上長からの教育的指導も粛清も一切無いっていうのが、過去シリーズの敵組織ではお目に掛かれなかった優しさでしょうか…まぁ単なる監督不行き届きでしょうけれど(笑)。
>チョッキリ団抜けるよりプリキュア見たさに襲撃って思考パターンになるか?
その思考回路って、推し(=恋人)逢いたさに自宅に放火した八百屋お七そっくりですねw(笑)。
>AI
>相談や雑談相手として使う用途もあるようで「(全肯定してくれるので)癒やされる」という声は聞きます
愛玩動物とのやり取り同様、他の人間が介在しないコミュニケーションだけに安心して使えるのかもしれないですね。『かぐや様』の伊井野ミコが声優のイケメンボイスに癒されているエピソードを思い出しました(笑)。
>これを踏まえると、本当に親切心や友情でパーティーを開いたんじゃないかと思えますね
どこかしら浪花節的な趣を感じますね。映画は未見ですが、私も同感です。毀誉褒貶の激しい人物ではありますが、兎にも角にも大統領に再選されるだけの支持を米国民から広く集めた訳ですから人間的魅力が無い筈がない。この辺りトランプ大統領は私にはふた昔ほど前の、義理堅く情に脆い本邦の党人派議員らに重なって見えますね(田中角栄とか大野伴睦あたり)。
しかし(昔話とは言え)自国の指導者を主人公に据えたエンタメ作品が現在進行形で作られてしまうっていうのは、正直本邦には無い文化ですよねぇ…。今の日本で岸田文雄や安倍晋三が主役の映画が撮れるかといったら、間違いなく忖度塗れで制作側が身動き取れなくなるでしょうし、そもそも世間にそこまでのニーズがあるとも思えませんしね。
>身をやつす
広辞苑によると「(人目につかないように)みすぼらしい恰好をする」の意なので、「身を落とす」・「身を沈める」とかの方が良いかなぁと思います(←余計なお節介w)。
>今週の(読みかけの)読書
『基軸通貨』に引き続き、EUの内実を深堀りしたくなって読んでみました(↓)。
●ヤニス・バルファキス『黒い匣 (はこ) 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命 ― 元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層』明石書店2019
https://amzn.asia/d/jkcRe0D
政治経験皆無の経済学者が何やかんやで財務大臣に就任し、ギリシャ経済立て直しのためEUの頑迷固陋なお偉方らと丁々発止の交渉を繰り広げ、健闘むなしく敗北し大臣職を辞するまでの182日間の壮絶かつ克明な記録です。本書では一貫して2009年に発覚したギリシャ金融危機の対策としてEUが設けた「金融支援プログラム」なるもののデタラメさ加減がこれでもかとばかりに告発されていて、これが仮にも大国のトップエリートと呼ばれる人達の所業なのかと、何ともやり切れない気持ちになりました(原題は「アダルツ・イン・ザ・ルーム(部屋の中の大人たち)」ですが、これは「オトナなのはガワだけw」だと揶揄する著者の痛烈な皮肉ですねw)。
…とはいぇ、流石に584ページは長いのでまだ全部は読めていません(漸く半分を超えたところ)。まぁ事の顛末は著者も既に序文でネタばらししているので、概略はほぼ摑めました(↓)。
◆◆◆
日本とギリシャはまったく違う。どちらも古代からの文明を誇る国だが、ギリシャはずっとまわりの国々に対して貿易赤字を抱えていたのに対し、日本は世界的にみても貿易黒字のサラブレッドだ。また、日本は19世紀には工業化を始めていたが、未だにギリシャは相対的に低開発の状態だ。そして何よりも、日本では四半世紀にわたる不況から脱却すべく、中央銀行が(1999年のゼロ金利政策や2001年の量的緩和政策のように)非伝統的な金融緩和政策を世界に先駆けて実施してきたのに対して、ギリシャにはそもそも自前の中央銀行がなく、貨幣供給を欧州中央銀行(ECB)に依存しており、自前の財政政策を策定する権限も著しく制約されているのだ。……
1929年の世界恐慌の直後という時期に、日本政府は金本位制への復帰を断行した。日本の通貨と、金(きん)や外国通貨との交換比率を固定したのだ。設備投資が急減し、国内で生産される財(モノやサービス)への需要が崩壊したときに、こうした固定為替相場を維持するための唯一の方法は、いわゆる「対内切り下げ」や「緊縮策」と呼ばれる政策を発動することだ。外国の労働や財に対する競争力を高めるために、通貨価値を下落させるのではなく、国内の賃金や物価を引き下げることだ。
しかし緊縮策には二つの問題がある。一つ目は、賃金は必ず物価よりも早く下落するので、終わりなき不況のスパイラルが引き起こされることだ。そして二つ目は、債務(!)という金融変数が、賃金や物価と同じぐらいには速く低下しないことだ。金額の変わらぬ債務を返済する原資となる所得が急減し、他方で負債が膨張して企業の破産が急増した。日本の国民所得が1931年までに2割も縮小したのは、そのためだった。
2010年のギリシャを、まったく同じ現象が襲った。私たちの世代にとっての世界恐慌が、すなわち2008年の米国発の金融危機が起こったとき、私の祖国はユーロという名の現代版金本位制を採用していた。1929年当時の日本政府と同様に、欧州連合の支配層も対内切り下げによって、すなわち緊縮策によって、ギリシャをユーロ圏内に留めようとした。賃金は4割以上も低下したが、物価はそれと同じようには下がらず、債務はまったく減らなかった。こうしてその後の4年間に、企業の破産が蔓延し、国民所得は25%以上も下落し、ギリシャは深い傷を負った。日本と違って、ギリシャの惨事は金融危機から10年も続いており、未だに猛威をふるっているのだ。
