MENU
1,161,101
固定された投稿

★★ << 2つの掲示板のご案内 >> ★★

◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。

(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)

なお「MY DEAR掲示板」では、新規ご参加の際に、ペンネームとメルアドの届け出が必ず必要です。
これは掲示板内の安全を守るため、管理人に限って把握させて頂くものです(他へは一切出しません)
新規ご参加の際は、ページ一番下の「お問い合わせ」フォームから、必ず届け出をお願い致します。


◆初めて詩を書く方や、おっかなびっくり詩を書いてみようかなあーという方、
「MY DEAR掲示板」ではハードルが高すぎるよと感じる方には、別途、

   <<初心者向け詩の投稿掲示板>>
https://www3.rocketbbs.com/13/bbs.cgi?id=mydear

をご用意しております。(上記リンクから飛んで下さい)
こちらは、「メルアド届け出不要・いきなり書き込みOK・出入り自由」ですので、
なんら気にするところなく、いつでも詩を書き込んで頂けます。
誰でも、どんな人でも、気軽に詩に親しんでもらうための掲示板です。学生さん、小中学生の方も歓迎です。
投稿された詩については、詩を読んだ感想を、レギュラーメンバーの誰かが、手短なコメント(5行程度)で返してくれます。

どうぞご希望に応じて、各掲示板をご利用下さい!!!

編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

瓦解した夜に雨を読む  人と庸

眠れないときは
本の文字をたどるように
雨の音を読む

さらさらさら
ぼつぼつぼつ
とたとたとた

ばらばらになった手や足や
首や胴をかき集めて

ひとつひとつ
雨の音を読む

さらさらさら
ぼつぼつぼつ
とたとたとた

いつも確かなものをつかもうとした
確かにひとつずつ積み上げようとしたが
疾うにくずれおちていたらしい
その残骸で散らかった夜だ

残骸の上にも雨が降る

さらさらさら
ぼつぼつぼつ
とたとたとた

もうもとにはもどらないのだろう
その場しのぎで加工を繰り返したパーツたちは
どれとも組み合わないものばかりが残ってしまった

さらさらさら
ぼつぼつぼつ
とたとたとた


今夜は雨が降っていない

けしてもとにはもどれない
けれどもあたらしいかたちにもなれない

それでも今日も手や足や
首や胴をかき集めて

降らない雨の音を読む

「さらさらさら」
「ぼつぼつぼつ」
「とたとたとた」

編集・削除(未編集)

星に告げる  上田一眞

漸く たどり着いた北の街
小樽
あの懐かしい小高い丘の上に立つ

夜露が冷たくて
震えながらも見上げる夜空
天空は星々の輝きに溢れ
清澄な
北極星のひかりが胸を刺す

星空は
こころのカンヴァス
いにしえのギリシャ人の真似をして
星と星を繋いでみる

上手く線画は書けないけれど
遠い日 
島へ去ったある女性への想いを
静かに辿る

いにしえのある日 
小樽の丘で 
ともに見上げた 北斗七星

まだ若く
ひとのこころも解さぬ未熟者
どうか私の迷いを許して欲しいと
星に告げる

編集・削除(未編集)

