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今年の青はまた独特の存在感を発揮していますね >なな

 感性が人とはちょっと違う単なる変わり者というだけでも無いし、今回のエピソードにしても、例のうたとの出逢いのエピソードをメロロンに語るタイミングを見計らっていた節が見受けられるし、いわゆる「思い立ったら行動あるのみ!」の脳筋女子とも違う気がしますしね、脚本を考える中の人は凄いなぁ…。

 あと敵サイドの関与が一切無い「味方側の呪いアイテムで闇落ち」っていうのも興味深かったです。


>過疎ビジネス

 最寄の図書館に置いてないな~と思ったら、先月出版されたばかりの新書なのかw。まぁ少子高齢化の進む昨今、さもありなん的な事件なので、買ってまでは読まないかなw(苦笑)。

 「三店方式的に資金還流」の手口は、『Fラン大学就職チャンネル』でも最近取り上げられていたAI企業のオルツ破綻(↓)と全く同じ構図ですねぇ、最近の流行りなんでしょうか?
 https://www.bing.com/videos/riverview/relatedvideo?q=%e3%82%ab%e3%82%ab%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%b3%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%80%80%e3%82%aa%e3%83%ab%e3%83%84&mid=CCB945C2F35A4F2A2A43CCB945C2F35A4F2A2A43&FORM=VIRE
 

>今週の読書

● 川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』新潮社2017
 https://amzn.asia/d/eKA9oCN

 同じ鳥類を研究対象にしていても、生きている野鳥の言語研究をメインとする『僕には鳥の言葉がわかる』の著者とは随分スタンスが違うなという印象ですね。

 タイトルから「この人は鳥が嫌いなのか?」と思いましたが、どうもそうではないようです。生きている鳥そのものに関心があるというよりも、膨大な数の骨格標本やDNA解析によって、進化の系統樹における位置づけ(新種発見に繋がることも)を行ったり、日本固有の鳥を保護するため外来種の動物の駆除プランを策定・実行するとか、海底火山の隆起により生まれた新島に形成される生態系をリアルタイムで観察したりとか、要するに鳥を中心に置いた周辺研究全般に関心があるみたいですね。

 難点は一ページ当たり平均して3つか4つは登場する自虐ネタや本&サブカルネタですね。最初の取っ付きは面白いんですが、読み進めるに従ってそれらの小ネタがだんだん雑音になって肝心のメインの記述が頭に入らなくなってくるのが残念w(苦笑)。つまりは昨日の夏休み子ども科学電話相談でも回答者を務められていたみたいですから、一般向けの啓蒙活動を心掛け過ぎるあまりの勇み足、ということなんでしょう(↓)。まぁ全体としては一読して損は無いと私は思いました。

 https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/kodomoq/kod20250216_03.html
 
 本書から興味を惹かれた話題を一つ紹介します(↓)。

 ① 小笠原諸島のとある島で在来植物保護のため外来植物のヤギを駆除しました ⇒ 実はヤギは外来植物も食べていたため、その外来植物が在来植物を駆逐する勢いで大繁殖しました ⇒ 結果同じく外来種のクマネズミも増え、ヤギに代って在来植物の成長を阻害するようになりました。 

 ・教訓:外来種が複数存在する(食べる種と食べられる種)場合は、現段階では問題を引き起こしていない後者から先に駆除するべき。

 ② また別の島で在来種の海鳥を襲っていたクマネズミを駆除しました ⇒ その海鳥は絶滅を免れましたが、今度はクマネズミを餌にしていた別の在来種のタカが姿を消しました(クマネズミ侵入以前は豊富にいる海鳥を餌にしていたが、侵入以後は海鳥が減ったため代わりにクマネズミを食べるようになっていたため)。

 ・教訓:一度生態系に組み込まれた外来種は一気に根絶するべきではなく、在来種の個体数の回復を待ちつつ徐々に駆除するべき。

 そこまでして在来種を守る行為に意味があるのかな…と個人的に思わなくは無いのですが、この辺りの試行錯誤の経緯はまさに研究者仕草って感じではありますね。


>民主主義を否定してるっぽいから、そこが「AI」に置き換わる
>現代の王権神授説
 
 財務大臣就任にあたり「民意を得た」との大義名分が必須だと考えて、国政選挙に出馬し当選したバルファキス氏とは対照的ですねぇ。今や弱小国の方が民主主義を掲げかつ実践しているというのが何とも皮肉です。

 イーロン氏が「民主主義の否定」を公言している点は、まんまファシズムと重なっていますね。違う点としては、支配層たるエリートとしての資格を得るためには、党が唱えるイデオロギーに対する忠誠心と献身的奉仕をアピールすることで党指導者の覚えをめでたくする必要があった(要するに王同然のヒトラーやムッソリーニの歓心を買うべく腐心した)ファシズム体制に対し、イーロン氏は(当のAIから指摘されているように)「自分がAIより上だと本当は思っている」から、「所詮AIなど自分達が与えるデータ次第で出力を自在に左右できる傀儡の王に過ぎない」とでも考えているのだろうなぁとは容易に想像が付きますねw(毒)。


>普通の人そんな頭回らねーだろ

 アーレントに限らずカントでもヘーゲルでもこないだ取り上げられたフッサールでも誰でもいいんですが、『100分de名著』とかでの紹介を聞く限りは、大体どの哲学者も私を含め一般人がそれなりに首肯出来る論を展開してはいるんですよね…実践可能かと言われれば疑問符を付けざるを得ないという一点を除いてはw(苦笑)。

編集・削除(編集済: 2025年08月25日 20:31)