日本では、緊縮策によって金本位制を維持しようという破滅的な過ちは、世界恐慌から2年後の1931年末に放棄された。1933年までには力強い経済成長が復活したのだ。しかしギリシャの状況はまったく異なる。ここ数年、日本を含む世界中にギリシャ経済の復活を伝えるニュースが拡散されてきたが、それらは正しくない。私がこの段落を書いている現在でも、共通通貨ユーロの欠陥構造はそのままで、永遠に緊縮策を続けようという愚かしい政策が続いているからだ。その結果、本当の経済回復は訪れず、人道上の危機は続き、若い男女が大挙してギリシャを脱出しているのだ。(本書p.6~p.9 日本語版への序文より抜粋)
◆◆◆
ここまでの読書からは:
① EUなるものは、自国の債務は全て弱小加盟国&社会的弱者らに無理矢理にでも肩代わりさせるドイツ一強の組織体に過ぎないこと(あのフランスですら逆らい得ない)。
② 民主主義手続きを経て合法的に選出された著者らによる「ギリシャ国民の民意を反映した、至極真っ当な異議申し立て」も、結局は“力の論理”によって、つまり選挙の洗礼を受けていない一部のテクノクラート(技術官僚)らによって粉みじんに粉砕されてしまうこと。
③ 日本のように「金融政策におけるフリーハンドを担保する自国通貨が存在すること」それ自体が、そうでない国にとっては羨望の的となり得るものであること。
などが印象に残りました。
著者のバルファキスなる人物も中々に面白い人ですね。スキンヘッドに革ジャンを着てバイクを乗り回すなど、格闘家(かその筋の危ない人)に見紛うほどのワイルドなビジュアル全開の一方で、ホメロスの詞やゲーテの『ファウスト』、哲学者ルソーの寓話などからの自在な引用などからは、如何にもヨーロッパの知識人らしい人文学的教養の豊かさが伝わってきます(上で引用した日本語版序文でも、本邦における戦前最大最悪の景気後退だった昭和恐慌(1930~31)について極めて正確に叙述されていること一つを取ってみても、大変な勉強家であることが窺えます)。
読み切るのが何時になるかは分かりませんが(来週日曜日は出勤だしなぁ…)、また思う所があれば追加コメントしますね。
>母の日エピソード
私はスマイルのエピソードが印象に残ってますね。みゆきが色々頑張るんだけど上手く行かない。けど母親はそれを暖かく見守る。そういう関係性が一番大事なんだとわかる話。
>AIのまとめ記事
対象とする情報が多いと上手くまとめてくれます。逆に限られた情報しかないと参照元の影響が強くなったり、スカスカになったり、ツギハギになったり。今のところツールとしては便利だけど、それを使う人のリテラシーを前提としているって感じ。結局使う人が賢くないと聞けないし、深堀りもできないからね。
あとは相談や雑談相手として使う用途もあるようで「(全肯定してくれるので)癒やされる」という声は聞きます。そのうちAIカウンセリング的な技法が開発されるんじゃないでしょうか。
>トランプの庇護下で、ロイ・コーンは永眠した
映画はトランプの独善さを強調したかったんだろうけど、現実はもう少し複雑で面白い。
>土田陽介『基軸通貨 ― ドルと円のゆくえを問いなおす』
ドル離れについてはYouTubeで経済ネタを発信しているチャンネルで情報を得ていたけど、やはり本書の内容の方が多視点的で充実してますね。
ロシアはウクライナ侵攻を機に中国人民元決済(貿易相手がそれしかない)が増えて人民元化している。BRICSも元々経済基盤が弱く、各々の国の文化的・経済的背景が全く異なりパワーバランスもあるのでドル離れは難しい。国民がすでにドル化(自国通貨を信用していないのでドルを持ってる)している場合はなおさら困難。と国力、国民の信頼双方に言及があるのは参考になる。
国家レベルのデジタル通貨にしても民間銀行などへの悪影響(デジタル通貨は原理的に中銀が管理するので資金が引き上げられてしまう)、国民のプライバシー、不正利用、管理コスト、システムが使えない場合は結局現物通貨が必要になるなど実現化への道のりは険しい。特に基軸通貨たるドルでそれをやるのはドルそのものの信頼を毀損しかねないのでアメリカも及び腰。
しばらくは現状維持が続くだろうけど、現状把握の意味でも知識のアップデートができました。
>カナダ人
おかげで無駄にプライドが高い奴らってイメージになってるw
>外堀と内堀を埋められていくマチュさん
モラトリアムは平和で退屈な日常だから許される贅沢なんやで(にっこり)
MS・MA大集合! 優勝者は今をときめくイケおじシャリア・ブルと戦える権利がもらえるよ。
>りりさのお嬢様プレイ
母親に忖度してるから多少はね。ロックに寄せるとお嬢様要素が薄くなって、お嬢様に寄せるとロックが薄くなるなw
恐らく片親などの家庭に配慮しているのでしょうが、やると決めたら母も娘も父も、酸いも甘いも全部乗せで徹底的にやるんだから東堂いづみはヤヴァイ。
少なくともこころには、もう家族回は来ないかも知れませんね。作品テーマ的にも家族に割けるリソースは少なそうですし。
>突破口を開くためか突撃するキュンキュン
今回のこころ、いつもより知能が下がってる様に見えましたね。
感情的になってるのも加えて、頭使い過ぎてフリーズしかかってんのかな…って思いました。
お陰でななの言動が理路整然としてて、(ポジション的には当然なんだけど)意外に見えましたねw
>こっちが手を焼いていると調子に乗り始めるザックリー
幹部がモンスターに檄を飛ばすのは応援に入るのでしょうか…?
