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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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言葉を飾り 華やかに
その響きに
酔いしれることもあるけれど
痛みを包み込む
柔らかな布のように
脆く傷ついた心を守るための
詩が纏う光もある
孤独の闇を照らす月のように
言葉は仄かな輝きを放ち
誰かの傍らに寄り添って
詩は密やかな祈りに似ている
捧げることで その意味が宿る
想いの欠片を温めると
世界はほんの少しだけやさしくなる
たとえそれが
ひとり虚しく響いても
届かぬと思った声が
自分の胸に沁みて
沈黙を溶かすのなら
私は信じて書き続けよう
月影に隠した心を
鏡の水面に映すように
今日の夕空もうつくしかった
カナカナが鳴いて
ヤマバトが鳴いて
よいものはすべてそろっていた
ただ まだ少しだるい体と
よその家はより四角く見えるという妬み
涙ではれぼったい目と
明日からまた世界の授業を受ける物憂さ
それらを感じる以外は まことによい夕方だった
何か書いてと点滅しているカーソルのように
痛みは左のこめかみで 自分の仕事に忠実だった
そのために私は仕事に行けず
家事もできず おいしいものも食べられず
光も音もさえぎって この日は
世界とすこし距離をとる
薬ものむ 何もかもに鈍感になるように
でもいちばんの味方は氷
カーソルの点滅を遅らせて
打たれる文字を曖昧にしてくれる
そのすきに眠りへ逃げ込むのだ
眠りからぬるりと這い出すと
カーテンが受け止めている光は淡い
今日の夕空はどんなだろう
わたしはいつもの場所にいないけれど
誰もこないこの部屋に
光だけは わずかなすき間から
カーテンの繊維の間から
じわりと入り込んで空気とまざる
まざり合ってできたその色に
わたしはまだ名前をつけることができなくて
ひとりで寝てひとりで目覚めた今日
世界はみんなからどんな質問をされていたか
それさえもわからないから
惰性でよれたシーツの皺の間でもう一度眠る
(そして 世界の授業に遅刻する夢をみた)
(夢は予行演習という)
(わたしは明日は)
(世界と相対する気持ちでいっぱいらしい)
ここは通行止めです
その先で工事をしておりまして
クレーンで
ものを運んでいますので
いったん
そこの横断歩道で
あちら側にわたってください
交通誘導員の
赤い誘導棒
やわらかな遮断
男性
顔をしかめ
何も言わずに
横断歩道に行き
赤で待つ
女性
「クレーン?なによ」
といいながら
横断歩道に行き
赤で待つ
誘導棒の揺れ
いざなわれ
いざなわれ
記憶がいざなわれ…
そういえば
揺れていた
あのエフェソスの
金属の長い腕
石畳と円柱
太古の図書館
広大な円形劇場
静寂の
青い空を遮断する
修復用の
黄色いクレーン
わたしも
一緒に赤で待つ
男性と女性の
表情は影の中
信号のヒト型が青になり
信号音に導かれ
みなが横断歩道を
わたっていく
わたり終わると
ふと みな
もと来た通りを
振り返る
静かな青い空
きれぎれの雲
朝のまぶしい太陽
クレーンは一体どこにある?
クレーンは一体どこにある?
建物にそれはなく
空にそれはなく
乾いた石畳
あちら側で揺れる
顔のない赤い誘導棒
かげろうのように揺れる
太古の石柱の影
青信号のヒト型が
点滅を始める
あなたたち
なぜ
踏み越えた?