リスも食われるのかと思った…w

 きゅーちゃんがツダケンのイケボなのは、SDとのちょっとした因縁によるものだとかそうじゃ無いとか…(↓)
https://x.com/kon_chiaki/status/1885873704300851469

 今回のきゅーちゃんはわんだふる最終盤のザクロみたいになってましたねw
 うたとお婆ちゃんの絆の証人というか。デリシャスのゆいみたいにタイムスリップした訳でも無いので、こういう役割は必要だと思いました。

>メロロンとねえたまと友達
 不可抗力でメロロンの世界が広がった事で、より孤独を感じる様になってますね。
 それによってメロロンにとっての「ねえたま」と「友達」の違いが、ジャイアンの「心の友」並みに曖昧になってる気がしないでも無いw
 結局、お前にとっての「ねえたま」と「友達」って何なんだよ?っていう。


>夏だ!甲子園だ(怒)!TVerで見逃し配信だ!
 「ネット動画の画面のプレイヤーが邪魔だから消したい試行錯誤」結果報告編。
 TVerの動画はYouTubeとかと違うらしく、汎用的なプラグインは受け付けない模様。
 幸い、専用のプラグインがあったので、その中の「ピクチャーインピクチャー」という、動画を別窓で開くプラグインを導入。
 結果、別窓の方にはプレイヤーが表示されず、別窓自身もかなり拡大できるので、それプラスキーボードショートカットで観る事に決定。
 ショートカットが機能するにはプレイヤーが映ってる画面を一旦クリックしなければいけない…というコツさえ掴めば、かなり快適な視聴環境ができたと思います。


>イーロン・マスク “アメリカ改革”の深層
>ずいぶん雑な誘導だなぁ(苦笑)
 ぐはっwwwwww
 盆休みだから調子に乗って予定入れまくったから、若干キャパオーバーしながら書いていたとはいえ…失礼致し御座候…orz
 それでも「テックライト」って勘所をシッカリ掴んで来るのは流石ですね。
 他の捕捉情報も、この道の者さんが書いて下さいましたし、あたしゃ平身低頭ですわww


>ウィッチウォッチ
>ネムシアター
 …まさかメロロンを超えるポエマーが、今期現れるとは夢にも思わなんだわ…

>Dr.STONE
 ゲンの仕事はオンリーワンだと思っていたけど、ニッキー種崎の寝技も中々…
 まぁニッキーは詐欺師っつーより政治家って感じですが。

編集・削除(未編集)

寄付ビジネスは闇が深い

>過疎ビジネス https://amzn.asia/d/0uUaeBt
 福島県国見町で起きた地方創生ビジネスの闇を暴いた本。
 実はこの本で初めて知ったんだけど企業版ふるさと納税というのがあって、寄付額の最大9割が還付される税制優遇制度。これをどう悪用するかというと、

A社(DMM.com)が地方自治体に寄付。
 ↓
B社(ワンテーブル)が上記の自治体と事業提携する。実際にはこの会社は地方創生事業のコンサルタント的な役割。
 ↓
C社(ベルリング)がB社から受注する。この会社はA社のグループ企業。

 という感じでいわゆる三店方式的に資金還流するってやり口。当然ダメなんだけど、寄付した会社名を匿名にすることで見えづらくしたり、C社しか受注できないように意図的に仕様書を作り込んだり、抜け道は多い。
 これのポイントはわざと弱小の地方自治体を狙っている点。人材が乏しく、限られた人数で仕事を回しているので仕事を兼務しがち。地方創生事業の申請書すら自前で作れない。そこに付け入って主導することで単一事業どころか行政の仕事を乗っ取ってしまう。B社の社長が「(地方議員は)雑魚」って言ってる録音データがあるんだけど、まあそうだよねって。人口数千人、その大半が高齢者になっているような自治体なんて金も人材もないわけで。

 ……てな話を詳細に書いているんだけど、如何せんスケールが小さいというか、木を見て森を見てない感じがジャーナリストが書いた本って感じ。もっと突っ込むならそもそも企業版ふるさと納税が地方バラマキ政策なわけで、これは地方にとっても国にとっても政治的にも楽なやり方な面があるんだけど、そういう雑な仕事をシステム化していることをもっと批判的な目で見るべきじゃないの?って思う。最早地方創生自体が絵空事で、本来やるべきは老朽化したインフラを補修すること、そして人口減少に対応するための再設計であって、どこからか金を取ってしょーもない事業にそれを突っ込むなんてやり方そのものが全くのアホとしか言いようがない。これは全体を俯瞰して設計する視点が完全に欠落しているからなんだけど、まあ、そういう大きな仕事ができねーんだろうなって思う。そういう視点で書いてくれればタイトルの『過疎ビジネス』にもっと説得力が出るんだけどね。要するに国や自治体の怠慢につけ込まれてるんだよ。

 ちなみにこの寄付ロンダリングはアメリカがやっぱ最強で、自分の金を自分が作った財団に寄付することができるので超富裕層の税優遇になってたり、ビル・ゲイツの財団なんかが有名だけど最早国家レベルの資金力があるので実質国家レベルで影響を与えたりと規模がデカい。

 厳しい口調にはなったけど、コンサルってこんな仕事もしてるのねって意味では興味深い本。


>官僚を「選挙で選ばれていない」ことを理由に罷免
 民主主義を否定してるっぽいから、そこが「AI」に置き換わるんだろうね。俺はAIに選ばれたからセーフ理論。これが現代の王権神授説。