新生  温泉郷

四方の壁に囚われた
暗闇の中で

私はまず希望をまさぐった
希望は壁の外にあるはずだった
声は聞こえてこなかった

私は壁を穿とうとした
道具は歯と爪しかなかった
いや もう一つ
頭蓋があった
だが
血の匂いを
嗅いだだけだった

慣れてきた目で
私は壁の模様を凝視した
凝視しても壁は動かなかった
でも私は
凝視を止めなかった

やがて
私は自責を友とした
私は自責の陶酔を楽しんだ

やがて
私は絶望を友とした
私は絶望の静寂を受け入れた

やがて
壁の模様がゆらめき始めた
壁の模様に色彩が現れた
色彩は空間を伴い始めた
空間の奥には誰かがいた
私はその誰かを凝視した

それは
自分だった
私は自分を友とした

誰かが壁の外で
何かを叫んでいるような気がした
その声は次第に
大きく聞こえてくるようだった

壁の色彩は懐かしい音楽を伴い
損なわれた私の身体に
肉をつけてくれるようだった

壁が突然壊れる音がした
風が聞こえ 声が響いた
その声は「サイシンカイシケッテイ」と聞こえた

私の眼は すでに視力を失い
光をおぼろに感じただけだった

何か 固いものが舞い降りてきた

壊れた壁は
私の壁ではなかった

編集・削除(未編集)

真実を宿す詩人  荒木章太郎

月夜のしじまに
私人が訪問に来た

インターホン越しに
おおやけの話を聞かせてくれた
かつては公人だったらしい

俺は夕焼けの詩人だから
疑い深く、彼を家に招かなかった
録音されていることを承知で
互いに死人の話をした
理不尽で罪深き夕闇の話だ

明け方の話に至り
一つの物語が生まれた
それは真実だった

顔を合わせることなく
二人は別れた

俺はこの話を公表することを
頼まれはしなかった
距離は縮まらず
信頼は得られなかったのだろう

だが、俺の責任の元で
この物語を公表することにした

編集・削除(未編集)

オーブン  飴山瑛

クッキーを焼く朝
バターまみれの手
いつまでも来ない夜

チェリーを埋め込む
ひかる
目が乾く
火が
燃えている

いつまでも起きているから
どこまでも朝
佇んでいると
指の先から
そっと
透き通ってゆく
理由がないから

もう暫く
夢は見ていない
眠ると
真っ暗が
やってくる

黒い根は
背中を突き破り
そっと夜に
花を咲かせる
降り積もる花びらを
そっと口に運ぶと
現はわたしを離れ
しゃぼん玉は破れる

うちがわが
こぼれてゆくと
わたしは
世界になってしまう

ひとりをやめたから
さみしくない
でも
何も抱きしめられない

夜は朝と重なり
時がなくなってゆく

ちん、とオーブンが鳴る
うっすらと焦げた生地が
まだやわらかい

薄暗い部屋
電灯をつける

窓に
朝焼けがある

まだ眠らない夜を
傍らにして

編集・削除(未編集)

砂漠を見てから

高校生の一人息子が
毎日 自転車で帰ってくると
物置の戸をガラガラと開けて
自転車を中に入れる
息子が卒業して親元を離れ
夕方になっても
物置の戸がガラガラいわなくなったら
それが寂しくて
自分の人生のこれから先に何も見えず
ただ広漠たる砂漠しかなかった
何かをしていても
居ても立っても居られないような
不安感に襲われて
メンタルクリニックに駆け込んだ

処方された薬を服用して休んでいると
友達が心配して来てくれた
お茶を飲んで話していたら
「あなたが子育てが終わって
こんなふうになるなんてガッカリ。」と言われて
励ますつもりで言ったのかも知れないが
(そんな言葉を言うあなたにガッカリ)と思った

夫は 妻が一日のほとんどを
横になって過ごし 笑顔も見せない状態に
何も言わず見守って
それでも食事の支度も掃除も洗濯も
滞りなく行われていることに安心してか
毎日不規則なシフトの勤務をこなしていた
少し良くなった時 私が
「私は砂漠を見た。嘘でもいいから
大丈夫と言って欲しかった。」と
静かに訴えたら
「嘘は言えない」と答えた
正直な夫であるが
私はそれまでいつも家族に
「大丈夫、何とかなる、何とかする」と言って
口に出した事は実現できるように
頑張ってきたのに
夫にはそれが見えなかったのか
体調の優れぬ日々に
毎日欠かさず、家事を続けてきたのも
どれだけの工夫と努力が要ったか
夫にはわからなかったのか
私は努力の方向を間違えたのだろう