ヒト型が赤に
直立の姿勢
超えたもの
超えたとき
行きなさい…
もう
あちら側に
戻ることはない
今回も読んでいただき、誠に有難う御座います。
今回も的確に感じるアドバイスをいただき、とても感謝しています。自分の中の一つの殻を破る事に目を向けて、創作に努力していきたいです。ありがとうございました。
夜道を亡霊のように歩いていると、
片足をぐわっと引きずった犬が、
皮膚が焼きごてを押されたようにただれた犬が、
死神のようについてくるのが見えた。
私はどこへ向かっているのか。
蛍光灯がじっとり照らす舗道は、
存在を誰にも知られない草を浮かび上がらせ、
じゅくじゅくした死臭をただよわせ、
知らないどこかへ続いている。
この先は闇だ。
それは、わかっている。
獰猛な獣のような月が、
目をぎりぎりと充血させながら、
私の行く先をふさいでいる。
その先には闇、後ろには病んだ犬。
ぶわぶわ震える声で、
強大な月に自身のアイデンティティをかけて、
腐敗し始めた歯を向けながら、
犬は吠え続けている。
これが、勇気というものか。
犬の小さく萎れたしっぽが、
私の震える足先に触れたとき、
この犬といっしょにどこまでも闇の中を進もうと思った。
たとえこの月と、全世界と戦うことになったとしても。
この道を進みたいと踏み出せば
進入禁止の足止めくらって
結局は対向車も来ない
広い一方通行に入り込む
分かれ道に立ち止まれば
指定方向外進行禁止で
また矢印通りに進むだけ
今度は走り抜けるぞと意気込めば
追い越し禁止の黄色いラインが歯痒くて
結局は一時停止の『止まれ』が行手を阻み
駆け足もノロノロと渋滞の中
走り疲れて一度立ち止まりゆっくりしたくても
駐停車禁止が進めと背中を押してくる
でもやっと気づいたんだよ
どの標識も頭の中の道に取り付けたのは自分だと
切り開いた道はあったのだろうか
ただ漠然とした道の中に標識を思い浮かべて
誰のせいにも出来ないと気づいた時には
時間はあまりにも無情
もう標識も無い一本道をひたむきに歩いている
やがて見上げる案内標識には
何が書かれているかも想像はつく歳になっている
振り返ると懐かしさを感じるのは
きっと自分なりに懸命に標識を建てたのだろうと
過去の自分を慰めることができるから
これからはゆっくりとこの一本道を
自分の好きな歩幅で景色でも眺めながら歩いてゆこう
標識なんかいらないさ
あえてこれからでも道を切り開いてみようか
きっと足元の小石にでさえ
何かを感じれるかもしれない
ようこそ‥‥まずは目立つところからお伝えします
亡くなった猫が住んでいます
よその猫だったかもわかりません
でも飼ってはいけませんよ規則は規則で
捨てられた油絵は見えますか?
天井近くの作り付けの棚にあります
中の女性は絵から出たがっています‥‥わたしの見立てです
まあ今は別の持ち主のところに行ったようです
これも見えるでしょうか‥‥トイレにカラの貯金箱があります
なにかのおまじないなのでしょう
途中まで出来上がった模型の車ですね
そのつぶやきがこちらのスチールラックの上に残ってます‥‥備品ではありませんので撤去をご希望なら
でも‥‥飽きられたことより忘れられたことがくやしいようです
完成させてあげたらいかがでしょう‥‥余計なことでした
そこの床の凹み‥‥これは重要です
すごく仲の良いご夫婦でしたので残ってしまったのです
思い出がよほど重たかったということです
もちろん幸せだったか不幸せだったかということではありません
ご心配なくもっと凹ませても‥‥原状回復の義務はありません
他にご質問は?‥‥ではこちらから注意事項を
目覚まし時計は鳴らさないでください苦情が出ます
ゴミはきちんと分けてください見張ってる方がいます
洗濯ものは外に干さないでください夜にするかあるいは部屋の中で
他にもありますが以上をぜひ守っていただきたいです
とある先住の方がおりまして色々うるさいのです‥‥規則というよりはここで暮らす際の知恵ですね
守らなくても構いませんが‥‥おそらく困ったことになります
もちろんですじっくりお考えください
ただこれはここだけのお話ですが‥‥とある先住人とは大家さんです‥‥ええ一階に住んでいらっしゃいます
良い方なんです‥‥でもこれもここだけの話なんですが
実はご本人さえ
そろそろ出て行きたいと思っているのです
・月下
お酒は飲めますか?
いえ、ちっとも。一口飲んだだけで顔が赤くなってしまいます。
そうですか。それは残念です。
飲めない私からすると美味しさが分からないんですよね。お酒。
そうですね。楽しみ方はそれぞれだとは思いますが……私の場合は酔うために飲んでいますね。
酔うため、ですか?
ええ。色々と忘れて……いい気持ちになるのです。
酔うと気持ちいいのですか?
ええ。とても。酔うだけなら酒なんて飲めなくても酔えますがね。
真っ暗な夜の中
真っ赤な月だけが二人の男の会話を聞いていた。
・そう快期
数々の難事件を
わずかな手がかりからトリックを暴き
自白にて事件を明らかにしてきたことを
三百以上ほど表彰された
名刑事がいた。
彼の名前は紅林麻雄といった。
もっとも
その誕生の経緯には
警察の手で解決したという
筋書きが必要だったという説がある。
・ほろ酔い期
酒以外にも酔えるとは?