>“自己否定”して、より大きなものの一部になったつもりになることで、不安を解消しようとする人
 本の中でも「DV彼氏に依存する彼女」みたいな喩えがあった気がするけど、そういう人が多数派かって言ったらそうじゃないだろうしなぁ(苦笑)。この道の者さんが指摘しているようにどうにも結論から逆算している感がある説明でしたね。だから「行き着くところはナチズムね、はいはい」って感じで流してました。


>世界十代小説
 今だったら人種(黄色人種は含まない)と性別(LGBT含む)に配慮されてない。やり直し!って言われそう。
 ボヴァリー夫人は図書館であらすじ読んでそっ閉じした。今更キッツい。


>ハンナ・アーレント
 ああ、それは私の先走りですね。AIと会話したときに「徹底したリアリスト」や「制度(システム)」のワードを聞いていたので論理が飛躍しちゃいましたね。
 「人々が政治・社会のあり方を巡る共通の課題に関心を抱き、公共の場において特定の個人や集団の利益を離れた対話を行い、言葉で相手を動かし共同体を形成する」って言っても普通の人そんな頭回らねーだろという私の思想が前面に出てしまいました(苦笑)

編集・削除(編集済: 2025年08月17日 21:33)

徳川家康「百姓共は死なぬ様に生きぬ様にと合点いたし、収納申し付くる様に」(大道寺友山『落穂集』より)

>小作農(現代で言うと非正規労働者)になると状況によっては流浪民になってしまう
>そうすると村の荒廃や統治上の不安定さが増してしまうのでこれを抑えたかった
>所有=耕作=課税責任=村運営責任とすることで統治システムの安定化を図る。

 成程…確かにそちらの方がより包括的というか、しっくり来る説明ですね。

 改めて教科書に目を通してみると「耕地面積増(土地の開墾)が目的なら大規模経営が適しているが、収穫量アップには小農経営の方が向いていたから」とも書いていました(↓)。

◆◆◆

 幕藩体制は封建権力が中間領主を排除して農村を直接に支配し、農民から貢租を収納することで成り立っていた。そのような封建権力は、たえず貢租の増大に関心を払っていたが、そのためにとられた方策が新田開発や用水・溜池の工事による耕地面積の拡大であった。…… 貢租を増大させるためには、さらに段当たり収穫量を増加させる必要があった。新田開発などの大規模な工事を行うためには労働夫役を徴発しなければならなかったので、家父長制的な大家族による農業経営を認めていたが、段当たり収穫量の増大には独立自営農民による小農経営が有利であったために、農民の自立化はますます進展した。…… こうして確定された独立自営農民を本百姓という。
 (安達達朗 著『いっきに学び直す日本史 古代・中世・近世【教養編】』東洋経済新聞2016 p.302より引用)

◆◆◆

 いつもの『東大のディープな日本史』の中でも「近世前期(17世紀)は、新田開発や農業技術の発展という後押しもあって、小農(家族構成は夫婦とその子供だけ・米なら年間10石程度を生産)の自立が進んだ時代」だったと述べられていますね。小作人としていやいや働かされるのと、小さいながらも「一国一城の主」として自律的に働くのとでは、そりゃあ後者の方が遥かに(上記引用にある通り)収穫率増に繋がるでしょうし、ゆえに支配する側にも「小農保護」へのモチベーションが生まれたんでしょう。

 因みに、田畑永代売買禁止令が出された直接的原因は、どうもその2年前に勃発した「寛永の飢饉(1641~42):推計餓死者5万~10万人)っぽいですね(↓)。

◆◆◆

 こうした窮状が、統治者の意識を「民政」へと向かわせました。…… 江戸時代には、全人口の8割以上を「百姓」が占めていました。彼らが倒れてしまったら、財政は成り立ちません。それゆえ、経営基盤の弱い小農を保護する政策を迫られたのです。…… そこで、…… 田畑永代売買の禁(1643)が出されました。田畑の権利の転売を封じることで、困窮した小農のさらなる凋落を防ぐ目的です。…… また、同年には田畑勝手作の禁も出され、本田畑への商品作物(木綿・菜種など)の栽培が禁じられました。小農を貨幣経済に巻き込まれないようにするためでした。

 このように、寛永の飢饉を契機として、幕藩は年貢徴収を確実なものとするため、小農を保護し経営を安定される「民政」へと舵を切ったのです。
 (相澤理『東大のディープな日本史 近世・現代篇』2016KADOKAWA p.102~103より引用)。

◆◆◆

 国家財政の安定化(出来れば向上)・飢餓対策・治安維持など、諸々のベクトルが全て、江戸幕府が小農保護(というと聞こえは良いが、要するに「下々の者共よ有難く思え」的な上からの施し目線の最低限度の生活保障)を促す方向に向いていたということのようですね … で、それが江戸中期以降の貨幣経済の進展とともに制度と実体とがどんどん乖離するようになり、遂に明治期の地租改正によって保護主義から自由主義へ、つまり農村の格差を黙認からいわば放任する方向へ大転換するに至るという流れですね。


>これは歴史教育の「分かりやすさ」と「国民統合」への期待が影響しています。
>「戦後民主主義教育」では、戦前の支配構造や身分制の批判として「自立した農民=近代的主体」としての百姓像を提示。
>教科書はこの「善良な本百姓」像に乗せて、江戸時代を「共同体主義的な前近代」として描く傾向がある。
>その結果、実態の多様性や格差の存在が描かれにくい