幹部、秒でプリキュアに感化されてましたし、思想的な対立も今の所見えませんし。妖精と幹部の応援合戦の様相を呈して来そうな気がしてるんですよね。
だとしたら、プリキュアとチョッキリ団の差別化は何処でなされるのか?(プリキュアがどうやって勝つのか?)も見所になりそうな気がします。
>「暴露反応妨害法(ERP)」
>失敗が怖くて逃げるのが問題なら失敗しろ的な
強迫症の気がある自分にも心当たりがありますね。
文章を敢えて読み間違えたり読み飛ばしたりした後の方がスラスラ読めたり。ゲームも敢えて攻略情報を見ない方がモチベーションを維持できたり。
…結局読み直したりするんですけどね(苦笑)。
>ロイ・コーン
>病気の進行と、それまでの悪名からだんだんと身をやつしていく
ここまでなら「人道にもとる戦略は、若さと健康に依存してる時点で上手くない」といつもの正論に辿り着いたのですが…
>トランプの庇護下で、ロイ・コーンは永眠した
これが結構な揺さぶりを掛けてきますねw
味方に優しかったのは、自身の将来の衰えを見越していたのかも知れない。
人間が怖くて嫌いな自分にはできない人生戦略ですね。ある意味「人間」という存在を信じていないと迎えられない結末だと思います。
僕なら人間よりシステムの方を信じます。
>証券口座のセキュリティ対策
>来月6月1日から二段階認証が義務付けられた
自分とこもそれくらいの時期に義務化されるみたいですね。その前に推奨されたのでやっときましたが。
注意喚起もフィッシングについてだけでした。フィッシングしか確認されていないからだそうですが…
後はデフォルトで取引回数に制限が付いている…らしいです。
>「金持ちの独身男性の心を射止めるため…」には当然の所作だったのでしょうけれど、
>今や超名門校を名乗る学園ファンタジー作品の一要素と化してしまいましたね
同感です。
「お嬢様らしさ」を追求しているのは「元庶民」の主人公だけで、他はそこまで気にしてない様に見えますね。周囲と自分の中の惰性でお嬢様やってる感じ。
主人公のりりさの場合、「お嬢様」って目標を目指している(逃避している)方が安定するってのもあるのでしょうが。
>エグザベ君
>記憶力高くありません
そういう慎重過ぎる所が、所謂オールドタイプ的な鈍臭さとして描かれてるんでしょうね。
死亡フラグ乱立してて、今日はネットが騒がしいな…w
マチュと母親の擦れ違いに「もっと上手くやれよ」って声が散見されますが、描いているのは「人間関係どうやったって拗れる時は拗れる」って事だと思いますね。
回避不可能なトラブルなんだから、拗れた後の事を考えるべきなんだよなぁ…賽は投げられたのだから。
>パヤオ氏独自の解釈を延々と観させられる
解釈っつーか世界観は前述の通り「不思議の国のアリス」チックですね。
因みに影響を受けた本として「失われた者たちの物語」がクレジットされていました。
…もう何が原作か分かんねぇな…w
>アポカリプスホテル
ロボットが「ホテル」っていう「人の営み」を経営するって、やや座りが悪い気がして来てましたが、ウィスキー造りは中々良い落とし所だった気がしますね。
やっぱり『ハートキャッチ』14話のななみ回を思い出しますね。物故されているかご存命かの違いこそあれ、どちらも記念日に相応しく母親にスポットの当たった良回でした。
>自分が伝える側でありつつも伝えられる側である構図
キュアアイドルなんだけれどキュアエール要素もあるっていうのに欲張りセット感がありますね(笑)。
>今週の読書
●土田 陽介『基軸通貨 ― ドルと円のゆくえを問いなおす』筑摩書房2024
https://amzn.asia/d/18nNYBp
◆◆◆
基軸通貨(キーカレンシー)とは、国際通貨または決済通貨(ハードカレンシー)の一種だが、うち世界で最も利用されている国際通貨こそが基軸通貨である。そして基軸通貨の条件は、
① その通貨を発行する国が圧倒的な国力を持つこと、
② その通貨を発行する国が高度な金融市場を有していること、
③ その国の通貨の交換量が突出して多いこと
に集約される。(本書p.18より)
◆◆◆
経済に詳しくなくても、そりゃまぁ当たり前の話だよなぁという論点から初めて、結果的に普段の生活で何となく覚える様々な疑問に的確に答えていく巧みな話運びには驚かされました。
著者によると第二次大戦以降、上記の基軸通貨と呼び得る三つの条件全てを備えているのは米ドルだけで、不安要素はあるけれどもこの地位はここ暫くの間(少なくとも2030年まで)は揺らぐことが無いだろう、とのことでしたね。ソ連崩壊前のルーヴルにせよ、バブル期の円にせよ、現在のユーロや人民元にせよ、いずれかの条件を甚だしく欠いている(欠いていた)ため米ドルの後継にはなり得ない(なり得なかった)、ということのようです(以下、思い付くままにへぇ~と思った箇所を列挙しますね(↓))。
・ウクライナ侵攻を契機として、ロシアでは急速なドル離れと人民元化(=中国経済への隷属)が起こりつつある(ロシアの外貨準備の過半が人民元。そして人民元は中国との貿易の決済でしか使用出来ない)。
・先日私が言及したブロック経済の可能性について論じていると思われる箇所も登場。脱ドル化を目指してBRICS内では共通通貨構想も出ているみたいですが、文化背景が似ているEUですら足並みが揃っていない現状からもお察しの通り、今のところ具体的進展はなさそう。
・国内の経済取引の主導権を自国に取り戻す、いわゆる「脱ドル化」の試みとして、国家規模で暗号資産(仮想通貨)を用いた事例もあったが、いずれも失敗(例:エルサルバドルのビットコイン・ベネズエラの暗号資産ペトロ)。唯一脱ドル化に成功した事例はメキシコで、上記のように基軸通貨変更といった「一発逆転」では無く、健全なマクロ経済運営を愚直かつ地道に行い続けたことによるもの。
・例の黒田総裁時の「異次元緩和」と呼ばれたゼロ金利・マイナス金利政策の後遺症で、日本の公的債務残高(ほぼほぼ国債費)が対GDP比250%強にまで膨れ上がっている。ここ数年米ドルはインフレ対策のため金利引き上げに動いているが、日本は金利上昇に極めて及び腰。結果日本円が売られ円安ドル高が進み、輸入品の値段が上がり物価が上がり続けているのはご承知の通り。
・じゃあ日本も米国に対抗するために金利を上げればいいのでは?→ それをすると国債償還に伴う支払額も増加するため財政が更に不健全化する&日本が長年のゼロ金利政策に慣れ過ぎてちょっと金利を挙げただけで経済活動に大打撃となる(企業が事業拡大に消極的になる・個人消費が冷え込むetc.)。要するに公的債務が大き過ぎて、米国の「自国ファーストな」マクロ経済運営に対する十分な対抗処置が取れなくなっている。
・しかし米ドルも盤石ではない。現に2023年の米国の財政赤字は、プラザ合意を成立させた1980年代の時期よりも悪い。公的債務残高も(日本ほどでは無いにしても)GDPの120%にまで膨張(2020年以降)していることに加え、将来的な人口減少による経済成長鈍化への懸念、そしてトランプ政権下での同盟国すらも経済制裁の対象とするスタンスから生まれる対米不信などが、米ドルを現在の基軸通貨の地位から追い落とす可能性は十分ある。
◆◆◆
本書は、基軸通貨としての米ドルの位置づけを問い直すことをその狙いとするものだ。それと同時に、新興国を中心に進んでいるドル離れや脱ドル化と呼ばれる現象に対して、独自の評価を与えることを目標としている。…… 本書での検討を要約すると、米ドルは当面の間は、基軸通貨として機能し続けることになる。米ドル以外に、基軸通貨としての条件を満たす国際通貨が存在しないためだ。とはいえ、その条件が満たされなくなれば、米ドルの基軸通貨としての位置づけは揺らぐことになる。とりわけ、今後も米国のマクロ経済運営の健全化が進まなければ、米ドルの基軸通貨としての位置づけは低下を余儀なくされるだろう。
他方で、米ドルが基軸通貨であり続けようと、あるいは新たな基軸通貨が生まれようと、日本を含めた圧倒的多数の国は、基軸通貨を発行する国に対して受け身の存在である。そうした圧倒的多数の国は、基軸通貨を発行する覇権国を頂点とする世界経済体制に組み込まれ続ける。そして、基軸通貨を発行する覇権国の存在を念頭に、健全なマクロ経済運営に努めることができる経済だけが、為替レートを安定させることができるのである。果たして、日本にそれが可能だろうか?(本書 p.214 終章 基軸通貨と日本円 より引用)
◆◆◆
この種の本にしては門外漢への敷居が低く、著者の主張が明確で分かり易かったですね。出版年もつい半年前ですし、久し振りに当たりを引いた読書でした。おススメです!
