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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)
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岩はかつて
上流の川べりに
半分埋まって
わずかに川面に突き出ていた
長い年月の風雨で
かつてあった突起と凹凸が
相当に摺り減り
かわりに 苔が美しく光っていた
一部に深い亀裂があり
いびつな穴が空いていた
これは 大昔の大雨で
上流から流されてきた石が
直撃をしたからだった
今 岩は
川の中に沈んでいる
近年の豪雨で
岩の基盤が濁流で削られ動揺し
とうとう 水に落ちてしまったのである
岩は 数メートルほど流されて止まった
岩の重量がまだ十分にあったことと
岩自体が水に落ちる際に反転して
土に隠れていた面が下になり
その凹凸による摩擦が
岩をかろうじて支えたのである
その5メートルほど先には
滝がある
岩は滝に落ちてしまうことを
何よりも懸念していた
岩は流されたくなかったわけではない
いずれは下流へと流されていくだろう
いずれは軽くなり 丸くなるだろう
それはいいのだ
しかし
滝つぼに落ちてしまえば
それ以上 流れていくことができない
暴風も急流も大雨も底には届かない
何も起きない世界
鳥も来ない世界
紅葉も飾ってくれない世界
朽ちるまでの
途方もない歳月……
初夏の陽を受けて
カワガラスが岩にとまった
滝に落ちる前に
鳥のように
ほんの少しだけ飛べれば
滝つぼを超えて
そのわずか先の
川床に至ることができれば
それでいいのだが……
滝つぼの中の岩は
沈んでいるだけ
ただ 沈んでいるだけ
それだけは
避けたかった
カワガラスが去った
天気予報が
線状降水帯の発生を告げている
次の大雨が来る
大切なことは目に見えない
幸せはすぐ近くにあるのに
失ってから気付く
本当にそう思う
大きな夕陽に見える
幼き頃の自分の姿
今の私に何かを伝えるために現れたのか
何も言わず今の私と手を繋いでいる
不思議な感覚と懐かしさに涙する
今を大切に生きなさい
近くに居る人を大切にしなさいと
幼き自分が教えてくれたように想う
これからは、そうして生きていこう
悩み事の多い人生だが向き合っていこう
しばらくすると
幼き自分が手を振り
夕陽の中へ消えていった
私は眩しさに手をかざし
目的地を決めずにゆっくりと歩き出す
そうしたい気分になる
明日はきっといい日になるだろう
生きるも死 ぬも同じこと
ふたつは繋がっている
炎と水のように
眠りと目覚めのように
決して相容れないが
相対している
今 僕は死 ぬことを想起している
実行に移すことはない
けれど死を思うことは
生を誘うことに他ならない
死よ 僕にとって魅惑的な事柄
生に満足していないから
死を思うことで生から遠ざかりたいのだ
そうして人は自 殺未遂などする
僕もそう
胸に手を押し当てて
心臓を握りつぶしてみる
できっこないのだ
できっこないが
それはいわば儀式的なことで
効果はある
頭を抱えて髪をかきむしる
死んでしまえと祈りながら
死への儀式は
生への執着の深さを量るものなのだ
それは例えば歌でもかまわない
大きな声を出す
日常とはかけはなれている
それもひとつの儀式だ
辛いものを食べる
辛いというのは痛みの一種だ
そして汗をかく
汗は流れる
血のようだと思えば
いい
それも儀式である
死に憧れ
生に絶望する
生に憧れ
死に絶望する
同じことなのだ
今日も僕は死を繰り返す
闇の儀式を行い
悪魔に魂を売る
生を行うために
生を全うするために
神に捧げる
血と汗を振り絞る
人間であることに満足するために
偽りの生で
死を堪能する
燻製
アマゾンでポチった
燻製キットで
卵、鶏肉、豚肉燻して
人を燻製にして木星旅行をする話を肴に
琥珀色の夜を作った
物事を煙に巻いて時間を止める会社があるらしい
メディアでは燻製料理を出す店として紹介された
知らないで済まされず知ってしまう衝撃に
備えなくてはならない時代だ
真実に直面する衝撃に耐えながら
煙に巻いて巻かれて
月を燻て惑星燻す
太陽系燻て銀河を燻す
木星あたりが息苦しい
木片刺さって鼻ひん曲がる
肺を守って生体システム適応させる
鰓呼吸から肺呼吸
爬虫類から両生類
両生類から哺乳類
種の営みの夜が深まり
朝が訪れ靄が晴れると
人の匂いが嗅ぎ分けられる
お世話になっております。上田一眞です。
過日、投稿しました拙作「秋の花筏」ですが、先ほど内容を一部修正いたしました。ご報告方々ご了承下さいますようお願い致します。
昨日まで芋虫だった
壁に張り付いて
びくともしなかった
まさか次の日
蛹になってるとは
去年もここで
蛹になってるのを見た
お気に入りスポットなのだろう
蝶は春じゃなかったか?
今はもう真夏だ
遅刻したんだろうか?