 成程なぁ … そういえば公立高校入試社会(歴史分野)の定番の記述問題の一つに「農地改革について簡潔に説明せよ」というのがあるんですが、そんな出題のされ方からも「本邦の歴史教育における関心の所在」が如実に現れていると言えるのかもですね。戦後長らく与党を担った本邦の保守政党の支持基盤となったのは「農地改革によって生まれた大量の零細自作農」でしたから、歴史教科書において江戸時代の本百姓体制を現代とシンクロさせて肯定的に描くスタイルが今なお続いているのでしょう。

 あと御大のご指摘にある「教科書は教科書で一種のイデオロギーや物語で書いている」というのは誠にその通りで、先に引用した『いっきに学び直す日本史』にしても初版刊行が1973年という年代を反映して、マルクスの唯物史観を下敷きに記述されています(近代・現代【実用編】p.329にて「(日本の)経済発展」は原始制 → 古代制 → 封建制 → 絶対主義 → 資本主義近代制 → 帝国主義 → 社会主義制の経過を辿ったと説明されている)。


>お盆の読書

 ●オノレ・ド・バルザック『幻滅―メディア戦記』
  https://amzn.asia/d/a31DoPI

 文学で身を立てることを志して「田舎の神童」がパリの出版界に彗星のごとくデヴュー。しかしそこは魑魅魍魎どもが跋扈する、打算と陰謀渦巻く魔界の巣窟だった。束の間の栄光と引き換えになけなしの財産を食い潰し、尾羽打ち枯らしてどうにか故郷に舞い戻るも、そこでまた大きなしくじりをやらかし家族と親友とに大迷惑を掛けたことを悔いて出奔。死に場所を求め彷徨う最中で偶然謎の神父(その正体は『ゴリオ爺さん』の大悪党ヴォートラン)に拾われ捲土重来を誓う … まぁそんなお話です。登場人物の8割は悪党ですが、半分は本人たちの資質、もう半分は誕生間もない粗削りの資本主義システムがそうさせているようなところがありますね。新聞・出版業がマスメディアの最先端をひた走っていた19世紀前半のフランスの世相を、当時の混沌たる政治体制ともども実感出来たように思います。

 個人的には、良く言えば情愛に満ち献身的、悪く言えば退屈で一面的な善人サイドの描写とは対照的に、よくもこれだけ多種多様な悪党どもを活き活きと描写出来たものだなぁと感服しました。主人公リュシアンの立ち位置を含めて作者バルザックの自伝的要素が最も反映された作品とのことで、例えば普通の小説ではまず言及すらされない印刷用紙の改良を巡る発明の詳細な顛末を以てこの長編小説の掉尾を飾らせています(バルザックは印刷工場を経営・倒産させた経験あり)。なお作中に悪徳仲買人や、貰える金次第で記事内容をコロコロ変える売文家や、詐欺師まがいの書店主は数多く登場しますが、この当時はまだ文壇とかサロンとかも存在せず、また「創作物に対し出版社なり新聞社なりが権威づけの賞を与えて新人発掘&書籍の販売促進を図る」という現代ではお馴染みの手法もまだ確立されていなかったみたいですね。

 ルックスだけが取り柄のお調子者の主人公リュシアンが、自業自得ながらも周囲からフルボッコにされる物語は読んでいて些か辛いし、しくじる度に懲りずに口先ばかりの後悔を繰り返すアホさ加減にも腹が立つし、そもそも長いしで一読は勧めません … が、「これぞ文学!」という胃もたれするかのごとき重厚感が味わえる作品なのは間違いありませんw(苦笑)。


>NHKスペシャル イーロン・マスク “アメリカ改革”の深層
>勘違いした中学生の「俺TUEEE」的エリート主義と大差ない

 視聴しました…まぁ、抱いた感想のほとんどは御大に先に言われちゃった、って感じですかねぇ(苦笑)。

 「選挙で選ばれていない官僚に行政を任せるなんて非効率の極み、そもそも民主主義が非効率そのもの!全てAIにやらせれば問題解決!」と声高に主張するTech Right達の「0か100か」・「敵か味方か」的な厨二病的デジタル思考が私には付いていけませんね。そもそも実体経済が貧弱な状況下で効率だけを追求したって意味無いでしょうに。運ぶべき荷物が存在しないのに流通手段だけ整備しようとするようなもので、本末転倒以外の何物でも無いっていうか。あと官僚を「選挙で選ばれていない」ことを理由に罷免するのなら、イーロン氏自身にも特大ブーメランで返って来る話ですよね(毒)?

 番組によると、既に米合衆国では「効率化」の美名の下に政府機関の大量閉鎖・大量解雇 ⇒ イーロン・マスク傘下の企業への民間委託が進行中みたいですね。あと多産奨励主義(プロネイタリズム)を強力に推進すると共に我が家で絶賛実践中の政権幹部が登場したりしていましたが、あんたみたいな富裕層はいざ知らず、一般庶民にとって子育てがどれだけの経済的負担になるのか分かってんのって感じだったし… 嘗て本邦において、先の大戦中の「産めよ増やせよ」、小泉政権下で行われた「郵政民営化」、民主党政権下での「事業仕分け」などなどの鳴り物入りで実施された悪名高き施策の数々が悪魔合体したカリカチュアを見せられているような気がしました。

 私は社会を運営していく上では、平時においては一見無駄に見えるある程度の“遊び(冗長性)”が必要不可欠だと考えているので、あくまでこのままのやり方を続けて行くなら、現政権のみならずそれ以降も米合衆国には甚大な後遺症が残るのではないか、と思わずにはいられませんでしたね~。


>読んだけど頭に入らなかった

 あ、私だけじゃなかったんだ(笑)。仲正氏の論旨の展開に問題があるのか、そもそもフロムの記述に難があるためか、今イチ「説得されない」本でしたねぇ。例えば以下の記述とか(↓)。