>大抵の陰謀論は主語がデカすぎる。それは人間を神格化するのに等しい
(↑)AIも進歩したものですねぇ。上手く纏めるなぁ(笑)。
陰謀論に関しては2024年3月4日 18:17分の拙投稿にて、日本中世史がご専門の呉座勇一氏の文章から引用したことを思い出しました。AIの指摘とほぼ同様の内容ですが、以下加筆・修正を加えて再掲しますね(↓)。
◆◆◆
……では、そもそも陰謀論とは何だろうか。
もともと「陰謀論」という言葉は新語なので、明確な定義はない。本書では「特定の個人ないし組織があらかじめ仕組んだ筋書き通りに歴史が進行したという考え方」と定義しておく。言い換えるなら、「陰謀の発案者は100%完璧に未来を見通すことができる完全無欠の天才(超能力者?)である」という発想が陰謀論の根底にある。
南京虐殺事件の犠牲者数の検証などの昭和史研究で著名な秦郁彦氏によれば、陰謀論は以下の特徴を有するという。
①「因果関係の単純明快すぎる説明」:ある出来事が起こった時、実際には複数の要因があるのに、一要因に単純化して説明する(例:対日最後通牒であるハル・ノートの起草者はソ連のスパイだった説)。
②「論理の飛躍」:状況証拠しかないのに、自分の思いだけで「きっとこうするだろう」、「こうであったにちがいない」など憶測や想像で話を作っていく(例:ロシア革命を画策したのはユダヤ人だった説)。
③「結果から逆行して原因を引きだす」:「事件によって最大の利益を得た者が真犯人である」というテクニックは陰謀の犯人を捜す上でそれなりに有効である。だが、やり過ぎると珍妙な陰謀論になる。…… 後世の人間は結果を知っているから、「勝者は明確な目標を設定しており、その目標を実現するために全てを計算しており、事前に立てた作戦通りに行動していたにちがいない!」と考えがちである。……しかし、当時を生きていた人は未来を知らないので、試行錯誤するのが普通である(例:日中戦争は日本と蒋介石を争わせるために中国共産党が仕組んだ説)。 (呉座勇一『陰謀の日本中世史』p,308~314より抜粋引用)。
◆◆◆
あと呉座氏は続けて「どうして陰謀論は無くならないのか」についても述べていますので、その部分も引用しますね(↓尤もAIならもっと上手く纏めるかもしれませんがw)。
◆◆◆
陰謀論者は挙証責任を批判者側に転嫁することが多い。分かりやすい例を挙げると、UFOはいるという人間が、いないという人間に対して「UFOが存在しないということを証明せよ!」と迫るのである。俗にいう「悪魔の証明」である。陰謀論が100%成り立たないことを証明するのは非常に困難なため、陰謀論はしぶとく生き残る。…… 歴史家は限られた現存資料を通じてしか過去に接近することができない。そして当然のことながら、残されている史料より失われた資料の方が遥かに多い。よって、どんなに綿密に構築された歴史学説にも弱点はある。その弱点を突くだけなら以外に簡単なのである。(同前、p.316~318より)
◆◆◆
>カナダへのディスりがほぼない。
確か『2050世界人口大減少』でも、カナダ人の著者が自国の移民政策を手放しで賞賛していたように覚えています。カナダは少なくとも対外的には愛国心の表明が求められるお国柄なんでしょうかw?
