秒~15分5秒の短い中に8人を峰内で倒すところから、暗い画像なのでよく分からないかもしれませんが3点載せて見ました。
市之丞を通して、橋蔵さまのいろいろな表情を見せていただきました・・橋蔵さまに笑わされ、泣かされ・・ 目でも語る橋蔵さまから目を離せませんでした。 台詞回しは、橋蔵さまの声の表現がとても素晴らしく ほれぼれしてしまいます。
「美男の顔役」今月はリアルタイムで堪能いたしました。
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皆様お出かけの3連休も終わりに、高速道路はUタンラッシュで夜遅くまで混雑状態とのことです。気温35℃という中、私は家でエアコンと扇風機を使い分けながらの暑さ対策で忙しく過ごしていました。
そんな中、橋蔵さま作品「大江戸評判記 美男の顔役」をリアルタイムで見て、橋蔵さまの美しさに酔いしれ爽やかな涼を得ました。
「美男の顔役」では様々な表情を見せてくださる橋蔵さまがいますから、何回見ても飽きないですね、この作品は。ですから、この作品を見るたびに、感じるところは同じなのですが書きたくなってしまいます。(またか・・といわないでくださいね、橋蔵さまの作品にそれだけ惚れこんでいる、ということなのですから。)
一番に魅了させられるのは、市之丞が母を恋しがる表情です。そこに橋蔵さまの目が語るからすごい。見ている私は胸がつまってきてしまいます。橋蔵さまはこれでもかと虜にしていくのです。
直次郎の母おもんを迎えて碩翁の屋敷での宴。おもんが疲れている様子に、市之丞におもんが肩を揉むのが上手だと言われ、市之丞は「幼少の頃、よく母の肩を」とうそをつきます。お袋さんはまだ元気でいるのか、という問いに市之丞無言。「いはらいませんのけ」の言葉にここで市之丞の表情は・・・。
おもんの肩を揉みながら瞼の母を思い出している心理描写を、橋蔵さまの表情が表していきます。
おもんが直次郎と踊っているのを見つめる市之丞・・胸がつまります。市之丞の心の中には、母への思いがあるのでしょう・・・辛くなってきますね。子守唄が静かに流れ、市之丞の気持ちをより強く映しだします。
おもんの知り合い彦六の娘を助け、追っ手が来るので3人は直次郎と国もとへ帰るようにと話すと、皆が一緒に来ないなら残るというおもん。それに対して市之丞はお伴をする・・・と、おもんたちを逃がすために、追っ手が来ることで命をおとかもしれないのだが、後始末をして数刻遅れていくと約束をしておもんを安心させるのです。
おもんの「何時ほど遅れまんねん」に市之丞「・・・明け六つ・・までには必ず品川宿のはずれで・・」と。
「ほんまやな・・・金子はん」「・・・必ず・・・必ず」という市之丞の表情に陰りが走ります。橋蔵さまは、こういう心理状態を表現するのがうまいし、そこに目でも語っているので、見ている人にすごく伝わるのですね。
品川宿外れでいつ来るかと待っているおもん。宗俊や丑松の姿がないので、おもんは市之丞に、「またあんた直ぐに引返しはんのけ」、市之丞「・・・すみません」と悲しそうな顔をしています。
おもんが市之丞に近寄って
「あんたさんに、もう一辺心ないことをたずねさせておくなはれやぁ。あんたさんのお袋さんはうんといいお袋さんでしたけ、そけとも悪いお袋でしたんけ。他人のお袋さんを恋しがさんのはな、うんとええお袋さんを持ったお方か、うんと悪い母親を持ったお方さんかの、どっちかに決まってまんのやで」
下を向いていた市之丞、おもんに何かを訴えるような目をして「ご母堂様、御免」と言い、おもんを後ろ向きにし、肩を抱いて「私の母は、私の母は子供の頃、私を捨てました」と。
市之丞「すねたこの市之丞に、母親の姿を教えてくださったご母堂様に、たった一つお願いがございます」と涙目でおもんから離れて、「おっかさん」
おもん「・・はいっ」。 その時の市之丞の嬉しそうな表情。
「おっかさん」市之丞は嬉し涙で顔をゆがめ、去っていくのです。
宗俊と丑松を人質にして約束をした開け六つまでに帰ることを約束した市之丞に待っているのは、碩翁の「家賃は高くつくかもしれぬ」なのです。
母の優しさをおもんに見た市之丞は幸せな心持で、覚悟を決めて戻っていったのでしょう。
橋蔵さまの「おっかさん」に弱い私です。「旅笠道中」もそうでした。
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