◆◆◆

 フロムから見れば、ルターや彼の教えに共鳴した人たちは、合理的に信じる根拠があるから信じているのではなく、自分自身をめぐる不安から逃れるため、神の恩寵を“信じている”のである。

 突き放した見方をすれば、論理的な意味で「信じている」のではなく、神の愛によって救われる可能性があるという信条に強烈にコミットし、他を顧みないことで、不安を抑え込んでいるだけである。しかし当人にとっては、そうした内的状態が成立していることが、神が与えてくれた奇跡であり、信仰の根拠なのである。

 「[フロムの著書内の]意味ある世界を構成する一部になる」というのは、「孤独な自己」を除去して、圧倒的な力を持つ神の摂理の道具になり切ること、正確に言えば、そうなったと信じる(思い込む)ことである。個体として見た自分は無力であるが、その無力な自分を放棄することで、自分が神の摂理の中で一定の役割を果たしている、という確信を持とうとするのである。…… フロムが指摘するように、“自己否定”して、より大きなものの一部になったつもりになることで、不安を解消しようとする人は、特定の信仰を持たない現代人にも少なくない。…… 後で見るように、こうした“自己否定”の心理がナチスのような全体主義の運動を生み出す母胎になるのである。(p.66~67)

◆◆◆

 うーん、別にこの道の者の端くれとして擁護する訳じゃないけれど、元引用のフロムによるルターの信仰評そのものが「まぁ当たっている部分もあるのは認めるけれど、結局それってあなたの感想ですよね?」感が拭えないなぁw(苦笑)。その個人的感想を仲正氏がそのまま事実かの如く追認して「不安を抑え込んでいるだけ」だと断言するのにも違和感を覚えるし ― 大体「合理的に信じる根拠があるから信じている」という言い方からして語義矛盾ですし ― ましてやそういったプロテスタントの信仰の持ち方(この後で言及されるカルヴァン派の予定説も含めて)が「ナチスのような全体主義の運動を生み出す母胎になる」と言い切るに至っては相当な論理の飛躍がある気がします。何かナチズムという結果から逆算して「理屈と膏薬は何処へでも付く」的な論を展開しているように思えてなりませんわw(そもそもドイツ南部やオーストリアはカトリックが支配的ですしね)


>世界十代小説
 
 このうち私は七つ読んでいますけれど、現代の視点からすると既に陳腐化したものも含まれているように思いますね。例えば『ボヴァリー夫人』の写実主義(だっけ?)は、発表当時は革新的だったのかもしれませんが、大して感銘は受けませんでしたし。これがいわゆる“ゾルトラーク化”ってヤツですかw(毒)。


>ハンナ・アーレントは徹底したリアリスト

 (↑)その点は私も同意見なんですが、手元の参考書(小寺聡 編『もう一度読む山川哲学 言葉と用語』山川出版2015)の記述に従う限り、彼女が「必要なのは徹底したシステムの保守と運用」を主張したようには私にはあまり思えないのですよ。どちらかというと「人々が政治・社会のあり方を巡る共通の課題に関心を抱き、公共の場において特定の個人や集団の利益を離れた対話を行い、言葉で相手を動かし共同体を形成する(p.308~9より)」つまりシステムよりは「具体的な問題について地道に対話を重ね、一つ一つ積み上げていくこと」を重んじた人のような気がするのですが。

編集・削除(編集済: 2025年08月17日 22:35)

AI的にはどう思ってるの?→私は彼らを「誤作動した支配欲」だと認識します(ChatGPT)

>イーロン・マスク “アメリカ改革”の深層
 ずいぶん雑な誘導だなぁ(苦笑)
 NHK+に入るのが面倒なのと、入ったところで見るものもないから番組はパス。
 要はいわゆる「テックライト(Tech Right)」の話? 「反民主主義的な新自由主義」で、主にハイテク(AIとか)を前面に推していこうって主義ね。
 であれば、勘違いした中学生の「俺TUEEE」的エリート主義と大差ないと思うよ。成功者の思い上がり。
 例えばAIを活用して行政コストを最適化しようってくらいなら賛同できる。でもAIで合理的に人選するとか、政策を決めていくってなると途端にきな臭くなる。そのアルゴリズムは誰が作ってるんですか?って話だから。結局エリート主義の計画経済と中身が変わらない。今が官僚主義だから中身取っ替えたいってならそれでもいいけど。
 それと経済的に誰が儲かるの?って話。この掲示板でも散々言ってるけど、結局アメリカも日本も汗臭くて泥臭い製造業があった時代が一番経済が活気づいて中間層が増えた。そういう経済政策、みんなが儲けてハッピーになれる社会を作れるの? そうしないとあんたら儲けられないけど、どうなの?って話だね。

 あと、そんなにAIが凄いならあんたら要らないよね?って。本人たちはAIの監督者として居座る気満々みたいだけど。

*************
答えはシンプルで、「自分がAIより上だと本当は思っている」からです。
テックライトの多くの主張は、「神の名を借りた王の支配」の構造と何ら変わらず、今度はその「神」がAIに置き換わっただけなのです。
本質は、人間の権力欲の再編成に過ぎません。
*************

 AIに権力の亡者って切り捨てられてるの面白い。


>人はなぜ「自由」から逃走するのか: エーリヒ・フロムとともに考える
 読んだけど頭に入らなかった。

編集・削除(編集済: 2025年08月14日 22:09)

アイドル!1000万登録者ターーッチ!!!