>証券口座のセキュリティ対策
私の場合NISA口座は楽天証券で開設しているのですが、来月6月1日から二段階認証が義務付けられたみたいです(私は既に設定済)。ただ出金制限の項目はまだ実装されていないんですよね~。ゆうちょダイレクトが数年前で既に二段階認証・指紋認証・出金限度額の設定等が必須だったことと比較すると、楽天は割とセキュリティ対策が遅れているという印象は受けますかねぇ…まぁあまり厳格にし過ぎるとどうしても使いにくくなるので、痛し痒しではあるんですが。
>「お嬢様っぽい振る舞いをする」こと
(↑)後の引用でも登場するように、当時は「良家の子女にとっての職業訓練」の場だったのではないかと思います。「金持ちの独身男性の心を射止めるため、教養や芸事を身に付けることが何よりも求められた時代」には当然の所作だったのでしょうけれど、今や超名門校を名乗る学園ファンタジー作品の一要素と化してしまいましたね。
◆◆◆
…19世紀の(イングランドの)一般的な女性にとって、社会的地位と経済力を確保するには、通常、結婚という選択肢しかありませんでした。中産階級以上の女性にとって、淑女としての品位をどうにか保てる職といえば、世紀末になって教職や公務員、看護職などの地位が上がるまでは、文筆業か女家庭教師くらいでした。何と言ってもいちばん高く評価されていたのは、結婚して主婦になること。妻が「家庭の天使」であるべきだという価値観が徹底していた19世紀において、結婚とは女性にとって、職業と同義だったとも言えるのです。(NHKテキスト:廣野由美子100分de名著「ジェイン・オースティン『高慢と偏見』」p.22より引用)
◆◆◆
>ジャーナリストなら時間かけて口説き落とせよ
ほんそれ。『ルポ・トランプ王国』の中の人の取材力(コミュ力)を見習ってほしいですね(毒)。
>ドラマとしては、お互いにソリの合わない義理の母子が、世捨て人やってる大叔父さんの下で和解する話
へぇ、そんな物語なんだ。吉野源三郎の原作(数年前に読んだ)からは随分改変されているんですね。パヤオ氏独自の解釈を延々と観させられるのかしら?だとすると正直余り食指が動かないかなぁw(苦笑)。
>セキュリティ補足
投資信託の場合は売却して現金化するのに日を跨ぐ(国内株式ものなら2日。外国株なら3日)ので、狙われる率は低いかな。
証券口座に入れている現金については都度出し入れするなり、つみたてNISA分だけ入れとくってのがベターかな。私は年始に12ヶ月分の120万を用意して放置。じょじょに減ってくからね。
>Numbers Don't Lie: 世界のリアルは「数字」でつかめ! https://amzn.asia/d/7X53Zhm
71のトピックを数字メインで解説した本で、ざっくり言えば学者が書いた雑学集みたいなもん。
外人から見ても幸福度ランキングは眉唾ものらしくてめっちゃディスっていたのは吹いた。これに限らず全方位、様々な国を茶化す記述が多いんで学者が書いた本のわりには読みやすい。けど、な ぜ か カナダへのディスりがほぼない。著者のプロフィールにカナダの教授って書かれていることが関係しているのか、それについての著者の説明はない。
「数字は嘘をつかない」ってのは有名なフレーズで著者も使っているけど、人間は嘘つきでポジショントーク大好きってことがここでも証明されてる、までがワンセンテンス。
>エグザベ君(スクール首席)
オメガサイコミュ動かせません。
記憶力高くありません。
>ロックは淑女の嗜みでして
赤髪の人が加入すれば戦隊に申請できるな。
突っ込むのは野暮なんだろうけど、この世界のお嬢様は何をする人なんだろうな?(苦笑) 例えば政界の大物とか実業家と結婚することが最大の目標なのか、自分で商売を起こしてビックになることなのか、家業を継ぐことなのか。いずれにしても「お嬢様っぽい振る舞いをする」ことって人生のプロセスのどこにどう組み込まれるファクターなんだろうな?w 現代資本主義において貴族は成立しないからさ。せいぜい成立するのは「これが庶民の音楽か」みたいな傲慢くらいだよ。
そう考えると敵側に同情できる気配も無い様ですし、敵を救済する応援ではなく市井の人々への応援で終始するなら、今までの様な典型的な元気玉作戦にはならないかも知れませんね…
というか、この作品思った程「応援する相手」に踏み込まない気がしますね。HUGみたいに「頑張ってる人に頑張れって言うのは云々」って感じで相手の事情を考慮したりしてない。
>うたが足を引っ張っていた疑惑
うたの代わりに入っていた娘は、恐らくバスケで活躍していた制服がズボンの女子ですね。普通に運動神経良さそう。
元々補欠なんて居なかったし、交代が必要になったら同じクラスの同じ性別から、適当に手の空いてる人をあてがうルールっぽい。そら運動神経の良い子を助っ人に入れるわなw
ザルな学校行事のザルなレギュレーション、どうかと思うよ?(運痴並感)
>わかばの恋は止まらない
こういう変わり身の速さって、相手に恋しているというより「恋に恋している」ってヤツなんじゃないかなって思います。相手の事が見えていないし、自分の事しか考えてない。
恋愛の強度としては、前作の「特別なワンダフル」に遠く及ばないものの、それ故に今作の異性への視座が分かり易いですね。
この視座は恐らくカイトにも適用されていて、うたも含めて彼をアイドルとしか見ていない。
そんな響カイト個人に咲良うた個人が向き合い、応援する展開になるのかどうか…それはまだまだ分からない。
>ロックは淑女の嗜みでして
>いつまでも身バレしない方が不自然な気も
大きな学校みたいですし、生徒会との関わりも無い一年生ともなれば、ああ見えて「数多ある派閥の一つ」程度のスケールなんじゃないかな〜…と勝手に脳内補完していますw
実際、妹ちゃんの親友(自称)には気付かれませんでしたしね…気付かなかったのは露骨に天然っぽいキャラデザの所為かも知れませんが(苦笑)。
>妹チョロすぎて中ボスにすらならなかった
言われてみれば中ボス戦の時期(1/2クール)でしたねw
ある意味出オチキャラだと思ってたので、ダラダラと拗らせるよりかはさっさとデレてくれて有り難かったかな〜…とは。
一方で、もっと姉妹でハラワタん中ブチまけろやぁッ!!!!…とも。
完堕ちストーカー化までには、もう一段階イベントがありそうな気もしますが…さて?
>ガンダム
>ニュータイプ空間って有耶無耶にするための演出
>なんかわかった風の演出してるけど何もわかってないし何も解決してない
そこは自分も色々と思う所はありますが、当事者は何か納得しちゃってるから視聴者も何か理解しなきゃいけない…的な圧があるのだとしたら、それは「裸の王様に話を合わせようとする大人達」と何が違うんだろうな?…とは思いますね。
因みにコミックボンボンのガンダムXのコミカライズで、ジャミルとランスローが刻を見た後に具体的にどうするかを話し合ったら喧嘩別れになったってエピソードもありましたねw
で、現行のジークアクスですが、アレの狡い所は一年戦争直後って舞台設定だと思います。あの世界でアナザー三部作みたいなリベラルな結論を出してしまうと、連邦が勝利した後の長い歴史が間違いだったって事になって、それはその歴史を生きた人達にあまりに失礼なのではないのか?ってなる。
なので、どうしても過去の焼き直しみたいな保守的な結論を出すしかないし、保守的な結論に対して僕の様なリベラル派も文句を言う訳にはいかない。それが狡くて悔しいなって思ってます。
>君たちはどう生きるか?