色々ですよ。ありふれた表現ですが「自分に酔う」と言うでしょう。
あぁ。言いますね。
でしょう? 酒で酔う時も、自分に酔っている時も同じです。いい気持ちで、自分が大きく見えて、酔っていることに自覚はない。
なるほど。でも、私は人様に自慢できるほど大層な実績はありません。
酒はその点いいですよ。酔うのに実績なんて要りませんからね。
男は一旦言葉を切って、繰り返す。
酔うのに実績なんてものは要りません。
・酩酊
捏造、拷問、冤罪。
言葉に並べれば、簡単で
おぞましい言葉が並ぶ。
その言葉たちが紅林麻雄の実態だった。
その彼の精神は
部下にまで及び
負の歴史が確実に刻まれた。
・泥酔
例えば
どんな言いがかりでもいい。
その言い分が
何かを動かす。
自分の言葉の影響力。
それに酔う。
例えば
どんなくだらない言い分でもいい。
その言い分は
誰かしらには
正しいとされる。
自分は正しい側なのだ。
立場なんて
目に見えないもの。
正しいなんて
目には見えないもの。
気持ちよくなっている様子は
酔っているようなものだ。
そう……
実績なんていらないのだ。
・昏睡
紅林麻雄は二階級降格し
刑事の立場からおろされた。
やがて、依頼退職して
その年、脳出血に至る。
数々の人生を奪ってきた者の末路は
あっけないものだった。
・闇夜
充分に
充分に
その悪魔を生む種は
人の中に植え付けられている。
自分が追い詰められることで芽吹く。
誰かを追い詰めることで芽吹く。
大義、立場、快感という
栄養素を注いでやることで
花が咲く。
花が咲けば
美味しく酔える。
甘い
甘い
天獄の味。
その味は誰もが
獄楽と思えるもので
誰をも誘惑して
酔いへと沈めて行く。
夜が明け初めるころ
未だ街々が夢の残り香に
囚われているとき
すでに、おまえは
たぐいまれな工芸品の
創作に余念がない
クチナシの木陰の
清浄な大気の中を
空中ブランコの乗り手よろしく
あちらへ行ったり、こちらへ来たり…
せっせと仕事を続けている
―きっと、知っているのだろう
今日は晴れて
雨の心配のないことを
おまえは
小さな身体で
いそがしく
身軽に動き回りながら
自分の身体の
何十倍もの大きさの
タペストリーを編み上げていく
やがて
張り巡らされた糸の模様が
夏の朝日を浴びて
くっきりと浮かび上がり、
キラキラと輝き始める
―もうすでに
光の芸術だ
だが
ここで、わたしは
ふと疑問に行き当たる
こうして
丹精込めて
いささかの手抜きをすることもなく
仕上げられ
あたかも美の女神に
ささげられたような
この作品は
なぜ、ただひたすらに
鑑賞するためのものではないのか?
なぜ、この繊細な織物が
同時に
巧緻を極めた残酷な
狩猟の道具であり得るのか?
やがて
アゲハチョウやトンボが
不注意にも
この透明な繊維に
羽や脚をとられ
ひきはがそうと
必死にもがく、そのとき
それまで
ただじっと
タペストリーの中で
修行僧のように
穏やかに待ち構えていたおまえは
突如として
その雰囲気を豹変させて
凄腕の殺し屋の本性を
剥き出しにして
不運な獲物に襲いかかるのだ
おまえが創り出した作品だけではなく
おまえ自身が持つ
この解き難い矛盾は
わたしを悩ませる
果たして
おまえは芸術家なのか?
それとも無慈悲なハンター?
あるいは
自然の理の全てをわきまえた
賢者なのか?
そうして
わたしは
美しい罠にかかった
犠牲者たちの遺骸を
あらためて振り返り
このように
悟らずにはいられない―
自然の産み出すものに
意味のないものはない
いかなるものも
残酷なまでに実用的で
無駄がなく
それゆえにこそ美しい、と
本作「不穏」を読んで下さりありがとうございます。以前からご指摘頂いている、読み手に伝わる詩を書くために、唐突な表現や散漫になる思考をまとめる推敲が課題でした。本作でも、飛躍してしまう思考の橋渡しする言葉を考えるうちに、どんどんテーマを広げてしまいました。今回、滝本様のご指摘のお陰で、詩の中にいろんなものを詰め込みたい衝動に任せて書くことは、自分の力不足を直視しない為の対処になっていることに気づきました。まずはご助言通り、一つの詩には一つのことを書き、シンプルな作品を書くことで、言葉のチョイスや内部から湧き上がる感情を表現する訓練をしたいと思います。