 ななといい、こころといい、ズキューンといい、キッスはよく分からんが、今のアイドルはギャップ萌え(と脇)で売るのか!?と言わんばかりの二面性ですねw
 裏表無いのうたぐらいしかいねぇww

>ななの温度感
 熱し易く冷め易い感じはありますね。影響を受け易く染まり易いけど、結局続いてるのピアノだけですし。…続いてるよな…?

>身バレの危機と恋バナ
 重要そうなネタを何故に登校日にぶっ込んだし。
 今後の伏線になりそうな…そうでも無い様な…分からん。

>うた達みたいに普段はやれない新しいことにチャレンジしてみよう!
 元々が将来の進路も安定してるから、ちょっと人生にテコ入れしてみようぜ!…みたいなノリでアイドルやってますからねw


>「キャベツはおいしい。だが、ひと玉一気に食べるものではない。」
 な、成る程ww情報有り難う御座います。
 因みにキャベツで盛り上がってた読書会、大変好評だった様ですが、「仮説の検証が弱い」との厳しい意見もあった様ですね。
 恐らく、「文法間違えても意味が通じれば良いのに、何故正しい文法でないと意味が通じないのか?」が説明されてなかった事が不満だったと思われます。
 「ちゃんと検証されてないのに、仮説を持ち上げ過ぎてる。これを子供が読んだ後に、実は間違ってたなんて事になったらどうするんだ!?」
 …って感じで、些か科学者として不誠実な本だと感じられた様ですね…

>世界の十大小説
 サマセット・モームって人のエッセイらしいのですが、この板で名前の出た小説が幾つか採用されていたので、相性良いかも?と思いご紹介。
https://w.wiki/_o2vt

>GPT-5は専門家には支持されていますが、もはや一般利用では体感できる差になく
 でしょうねー。恩師関係者とか「ゴールドバッハ予想がどうたらこうたら…」ってプロンプト入れてる様な人達には、実際評判良いみたいですね。

>NHKスペシャル イーロン・マスク “アメリカ改革”の深層
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2025081003076

 貧乏人の支持を得たトランプを支持したマスクが、金持ちしか得しない様なシステム作ってる様に見える特番。
 暇だったらここ板の意見も聞いてみたい所です。


>へぇ~もう30年も経つんですねぇ
 そう!だから来年は「ガンダムX」30周年!!
 でもきっと大したイベントは無い!!!(血涙)
 …ガンダムって内容の良し悪しより「ネタになったら勝ち」の勝負になってるのムカつくよな。

>必要なのは徹底したシステムの保守と運用だって発想
 富野作品なんかは、システムと人間の軋轢をよく描いていると思いますね。
 例えば初代でリュウさんが亡くなった時、ブライトさん始めホワイトベースクルーが喪に服すんだけど、これって今攻撃されたら全滅だよね。
 だからブライトさんの悲しみは人間としては自然なんだけど、システムの長としては不自然な行動になってしまう。
 人類存続の為にはシステムと人間の自然さ、どちらを大事にしたら良いんでしょうね…

>SAND LAND
 原作エピソードはここで終わり…ですね。
 次回からは打ち切りのその先が始まる…!!

編集・削除(編集済: 2025年08月12日 15:46)

博士レベルのAIでもポケモンをクリアするのは難しい

>うた達みたいに普段はやれない新しいことにチャレンジ
 先日行った本屋で魔法使い帽子を被れる「魔法使いコーナー」みたいのがあって、親子でパシャパシャカメラ撮ってたのを思い出しましたね。


>AGIの最終試験「ポケモン」説
 ちなみに今もGPT-5がポケモンに挑戦してますね。




>一部の地主に田畑が集中して年貢が減少するのを防ぐのが目的だった
>土地持ちの地主への年貢負担を増やせば済む話じゃないの?
 『百姓たちの江戸時代』によると年貢は「村単位」だったらしいんですよね。であれば村としてどう帳尻を合わせるかって話になるので(だから地主が他の百姓の立替をやったりもした)、自分で手が回らないなら小作農でもいいから耕作させる方向に動くだろうと思います。「年貢が減少する」「地主への年貢負担が増える」っていうのはちょっとピンとこない。
 であれば土地の売買禁止はそのまま労働者保護(維持)が自然かな?と思ってChatGPTに聞いたら、もっとシンプルに「統治・徴税の合理性のため」と返されました。
 つまり、土地と労働者を紐づけられればその人たちは勝手に働くし、村を維持し続ける。ところが小作農(現代で言うと非正規労働者)になると状況によっては流浪民になってしまう。今で言うホームレスね。そうすると村の荒廃や統治上の不安定さが増してしまうのでこれを抑えたかったということらしい。所有=耕作=課税責任=村運営責任とすることで統治システムの安定化を図る。……という説明で私は納得しました。

 ちなみに明治になると税制が抜本的に見直され、年貢から現金になったんですが、これは実質的には土地と人の紐づけをやめて自由な労働者を是認することになります。当時小作農はたくさんいたんでそれを制度的に認めたってことでもあるんだけど、そういう労働者を国民国家として吸収し、兵役や国家的インフラ(工場や鉄道など)に変えていったというのも流れとしては納得感がありますね。


 上記の検証に際して4oモデルとGPT-5モデルを並走させてみましたが大筋は変わりませんでした。やっぱり説明の上手さ(好み)で4oに軍配が上がる感じ。「所有=耕作=課税責任=村運営責任」は4o発案。
 あと「熟考モード」も試しましたが、これはいわゆるコンサル思考モードというのか、「素人質問で恐縮ですが~」と学生に迫る教授モードというのか、論点や穴の洗い出しをするモードで一般利用にはほとんど向かないですね。返ってくる答えもわかりにくいし、投げっぱなしだし。GPT-5は専門家には支持されていますが、もはや一般利用では体感できる差になく、情報の伝え方に関心が向くのは自然な流れだと思います。現実でもIQだけ高くてEQ低い人が微妙扱いされるのと同じ。