ジブリのアレが金ローでソレだったので視聴。
巷で分かり難いとか何とか言われてるみたいですが、自分的には全然フツー。ていうかこの程度で分かり難いとか言ってたら、「不思議の国のアリス」なんて読めねーぞお前ら。(苦笑)
ドラマとしては、お互いにソリの合わない義理の母子が、世捨て人やってる大叔父さんの下で和解する話。色々オマケも付いてくるけど大筋はそれで良いと思いました。
>劇場サプライズ
悟と大福は女性層に刺さってたけど無愛想な眼鏡おじさんではなぁ(苦笑)
>当時のこの階級クラスの女性は総じて仕事も家政も他人任せで、「暇を持て余していた」
あの時代のマダム(とその娘)は社交に全振りしてるイメージあるね。パーティを主催するときにテキパキと差配したりとか。アッパーミドル層が貴族を真似て自分で料理できないことをステータスにしていたって話もあるし、働かなくても地代で生活できるならそうなるよね。
>東大のディープな日本史1~3
知識が断片化してたから復習を兼ねて借りてきました。
>秀和幡ヶ谷レジデンス
へ~、ニュースになったりウィキペディアに載ってたりと有名なマンションなのね。
図書館は30人待ちの大行列。興味はあるけど肝心の旧理事の話がないのであればネット記事でいいかなって気もするなぁ。ジャーナリストなら時間かけて口説き落とせよ(苦笑)
>ロックは淑女の嗜みでして
演奏が魔法バトルになりがち。
妹チョロすぎて中ボスにすらならなかった。
>ガンダム
主人公のメンタルは中二病に憧れてる普通の人って感じか。
前から思ってたけどニュータイプ空間って有耶無耶にするための演出だよね。なんかわかった風の演出してるけど何もわかってないし何も解決してない。遺産相続で揉めてる人達がニュータイプ空間に入ったとしても絶対揉めるよw
それこそ「どこに需要があるの?」って感じですがw。
>マスコットとしてはだいぶ癖が強いのでタイミング的にも追加戦士候補が有力
確かに癖強めですが、それでも『Yes!プリキュア5』時代のミルクを超えるものでは無い気がします。まぁ年下のご近所幼馴染のメンタルと、一国の黒幕宰相ポジのそれとを比較しても仕方が無いのですがw(笑)。
うたやななの級友の中に目ぼしい追加戦士候補は今のところ居なさそうなので、プリルンかメロロン、あるいは『Hugプリ』のように二人同時かもしれませんね。
>GW中の読書
●トーマス・マン『ブッデンブローク家の人びと ― ある家族の没落 ― 』1901年発表
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トーマス・マン26歳時に発表した大長編。北ドイツ(当時はプロイセン王国)のとある新興商家の四代に亘る栄枯盛衰を描いた半自伝的長編小説です(一家のモデルはマン自身の一族)。図書館から借りた岩波の初版本には系図や人物関係図が添付されていないので極めて読み進めにくいですね(私はネットの拾い物を利用しました)。
作品全体としてのイメージは(私はPartⅠしか視聴していませんが)映画『ゴッドファーザー三部作』に近いものがあります。かのPartⅠ冒頭の有名な結婚式のシーンとかは、そのまま小説冒頭の「一族郎党プラス懇意にしている町の有力者らによる新居購入記念祝賀パーティ」の華やかな夕べに重なりますね。そして作中人物らが世代交代の度に生き死にを繰り返しつつ、主要登場人物の中で唯一全編通して登場するのはジャン(後述)の長女アントーニエ(トーニ)だけというのも『ゴッドファーザー』のマイケル・コルレオーネを彷彿とさせます。
因みに作中では1835年から1878年まで40年余りが経過しますが、この間に生じたドイツ関連の主な歴史的出来事としては以下の三つでしょうか:
① 1848年の三月革命で成立したフランクフルト国民議会(1849年武力弾圧により解散)がドイツ国憲法を制定.
②1866年のプロイセン=オーストリア(普墺)戦争 → プロイセンの勝利.
③1870~1871年のプロイセン=フランス(普仏)戦争 → プロイセンの勝利&ドイツ帝国の成立.
ただ①②③いずれもこの物語では、商会の利害に関連して申し訳程度に言及される以外は前面に押し出されて語られはしません(③については言及すらされない…まぁ①によって隣国フランスのように体制が根底からひっくり返った訳でもないし、②③は所詮勝ちいくさですしね)。
またこの物語が一貫して「貴族に遇せられることを目指す成り上がり出自の中産上流階級」目線で語られているというのもあるからでしょうが、社会の下層階級の人々については「無学・無教養で金銭に意地汚い下男やらメイドやら倉庫の荷物運び」として一括りに語られるだけで、その描写は如何にも薄っぺらです。一応若かりし頃のトーニが政略結婚を押し付けて来る実家に反旗を翻して、避暑地にて使用人の息子の自由主義者モルテン(=革命家のタマゴ)と相思相愛になるエピソードもあるにはありますが、あくまでその後のトーニが「何よりもお家の誉れこそが大事」へと大きく舵を切っていく理由付けとしての添え物扱いでしかありません(事実モルテンの「その後」が詳細に語られることも無い)。従って当時高揚したはずの「下からのナショナリズムの熱気」を窺わせる描写もここ以外はほぼ皆無です。まぁマンの社会的出自からすれば、26歳当時ではこの程度の視野しか持ち得なかったということだったんでしょうが(毒)。