蜻蛉は今日も元気よく飛んでるが
蝶はだいぶ見なくなったな
鳳蝶の蛹は
浅緑の鎧をまとい
その時が来るのを待っている
夏の青い空の下
自由に羽ばたく時を
どうしてあのぷよぷよの体から
あの美しい羽が生えてくるんだろう?
神の奇跡だ
去年見た時
幼虫の体をトントンと触れたら
萎縮して怖がってたので
今年はやらなかった
蛹の中では一体
何が起こっているんだろう?
インターネットで調べたら
蛹の中は幼虫の体が溶け
ドロドロになってるらしい
ここからあの蝶になる
生命の神秘
人も蛹と同じだ
羽ばたく前には
体の中で化学変化が起きて
新しく生まれ変わるのだ
今までの固定概念を脱ぎ去り
まだ味わったことのない感動を
心に刻もうと探しに行くのだ
俺は待ってる
蛹が蝶になるのを
そして新しい世界で羽ばたく時
君がどこで飛んでいるのか
探しに行くよ
彼女の名前は由子
まわりの人はそう思っているし
そう呼んでいる
彼女の子どもたちでさえも
お母さんの名前は と聞かれたらそう答える
でも 病院でもらう薬の袋や
古い友人からの年賀状には
ちがう名前が記してある
彼女のほんとうの名前は あかね
あかねちゃんが結婚するとき
結婚相手のお母さんは彼女の名前を変えた
いいこともわるいことも 名前が左右すると思っていた
あかねちゃんは 由子さんになった
あかねちゃんは名前が変わったことを
あまり気にしていないように見えた
「あかね」はあかねちゃんのお父さんが
好きな詩人の好きな詩から拾い出してつけた
そのことを思い出すと見えるのは
夕焼け空よりももっと鮮やかなあかね雲
気にしていないように見えたけれど
コウキコウレイも間近なあかねちゃんは
何かの署名運動に応じるときや
ラインに登録する名前に
「あかね」を使うようになった
あかねちゃんは
時代とも 世間とも 人とも
足並みそろえて生きてきた
そして 娘たちにもそれを示した
意地とも言えるまでに自分の意志を通すよりも
時代に合わせ 世間に合わせ 人に合わせ
昔からの日本の風習に合わせて選択すれば
燃えるようなあかね色ではなく
穏やかな色の雲が心にただようだろうと
でも
いつのまにか時代は
わたしたちの頭上を越えてはるか先まで行ってしまった
風に吹かれるように一緒に進んでいける人
逆風にあおられながら必死にしがみつく人
あかねちゃんと娘のひとりは
たくさんの女性とともにそれを見送った
時代が思ったよりも見えないところまで行ってしまったこと
あかねちゃんはあまり気にしていないように見えた
ただ
子どもたちの心に暗雲たちこめると
あかねちゃんはとんでいく
「お母さんはお助けマンやからね」
そのとき見えるのは
時代も理屈も燃やすような
昔から変わらないあかね雲
泣く女 ピカソ 天才
笑う男 オレ バカ
無意識の念写
無意識の舞 恥ずかしい
演技であるか 演技でないか
マストロヤンニの手をひらくポーズ
浜の向こうの
白い少女の 青い目
小さな 小さな 何故のポーズ 小さな踊り
マストロヤンニ 何故 白いスーツ
後ろ姿 残して
顔 片手で 隠して 去る
去るしかない マストロヤンニ まだ 若い
ひまわり ひまわり
ソフィア・ローレンの 濡れた 瞳
ボロ傘 ボロ傘 ボロコート
雨の中 雨の中
去る うしろ姿
あんた あんた
なぜ なぜ そんなに 美しい 男
あんた 人間
やめたことない
映画8か2分の1
最後のロンド
あんたの奥さん
ロンドに入って
あんた あんた あんた
どんだけ 救われた
だれだ あのひと アヌーク・エーメ
人間 人間 人間
あのひと 苦悩 どれだけ深い
あんた あんた
苦悩に見えない 苦悩に見えない
苦悩の男
あんた あんた あんた どんだけ美しい
そうだ そうだ そうだ
人間って 誰だ
ソフィア・ローレン アヌーク・エーメ
どこまでも どこまでも
人間 通し続けた
泣いても 笑っても 踊っても いいんじゃないか
わたし 好き
あんたら みんな好き
真実 生きてる
生きてる 生きてる 生きてる
私も 同じ 真実 生きてる
そうだ そうだ そうだ そうだ
ロンド ロンド ロンド を 踊ろう
さらさらと風は流れ
ゆらぎゆらめく
萩の花
ふと思う 風の姿はどこにある
枝の小花は
ただ 風にそよぎ
やがて
花びらを湖水へ吹き流す
額を撫でる野風が
〈うつ〉に散華した こころを紡ぐ
おお みなもを萩の花びらが散り染めて
一瞬の花筏
初秋のある日に見つけた風の舞
それは湖畔のやすらぎに違いない