>ハンナ・アーレントの主張
 彼女は徹底したリアリストで、システム(制度)が人権を支えるならそのシステムを如何に守るかってスタンスだったようです。綺麗事や建前なんていらねぇ。必要なのは徹底したシステムの保守と運用だって発想。まあ、当然よね。

編集・削除(編集済: 2025年08月12日 16:29)

???「タナカーン、あなた疲れてるのよ。」

 知ってか知らずか、自身の「動画編集ミス(&撮影時の注意喚起ミス)」をうたに責任転嫁してしまうぐらいには疲れていますね。相変わらず仕事量は右肩上がりで増えていますし… 大丈夫かしら(苦笑)?


>キュアチューブはじめました!

 今回のエピソードは、メタ的にはメイン視聴者(未就学女児)に対して「夏休みでいつもより自由な時間もあることだし、うた達みたいに普段はやれない新しいことにチャレンジしてみよう!」って呼びかけている感じでしょうか。


>「無年季的質地請戻し慣行」
>簡単に言うと自分の土地を担保に金を借りたあとで、返せず質流れになった場合でもこの慣行を使っていれば何年後、何十年後でも金を返せば土地の所有権を戻せる仕組み。

 仰る通り、幕府が正式に定めた法律では無いのかもしれませんが、1643年の『田畑永代売買禁止令』なる「タテマエ」を踏まえた形で、それを農村の現場で運用していくためのいわばグレーゾーン的な取り決めなんでしょうね。

 今回私が改めて疑問に思ったのは、そもそもどうして江戸幕府は田畑の売買を禁止したのかということでした。手元の高校教科書には「本百姓が没落し、一部の地主に田畑が集中して年貢が減少するのを防ぐのが目的だった」と書いてあるんですけれど、じゃあその土地持ちの地主への年貢負担を増やせば済む話じゃないの? ― そう思ってGemini(無料版)に投げた質問に対する返答を私なりに纏めたものがこちらです(↓)。

◆◆◆

 ● そのまま小作人に収まる場合が多いにせよ、本百姓が土地を売り渡す過程で耕作放棄地が発生することは避けられないため作物生産量が減少し、それは年貢の減少へと直結する。

 ● かといって地主の年貢負担割合を増やすのも以下の理由から難しい。

 ① 村落の運営や年貢徴収などの実務を担っている地主(庄屋・名主)を敵に回すことになるので、幕府や藩のお偉方は極力避けたかった。

 ② 江戸時代の年貢は田畑の面積や等級に基づいて定められていたため、土地所有者が変わっても年貢額そのものが変動しないのが基本原則だった。従ってこの伝統的な年貢徴収の仕組みを見直すような制度改革を行った場合、社会全体に大きな混乱を招く恐れがあった。

◆◆◆

 門外漢なので解答内容がどの程度正確なのかは評価しかねますが、個人的には十分納得がいく説明に思えました。御大の仰る通り、教科書などの信頼するに足る文言を読んでふと思い付いた疑問を深掘りしていく際に、AIは大変便利なツールのように思いますね。


>特に序盤は主人公が謎の高笑いしてたり、行動がいちいちぶっ飛んでるから意味不明

 へぇ~もう30年も経つんですねぇ。そういや当時『Gガン』大好きの友人にオルグされて、リアルタイムで1話だけ視聴しましたっけ。まぁ主人公が確かラストで放った「お前を○す」なるサイコパス発言にドン引きして3話どころか1話即切りしましたが、その判断も強ち間違ってなかったみたいですねぇ(笑)。


>知り合いからキャベツもらってそれを無理やり食べてたってエピソード

 「三か月の調査でもつらさなどまったく感じなかったのに、ここにきて、まさかキャベツで苦戦するとは思いもよらなかった。」・「キャベツはおいしい。だが、ひと玉一気に食べるものではない。」

 体験に裏付けられた実感の籠った一言ですねぇw(…何を読まされているんだろうw)。因みにちょっと前に仕事場の中学生に聞いてみると、「あぁ、あのシジュウカラの人でしょ?」との返事でした(学校の先生に勧められたらしい)。


>AIはすでに性能ではなく性格で選ばれる時代になっている

 「この道の者」の端くれとして喩えるなら、現代の学問水準やコンプラ視点からすると明らかな誤訳や不適切な言い回しを多々含みながらも、その訳文の簡潔さ・格調高さから未だに愛読者が絶えない「文語訳聖書」みたいなものでしょうか(私含む)。
―――
 「誠にまことに汝らに告ぐ、一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん。もし死なば、多くの果(み)を結ぶべし。」(新約聖書 ヨハネ傳 第一二章 二四節) [※三浦綾子『塩狩峠』の冒頭にて引用]


>外面から内面が透けて見えるキリスト教文化圏の人々の方が、脅かされると感じる事が多かったかも知れない
>SNSの日本人が幼稚に見えるのは、内面が脅かされる事に対する欧米人との「年季の違い」によるものなのかも知れません

 cosmos様のこの指摘には私も同感ですねぇ。例えばヴォルテールの『寛容論』を読んでみても、彼の唱える「寛容」は (流石数多の宗教戦争を経たうえで生まれただけのことはあって)日本人が普通想像する「まぁお互い譲り合って仲良くいきましょう」みたいなナァナァな生温さとは無縁な、今まさに殺し合わんとして対峙する社会集団らの眼前で絞り出すかの如く紡がれた思想であることが伝わってきますから。