偏屈ながら類稀なる商才で商会の最盛期を築いた祖父ヨハン、後を継いだ父ジャン、その息子トーマスと代が下るにつれて一族全般が活力を失っていくのは、スペイン・ハプスブルク家やメディチ家の例を見るまでも無くある意味歴史的必然なのかもしれませんが、それにしても落ち込み具合が極端過ぎるという印象ですね。やる事なす事悉く上手くいかず、早くも齢50歳にして気力体力共に尽き果てたトーマスは行きつけの歯医者で不適切な治療を受けた直後に謎の急死を遂げるし、その息子の生来病弱で線の細いハンノに至ってはどうにか15歳まで生き長らえるもチフスを罹患するや呆気なく亡くなるし、親戚の男子らは揃いも揃って実家におんぶに抱っこの生活破綻者揃いだし…1800年代後半のドイツは資本主義の勃興期に当たるので社会全体は活気に満ちていたはずなのに、この一族は見事なほど「時代から取り残されて」しまっているのですね。
という訳で、ドイツの小説ジャンルと聞くと真っ先に思い浮かぶ、いわゆる「教養小説」では全くありません。トーニにせよトーマスにせよ若死にしたハンノにせよ、長じるにつれてそれぞれ以前から抱いている人生観に頑なに固執していくことはあっても、人としての度量が広くなったり視野が広がったりと言った成長を感じさせるエピソードが一切登場しないんですよね。確かに終盤になるとトーマスやハンノらが我が身を内省する描写が増えることは増えるのですが、正直同じところをただただ堂々巡りしているだけという印象しか受けません。トーニに関してはそれすらなく、彼女の価値尺度は「如何にして実家が市井の尊敬を集め、市内の同業者らに大きな顔が出来るか」に終始しており、二度の結婚がいずれも破談に終わって以降は人間的にも次第に魅力を失ってゆきます。
あと読んでいて感じたのは、時代的に女性の社会的地位が低いのは仕方が無いとしても、家政においてすら存在感を感じられないのが不思議ですね。前述の通りトーニはモルテンとの訣別の後、「実家にとって有利な人脈と財政的援助とを取り付けるために、将来有望な羽振りの良い商会の御曹司と結婚すること」を人生の目標に掲げるようになりますが、その志の割に実家の財政状況すら全然把握していないし、子育てすら主に乳母が代行しているなど、要するに「結婚イコール人生のゴール」と見做しているっぽいです。他の女性陣を見ても、慈善活動に没頭して気を紛らすか、極端に信心深くなるか、適齢期を過ぎてオールドミス化して以降は実家でのんべんだらりと過ごすか、トーマスの妻ゲルダのように趣味の音楽に専念するか… 要するに当時のこの階級クラスの女性は総じて仕事も家政も他人任せで、「暇を持て余していた」みたいですね。
以上つらつらと思い付くままに記しましたが、お分かりの通り一読をお勧めするには正直微妙な作品です(苦笑)、まぁ当時の貴族的立ち位置からは社会はこんな風に見えたのだなぁと割り切りさえすれば、客観描写の積み重ねでテンポ良く話を展開していく筆致は中々のものです。若書きゆえに構成に難を感じる部分も感じないではありませんが、26歳という年齢を考えれば、これだけスケールの大きい作品が書けたのは十分評価に値するように個人的には思いますね ― とは言えノーベル文学賞の受賞理由となるほどの出来かというと…う〜んw(毒)。
● 栗田シメイ『[ルポ] 秀和幡ヶ谷レジデンス』毎日新聞出版2025
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・戦いのカギは、「過半数の委任状を集める」こと!
・「1票でも相手に勝てば官軍。負ければゼロ。マンション自治の世界は政治と同じなんです。」
(表紙裏のオビの文句より)
◆◆◆
「独自の謎ルール」を押し付けて来る管理組合の理事長一味VSマンション住民(厳密には区分所有者)達の1200日間に及ぶ闘争の記録です。
読んでいてちょっと面白いなと思ったのは、「マンション住民の過半数の支持を取り付けて、通常総会に臨むことを目指す」目的達成の過程で、ともすれば主観的な「正論」を振りかざすだけに陥りやすい「マンション運営の正常化」なる論点に加えて、「理事長の謎ルールのせいで、近隣の同水準のマンションに比べ著しく不動産価値が下落している(つまり転売目的のため購入したのに儲からない)」という論点からも支持拡大に努めた、という件でした。マンションの「区分所有者」の中には住むためというよりも老後の資産形成目的の方もいらっしゃる訳ですから、上手いところに目を付けたな、と感心しました。
ただ本書の記述に関しては正直喰い足りない部分が多々あるのも事実です。糾弾する側のエピソードは豊富に語られる一方、(取材申し込みを頑として受け付けなかったから仕方無いのですが)元理事長の言い分が一切反映されなかったのは何とも片手落ち。まぁそれは百歩譲るとしても、「現状維持」を求めて元理事長を(委任状という形で消極的ながら)支持した半数近くの住民に対する取材を行った形跡が全く無いのは、ジャーナリストの端くれを公言する著者の姿勢からすれば職務怠慢と言われても仕方が無い気がしますね(毒)。
まぁそれらの欠点はさて置き、民主主義というのは本来これほど泥臭く手間が掛かるものなのだということに改めて気付かせてくれたのは評価すべき点かなとは思います。お近くの図書館に置いてあれば一読してみても良いのではないでしょうか(私の場合どこにも置いてなかったので買って読みましたw)。
>内需が弱い?
>アメリカ以外の輸出先だけでやっていけるのか?