私の砂漠の向こうに
ラクダでも通らないだろうか
どこかにオアシスはないだろうか
昼間は何も見えなくても
砂漠の夜空は満天の星が見えるはず
いつかそれらを見るために
私は私を喜ばせる練習を始めることにした

編集・削除(未編集)

猫 月に走る  萩原趙也

猫 月に走る
路傍ひたひた
砂利を踏む

猫 星を眺む
風はびゆうびゆう
孤獨噛む

猫 闇を歩く
水はぽたぽた
枯寂響く

猫 黎を見ゆ
森はざわざわ
消閑は無く

猫 月に走る
猫 ねうと鳴く
猫 星に昇る

猫 月に進ず

編集・削除(編集済: 2024年11月20日 14:08)

★★追悼 谷川俊太郎さん、新川和江さん★★  島 秀生

8月10日に、新川和江さんが亡くなられたのに引き続き、昨日は谷川俊太郎さんの訃報のニュースでした。
戦後の現代詩を引っ張って下さるとともに、とりわけ民衆に現代時を浸透させて下さったお二人でした。
ご功績は数知れず。心より哀悼の意を表します。

編集・削除(編集済: 2024年11月20日 03:11)

あなたがいなくなった朝   晶子

あなたがいなくなった朝だって
それに気付かないくらい
世界は豊かだ
恋人達は目覚め
相手を思い
寒い朝も
ほんの少しだけ温かくなる
小学生は
好きな話が一つぐらい載ってる教科書をランドセルに入れて
通学路の足触りを確認している

どんなに遅くなっても
今年も季節は巡ってくれて
車のラジオからいつも通りの声が聞こえて
金色の落ち葉が舞っている

起きた途端に
今日の予定を考えても理由が思いつかない
重たい身体と心を抱えて
きっと昨日の何気ないことから来るのだろうと
自分を納得させて
朝のルーティンの中で
あなたの死去のニュースを知った
泣くこととは違うのかも知れないけれど
今日の強い風に
雲間から温かい陽射しが一瞬顔にさして
目のまわりが温かくなった

こんなに世界が豊かだから
あなたはやっと
言葉から解放されて
言葉の源に還っていった

あなたのいなくなった世界は
あなたのいてくれた世界だ

編集・削除(編集済: 2024年11月19日 15:25)

酒と後悔と男とワンカップ 喜太郎

泥と埃にまみれてる
安全靴と作業着に
マフラー代わりのタオルを巻いて
コンビニの前 座り込む
言い訳混じりの「とりあえず」
ワンカップの蓋 開けたなら
少し震える軍手で包み
その手が何だか笑えるよ
半分ほどを一気に呑めば
疲れた身体が情けなく
深く深いため息を
吐き出す息は酒の歌
徐に空を見上げれば
まだ夕刻なのに星の空
今度は何かを諦めて
心の奥からため息を
片膝に手を当てがえば
よっこらせっと立ち上がり
残った酒を一気に呑んで
鼻息 荒く酒の歌
片手に持ったコンビニ袋
今夜の飯とワンカップ
少しばかり温もる身体
誰も待たない部屋へと向かう
ただ生きていると言う勿れ
ただ生きていると言う勿れ
呪文のように唱えて歩き出す
ワンカップと飯を買う為に
身体に鞭打ち働いて
赤みを帯びた頬緩む
もう少ししたら賑やかな月
もう何十年も昔の記憶
セピア色の写真で浮かぶ
妻や子供とサンタクロース
たった一度の過ちが
たった一度の浮かれた馬鹿が
許されない裏切り馬鹿野郎
頭をよぎる後悔の念
男はただただ振り払うよう
頭を左右に何度も振って
やがて道の隅を歩きだす
街頭に照らされコマ送りのよう
映し出される後ろ姿は
今日も生きた男の背中
過去の過ちを背負う背中
償いさえ無い男の背中

編集・削除(未編集)
合計5324件 (投稿5324, 返信0)

ロケットBBS

Page Top