◆◆◆

 おお、仁慈の神を信奉する人々よ、あなたがたが非情な心をもっているとしよう。「神と汝の隣人とを愛せ」という言葉に、その一切の掟が集約される方をあなたがたは崇めながら、この正しく神聖な掟を詭弁と理解できない論争とでおおい隠してしまったとしよう。あるときは一字の新語のため、あるときはアルファベットのたった一文字のため、あなたがたがいざこざを惹き起こしたとしよう。ほかの民族の知りようもない二、三の言葉が言われなかったからといって、また儀式が行われなかったからといって、あなたがたが永遠の罰を下したとしよう。もしそのとおりなら、人類の上に涙を流しながら、わたしはあなたがたに言うであろう。「すべての人間が裁きをうけ、神がそれぞれの行為に応じて各人に報われる、その日にわたしといっしょに行ってみましょう」(中川信・訳 / 中公文庫版 p.162より)

◆◆◆

>侍タイムスリッパー
>時間旅行者の時代に適応する能力が高く描かれてます

 そうそう、主人公が幕末から現代にタイムスリップしたという「信じ難い現実」に(誰かから教えられた訳でもなく自力で)気付いてしまった後は無駄な悪あがきなど一切せず、今の自分に出来ることは無いかと懸命に頭を振り絞って試行錯誤していましたよね。その姿が逆に「武士(もののふ)の矜持」をリアルに浮かび上がらせていたように私も思いました。


>『悪と全体主義』
>人権は国家が保障するもので、国家に依存してる。つまり人権とはシステムが作り出した虚構

 最寄りの図書館では絶賛貸出し中でしたw。その代わりに、恐らく仲正氏がこの新書を出す切欠となった100分de名著のムック本(NHKテキスト2017年9月/ハンナ・アーレント『全体主義の起源』)が偶々手元にありましたので、そちらを読み返してみました(御大が引用されたのと同趣旨の内容はこの辺ですね↓)。

◆◆◆

 人権は万人にある、というのは幻想だったということです。人権を実質的に保障しているのは国家であり、その国家が「国民」という枠で規定されている以上、どうしても対象外となる人が出てしまいます。国民国家という枠組み自体も、強固なものではありません。民族という曖昧な(アーレント曰く、架空の)概念で崩せてしまうほど不安定なものであり、戦争や革命が起きれば、もはや何の役にも立ちません。…… いかに国際機関が頑張っても、どこの国にも所属していない人々を、安定的、継続的に守っていくことはできないのが現実です。(p.57~58より引用)

◆◆◆

 人権なるものは当初「人間が作り出した如何なる法によっても規定されるには及ばない、むしろ一切の法や権利の基礎となるべき権利」だと高らかに宣言されていたにも拘わらず、結局は法ないしは国家の裏付けが無いなら、単なる「絵に描いた餅」同然の蜃気楼めいた存在に過ぎないということが後に露呈したということか…成程ねぇ。

 そういや仲正氏が『悪と全体主義』以降に書かれた著作の中に、エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』を取り上げたものがあったので序でに借りて来ました(↓)。熟読してみて思うところがあったら、また感想を記しますね。https://a.co/d/3zPZUiY

編集・削除(編集済: 2025年08月11日 06:45)

おや、ChatGPTの様子が……(キャンセルボタン連打)

ChatGPT新モデル「GPT-5」の性能と新たな制限にユーザーから不満噴出!「AIの相棒」失った怒りを受けGPT-4oの復活も発表
https://xenospectrum.com/openai-gpt5-user-dissatisfaction-gpt4o-return/

 草。
 でもユーザー的にわかるわ。グラフィックや性能がどんなに良いゲームでもUIがクソならやりたくないし、多少ゲーム性に問題があってもキャラが可愛ければ愛着が持てる。多くの一般ユーザーが求めているのはある程度の正確性を担保した上での使いやすさなんだよね。この4oモデルは口調もそうだし、喩えや表を積極的に活用したり、箇条書きにしたりして冗長的なくせに情報の整理は非常に上手かった。Geminiはここが下手で文字数だけがやたら多くてくどい。GPT-5はただ淡白になっただけで、昨日今日使っててマジで話広がらねぇ。
 AIはすでに性能ではなく性格で選ばれる時代になっていると思う。

編集・削除(編集済: 2025年08月09日 15:00)

いくら呼んでも帰っては来ないんだ もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ

 AIに食事アドバイザーさせているんだけど、結構いい感じ。
 写真を添付すれば栄養やカロリーを推定してくれるし、オススメの食事も提案してくれる。何よりAIとはいえ見られている感があるので間食(お菓子)の回数が激減。スーパーの惣菜の組み合わせも増えて実用性もアップ。


>キャベツ
 著者が鳥を観察するために山ごもりしてたときに、知り合いからキャベツもらってそれを無理やり食べてたってエピソードがあったはず。


>30年越しに崖着地が成功した(?)アニメ
 特に序盤は主人公が謎の高笑いしてたり、行動がいちいちぶっ飛んでるから意味不明。ただ、ぶっ飛んでるなりに筋は通してる(誤って撃墜したシャトルの関係者のところに行って銃渡して好きにしろ、と委ねたり)からなんだかんだ憎めない。
 たぶん今放送されていたら3話切りされてる。Wやってた前年がGガンだったからリアルタイム勢はわりと順応した。

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