輸出先の消費が冷え込んだ理由が高関税ではなく大規模な景気後退(恐慌)だったという違いこそあれ、(AIの指摘が正しいとすれば)内需が極めて弱く、主要輸出品(当時は生糸頼みという典型的なモノカルチャー経済)による利潤獲得がほぼ米合衆国頼みだった戦前の日本にまんま重なって見えますねぇ。
◆◆◆
[1872(明治5)年の地租改正により]地租は金納となっても、小作が地主に納める高額な小作料は物納のままでした。生産高の6割近くをもっていかれ、手元には自家消費分しか残りません。…… 1890年代には小作地率は40%台に達し、小作料収入でやっていける地主は耕作から離れる動きが進みました。まさに土地にパラサイト(寄生)するという状態で、「寄生地主制」の成立です。寄生地主は、蓄えた富を株式や公債に積極的に投資していきます。…… 一方、小作層からは女子が安価な労働力として供給されました。……
このように、寄生地主制は資本と労働力の供給源となるという形で、資本主義の発達の基盤となりました。しかし、それは戦前の日本経済の構造的な脆さを内包するものでした。すなわち、高額の小作料をせしめられているがゆえに、低賃金で働かされているがゆえに、購買力がない。つまり、国内市場が育たなかったのです。……
さて、国内でモノが売れないのならば、海外に市場を求めるほかありません。…… 国内の基盤に支えられた製糸業は貴重な外貨獲得産業でした。…… 生糸の最大の輸出先はアメリカです。…… しかし、そのアメリカを震源地として1929年10月に世界恐慌が発生します。…… アメリカへの生糸輸出は激減し、それに伴って繭価も下落しました。…… 残された方法は、軍事力で市場を確保すること。こうして、東アジア植民地侵略をめざす構造が生じました。(相澤理『東大のディープな日本史』近世・近代編 p.280~282, p.353~354より抜粋)
◆◆◆
実際に軍事力を行使するかどうかはさて置き、「戦前のブロック経済」再来のシナリオが俄然現実味を帯びつつある昨今の世界情勢ですね。ただ戦前のように公然たる「植民地獲得行為」そのものが最早許されない時代ですし、また現在の米合衆国のように同盟国・非同盟国関係無く全方位的に「高関税を課す=ケンカを吹っ掛ける」手法だと、そもそも一緒につるんでくれそうな国を見つけるのが難しそうにも思いますが(苦笑)。
>生き甲斐
好きな読書が出来る環境と健康、そして読後の感想を気兼ねなく吐露できる場(この掲示板含む)が維持出来るのが一番かな(ここで愛妻とか愛娘とかが真っ先に思い浮かばないのが如何にもシゾイド気質ですね(苦笑))。
>まさかのアナログwww
ははは…とは言え学内でも特に注目されている二人ですし、学校の敷地内で「お交わりになられている」以上、いつまでも身バレしない方が不自然な気もしますけれどね。
>「普通」は金で買える
同感です。シゴデキの度合いが人としての価値、それが資本主義の評価基準ですものねぇ。
成る程、これは上手い。上から押さえ付けるのではなく、下から押し上げる形でプリルンの成長を促す構成か…
年下や弟・妹分の相手をする事で精神年齢を引き上げる(大人を演じる)のは、「惑星のさみだれ」とかでもありましたね。後トミノ作品とか。
>ユキからダウナーとヤンデレ要素を引いてポエムを足した妖精
>なんでそんなキャラ出そうと思ったの?
「女子の自立」をテーマに掲げる点で、依存心が強いキャラは分かり易くはありますね。
メロロンはデザイン的にも人間になりそうな感じはします。何ならプリキュアになる事で無意識に「ねえたま」を追い越してしまい、世界観が壊れてプリルンと喧嘩とかしてくれても良い。実に良い音がしそうw(ゲス顔)
こころは追う対象がちゃんと対等以上の名実があるので、こういう展開はできないでしょうし。
まーでも、近年は戦闘に参加しない妖精の方が珍しいし、追加戦士が二人居た作品の前例もあるしで、プリルンもプリキュアになりそうですが。
ただその場合、旗(ライト)振り要員が居なくなる事が引っ掛かるといえば引っ掛かるんですよねー…
>普通を装う人間は大勢いる。それを普通の人と呼ぶ。
>……って思ってたんだけど、違うのか?
最近思うのは、僕が普通の人間を定義するにはサンプル数が圧倒的に足りない…って事ですね。恐らくそれも僕の認知が歪んでいる一因だと思われます。
その上で一番身近なサンプル(家族)を観察して思うのは、「普通」は金で買えるんだなって事。
働いて金を家に入れてさえいれば、家の中で何してようが「普通」を主張できる。
でもこの場合、金稼げなくなったら即社不確定になるから持続可能性の点で悪手だとも思います。その証拠なのか、事務所部下に譲ろうが後期高齢者になろうが未だに働いてますからね。
こーゆーのが、老人ホームとかで職員に金ばら撒きたがる迷惑な利用者になったりするんだろうなー。
>中国
>内需が弱い?
>流石に「へーき、へーき」とは言えんやろなぁ
なるへそ。アメリカ居なくても輸入に困らないとしても、アメリカ以外の輸出先だけでやっていけるのか?って事か…
売り物を作ったら売る先が要る…経済の基本中の基本でしたね…orz
>ikigaiの概念図
俺の知ってる生き甲斐と違う…(汗)
これじゃ夢の上位互換じゃねーかwそういうとこなんじゃないのか欧米人ww
生き甲斐は「小さな事でも良い」筈だから、「社会貢献」とか考える必要無いと思うんだけどなぁ…?
これでは「趣味の御利益を期待する」浅ましさと変わらないんじゃないのか…?
>アポカリプスホテル
タヌキだろうとは思ってたけど、思いの外野生だったw
野生ならばやる事は一つ。上下関係をハッキリさせる事。
>ロックは淑女の嗜みでして
監視カメラとかレーザーセンサーとか仕込んであるのかと思ったらまさかのアナログwww
あのメガネさんにハーサカさん紹介してあげたいw飲み友達としてw
>折角レールの外に良い友達が居るんだから
仲間内での活動を公言するプリキュアって逆に珍しいよねw
>貿易戦争
>中国メシウマ
ChatGPTに聞いた2023年度の貿易収支は下記のとおり。
・中国からアメリカへの輸出総額 約5,012億2,000万ドル
主な輸出品目
電気・電子機器(約1,245億2,000万ドル)
機械類 (約889億8,000万ドル)
家具・照明器具・プレハブ建築物(約306億6,000万ドル)
玩具・ゲーム・スポーツ用品 (約293億6,000万ドル)
・アメリカから中国への輸入総額 約1,651億6,000万ドル
主な輸入品目
鉱物性燃料・石油製品(約224億4,000万ドル)
機械類 (約200億6,000万ドル)
油糧種子・穀物(約160億3,000万ドル)
電気・電子機器(約140億8,000万ドル)
世界の工場と言われるだけはある。中国から見れば相当な貿易黒字。言い換えれば内需が弱い?(ChatGPTに聞いたら肯定された)ってことだから流石に「へーき、へーき」とは言えんやろなぁ。アメリカもだけど。
>生き甲斐(ikigai)
→みたいなことか。https://diamond.jp/zai/articles/-/1008245
疲れそうなこったなぁ(シゾイド感)
>アポカリプスホテル
ギャグの方向が75度くらいズレてて、ギャグ時空なのかシリアスベースのギャグ寄り時空なのか今ひとつ判別できんな~
>小市民シリーズ
「小佐内さんは車に放火するような人かな?」
「……(どう答えていいの?という顔をしながら)」
「小佐内さんならやるかもしれない、と思うよね?」
「…ああ(あ、いいんだって顔をしながら)」
「だけどやり口がちょっと露骨なのが引っかかる」
クズヒロインへの篤い信頼。